第23回基本計画策定・推進専門委員等会議 議事録

開催要領

日時:平成27年12月18日(金)午後4時00分~午後6時00分
場所:中央合同庁舎8号館8階 特別中会議室

出席者

「基本計画策定・推進専門委員等会議」
議長 椎橋 隆幸 中央大学大学院法務研究科教授
  瀬川 晃 同志社大学法学部教授
  中島 聡美 (国立研究開発法人)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
成人精神保健研究部犯罪被害者等支援研究室長
  飛鳥井 望 医療法人社団青山会青木病院副院長
  伊藤 冨士江 上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授
  川出 敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
  渡邉 保 犯罪被害者遺族
  安田 貴彦 内閣府犯罪被害者等施策推進室長
  村田 達哉 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官
(青少年環境整備担当)
  岩元 正一 警察庁生活安全局少年課理事官
  吉井 俊弥 総務省大臣官房企画課課長補佐
  高嶋 智光 法務省大臣官房審議官
  引田 英規 法務省刑事局付
  中野渡 守 法務省人権擁護局調査救済課補佐官
  泉 潤一 文部科学省生涯学習政策局青少年教育課長
  鈴木 義弘 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課課長補佐
  糸原 仁 国土交通省総合政策局政策課係長

議事次第

  1. 開会
  2. 児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく、被害児童保護施策に関する検証・評価
    (1) 犯罪被害者等施策推進会議における児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく検証
    ・評価等について
    (2) 児童買春・児童ポルノ事犯の現状
    (3) 第2次児童ポルノ排除総合対策の概要説明
    (4) 被害児童保護施策に関する関係省庁における取組状況
    (5) 自由討議
  3. その他
  4. 閉会

配布資料

資料1 児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく検証・評価について(案)
資料2 児童買春・児童ポルノ事犯の現状
資料3 第2次児童ポルノ排除総合対策
資料4 警察庁提出資料
資料5 法務省提出資料
資料6 厚生労働省提出資料
資料7 文部科学省提出資料
資料8 「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」の設置について

議事内容

  • 椎橋議長 本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございました。
     ただ今から、第23回「基本計画策定・推進専門委員等会議」を開催いたします。
     当会議では、昨年2月から新たな犯罪被害者等基本計画の策定に向けた検討を行ってきたところでございますが、本日は児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく、被害児童保護施策に関する検証・評価に向けた議論を行うということとしております。
     まずは、本日の議事及び配付資料について、事務局から説明をお願いします。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
     それでは、お手元の議事次第を御覧ください。
     ただ今議長のほうから御説明がありましたとおり、本日の議題は「児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく、被害児童保護施策に関する検証・評価」についてでございます。
     中心となりますのは、議事次第の2.の「(4)被害児童保護施策に関する関係省庁における取組状況」及び2.の「(5)自由討議」でございます。関係省庁から被害児童保護施策に関する取組状況を説明していただきまして、その後、構成員の皆様から関係省庁における取組状況に対して御意見や御要望をいただくなど、自由に討議していただくこととしております。
     資料としましては、資料1から資料8までをお配りさせていただいております。
     資料1は、児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく検証・評価の方針等に関する資料です。
     資料2は、児童買春・児童ポルノ事犯の現状に関する資料でございます。
     資料3は、番号が入っておりませんけれども、冊子になったもので、第二次児童ポルノ排除総合対策に関する資料でございます。
     資料4から資料7は、被害児童保護施策に関する関係省庁における取組状況に関する資料でございます。
     最後に資料8ですが、議事次第の「3.その他」のところで御説明させていただく予定ですが「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」の設置に関する資料でございます。
     以上です。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     引き続き事務局から、犯罪被害者等施策推進会議における児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく検証・評価の方針等について説明をいただきます。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。それでは、資料1を御覧ください。
     まず、犯罪被害者等施策推進会議において、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童保護施策の検証・評価を行う根拠を示しております。
     昨年7月の会議におきましても若干御説明をさせていただいておりますけれども、昨年6月、議員立法により児童買春・児童ポルノ禁止法が改正され、資料記載の第16条の2の規定が盛り込まれたことによります。
     なお、児童買春及び児童ポルノの定義につきましては法第2条で規定されておりまして、これら犯罪の被害に遭った児童の保護施策を検証・評価の対象とするものです。
     法改正を受けまして、事務局では社会保障審議会の事務局である厚生労働省の担当部局と検証・評価の進め方やその方法等について検討を行ってまいりました。
     法律では、検証・評価に当たっては、社会保障審議会と犯罪被害者等施策推進会議とが「相互に連携して」とされているところでございますが、この点につきましては事務局同士の相互連携、具体的には2のところにありますように、一方の会議体に他方の事務局がオブザーバーとして参加することとしております。したがいまして、本日、この関係の社会保障審議会の事務局となります厚生労働省の雇用均等・児童家庭局総務課の御担当者に御出席をいただいております。
     次に、犯罪被害者等施策推進会議における検証・評価の方法について御説明申し上げます。
     平成22年2月に犯罪被害者等施策推進会議で決定されました「基本計画策定・推進専門委員等会議の開催について」におきまして、基本計画策定・推進専門委員等会議は、推進会議の補佐機関として、犯罪被害者等のための施策の実施状況の検証・評価及び監視の補佐を行うとされております。
     この犯罪被害者等のための施策の中には、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策も含まれることから、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童保護施策に関する検証・評価の補佐も専門委員等会議の事務に含まれると考えられるところです。
     したがいまして、犯罪被害者等施策推進会議における児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく検証・評価については、まずは専門委員等会議におきまして御議論をいただき、これを推進会議に諮るという流れで行うことにしたいと考えております。
     続きまして、今後のスケジュールにつきまして、資料1の別添1に基づき御説明申し上げます。1枚おめくりください。
     本日、関係省庁から被害児童保護施策の取組状況について御説明をしていただき、これらにつきまして各構成員から御意見・御要望等をいただくなど、自由に討議していただくことを予定しております。
     構成員からいただいた御意見等に基づき、後日、事務局において被害児童保護施策に関する検証・評価の案を作成し、これを来年1月26日又は2月16日に開催を予定しております基本計画策定・推進専門委員等会議にお諮りし、検証・評価の案を確定していただきたいと考えております。
     その上で、3月に開催予定の犯罪被害者等施策推進会議において、児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく被害児童保護施策に関する検証・評価を決定していただくことを考えております。
     また、社会保障審議会における検証・評価の具体的な流れについては、後ほど厚生労働省から御説明をしていただくこととしております。
     なお、後ほど担当部局から御説明をいただきますけれども、政府が定める児童ポルノに係る総合対策として、平成25年5月、犯罪対策閣僚会議において決定された第二次児童ポルノ排除総合対策がございます。
     当時、この総合対策は今後3年間をめどとした対策として策定されておりまして、来年夏までには新たな総合対策が策定される予定です。このような状況も踏まえつつ、事務局といたしましては来年3月までに推進会議における検証・評価を行うこととしたところでございます。
     資料1にお戻りいただきまして、5でございます。「検証・評価の主たる対象期間」ですが、改正児童買春・児童ポルノ禁止法が施行された平成26年7月15日以降から平成27年末までに講じた施策を対象にすることを考えているところでございます。
     次に、検証・評価の方針について御説明いたします。
     児童買春・児童ポルノ禁止法第16条の2では「児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等」について検証及び評価を行うものとされております。
     また、各種総合対策や中長期計画等に盛り込まれている児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童保護施策につきましては、資料1の別添2のほうに記載されているようなものがあるところです。
     こちらを前提にいたしますと、被害児童保護施策につきましては、被害児童に対する保護活動、被害児童保護を行う者の資質の向上、被害児童保護施策に関する関係機関の連携協力体制の強化、被害児童保護に関する調査研究の推進の4項目に大別することができると考えております。
     そこで、検証・評価につきましては、この4項目ごとに実施し、最後に総括することを考えております。イメージといたしましては、個別施策ごとに検証・評価を行うのではなく、犯罪被害者等基本計画の実施状況の評価と同様に、大きな項目ごとに検証・評価を実施し、最後に総括するという形にしたいと考えております。
     なお、推進会議における検証・評価のほうが社会保障審議会における検証・評価よりも先行する可能性がございますが、推進会議は犯罪被害者等施策の観点から行うものでございまして、社会保障審議会は児童福祉の観点から行うものであることから、全く同一内容の検証・評価とする必要はないものと考えております。
     ただし、その内容におきまして大きなそごが生じることがないよう、事務局同士で連携しながら調整を図っていくこととしております。
     事務局からは以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ただ今の事務局からの説明に対して、御意見・御質問はございますでしょうか。
     よろしいですね。
     それでは、当会議における児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく検証・評価に当たっては、ただ今の事務局の説明のとおり進めたいと思います。
     次に、社会保障審議会の事務局である厚生労働省より、社会保障審議会における検証・評価の方法やそのスケジュールについて御説明をいただきたいと思います。
     厚労省の方、お願いいたします。
  • 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課課長補佐 それでは、御説明いたします。
     厚生労働省では、社会保障審議会の枠組みで検証するということから、犯罪被害者等施策等推進会議においては、犯罪被害者全般ということでございますけれども、社会保障審議会におきましては被害児童の保護施策を中心に行っていくということを考えております。
     全体の枠組みとしましては、今、御説明がありました4つの枠組みと同じような枠組みで厚労省関係、被害児童の保護関係も整理して進める方向で考えております。
     スケジュールのほうは、まだ確定してはおりませんけれども、社会保障審議会の児童部会の下に専門委員会等を設置して進めていこうと考えておりまして、年明けから始めまして、2回から3回、あるいは4回程度、議論を進めて、検証・評価を進めたいと思っております。
     以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ただ今の厚生労働省からの御説明に対して、質問等はございますか。
     それでは、次に児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策について、関係省庁から御説明をいただく前に、警察庁から児童買春・児童ポルノ事犯の現状について御説明をいただきたいと思います。
     警察庁の方、お願いいたします。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 警察庁でございます。警察庁から、児童買春事犯の現状と児童ポルノ事犯の現状について御説明させていただきます。お手元の資料2を御覧ください。
     資料2の1枚目になりますが「児童買春事犯の現状」でございます。こちらは主に平成26年中の年間のものと、平成27年上半期、これが最新の統計になりますが、それをメインに載せております。
     まず、平成26年中の状況でございます。平成26年中の児童買春事犯の検挙状況につきましては、検挙件数は661件、検挙人員は587人、被害児童数は466人となっております。
     また、この被害児童の内訳につきましては、真ん中ほどに円グラフがございますが、高校生が最も多くなっておりまして、全体の43%を占めております。
     検挙件数につきましては、上に検挙状況のグラフがございますけれども、平成14年に1,902件というものを記録しておりますが、これをピークに減少傾向にございまして、平成26年は平成14年と比べると65%減少しているという状況にございます。
     また、被害児童466人の被害原因についてですが、下のほうに「起因別」というものがございますが、これが内訳になります。出会い系サイトに起因して被害に遭った児童は74人で、全体の16%を占めております。また、コミュニティサイトに起因して被害に遭った児童は260人で、全体の56%を占めております。コミュニティサイトとは、SNSやプロフィールサイト等、サイト内で多人数とコミュニケーションをとることができるウエブサイトのうち出会い系サイトを除いたものをこのように呼んでおります。
     また、最新の平成27年上半期の状況でございますが、検挙件数は361件、検挙人員は314人、被害児童数は264人となっておりまして、年間の統計でいきますと減少傾向にあるというふうに先ほど申し上げましたが、これらはいずれも平成26年の上半期のものと比べると増加しております。
     それで、被害児童の内訳といたしましては、平成26年中と同じく、高校生が最も多く、全体の48%を占めております。
     また、被害児童264人の被害原因については、出会い系サイトに起因したものが21人で、全体の8%を占め、コミュニティサイトに起因したものが184人で、全体の70%を占めております。
     出会い系サイトに起因する被害につきましては、平成20年にいわゆる出会い系サイト規制法が改正されまして、届出制の導入により事業者の実態把握が促進されたことや、事業者の被害防止措置が義務化されたこと等により減少傾向にあると考えられます。
     続きまして、2枚目になります。「児童ポルノ事犯の現状」について御説明いたします。
     まず検挙状況につきましては、平成26年中は検挙件数が1,828件、検挙人員は1,380人、被害児童数は746人となっており、いずれも統計を取り始めた平成12年以降で最多となっております。
     被害児童の内訳につきましては、高校生が最も多く、全体の40%を占めております。
     新たな被害児童を生むことになる製造事犯、これは児童ポルノを製造したことにより罰せられるものですが、これは909件で、全体の50%を占めております。これも過去最多となっております。
     児童ポルノ事犯の被害児童746人のうち39%が自画撮りという形態により児童ポルノを製造されております。これは製造形態のうちで最多となっておりますが、この自画撮りというものにつきましては、イメージとしては、例えば男のほうからだましたり、あと、脅したりして、児童に自分の裸の写真を撮影させた上でメール等により送らせる形態のものをいいます。
     また、小学生以下の被害児童の約7割が強姦や強制わいせつの手段により児童ポルノを製造されているという状況にあります。
     平成27年上半期になりますが、検挙件数は831件で、検挙人員は659人、被害児童数は383人となっておりまして、これも上半期の統計では過去最多となっております。
     被害児童の内訳といたしましては、中学生が最も多く、41%で、高校生は40%ということですので、余り大差のない数字になっております。
     今年上半期の傾向といたしましては、いわゆるファイル共有ソフトを使ってデータを共有するような、我々はファイル共有ソフト利用事犯と呼んでおりまして、検挙状況のグラフの中でも、グラフの下の表の中に数字が計上されておりますけれども、これが減少する一方で、新たな被害児童を生む製造事犯が増加しております。また、被害児童の41%が自画撮り形態により児童ポルノを製造されておりまして、自画撮り形態の次に多いのが児童買春やいわゆる青少年保護育成条例で規定されている淫行行為となっております。
     また、小学生以下の被害児童の約5割が強姦・強制わいせつの手段によって児童ポルノを製造されております。
     なお、児童ポルノ事犯におきましては、検挙件数、検挙人員と比べると被害児童の数が少なくなっておりますが、これは決して被害に遭っている児童が少ないわけではございませんで、飽くまで児童ポルノ事犯の中で事件として進める中において被害者を特定できた場合に被害児童としてカウントされておりまして、事件として検挙したものでも、児童が特定されなかったものについては、この中に含まれておりませんので、御承知おきいただきたいと思います。
     警察庁からは以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ただ今の警察庁からの説明に対して、質問等はございますでしょうか。
     よろしいですか。
     それでは、次に進ませていただきますが、先ほど事務局からの説明の中に、第二次児童ポルノ排除総合対策というものがございました。この概要について、内閣府の担当部局より説明をいただきたいと思います。
     お願いいたします。
  • 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(青少年環境整備担当) 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官で、青少年環境整備を担当しております村田でございます。私から、第二次児童ポルノ排除総合対策の概要について御説明申し上げます。資料3として、第二次児童ポルノ排除総合対策の冊子をお配りしておりますので、御覧いただきたいと思います。
     まず、政府における児童ポルノ排除総合対策の経緯について御説明いたします。
     政府におきましては、年々増加する児童ポルノによる被害を防止し、犯罪から児童を守るために、平成21年12月に犯罪対策閣僚会議の下に、内閣府副大臣を議長とする、児童ポルノ排除対策ワーキングチームを設置し、翌平成22年7月に政府における取組を取りまとめた第一次児童ポルノ排除総合対策を決定いたしました。
     その後、関係省庁と民間団体で構成する、児童ポルノ排除対策推進協議会が設置されたり、シンポジウムを通じた国民運動が推進されたほか、民間による自主的な取組として、インターネット上の児童ポルノ画像のブロッキングが開始される等の取組が行われ、一定の成果が見られておるところでございます。
     現在は、お手元にございます平成25年5月に策定された第二次児童ポルノ排除総合対策に基づき、各府省庁が児童ポルノ排除に向けて取組を推進しているところでございます。
     第二次児童ポルノ排除総合対策の内容でございますけれども、お開きいただいて、目次のところになりますが、6つの柱で「1 児童ポルノの排除に向けた国民運動の推進」「2 被害防止対策の推進」「3 インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の推進」「4 被害児童の早期発見及び支援活動の推進」「5 児童ポルノ事犯の取締りの強化」「6 諸外国との協力体制の構築と国際連携の強化等」ということで整理をしておりまして、各省庁がそれぞれ具体的な取組を進めておるところでございます。
     本日の会議に関係あるところといたしましては7ページのところで、資料1の別添にも、同じものが抜粋されておりますけれども、この冊子で言いますと7ページの「4 被害児童の早期発見及び支援活動の推進」のところになると思われます。
     警察庁、法務省、厚生労働省、文部科学省で担当する施策として掲げられておりますけれども、例えば「(1) 早期発見・支援活動」の中の「3 被害児童に対する継続的支援の実施」、457もそうだと思いますが、カウンセリング態勢や相談体制の充実。それから(2)といたしまして、被害児童の支援に当たる各担当職員の能力向上等の施策が盛り込まれているところでございます。具体的には、後ほど各省庁のほうから御説明がなされるものと思います。
     また、先ほど事務局のほうから御説明がありましたとおり、昨年6月には議員立法による、いわゆる児童ポルノ禁止法が改正されまして、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノ所持等についての罰則が新設されたほか、社会保障審議会及び当会議において、心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証・評価を行う旨の規定が設けられるなど、児童ポルノの排除に向けた取組の強化がまとめられているところでございます。
     現行の第二次児童ポルノ排除総合対策につきましては、先ほど事務局のほうからも御案内がございましたとおり、3年間をめどに見直すこととされておりまして、来年の夏をめどに第三次の総合対策を策定する方向で検討しているところでございます。
     先に申し上げました法改正を受けた取組等について新たに盛り込んだ上で、児童ポルノの排除に向けた取組をより強力に推進することとしておりますので、引き続き皆様方におかれましても特段の御理解・御協力をよろしくお願い申し上げるところでございます。
     第二次児童ポルノ排除総合対策の概要については以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     それでは、続きまして、2.の(4)の、関係省庁における被害児童保護施策に関する取組状況について各省庁からまず御説明をいただいて、その後、自由討議ということにしたいと思います。
     初めに、警察庁から御説明をお願いしたいと思います。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 警察庁でございます。資料に基づきまして説明させていただきます。お手元の配布資料になりますが、資料4が警察庁の提出した資料でございます。  初めに、被害児童に対する保護活動として、推進している6つの施策について説明させていただきます。
     資料の1ページ、番号【1】の「少年補導・少年相談を通じた被害児童の早期発見・早期保護」につきましては、街頭での積極的な声掛けや補導又は少年相談受理時におけます専門職員等による適切な対応等により、児童買春・児童ポルノ事犯による被害の未然防止及び被害児童の早期発見・早期保護を推進しております。
     平成26年中は73万1,174人を補導しておりまして、そのうち児童買春の相手方になるなど不健全性的行為を行った児童1,302人を補導しております。また、少年相談については6万3,770件を受理しているところであります。
     続いて、15ページになります。番号【2】の「サイバー補導による被害児童の早期発見・保護の推進」について説明させていただきます。児童が援助交際を求める等のインターネット上の不適切な書き込みをサイバーパトロールによって発見し、書き込みを行った児童と接触して直接注意や指導を行い、児童買春・児童ポルノ事犯の被害児童の早期発見・保護を推進しているものであります。
     平成26年中は501人の少年を補導しておりまして、このうち439人が児童ポルノや児童買春でいうところの児童に当たる18歳未満の方になっております。
     背景や概要につきましては、資料としてお配りしております、16ページの「インターネットに起因する犯罪から児童を保護するためのサイバー補導の推進」を御確認ください。
     続きまして、17ページになります。番号【3】の「少年補導職員等による被害児童に対する継続的な支援の実施」についてです。被害児童の精神的打撃の軽減を図るため、少年の特性・心理に関する知識やカウンセリングに関する技能等を有する少年補導職員等により、個々の被害児童の特質に応じたカウンセリングの実施や、家庭、学校、児童相談所等と連携した環境調整等を行うなど、継続的な支援を実施しているところであります。  概要につきましては、18ページの「被害児童の支援」を御確認ください。
     続いて、19ページになります。番号【4】の「カウンセリングアドバイザーの委嘱」についてです。これは被害児童支援の担当職員が心理学等の専門家からアドバイスを受けることができるよう臨床心理士、大学教授、精神科医等の専門家を被害少年カウンセリングアドバイザーに委嘱し、支援を担当する職員が専門的な助言を受けることができるようにしているものであります。
     平成27年度は、全国の都道府県警察におきまして、118名の専門家の方を被害少年カウンセリングアドバイザーに委嘱しております。
     続いて、20ページになります。番号【5】の「少年相談への適切な対応」についてです。少年や保護者等からの悩みや困りごとの相談に応じ、心理学や教育学の専門知識を有する職員や少年非行の取扱い経験の豊富な職員が、親身に指導・助言を行っているものであります。面接のほか、気軽に相談できるように「ヤングテレホンコーナー」等の名称でフリーダイヤルの電話や電子メールでも相談に応じているところであります。
     これについては、資料でいうと、3ページのところに戻りますけれども、警察庁で作成しております「少年からのシグナル」をご確認ください。児童買春・児童ポルノ事犯の被害事例について、こちらは資料でいうところの8ページ、また、この「少年からのシグナル」のページでいいますと5ページのところになりますが、そこに事例が掲載されております。
     また、資料の14ページ、「少年からのシグナル」の最後のページに各都道府県警察の相談窓口が掲載されておりまして、このような冊子を非行防止教室等で活用することにより周知を図っているものであります。
     また、少年や保護者等の心情に配慮して、警察施設以外の場所に各都道府県警察の少年サポートセンターというものを設置しております。これについては、次の21ページの番号【6】の「児童相談所との緊密な連携」とも関係するところでありますが、都道府県警察の中には、関係機関との緊密な連携という観点から、児童相談所と同一の施設内に設置して、被害児童の早期発見や継続支援に効果を上げているところもあります。
     続いて、今、若干触れましたけれども、21ページの番号【6】の「児童相談所との緊密な連携」についてです。児童買春や児童ポルノ事犯の被害に関する情報を入手した場合は、警察は捜査機関でありますので厳正な捜査を行っているのですが、これとは別に、児童相談所等と緊密に連携して被害児童の保護・支援を推進しております。
     続きまして、被害児童保護を行う者の資質の向上として推進している3つの施策について説明いたします。
     資料でいいますと、22ページの番号【7】の「各種会議・研修における職員に対する意識啓発の実施」、23ページの番号【8】の「被害児童の心情に配意した聴取技法の普及」、24ページの番号【9】の「被害児童支援担当者への教養の充実」になります。
     これらにつきましては、全国少年警察担当課長会議等の各種会議や都道府県警察の被害児童支援担当者等を対象といたしました少年保護対策専科等の各種研修会におきまして、児童買春・児童ポルノ事犯の被害児童の早期発見・保護に努めるよう指示するとともに、職員に対して意識の啓発を行っているところであります。
     また、各種研修会においては、被害児童の心情や特性を理解し、二次被害の防止に配意しつつ、被害児童から得られる供述の証拠能力及び証明力を確保する聴取技法やカウンセリングの実施方法、また、事案発生時の的確な対処方法、被害からの立ち直り支援方策等について教養を行っているところであります。
     次に、被害児童保護に関する関係機関の連携協力体制の強化として推進しております2つの施策について説明いたします。
     これにつきましては、先ほど説明いたしました17ページの番号【3】の「少年補導職員等による被害児童に対する継続的な支援の実施」と21ページの番号【6】の「児童相談所との緊密な連携」により関係機関との連携を図っているところであります。
     児童ポルノ事犯の場合は、児童虐待の一形態である性的虐待に関係する場合がありますので、児童相談所との平素からの連携に努めておりまして、具体的には児童相談所への警察OBの配置等、人事交流を進めております。これにより、警察実務の経験が児童相談所の業務に生かされるとともに、児童の安全確保に向けた警察と児童相談所との相互理解や円滑な連携を図っているところであります。
     このほか、被害児童保護に関する調査研究の推進として、平成26年度から平成28年度までの3か年で、25ページの番号【10】の「被害児童の特性に配意した聴取技法に関する研究」を行っているところであります。
     被害児童からの聴取技法につきましては、一応の整理を行って、既に普及が図られているところなのですが、暗示を受けやすい児童については供述が変遷する場合もございますので、被暗示性が高い児童を見抜くための聴取法について、基礎的なサンプリング調査による情報収集を行っているところであります。
     続いて、効果的な保護事例について御説明いたします。これについては、資料2の3枚目のところに平成26年中と平成27年上半期のものが掲載されております。
     まず「1 児童買春事犯」の保護事例について説明させていただきます。
     1つ目は滋賀県警察の事例になりますが、サイバー補導を端緒とした被害児童の保護についてです。これはインターネット上の掲示板に不適切な書き込みをした女子高校生をサイバー補導し、事情聴取した結果、知人の男性等から売春を強要されていることが判明したものでありまして、女子高校生に対して、滋賀県警察の少年補導職員がカウンセリングを行うとともに、児童相談所への一時保護など、他機関と連携した支援を実施いたしました。これにより、女子高校生はサイバー補導を実施したときと比べて表情が穏やかになり、落ち着きを取り戻すことができました。
     2つ目は静岡県警察の事例になりますが、家族、学校、児童相談所と連携した被害児童の保護の事例です。これは援助交際をしていた女子中学生に対して、静岡県警察の少年警察補導員が、学校、児童相談所と連携して、定期的な面接や家庭連絡等の支援を行いました。その結果、女子中学生と両親との関係が改善し、学校での生活も落ち着き、高校にも合格することができたというものであります。
     この女子中学生が卒業前に少年サポートセンター宛てに作成した絵画には「今までありがとうございました。たくさんお世話になり、迷惑をかけたことを反省しています。すみませんでした。私は無事に高校を合格したので、もうすぐ高校生になります。高校に行っても頑張ります。ありがとうございました」という感謝の言葉がつづられておりました。また母親も「たくさんの問題を起こし、一時はどうなるかと不安でしたが、周りの人々の力を借りてやっとやり直せました。今後も娘を見守っていきたい」と述べるなど、母子ともに支援できた事例であります。
     続いて「2 児童ポルノ事犯」の保護事例になります。
     1つ目は京都府警察の事例であります。家族、学校等と連携した被害児童の保護の事例についてです。強姦及び児童ポルノ製造による被害を受けた女子小学生に対して、家族と連携して支援を行ったものであります。学校に対しては立ち直り支援を要請するとともに、居住地を管轄する県警察との情報共有を図り、支援体制を確保しました。また被疑者の男が保有する児童ポルノ画像を早期に削除させ、児童ポルノ画像の拡散を防止いたしました。女子小学生は落ち着きを取り戻し、中学へ進学した後は勉強やクラブ活動を頑張っているということであります。
     ここで、この少女と母親から警察に対して手紙が寄せられておりますので、その中身の一部を紹介させていただきます。「刑事さんとかお母さんが私の支えでした。今は部活で忙しく、日々、楽しく部活を頑張っています」というものであります。母親からは「たくさんつらい思いもしましたが、今は中学生になって、毎日、勉強と部活を頑張っています。『何かあったら、いつでも何でも言ってください』と刑事さんが言ってくれたことがとてもありがたかったし、心強かったです。誰にも話ができなかっただけに、余計にそのように思いました。本当にありがとうございます」という内容がつづられておりました。
     2つ目が広島県警察の事例であります。これは画像の拡散防止と被害者支援センターと連携した被害児童の保護についてです。これはコミュニティサイトで知り合った男に、自分の裸の画像を送信したことで、男から「この画像を流出させる」と脅迫された上、強姦・強制わいせつの被害を受けた女子高校生の事例でありまして、この女子高校生に対して、広島県警察の被害者支援カウンセラーがカウンセリングを実施するとともに、公益社団法人であります広島被害者支援センターと連携して、病院への付添い等の支援を行いました。女子高校生を被写体とした児童ポルノ画像については、男のパソコンを解析した結果、流出させた痕跡がないことを確認した上で、早期に削除させ事後の拡散を防止いたしました。また、被害児童は精神的にも落ち着きを取り戻すことができたというふうに報告を受けているところであります。
     警察庁の取組状況については以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     続きまして、法務省の取組について御説明をお願いいたします。
  • 法務省大臣官房審議官 法務省でございます。お手元の資料5を御覧ください。法務省提出資料の番号【1】から番号【6】までございます。
     番号【1】から番号【4】までは、性的被害を受けた被害児童が人権擁護機関に対していろいろ相談する、そういう相談方法について整理しているものでございます。
     3枚ほどめくっていただきますと、横書きで「子どもの人権問題に係る主な人権相談体制」というポンチ絵がございますので、そちらに全部まとめてございますので、そちらを御覧ください。
     まず1つは、全国の常設・特設相談所であります。これは法務局・地方法務局及びその支局だけではなく、特設人権相談所として市町村役場等にも随時開設しているところでございます。
     それから、子どもの人権110番というものがございまして、フリーダイヤルを設置しているところでございます。
     それから、3番目に子どもの人権SOSミニレターというものがございまして、これは全国の小中学校の児童・生徒に、便箋兼封筒付きのミニレターを配布しておりまして、これに対して投函があった場合には、一人一人に対して人権擁護機関の職員が返事を書いている取組をしているところでございます。
     4番目に、インターネット人権相談。これはいつでもメールで相談することができるようになっております。これも職員が一つ一つ対応しているところでございます。
     次に、番号【5】でございます。これは関係機関の連携協力体制の強化に係るところでございますが、いわゆる司法面接に関連する部分でございます。被害児童、特に性的被害を受けた児童につきましては、何度も捜査機関等において取調べ等を受けるのは精神的に大きな負担になることから、関係機関が協議して、誰がどこのタイミングで話を聞くかということについて対応方針を検討し、運用していきましょうということになっております。
     1枚めくっていただきますと、平成27年10月28日。これは出したばかりでありますが、最高検察庁から。それから、これに歩調を合わせて、1枚めくっていただきますと、警察庁さんからも同じ日付で。また、2枚ほどめくっていただきますと、厚労省さんのほうからも同じ日付で、この連携をしっかりやっていきましょう。こういう通達を出しているところでございます。もちろん、全件について必ずやりましょうということではなくて、事案に応じて、その都度、適切な事情聴取のやり方を工夫することにしましょうということでございます。
     最後は番号【6】、これは被害児童に対する保護活動に分類しているものでございますが、刑事事件になるような場合は、それが証拠として法廷に提出される場合がございます。ただ、そうなりますと弁護人にその証拠を開示し、あるいは被告人の手にわたるという問題もございます。あるいは法廷で名前が読み上げられたりする可能性も出てきますので、そういうことのないようにいろいろな法的な方法を駆使して、被害者の氏名、住所、電話番号、特定されるようなものはできるだけ知られないような手段を講じる。これはマスキングという方法をとったりもするのですけれども、そういう方法をしたり、あるいは法廷にどうしても出なくてはいけないような場合でも、被害者の姿が傍聴人や被告人から見えないような遮蔽をしたり、あるいは別室において尋問を受け、それをビデオで法廷につなぐというビデオリンク方式の証人尋問。こういうものが法律の手段として措置してございます。こういうものをできるだけ活用しようということで、この周知徹底を努めているところでございます。
     法務省からは以上です。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     続きまして、文部科学省の取組について御説明をお願いいたします。
  • 文部科学省生涯学習政策局青少年教育課長 では、文部科学省のほうから資料7で説明をさせていただきます。
     1枚めくりまして2ページ目ですが、番号【1】で、被害児童に対する保護活動と、被害児童保護に関する関係機関の連携協力体制の強化に相当しますものとして、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの事業を挙げてございます。この2ページ目の【取組の詳細】のところにございますように、スクールカウンセラーの配置のため、配置校が平成26年度は2万2,013校、平成27年度配置校数は、計画値でございますが、2万2,373校ございます。スクールソーシャルワーカーにつきましては、教育分野に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識・技術を有する者ということになりますが、平成26年度配置人数が1,186名、平成27年度は2,247名。これは計画値でございます。
     スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの配置状況等は、その次の資料等にございますので、後ほど御覧いただければと思います。
     次に、そのまま資料をめくっていっていただきまして、資料の6ページ目でございますが、被害児童保護を行う者の資質の向上に相当するものとして、教職員等を対象としたシンポジウムを開催いたしました。これは人数としては27年度に291名の参加でございましたが、日常や危機発生時におけます健康観察、あるいは心のケアに関する組織的な体制の必要性につきまして啓発するためのシンポジウムを行ったというものでございます。
     関係資料は、その後ろのページに付いておりますので、御覧ください。
     3つ目で、12ページ目になりますが、やはりこれも被害児童保護を行う者の資質の向上に該当するものでございますが、児童ポルノを含めました児童虐待への学校の対応についての解説を盛り込みました生徒指導に関する学校・教員向けの基本書の作成・周知をしております。これは児童買春・児童ポルノということだけではなくて、様々な課題があるわけですけれども、そうした児童虐待防止という文脈の中で児童ポルノに関しても扱っているものでございます。こうした策を講じさせていただいているということでございます。
     以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     続きまして、厚生労働省の取組について御説明をお願いいたします。
  • 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課課長補佐 それでは、御説明いたします。
     1枚おめくりいただきまして、番号【1】でございます。こちらには被害児童の保護に関する活動につきまして3つの事業を整理しております。1点目が、児童相談所における適切な支援。その次が、児童家庭支援センターにおける被害児童への支援。3点目が、児童養護施設等に心理療法担当職員を配置して心理療法を行うという事業でございます。
     細かくは、その次の【取組の詳細】を御覧ください。全国に児童相談所が208か所ございまして、それらにおきまして、被害児童等から相談とか、警察から通報があった場合等でしょうけれども、それらについて性的虐待や児童ポルノ事犯において心身に有害な被害を受けたお子さんについて、相談・援助、一時保護、あるいは必要であれば病院等へのあっせん、生活の立て直しが必要な場合については児童福祉施設等に入所するという措置を実施しまして、お子さんの保護あるいは支援、回復を図っているというものでございます。
     2つ目のポツで、児童相談所でこういった支援をするわけですけれども、そこに勤務される方々の質の向上を図るために、専門性向上のための研修を実施するということが2点目です。
     次の○でございますけれども、児童家庭支援センター。皆さん、余り児童家庭支援センターというものは聞き慣れないかもしれませんが、その下に※で小さく書いております。児童家庭支援センターは、児童相談所を補完する役割を担う拠点として、全国で104か所ございます。こちらでは、地域の子育て家庭に対しまして、児童虐待とか専門的な支援が必要な方々、そういったお子さんに専門性の高い支援を行う事業を実施しておりまして、被害児童につきましても支援を実施しているところでございます。
     3つ目の○で、児童養護施設等における心理療法担当職員の配置でございます。こちらでは全国の乳児院とか児童養護施設、母子生活支援施設、あとは児童自立支援施設に心理療法担当職員を配置しまして、ここにそれぞれ配置数が出ていますけれども、全国でこれらの施設は1,039ございまして、そのうち805の施設が心理療法担当職員を配置しております。心理療法担当職員につきましては、心理療法が必要なお子さん10人に対して1人を配置するという配置基準を持って配置を行っております。こういった心身に被害を受けている方々への適切な支援を実施するため、心理療法担当職員を配置しまして、適切な支援を行っていくということでございます。
     1枚おめくりいただきまして、番号【2】でございます。こちらでは被害児童の保護を行う者の資質の向上でございます。
     【取組の詳細】で、1つ目のポツにつきましては、先ほど御紹介しました児童相談所で勤務される方々の資質の向上に関するものを再掲しております。
     その下でございますけれども、子どもの虹情報研修センターというものがございます。こちらも下に※で書いておりますが、児童虐待問題とか非行問題等の思春期の問題につきまして、研修や研究等を通じ、児童相談所、市町村担当職員の専門性を向上させるという機関でございます。
     こちらは平成13年に設置しまして、これ自体は社会福祉法人が実施しているのですけれども、国のほうで研修について補助を出しまして、ナショナルセンター的な位置付けを持っている研修施設でございます。こちらにおきまして、繰り返しになりますけれども、児童相談所とか市町村の虐待対応に関わる職員に対して研修を行って、毎年2,000人ぐらいが参加して研修を受けてスキルを上げているというものでございます。
     平成27年度は、特にテーマ別研修としまして「児童虐待と性の問題」を取り上げまして実施しているところでございます。
     1枚おめくりいただきまして、番号【3】でございます。こちらでは関係機関の連携協力体制について3つの事業を整理しております。1つが、医療機関等との連携。2つ目が、要保護児童対策地域協議会の機能強化。3点目が、性暴力被害者への支援に関わる様々な機関の実践を基にした研修の実施でございます。
     【取組の詳細】になりますけれども、医療機関等専門機関との連携で、虐待を受けたお子さんが深刻な身体的・精神的問題を抱えている事例について、刑事事件として司法の関与が必要となる事例等につきまして、児童相談所等が医療機関や弁護士さん等から助言を受けて、より専門性の高い支援を行うというものを支援しております。
     2点目でございます。2点目は要保護児童対策地域協議会の機能強化で、要保護児童対策地域協議会は地域の児童相談所、市町村、児童福祉施設、学校、警察等の関係者が一堂に会しまして、市町村に設置される協議会でそれぞれが連携、情報を共有してお子さんの支援に当たる機関であり、要保護児童対策地域協議会において適切な情報交換・情報共有を支援しているというものでございます。
     3つ目の○は、先ほども申し上げました子どもの虹情報研修センターのお話になります。
     次の5ページで、番号【4】でございます。こちらでは調査研究の内容を示しております。
     【取組の詳細】に移りますけれども、今年度、児童相談所における児童買春・児童ポルノ被害の対応状況につきまして具体的な調査研究を進めるということで公募によりまして、特定非営利法人の人身取引被害者サポートセンターライトハウスさんにおいて、現在、調査研究を行っているところでございます。
     参考資料を幾つか付けていますので、概要を御説明いたします。
     6ページになります。こちらは児童虐待・DV対策の統合補助金として整理しているもので、厚生労働省の施策はほとんどが都道府県及び市町村に実施していただくものになっていますので、こういった形で各自治体に対して財政的支援を行っているもので、統合補助金としまして各自治体が主体的かつ弾力的に事業が行えるようにメニューをお示ししまして事業を行っているところでございます。
     その下に、次に「2.対象事業」が、7ページまで含めまして(1)から(12)までございます。今日御説明しました事業としまして対象になるのは「(1)児童虐待防止対策支援事業」でしたり「(3)児童家庭支援センター運営等事業」がこれに当たります。
     資料の9ページ目以降に、さらに細かい事業を整理しておりまして、少し細かいので、説明は割愛させていただきますけれども、またそれぞれ児童虐待に限らず、児童買春・児童ポルノ、虐待とか様々、子供に関わる問題について、これらの予算を通じて支援をしているところでございます。
     最後に、16ページでございます。こちらが先ほど調査研究をしていると申し上げましたものの概要でございます。
     背景・目的としましては、昨年7月15日に施行されました改正法に基づいて事業を進めるわけでございますけれども、最後の「そのため」以降でございますが、児童相談所における児童買春・児童ポルノ被害児童への対応実態を把握して、より効果的な支援の在り方を研究するというものを目的としております。
     その手法としまして、質問紙調査とヒアリング調査を実施しているところでございまして、質問紙調査で現在行われている被害児童に対する支援方法とか体制について現状を把握し、さらにその上でヒアリング調査を行いまして、どのような支援方法・支援体制が有効かというものを見ていこうというもので、その結果としましては、その支援方法をまとめまして、提言を得るということを目的として事業を行っている次第でございます。
     御説明は以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     それでは、ただ今の関係省庁からの取組状況の御説明を踏まえまして、被害児童保護施策について議論したいと思います。御意見・御質問等がありましたら、どなたからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。  飛鳥井構成員、どうぞ。
  • 飛鳥井構成員 ありがとうございました。かなり多方面にわたっていろいろ取組がされているということが理解できました。
     1つお聞きしたいのは、最後に厚労省のほうから調査研究ということで、いろいろ今後の対策に向けた研究がされていますけれども、もう一つは警察庁の御発表でも、被害児童の大半は中学生・高校生ということで、8割ということで、買春事犯で600人ぐらい、ポルノ事犯で400人ぐらいということなのですが、その調査研究というものはやはりほとんど女の子だと思うのですけれども、この子たちの、ちょうど思春期以降の性化行動とか性的逸脱等がかぶっていると思うのですが、その子たちの心理特性に関する調査研究といいますか、どういう心理特性を持っている子たちなのか。
     それから、先ほどやはり年長者から弱みを握られて、そのままずるずるとノーと言えなくてといった子供たちもいますし、もうちょっと積極的に性的非行に走っている子もいると思うのですけれども、対策を立てるときに、被害を受けた子供たちの心理特性に関する調査研究というものは何かこれまでもされたか、あるいは今後、何かお考えになっているところはありますか。
  • 椎橋議長 警察庁のほうからお願いします。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 警察庁でございます。
     残念ながら、今までも実施しておりませんし、今のところ実施する予定もございません。
  • 飛鳥井構成員 先ほどうまくいった例も報告していただいて、お聞きしていますと、やはり非常に相談行動とか自分からの援助希求行動を発信できた子はうまくいっているような気がするのですけれども、ただ、そういうことが発信できない子はずるずると深みにはまっているということなので、もしも何かそういう背景にある、その子たちの特性みたいなものがもうちょっと分かると対策が少し立てやすいかなと感じました。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 今後の施策の参考にさせていただきます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     厚労省のほうはいかがでしょうか。
  • 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課課長補佐 お答えいたします。
     厚生労働省関係は、どちらかといいますと、家庭も含めた問題があるお子さんが中心の保護施策なものですから、児童買春に至る子どもの心理状態についてつまびらかには承知していないのですけれども、厚労省関係の調査研究は様々あるので、恐らくそれぞれの性的虐待・性的被害があったお子さんも、調査研究の中にはそういうものが含まれていると思います。
     そういったものを踏まえて、現在様々な研修が行われていると思いますので、もう少しそういう点が明らかになればと思いますけれども、現在のところはそこにフォーカスしたものではございません。
  • 椎橋議長 ただ今の件について、あるいは他のことでも結構ですが、中島構成員どうぞ。
  • 中島構成員 今の飛鳥井構成員のことに少し関係があるのですけれども、警察庁のほうから児童買春事犯及び児童ポルノ事犯の現状について御報告いただきましたが、成人の性暴力被害に関しても訴える率が非常に低い。5%から10%という報告があって、多分、これも警察が把握できた件数は氷山の一角なのではないかと思われるのですが、推計的にどれぐらい潜在数がありそうかとか、そういうことは警察庁あるいは法務省等でお分かりでしょうか。
  • 椎橋議長 警察庁が一番近いでしょうか。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 警察庁でございます。
     飽くまで事件として取り扱ったものについては数は分かるのですけれども、暗数について調査したものは、警察庁にはございません。
  • 法務省大臣官房審議官 法務省も、警察から送致を受けたところからしか統計がございませんので、暗数についてお答えできる統計はございません。
  • 椎橋議長 なかなか暗数を把握するというのは難しいですね。諸外国の研究等にそういうものを推計したものはあるようですけれども、日本でなかなかその種の調査研究というものは、はっきりとした具体的な数で出しているものはございますか。余り見たことがない気がするのです。ともかく、把握するのは難しいことは難しいです。
     そのあたりの研究もしたほうがいいという御意見ですか。
  • 中島構成員 子供に聞くのは難しいので、暗数調査というものは難しいだろうと思うのですが、何らかの実態の把握があったらいいだろうと思います。これは引き続き文科省への質問です。被害児童への対応としてスクールカウンセラー等、あるいは教職員への研修というものは非常に重要なことであると思いますが、警察庁のデータからも分かるように、結局、SNS等の利用が多いわけです。子供たちに対して予防の一環として、メディアリテラシーの教育の中にこういった児童ポルノ等の予防教育、あるいはそういう目に遭った場合にどのようなところに御相談できるかという、早期発見・予防等につながるような施策等もされていましたら教えていただければと思います。
  • 椎橋議長 文科省の方、いかがでしょうか。
  • 文部科学省生涯学習政策局青少年教育課長 私ども、特にインターネットあるいはSNSを介して被害を受ける児童が多いという状況に基づきまして、ネットモラル教育の一環といたしまして、こうした写真を送るとか、そういった被害が起きないようにということで、子供たちに対して直接、ポスターを作成して訴え掛ける、あるいはリーフレットを作成して配布するといった施策を講じさせていただいております。そのほか、学習指導要領の中でもネットモラル教育を推進するということがうたわれておりまして、各学校においてそれぞれの対策がとられているかと思います。
     やはり近年ではインターネットとの関係ということが非常に問題になっておりますので、各学校でも個別の集会等で外部から専門の方を招いて啓発するといったことがそれぞれ行われていると考えております。それは生徒だけではなくて、保護者に対してもPTAの取組として行われている場合もあるというふうに承知しております。
  • 椎橋議長 ありがとうございます。
     ほかにいかがでしょうか。
     川出構成員、どうぞ。
  • 川出構成員 警察庁と法務省に、施策の中身についてもう少し詳しく伺いたいと思います。
     まず、警察庁については、21ページの番号【6】の「児童相談所との緊密な連携」の部分ですが、警察では、例えば少年サポートセンターで補導職員の方が被害少年に対応されているわけですね。そのうえで、児童相談所と連携するという場合に、その間の役割分担はどのような感じになっているのでしょうか。事案によっては、警察限りの対応で終えるものもあるように思いますので、どのような事案で、どのような連携を行っているのか、緊密な連携ということの具体的な中身をもう少し教えていただけませんでしょうか。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 手元に具体的な連携の個別の事例は持ち合わせておりませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、児童相談所と同じ場所に少年サポートセンターを置いて緊密に情報交換をして、例えば1人の児童であっても警察のほうで対応できる部分と、あと、やはりいろいろ法律上、児童相談所のほうで対応していかなければいけない部分がございますので、そこは被害児童を立ち直らせるという観点から、個々具体的な事例に即して対応しているところであります。
     例えば警察のほうで対応したような事案であっても、親御さんがある程度しっかりしていた方で、たまたまお子さんがこういう事犯で被害児童になってしまったということは気付かなかったのですけれども、今後しっかり監護して家庭のほうで立ち直らせることができるといった場合には、児童相談所と連携せずとも警察のほうで親御さんとか、あるいは被害児童に対して継続的な支援をしていく場合もあります。また、児童相談所では法律上いろいろな権限がありますので、親御さんの監護に服してもちょっと厳しいかなという場合には、児童相談所に結果として引き継ぐ形になる場合もあるものと承知しております。
  • 川出構成員 この文書の書き方の問題なのかもしれませんが、できれば、【取組の詳細】のところで、いま御説明のあったようなことをもう少し具体的に書いていただいたほうがよいのではないかという印象を持ちました。
     それから、法務省への質問ですが、7ページの番号【5】の聴取の仕方の話です。これについて、添付されております通達が出されたばかりという話だったのですが、現状において、この通達にあるようなかたちで聴取がなされているといったデータはあるのでしょうか。
  • 法務省大臣官房審議官 現在、手元にはございません。
     ただ、想定される場面というものはいろいろございまして、例えば最初、被害児童が警察に来た、あるいは児童相談所に来た場合に、3者が連携してという、お互いに連絡をとって、被害児童から誰が、いつ、どこで最初の話、詳しい話を聞きましょうかという話になると思います。
     それで、その場合に考えなくてはいけないことは、10歳以下の子供さんの場合は特にそうなのですけれども、話の聞き方がすごく大事です。誘導しない聞き方というものをやらなくてはいけないので、そういうものが誰がまず上手にそういう話を聞く能力を持っているかという問題が1つある。それから、話しやすい雰囲気、場所、部屋で、そういう場所をどこに設定できるかというのが2つ目です。それから、幼ければ幼いほど、初期供述がすごく大事ですので、警察でもやっていますし、今、検察庁でもやっている録音・録画。この装置を用意できる場所としてはどこがあるか。こういう要素を考慮しながらやる。こういうことになるのだと思います。
     もちろん、すぐにその場にできるだけ早く行ける人間は誰かとか、そういうことを全部考慮した上で、その事案に応じてベストのやり方を選んでいく。こういう形になることをこの通達は想定しています。ただ、事例はまだ積み重なっておりませんし、具体的事案に応じて、やはりベストのことをやっている中で、こういうやり方がうまくいくねということを積み重ねながらベストプラクティスというものを見出していくのかなと考えているところでございます。
  • 川出構成員 そうすると、この通達は、これまで実務において経験が蓄積されてきていて、それを明文化したというよりは、これからこういうふうにやっていこうという方向を示したものとして受け取ればよいのですか。
  • 法務省大臣官房審議官 これまでも司法面接の考え方というものは現場でもございましたが、なかなか連携がとれていないところもございました。ただ今回、これを機にみんなやりましょうねという機運が高まっておりますので、これからがむしろ勝負の時かなと考えております。
  • 川出構成員 分かりました。
  • 椎橋議長 今のお話は、警察と児相、それから、法務省と警察とかに限らず、関係各機関に共通する問題ですね。ですから、実際の現場では役割をどうやって分担しながら連携していくかということを日々の活動の中でやっておられるわけですね。ただ、それを積み重ねて、分析して、類型化してという作業はこれからやられると、さらにいい形になっていくのでしょうけれども、今、その途上であるということでしょうか。
     ほかにいかがでしょうか。
     伊藤構成員、どうぞ。
  • 伊藤構成員 伊藤です。
     この問題、とても大きい問題で、昔は警察庁では性非行として女子の人数の統計をとっておられた時期があったかと思うのですけれども、最近は被害児童という視点で統計をとられるようになっているとお話を伺っていました。
     最近の特徴としては、このコミュニティサイト利用というのですか。先ほども話にありましたが、インターネットを利用して、被害児童が余り罪悪感を抱かないでこういう行為に走って、それが結局、被害でもあり、自分を傷付ける行為で、重い非行のきっかけにもなるという捉え方でいいのかなと思うのですが、社会の在り方としては、やはりこういうネット規制というか、今まで何かそういう規制がされているのかをお聞きしたいです。
     ですから、簡単な気持ちでこういう被害に遭いやすい児童が増えているということを何とか防止しなければいけないのではないかと思うので、その辺の取組が何かあるのかという点をお聞かせ願いたいと思います。
  • 椎橋議長 今の伊藤構成員の御質問に対しては、内閣府のほうからお願いいたします。
  • 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付参事官(青少年環境整備担当) 青少年環境整備を担当しておる参事官でございます。
     今日は児童ポルノの担当の参事官として参りましたが私のところでネットの関係もやっておるので、説明をさせていただきたいと思います。
     ネットの問題については、内閣府が取りまとめているのですが、今日出席している文科省さんとか総務省さんとかも関係しているのですが、平成20年にいわゆる青少年インターネット環境整備法という法律が議員立法でできております。
     ご存じの先生方もいるかもしれませんけれども、今日は手元にないので正確性が欠けるところもあるかもしれませんが、この法律は3つの柱で成っていまして、1つがリテラシーを上げるということです。青少年、保護者も含めてですけれども、そういった有害なものにアクセスしない、あるいはそのときの対応能力についてのリテラシーを上げる。もう一つが、フィルタリングというものがあります。要するに、機械的にそういった有害なものにアクセスしないためにフィルタリングをかける。
     そして、この施策については喧々諤々、平成20年にやったのですが、民間主導でやるということになっております。そこで、法律上の規制というものは必要最小限のものにしようということで、法律上はとりあえず携帯電話、今はスマートフォンの時代になっておりますけれども、当時は携帯電話で、これが非常に問題になっておりまして、携帯電話については18歳未満の青少年が持つ場合にはフィルタリングを携帯電話会社がかけるということを条件として利用させてくださいというふうになっております。ただ、これについては保護者が同意した場合にはフィルタリングをかけなくてもいいということになっております。それ以外のネットにつながる機器については、保護者なり利用者側からの申出があった場合にはフィルタリングをかけなさいということになっています。
     そのほか、法律上、事業者に対する義務として、いわゆるサーバーを管理している者については、なるべく有害環境を閲覧させないような義務とか、フィルタリングの性能の向上等について努力をする義務。こういったものを義務としてかけておりますけれども、一切、罰則等はなく、訓示的な義務なり努力義務という形になっているのが制度上の枠組みになっております。
     この法律はそういう形になっておりまして、その下に基本計画というものを、子ども・若者育成支援推進本部という、総理が本部長になっていて、全ての閣僚がメンバーになっているのですけれども、ここで基本計画を、具体的にどういうふうにやっていくのかということで、今、言ったような柱、教育をどういうふうにするのか、フィルタリングについてどういうふうにするのか等々についての施策について具体的な施策が基本計画として定められているということになっております。
     ネットの問題は非常に足が早いものでございますので、基本計画は3年おきに見直しをすることになっておりまして、一次の基本計画は平成21年に定まりまして、現在は、今年7月の第三次の基本計画にのっとって、施策が推進されています。
     簡単に申し上げますと、このような状況になってございます。
  • 椎橋議長 瀬川構成員、どうぞ。
  • 瀬川構成員 関連しますけれども、警察庁のほうにお聞きしたいのですが、サイバー補導というものは具体的なやり方といいますか、どんなシステムなのでしょうか。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 警察庁でございます。
     ただ今、サイバー補導について御質問がございましたけれども、例えば児童がいろいろなサイト上で援助交際の誘いのような書き込みをしているのをサイバーパトロールで発見します。現実社会では警察官が制服を着てパトロールをしていますが、サイバーパトロールというものはネットの中でそのような書き込みがないかというのをいろいろチェックをしたりしているわけなのです。
  • 瀬川構成員 全国的にですか。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 そうです。全国的にやっておりますが、そのような中で、そのような書き込みを見付けた場合に、例えば援助交際とかであれば当然、どこかで落ち合ってということになりますので、警察官のほうでそういう書き込みに応じた者のふりをして、どこかで会おうという約束をして、その書き込みをした児童と落ち合うことによって、その場で実は警察なんだけれどもということを言いまして、それで、基本的に警察署のほうになると思うのですが、場所を変えて話をいろいろ聞くという形でやっております。
  • 椎橋議長 先ほど、被害児童を立ち直らせるために効果があったという事例を御紹介されましたけれども、あれも最初の端緒といいますか、サイバーパトロールからというものではなかったですか。
  • 警察庁生活安全局少年課理事官 先ほど、効果的な保護事例の中で書き込みましたけれども、児童買春事犯の例えば1番目に出ておりますものについては、インターネット上の掲示板に不適切な書き込みをしたというのは、まさにそういったサイバーパトロール活動によって、そのような書き込みを発見して、結果的にこのサイバー補導をしたというものであります。
  • 椎橋議長 ありがとうございます。
     ほかにいかがでしょうか。
     中島構成員、どうぞ。
  • 中島構成員 先ほど法務省のほうから、被害児童の司法面接に関する対応が推進されているところでちょっとおっしゃっていたのですけれども、ビデオ録画をされた場合、保護児童が法廷に出廷しなくても、そのビデオ映像を使えるとか、そういう方向には動いているのでしょうか。
  • 法務省大臣官房審議官 ビデオ映像は証拠として、基本的には弁護人が同意すればビデオ映像として使えるのですけれども、同意しない場合には証人尋問になるのが原則です。
     ただ、ビデオ映像まで撮られていますと、しかもそれが信用性が高いものですと、通常は弁護人も争わないことが実際上は多い。そういうのが現状です。
  • 中島構成員 引き続きで法務省のほうに質問したいのですけれども、私もそんなに司法は詳しくないので、子供の性暴力被害に関しては児童福祉法であるとか、こういった児童買春・ポルノ法等が適用になっているかとは思います。現在、法制審議会のほうで性暴力被害についての厳罰化についての検討が行われているのですけれども、こういった児童買春・児童ポルノ等の加害者の厳罰化とか、そういったことも検討されているのでしょうか。
  • 法務省大臣官房審議官 児童ポルノに限定した厳罰化というものは、今回の検討の中には入っていないと承知しています。
  • 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
     渡邉構成員、どうぞ。
  • 渡邉構成員 先ほど来、児童相談所という名前が随分たくさん出てきているのですけれども、私は児童相談所の機能の充実・向上。これを本当に図っていただきたいと思うのです。
     それで、児童買春・児童ポルノに限定するわけではないのですが、幼い子供が犠牲になるという非常に痛ましい事故・事件が起きるのですけれども、新聞報道等によりますと、ほとんど児童相談所が関わっているのですが、立ち入ったような取組がなされていないということで、随分、児童相談所もたたかれている実態があると思うのです。
     これは、ほとんどの児童相談所の職員の方は一生懸命やっていただいていると思うのですけれども、ある児童相談所の例を私は聞いたのですが、その方は多分、はっきり数は覚えていないのですけれども、100件を超えるような事例を自分が担当しているということで、こんなにあっては大変ですねというふうに聞いたら、いや、私は勤務時間内でやっていますのでと。
     もちろん、勤務時間を守るというのは非常に大切なことだと思うのですが、その受け答えから見ますと、危機意識が全くない。要するに、自分が勤務時間だけ過ごせばそれでいいのだという、それは特殊な方だと思うのですけれども、ですから、そういう話を聞くと、あるいは新聞報道を見ると、児童相談所というものはどういう考えでやっているのだろうかというふうに非常に疑問に思うわけなのです。
     ですから、本当に質の向上、それと、危機意識を持った取組。こういったことをしっかりやっていただきたいと思います。
  • 椎橋議長 児童相談所の実態についての御質問とかではなくて、御希望ですね。
  • 渡邉構成員 そうです。
  • 椎橋議長 それでは、厚労省のほうからお願いします。
  • 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課課長補佐 恐らく一部の職員、たくさんいればそういう方がいらっしゃるのかなという、悲しい話ではありますけれども、児童相談所の数もどんどん増えていっていまして、先ほど208か所と申しましたが、児相自体は平成11年は174か所でした。各自治体がこういった問題に強く取り組むということで箇所数を増やしている。
     児童相談所において中心的に業務をされる児童福祉司さんもどんどん増やしていっていますけれども、やはりこういった児童虐待にも、意識の高まりで、様々な通報が多くなって、なかなか手が回らない、足りていないのは事実だと思います。そういったことでもありまして、先ほど事業の中で紹介しました児童家庭支援センターとか、そういった外部機関も使って、今、役割分担、あるいは市町村で、単純な御相談であれば市町村においてのも取り組まれています。
     今の動きなのですけれども、来年の通常国会に向けまして法改正、機能強化をするために現在、社会保障審議会児童部会に専門委員会を設けまして、機能強化とか、そういったものの検討を行っていまして、今、佳境に入っているところで、具体的に担当ではないものですから、どの程度の内容かまでは承知していないのですけれども、今、お話のあったそういった問題意識とかにつきましても、しっかり反映しているかなと思います。
     後は、職員の資質については、まさに今、先ほど御紹介しましたけれども、そういった研修を通じて地道にやるしかないのかなと思っています。専門性はそれぞれ、先ほど児相には児童福祉司という話をしましたが、それ以外にも児童心理の担当者とか精神科の先生とかがいらっしゃいますので、そういったチームの連携の中で多くのお子様を支援・保護していきたいと思っていますので、今、いただきました御指摘を強く受け止めまして、今後も頑張っていきたいと思っています。
  • 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
     中島構成員、どうぞ。
  • 中島構成員 今度、この法律も踏まえて、実際の施策として、この検討会に入ってくるわけですね。その点で要望になるのですけれども、こちらは犯罪被害者の支援なので、予防施策が必ずしも該当するかどうかは分からないのですが、やはり被害児童が声を上げるためには、児童に対する情報の提供というものは極めて重要であると思いますので、既に各省庁で取り組まれていると思いますけれども、こちらの被害者等の支援の中にも予防のための、インターネット等のリテラシーも含めた啓発といったものをできれば盛り込んでいただきたいというのが1点です。
     その中で、できれば予防だけではなくて、どのようなところで相談できるかも入れていただきたい。私たち大人がこれを聞かれても、答えるのは結構難しいのです。そもそも被害児童が、自分が児童ポルノの被害者とか、買春の被害者という認識を持つこと自体が難しくて、更に、どこに相談するのかというのを認識するのは大変難しいのではないかと思いますから、やはりそれを子供に分かりやすく伝えない限り、子供は多分、声を上げることはできないと思います。ですから、分かりやすくそれを子供たちに伝えていくというものを施策として取り入れていく必要があるのではないかと思います。
     もう一点は、先ほども警察、児童相談所、法務省との連携についてお話がりました、それは大変重要なのですが、子供に関してはやはりここに教育現場が入らなければ難しいと思うのです。ですので、教育との関係、そのネットワークを他の省庁がこのテーマについてどのように強めていかれるのか。もう既に実践されていらっしゃるようでしたら御教示いただきたいですし、今後の検討であれば、やはり施策として入れていただきたいと思います。
     例えば、文科省が実施されています、子供の心のケアの研修は大変重要であると思うのですけれども、この中で、例えば警察とか、そういった関係省庁から情報の提供とか、そういうものがあればより連携もできますし、有効なものになると思いますので、そういった工夫について取り組んでいただければと思います。
  • 椎橋議長 ありがとうございます。
     今日御意見をお伺いして、具体的な施策、効果的な施策、そういう御提案をしていただきましたので、それを取り込むという形にしていきたいと思います。ただ今の御提言は大変貴重であったと思います。
     1つは、予防のためにより具体的に、積極的に、分かりやすい予防ということを中島構成員がおっしゃっておられるわけですね。そのために、一つの手段としてリテラシーを高めるということがあるのだろうと思います。
     それから、連携の中でもやはり子供は学校でかなりの時間を過ごすということが事実としてありますので、連携の中に教育の現場というものは必ず入っていなければならないということで、もちろん、それは考えておられるとは思いますけれども、そういう御意見がありましたので、文科省さんのほうも是非その御意見を参考にしてください。
     ほかにいかがでしょうか。
     では、飛鳥井構成員どうぞ。
  • 飛鳥井構成員 手短に。
     要するに、こういう問題は外的抑止と内的抑止を両方進めていかなければいけないのだろうと理解しました。外的抑止というものは、サイバーパトロールとかフィルタリングとか、そういうものですね。でも、それだけではやはりどうしても問題が解決できませんので、子供たちの中にどうやって内的抑止力を育てていくかということで、1つは情報リテラシーをいろいろなところで普及啓発していくということと、先ほどの問題もありますけれども、例えば自画撮りをするときの最初の心理がどういうものかとか、最初の質問に戻りますけれども、そういうデータがやはりあると、それを利用して、また子供たち向けのキャンペーンができていくと思うのです。そういうことで、両方の面でまた何かいろいろ対策を練っていただければと思います。
  • 椎橋議長 瀬川構成員、どうぞ。
  • 瀬川構成員 最後に、感想といいますか、希望です。この警察庁の「少年からのシグナル」というパンフレットは親しみやすく、よくできていると思います。全体に図を入れたり、文字も見やすい。ただし、昔から使われている福祉犯という用語についてですが、これは恐らく一般市民にとっても少年、保護者にとっても非常に分かりにくい。
     専門書や論文にも書いてありますが、実態は何なのか非常に分かりにくいと思います。
  • 椎橋議長 瀬川先生からの御要望として受け止めてください。
     伊藤構成員、どうぞ。
  • 伊藤構成員 今、飛鳥井先生のお話を聞いていて、内的抑止という話が出たのですけれども、児童の目線に立ってといいますか、子供の目線に立った何か、もっと対策が考えられてもいいのかなというのがあります。こういう自画撮りに応じること自体が何か一般の大人からすると理解できにくいわけですが、こういう行為に至るという少女たちのいろいろな要素がきっとあると思いますので、そういう意味のサポートといいますか、子供の目線に立って、何でこういうことがよくないのか。こういうことが実際、大きな被害に当たるのかということを広く伝える方法がもっとあっていいのではないかと思います。
     といいますのも、大分昔の話なのですが、買春少女について少し研究していたことがあり、そのとき、昔はそれこそ性非行というくくりで少女たちのいろいろな傾向を調査していた時代があります。そのとき、こういった行為に簡単に走る子供たちはやはり家庭環境の問題があったり、学校になじめなかったり、大きな問題を、表面的には見えなくても抱えている場合が多いことが分かりました。それから、社会的にもこういうことを容認するような風潮も当時はありました。何か少女買春といいますと、関心を持って、興味本位に受け入れているような社会的な風潮もあったので、その辺も含めて何か対策が考えられなければいけないのかなと思いました。やはりこれが大変な被害であるということを子供たちに理解してもらうことが必要なのかなと思っています。
  • 椎橋議長 そのほかにいかがでしょうか。
     渡邉構成員、どうぞ。
  • 渡邉構成員 すみません。法務省さんにちょっとお伺いしたいのですけれども、この人権相談の方法、人権110番とかミニレターとか、あるいはインターネットとかの相談の方法というものがあるのですが、これは匿名でも相談できるのですか。先ほどの話ですと、案件ごとにやっているというので、匿名では無理なのかなという気がするのですけれども、いかがでしょうか。
  • 法務省人権擁護局調査救済課補佐官 担当部局の、法務省人権擁護局でございます。
     もちろん、人権相談については匿名でも受け付けております。例えば具体的に、こういうことで困っているので助けてほしいといった相談ですと,お名前を聞いたり、あるいは学校名を聞いたりしないと実際に対応ができない場合もありますけれども、そうではない抽象的な相談にも応じており、そういったものは匿名でも受け付けております。
  • 渡邉構成員 それを聞いたのは、いじめの末、自殺したとか、そういう記事を見ると大体、いじめられている子というのは非常に優しい子といいますか、自分がそういう被害に遭っているというのを親に知られると親が悲しむとか、そういう思いやり、私に言わせればちょっと行き過ぎた思いやりだと思うのですけれども、そうなって、匿名ではなくて相談すると、それが親に知られてしまうとか、そういう心配があるとなかなかできないのではないかなという余計な心配をしたので聞いてみたのです。
  • 法務省人権擁護局調査救済課補佐官 ありがとうございます。
     私どもの、例えば子どもの人権SOSミニレターという取組でございますけれども、これは全国の小中学生全員に配布しているものですが,困っていること、を便箋に書いて、それを封筒しに入れて、ポストに投函していただければ法務局に届くという取組をしておりますが、そこでは例えば家族の方に知られたくないということであれば、返事の方法についてのチェック欄を設けておりまして、そこにチェックをつけていただければお父さんやお母さんに知られないような形で、例えば学校に返信するようにしたり、あるいは法務局からの返事についても、電話がいいのか又は手紙がいいのかを選べるようにしており,さらに,御希望により、手紙の場合も法務局の名前を出さないような形にするなど、親御さんに知られたくない方についてはそれぞれ個別に、その子供さんの御希望に応じた形で対応させていただいております。
  • 椎橋議長 室長、どうぞ。
  • 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 先ほど来、抑止、予防といった観点からも、非常に有益かつ重要な御指摘をいただいておりますけれども、この犯罪被害者等施策の範囲ではなかなか予防というものを直接正面から扱うわけにはなかなかいかないわけでございます。ただ、この第三次基本計画の案でもお諮りさせていただいていますように、被害が潜在化しやすい被害者の問題というものは非常に重要な今後の課題であると受け止めております。
     その被害が潜在化しやすいものの中には、自分の行為あるいは被害というものが犯罪であり被害であるということ自体を十分に認識できないということもございましょうし、そのほかにも、相談窓口等が分からない、あるいは相談したら本当に何か問題解決につながるのかどうなのかが理解されないということ等もあると思います。
     そういった意味で、こういった児童買春にしても児童ポルノにしても、まずはそうした被害を潜在化させないために、それが犯罪であるということをまずお知らせするといいますか、啓発するということ。そして、それに対して相談する窓口があるということを広く知っていただくことが必要であろうと思います。そのことは、間接的かもしれませんけれども、予防・抑止にもつながってくる面があろうかと思いますので、そういった意味からも、この被害者等施策の中で関係省庁の皆様と調整をしながら、できる限り、そうした施策を盛り込んでいければと考えているところでございます。
  • 椎橋議長 ほかにはいかがでしょうか。
     それでは、いろいろ有益な御意見を出していただきました。
     本日、まず関係省庁から取組状況の御説明をいただきましたし、それに対する各構成員から御意見・御質問をいただきました。それらを踏まえて、事務局において被害児童保護施策に関する検証・評価の案を作成していただくという、今日の議論を踏まえた上で、まず作っていただく形にしたいと思いますが、いかがでしょうか。
    (「異議なし」と声あり)
  • 椎橋議長 それでは、事務局のほうに、よろしくお願いいたします。
     本日の会議では足りなかった、後で思い出したということがありましたらば、さらに事務局のほうにお出しいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
     それでは、今日のメインの議題はこのくらいにさせていただきまして、議事次第で「3.その他」となっておりますが、これは中身は何かといいますと、先月「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」が設置されたと聞いております。これについて、事務局から説明をお願いしたいと思います。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。資料8を御覧いただきたいと思います。こちらは金融庁作成の広報用の資料でございます。
     ただ今、議長から御説明がありましたように、先月でございますが、預保納付金の取扱い等について、これまでの運用状況等を検証し、犯罪被害者等の支援の充実に向けた方策を検討するためということで、金融庁に「振り込め詐欺救済法に定める預保納付金を巡る諸課題に関するプロジェクトチーム」が設置されたところでございます。
     1.のところに検討課題が書いてございますが、預保納付金による奨学金事業のあり方、預保納付金による団体助成事業のあり方が検討課題として上げられているところでございます。
     構成メンバーにつきましては、資料記載のとおりでございます。
     今後のスケジュールでございますけれども、一応、本年度内をめどに取りまとめを行う予定であると聞いております。
     検討の進め方のところにも記載されておりますが、第1回の会合が11月19日に開催されております。また、第2回の会合も先日、12月16日に開催されたところでございました。
     第1回の会合では、当室から犯罪被害者等施策の推進状況等について御説明するとともに、この専門委員等会議で各構成員からいただきました預保納付金の在り方に関する御意見等についても御紹介させていただいたところでございます。
     会議の議事録、配付資料等は金融庁のホームページにアップされておりますので、御確認いただければと思います。
     以上です。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ただ今の事務局からの説明に対しまして、御質問・御意見、あるいは御希望等がありましたらお願いしたいと思います。
     よろしいですか。
     検討は始めているということですね。
     それでは、最後になりますけれども、事務局から次回会議の日程と、第三次計画の骨子のパブリックコメントの結果概要について説明をお願いしたいと思います。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 まず、次回の会議日程について御連絡申し上げます。
     次回は、来年1月26日火曜日午後4時から、場所はこの建物の6階にございます、623会議室を予定しております。次回会議は、第三次基本計画の策定に向けた検討ということでございます。
     パブリックコメントを踏まえた検討ということになりますけれども、パブリックコメントにつきましては本年11月19日から12月10日までの3週間にわたり実施したところでございます。インターネット等で意見を募集いたしまして、62個人28団体から御意見をいただいたところでございます。
     意見の数といたしましては、延べ件数でございますが、640件ぐらいいただいているところです。いただきました意見への対応につきましては、現在、関係省庁において検討していただいているところです。
     次回の専門委員等会議におきましては、このパブリックコメントへの対応を中心に御検討いただきまして、第三次犯罪被害者等基本計画の案を確定できればと考えております。
     また、本日御討議いただきました児童買春・児童ポルノ禁止法に基づく検証・評価につきましても、検証・評価案の準備が間に合いましたら、あわせて次回、1月26日の会議で御検討いただければと思っております。
     以上です。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     何か、最後に御質問等はございますか。
     ないようですので、これをもちまして、第23回「基本計画策定・推進専門委員等会議」を終わります。
     どうも、本日はありがとうございました。
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