開催要領
日時:平成27年9月29日(火)午後2時00分~午後4時30分
場所:中央合同庁舎8号館8階 特別大会議室
出席者
議長 | 椎橋 隆幸 | 中央大学大学院法務研究科教授 |
瀬川 晃 | 同志社大学法学部教授 | |
中島 聡美 | (国立研究開発法人)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 成人精神保健研究部犯罪被害者等支援研究室長 |
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中曽根 えり子 | (公益社団)にいがた被害者支援センター理事・支援局長 | |
森山 博 | 弁護士 | |
飛鳥井 望 | 医療法人社団青山会青木病院副院長 | |
伊藤 冨士江 | 上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授 | |
渡邉 保 | 犯罪被害者遺族 | |
安田 貴彦 | 内閣府犯罪被害者等施策推進室長 | |
村田 隆 | 警察庁長官官房総括審議官 | |
野川 明輝 | 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 | |
羽田 翔 | 総務省大臣官房企画課課長補佐 | |
高嶋 智光 | 法務省大臣官房審議官 | |
永井 孝治 | 法務省秘書課付 | |
森友 浩史 | 文部科学省大臣官房総務課副長 | |
坂本 裕一 | 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐 | |
英 浩道 | 国土交通省総合政策局政策課政策企画官 | |
山口 宏幸 | 国土交通省総合政策局安心生活政策課専門官 | |
水本 圭祐 | 内閣府男女共同参画局推進課暴力対策推進室長 | |
錦織 功政 | 金融庁総務企画局企画課調査室長 |
議事次第
- 開会
- 第2次犯罪被害者等基本計画の実施状況の評価案について
- 第3次犯罪被害者等基本計画案・骨子案について
- 第3次犯罪被害者等基本計画案骨子に対する国民からの意見募集(パブリックコメント)について
- 閉会
配布資料
資料1 第2次犯罪被害者等基本計画の実施状況の評価案(見え消し版)
資料2 第2次犯罪被害者等基本計画の実施状況の評価案(反映版)
資料3 各構成員からの意見等(瀬川構成員、伊藤構成員)
資料4 個別計画案文の検討結果
資料5 第3次犯罪被害者等基本計画案・骨子(第2次案)(見え消し版)
資料6 第3次犯罪被害者等基本計画案・骨子(第2次案)(反映版)
資料7 今後のスケジュール(案)
資料8 第3次犯罪被害者等基本計画案骨子に対する国民からの意見募集(パブリックコメント)について(案)
議事内容
- 椎橋議長 本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
ただいまから第22回「基本計画策定・推進専門委員等会議」を開催いたします。
なお、本日、川出構成員におかれては欠席、中島構成員が若干遅れると伺っております。
まず、議事にはございませんけれども、犯罪被害者等施策の業務移管について、事務局から説明があるとのことでございます。よろしくお願いします。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
犯罪被害者等施策の業務移管につきまして、2月の会議において内閣府の総務課のほうより、1月27日に閣議決定された「内閣官房及び内閣府の業務の見直しについて」の中で、内閣府が現在所掌している犯罪被害者等施策に関する業務を平成28年4月から国家公安委員会に移管する旨が盛り込まれており、内閣官房が中心となって関連法案を通常国会に提出すべく準備している旨の説明をさせていただいたところでございます。
その後、犯罪被害者等施策の業務移管を盛り込んだいわゆる内閣官房・内閣府見直し法案が国会に提出され、衆参両院で審議、可決され、9月4日に成立したところでございます。これにより、来年4月1日に犯罪被害者等施策が内閣府から国家公安委員会に移管されることとなりました。
法律の成立を受けまして、内閣府と警察庁では業務移管が円滑に行われるよう、適切に対応していくこととしております。
事務局からは以上でございます。 - 椎橋議長 ただいまの事務局からの説明に対して、御質問等はございますか。どうぞ、森山構成員。
- 森山構成員 9月4日成立ということですが、資料5と6のほうに「平成28年」と書いてあるのですが、これは間違いですか。資料5と6の箱書きの。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 大変失礼いたしました。誤記でございますので、修正しておきたいと思います。
- 椎橋議長 ありがとうございました。
1行目のところだけですね。「28年」を「27年」。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 はい。
- 椎橋議長 それでは、続きまして、本日の議事及び配付資料について、事務局から説明をお願いします。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
お手元の議事次第を御覧下さい。
まず、議題の1つ目は「第2次犯罪被害者等基本計画の実施状況の評価案について」でございます。これに関する資料として資料1及び資料2をお配りしております。
議題の2つ目は「第3次犯罪被害者等基本計画案・骨子案について」でございます。これに関する資料として資料3から資料6をお配りしております。
資料3は各構成員から事前提出いただいた意見等で、資料4は関係省庁における個別計画案文の検討結果に係る資料でございます。
資料5は、骨子案全体の前回会議からの修正箇所を明確にするため、見え消し版となっております。
資料6は、その反映版でございます。
なお、新たな計画の名称は、前回会議において「第3次犯罪被害者等基本計画」で御了承いただいたため、「仮称」を取っております。
また、先ほども御説明申し上げましたとおり、現在内閣府が担っております犯罪被害者等施策が平成28年4月1日から国家公安委員会に移管されることから、その旨を明記しているところでございます。
さらに、具体的施策の末尾の番号は新規に振り直しておりまして、全部で259施策、再掲を除くと233施策となっているところでございます。
議題の3つ目は、「第3次犯罪被害者等基本計画案骨子に対する国民からの意見募集(パブリックコメント)について」でございます。これに関する資料として資料7及び資料8をお配りしております。
なお、前回会議におきまして、森山構成員より損害賠償請求に係る債務名義の実効性に関するアンケート調査の概要について、御説明をいただきました。その結果でございますが、現在集計中と伺っておりまして、次回以降、集計がまとまった段階で各構成員に対して情報提供をさせていただければと思っております。
事務局からは以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、早速議題に入りたいと思います。「第2次犯罪被害者等基本計画の実施状況の評価案について」でございます。
まず、これについても事務局から説明をお願いします。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 それでは、資料1及び資料2を御覧下さい。資料1は、2月の会議でお示しした評価案から修正箇所が明確になるように見え消し版にしたものでございます。資料2は、その反映版でございます。
2次計画の実施状況の評価案につきましては、本年2月の会議におきまして御議論をいただきました。その際、海外での犯罪被害者に対する経済的支援及びカウンセリング等心理療法の費用の公費負担の2カ所は、今後の進捗状況を踏まえた上で、再度検討することとされておりました。
まず、海外での犯罪被害者に対する経済的支援につきましては、議員立法による法案提出に向けた動きがあり、関係省庁においてもこれと連携しつつ対応してまいりましたが、9月27日まで開会しておりました国会では法案の提出までは至りませんでした。したがって、上程されなかった場合ということで、こちらの評価案は、2月会議においてお示ししたものと同様となっております。
しかし、2次計画の評価を最終的に決定する犯罪被害者等施策推進会議を10月下旬頃に開催する予定でありますが、場合によっては、その推進会議の前に臨時国会が召集され、議員立法として法案が提出される可能性もあり得ることから、「上程された場合」を併記させていただいております。最終的にどちらになるかにつきましては、今後の状況を見つつ対応したいと考えております。
また、カウンセリング等心理療法の費用の公費負担でございますが、4月の会議でも御説明がありましたが、「犯罪被害者の精神的被害の回復に資する施策に関する報告書」が取りまとめられ、国において一定の予算措置を行うべきことなどが盛り込まれたことを踏まえて、「予算を確保していく必要がある」ということを追記いたしました。
その他の部分にあっては2月の会議の際に御了承いただいておりまして、変更はございません。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
ただいま事務局から説明がありました。2月の会議からの変更点につきまして意見等がございましたら、どなたでも結構でございますので、お願いしたいと思います。中曽根構成員、どうぞ。 - 中曽根構成員 項目の1番の「損害賠償の請求についての援助等」で「日本司法支援センターによるカウンセラー費用等の公費負担」についてなのですが、この制度を実施して1年半ということで、これまでの実施数というのは全国でどのぐらいか分かりますか。前回の会議、いつだったかの会議でも質問したことがありまして、そのときはまだゼロでした。これが1年半たって運用実績というのはどのぐらいあるものなのか、お聞きしたいので、お願いいたします。
- 椎橋議長 これは法務省でしょうか。全国の実施数がお分かりになれば、お願いしたいと思います。
- 法務省大臣官房審議官 去年4月の施行で、今年6月まででまだ実績はゼロ。広報活動はしているようですけれども、現在までのところ、希望がないということのようでございます。
以上でございます。 - 椎橋議長 ほかにはいかがでしょうか。
今、変更点について御質問、御意見があったらということでお伺いしましたが、そのほかの部分については2月の会議で既に了承されておりますけれども、確認のために、特段御意見等がありましたら、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
ないようですので、変更点を含めて、第2次犯罪被害者等基本計画の実施状況の評価案については、原案のとおり確定するということでよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり) - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、次の議題に移りたいと思います。次の議題は「第3次犯罪被害者等基本計画案・骨子案」の検討でございます。
まずは、前回の会議からの修正箇所や、瀬川構成員及び伊藤構成員からの意見等に対する対応につきまして、関係省庁から説明をお願いしたいと思います。
説明につきましては、資料4がございます。ここに綴っております資料の順番でお願いしたいと思います。
最初は、内閣府犯罪被害者等施策推進室からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 - 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 それでは、内閣府犯罪被害者等施策推進室から、前回会議でお示しした計画案文からの修正箇所について御説明を申し上げます。資料4に基づきまして、私どものほうからは3項目御説明を申し上げます。
1つ目が「犯罪被害者等に関する専門的知識・技能を有する専門職の養成等」についてでございます。伊藤構成員より、前回会議における事前提出意見といたしまして、「臨床心理士会に限定をせず、他の職能団体(日本社会福祉士会、日本精神保健福祉士協会、日本看護協会等)に、犯罪被害者等に関する専門的な知識・技能を有する生活支援専門職の養成及び研修の実施を促進できないか」との御意見をいただいたところでございます。 これを踏まえまして、関係省庁と検討した結果、イにございますような案文を追加させていただいてはどうかと考えているところでございます。
2つ目は「地方公共団体における専門職の活用及びこれらとの更なる連携・協力の充実・強化」についてであります。伊藤構成員より、前回会議における事前提出意見といたしまして、「社会福祉士のほか、精神保健福祉士を明記すべき」との御意見をいただいております。
検討いたしました結果、これを明記することといたしました。
また、伊藤構成員より、ケアマネジメント事業の実施の御提案もいただきまして、さらに飛鳥井構成員からもこれに関連する御意見をいただいたところでございます。
これらについて検討いたしましたが、社会福祉士等の専門職を総合的対応窓口に配置している地方公共団体がまだごく少数であることから、まずは地方公共団体に対して専門職の活用を働き掛けていくということが重要であろうと考えております。
このような現状及び構成員からの御提案を踏まえまして、1枚目の赤字で示しておりますけれども、犯罪被害者等に対する生活支援を地方公共団体において効果的に行うため、専門職の活用を働き掛けていく旨を明記することと致しました。
3つ目が「コーディネーターとしての役割を果たせる民間支援員の養成への支援」についてでございます。伊藤構成員より、犯罪被害者等支援体制整備促進事業における研修内容について、「社会福祉制度やソーシャルワークの知識、ケアマネジメント手法を含むコーディネート技術等を明記すべき」との御意見をいただきました。 これにつきましては、資料に記載のとおり、体制整備促進事業は、対象となる地方公共団体のレベルに応じた幅広い事業を実施していることから、研修内容を限定するような記載ぶりは適当ではないと考えまして、原案を維持させていただきました。
ただし、構成員からの御意見を踏まえまして、体制整備促進事業に当たりましては、今後とも参加者の知識・技能等に応じた適切な研修を実施するよう努めていきたいと考えております。
内閣府犯罪被害者等施策推進室からの説明は以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、内閣府男女共同参画局の方からお願いします。 - 内閣府男女共同参画局推進課暴力対策推進室長 男女共同参画局でございます。
私のほうからは、施策番号64、162、209の「ワンストップ支援センターの設置促進」の関係について御説明をさせていただきます。
こちらにつきましては、2つまとめて御説明させていただきますけれども、いずれもワンストップ支援センターについて、さらに盛り込むべきではないか、とりわけ男女共同参画局のほうで昨年度より措置しております実証的調査研究事業等について盛り込むべきではないかという御意見でございます。
こちらについては、前回も申し上げましたけれども、個別の予算措置で、とりわけ調査研究事業という性格上、長期的な基本計画に直接盛り込むというのは適切ではないのではないかと考えているところでございます。
しかしながら、先生御指摘のとおり、現在の案に記載されておりますア、イ、ウ、エ以外にもワンストップ支援センターの設置促進、あるいは性犯罪被害者への支援ということに係る施策というのは、内閣府を始め、関係各省で講じておりますし、今後も講じていくことが予定されております。我々の実証的調査研究事業につきましても、来年度予算要求を行っているところでございます。
そういったことも踏まえまして、新たにオとして「上記ア、イ、ウ、エの施策のほか、関係府省庁において、必要に応じて連携し、ワンストップ支援センターの設置促進に資する施策を推進する」という1項目を追加させていただくという案を提示させていただいているところでございます。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、警察庁の方からお願いします。 - 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 警察庁でございます。
警察庁は、瀬川構成員と伊藤構成員から御意見を頂戴しています。
まず、瀬川構成員から事前に頂戴いたしました「司法解剖後の遺体搬送費等に対する措置」及び「警察における性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実」に関する御意見について、資料4を御覧下さい。
これらの御意見をいただいた背景といたしまして、取組状況を公表することで全国一律の制度導入が促進されるのだろうという御趣旨であると理解した上で、御説明させていただきます。
まず、施策番号16の遺体搬送費及び遺体修復費に関するものでございます。
司法解剖後の遺体搬送費につきましては、現在、ほぼ全ての都道府県警察において予算措置がされているところでございます。現在、予算措置がなされていない県につきましても、来年度予算について概算要求中であり、来年度からの第3次基本計画の期間に当たりましては、全ての都道府県警察において予算措置ができる見込みでございますので、公表することによって制度の導入促進が図られる見込みに乏しいと考えております。
遺体修復費につきましては、こちらも予算措置が未整備の地域がございますけれども、これは遺体修復業者がそもそも当該地域に存在しないなどの理由によるものでございまして、こちらも公表することによって制度の導入促進が図られるというような性質のものではないと考えております。
ただ、遺体修復の業者がないために予算措置がないという地域については、委託先がないから予算措置がないということでございまして、何もしていないわけではなく、警察官等の手によって可能な範囲で修復をした上で、御遺体を返還しており、全体としては司法解剖後の遺体修復は漏れなくなされていると理解をしているところでございます。
続きまして、施策番号57の「性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実」について、結論から申し上げますと、瀬川構成員からの御意見を踏まえまして、カウンセラーの配置状況あるいはカウンセリング費用の公費負担制度の措置状況について、毎年公表するように案文を修正させていただきたいと思っております。
この趣旨でございますが、まず、部内カウンセラーにつきましては、現在まさに整備途上と認識しておりますし、また、公費負担につきましても、現在は警察本部長が委嘱した民間の精神科医等が性犯罪あるいは身体犯の被害者に対して、一定の範囲で無料のカウンセリングを行う制度を運用していますけれども、今年の4月に「犯罪被害者の精神的被害の回復に資する施策に関する研究会」で取りまとめいただきました「犯罪被害者の精神的被害の回復に資する施策に関する報告書」を踏まえまして、犯罪被害者等が自ら選んだ精神科医等で受けたカウンセリングの費用を一定の範囲で公費負担する制度を全国導入するために、現在、警察庁において制度導入のための経費を予算として概算要求中でございます。すなわち、来年度以降に制度導入がなされる見通しになっておりますことから、制度の措置状況を公表することによりまして、制度整備を促す余地があるだろうと考えておりますので、修正案を提示させていただいたところでございます。
続きまして、伊藤構成員から頂戴いたしました「被害者支援連絡協議会及び被害者支援地域ネットワークにおける連携の推進」に関する御意見につきまして、施策番号166番を御覧下さい。
こちらは前段と後段があるのですけれども、前段につきましては、被害者支援連絡協議会及び被害者支援地域ネットワークのメンバーに、生活支援専門職の諸団体も加えていただきたいとの御意見でございました。こちらの御意見につきましては、実は現在も被害者支援連絡協議会のメンバーといたしまして、生活支援専門職の方々が所属する団体に御参加いただいている地域もございますことから、その案文に記載している団体に限る趣旨ではないということでございますので、原案のままということにさせていただきたいと思います。
後段につきまして、「今後、個別の事案毎に現場レベルのケース検討会議を開催することについて検討を行う。」旨を案文に追記できないかという御意見をいただいております。こちらの御意見につきましては、ケース検討会議が個別の事例において中長期的な生活支援方策について検討を行う趣旨であると理解いたしました場合、伊藤構成員が第21回会議でも御発言されていますとおり、被害者支援連絡協議会で実施する支援方策とは必ずしも一致いたしませんので、案文に追記するのはちょっとなじまないのかなと考えているところでございます。
他方で、個別の事例において、急性期における支援方策について検討を行う、そういう趣旨で理解いたしますと、現在まさにこの連絡協議会のメンバー間で連携して実施しているというように承知しており、そういった御懸念には及ばないと理解しておりますので、原案を維持させていただきたいと思っております。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、法務省からお願いします。 - 法務省大臣官房審議官 施策番号109番「被害児童からの事情聴取における配慮」、いわゆる司法面接に関して森山構成員からいただいた意見の中に「「警察等の関係機関と被害児童の事情聴取に先立って協議を行い」とありますが、この「等」には児童相談所等が含まれるのか」という御質問でございました。検討の結果、それを明確にしたほうがよかろうということで、児童相談所につきましては明示する修文を行っております。
その次が施策番号120番でございます。これは被害者との意思疎通に関しまして、川出構成員から前回、公判前整理手続期日、公判期日、これについても十分意思疎通を図るという内容になっておりました。公判前整理手続期日に被害者あるいは御遺族が参加できるかどうかというところは、法文上明確ではなく、むしろ消極的な意見もいろいろありまして、最終的には個別裁判体の訴訟指揮によるということであるので、ここではっきり公判前整理手続期日に常に被害者が参加できると受け取られかねない表現ぶりは誤解を招きやすいのではないか、こういう御趣旨だというふうに理解しておりますが、これにつきましては検討しまして、一番下の青字で書いている部分の修文、すなわち公判前整理手続と公判そのものを分けまして、公判前整理手続につきまして参加したいと希望している場合については、その意向を裁判所に伝えるなどの必要な配慮を行うという表現にいたしました。
次は177番でございます。これは伊藤構成員から前回いただきました関係で、検察庁等を含めて社会福祉士等が犯罪被害からの「回復」のために、「福祉・心理関係の専門機関との連携の充実を図るために、これら専門職の配置、連携事例の蓄積・検討を進める」という一文を追加していただきたい、こういうことでありました。
御意見は最もな部分もあるのではありますが、ただ、現段階でも被害者関係のフォローにつきましては、福祉の機関との連携は既にやっているところでございます。あえてここに記載するまでの必要がないかということで、原案を維持させていただきたいと思っております。
また、前回ここでもお話ししましたように、検察庁の中では社会復帰支援室ということで、いわば犯人側のほうが社会に戻る場合については、社会福祉士に専従していただいて復帰を促進しているところでございますが、被害者のほうにつきましてはそのニーズが極めて小さくて、そういう仕事に専従するポストとして入っていただいても、仕事が普段は余りないという状況になりがちなものですから、当分様子は見なくてはいけないなと思っております。社会福祉士等との連携というのは現在でも既にありますので、あえて今回特出しするまでもないという考えの下、原案を維持させていただきたいと思っているところでございます。
施策番号184と記載しているところでございますが、これは日本司法支援センター、通称法テラスにおきまして、「認知機能が不十分な高齢者・障害者等に対し、民事法律扶助による法的支援の更なる充実に向けた検討を行う」という部分につきまして、「法的支援及び生活再建の更なる充実に向けた検討を行う」というふうな修文をしたらどうかという御意見でございます。
そもそも法テラスというのは、もちろん法律によって設立された法人でございまして、その法人としてなし得る業務というのが法定されているものですから、その範囲を明白に超えてしまうわけにはいかない中において、しかし、やるべきことはやる、こういうコンセプトの中で考えなくてはいけない、そういう問題でございます。
どういうふうに限定されているかと一言で申し上げますと、法的支援に限定されておりますので、その法的支援と言いましても、これは多岐にわたりまして、生活再建に資するような法的支援もありますので、それは御意見のとおりということでございまして、「その生活再建に資するよう、民事法律扶助による法的支援の更なる充実に向けた検討を行う」という案文にさせていただきたいと思っております。
次の施策番号202番でございます。これは、法テラスの支援の中に、2つ目の伊藤構成員からの御意見として、「・・・関係機関・団体との連携・協力関係の維持・強化を図る」と文章を区切りまして、「犯罪被害者等の相談内容に応じた最適な専門機関・団体等を紹介するコーディネーターとして社会福祉士および精神保健福祉士等を雇用し、その役割を果たせるよう体制整備に努める」とし、資格を持っていらっしゃる方の雇用を明示したらどうかという御意見でございます。
これも法テラスの機能として必要だろうという御意見だと理解しておりますが、ここにつきましても、社会福祉士及び精神保健福祉士の資格を持っている方のお仕事の内容は、その資格を持っていない方ではできない業務ばかりではありませんで、法テラスにおいては、資格を持っていない人間であっても実質的にやっているというのが現状でございます。こういう資格を持っている方はより理解が正確でありますし、スムーズに業務が進むという点では、こういう資格を持っている方がこういう社会福祉業務に就かれるということは非常に大事なことなのですけれども、現在でも法テラスでは資格を持っている方もいらっしゃるようですが、持っていない方を含めて、比較的円滑に業務、コーディネートを行っているようでございます。
その資格を持っている方がどうしても必要だという案件が今のところそれほど多くないようでございます。かつ、先ほど申し上げましたように、コーディネートそれ自体が法テラスの仕事というわけではなくて、法的支援をするに当たって、他の関係機関とのコーディネートが必要な場合にその機関と必要な連絡を取る、この限りにおいて法テラスの仕事というのは限定されているという面がございます。
そうしますと、あえてこの資格を持っている方に法テラスに入っていただいて、その仕事に専従していただくということになりますと、いろいろまた法律上の問題もありますし、ニーズ等の関係でも問題があるということで、法テラスの下においては、現段階の意見を維持させていただきたい、こういうふうに考えております。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、文部科学省からお願いします。 - 文部科学省大臣官房総務課副長 施策番号の54でございます。「被害少年に対する学校におけるカウンセリング体制の充実等」の項目につきまして、瀬川構成員から「スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の配置について、期限等の目標を設定することが必要な時期に来ていると考えます」という御意見をいただいております。御意見を踏まえまして、下記にございますように目標年次を追記しております。「平成31年度までにスクールカウンセラーを全公立小中学校に配置し、スクールソーシャルワーカーも全公立中学校区に配置することにより」ということで、期限を明確にしているところでございまして、「平成31年度まで」というのは、別途閣議決定されております子供の貧困対策に関する大綱のほうを踏まえた目標年次としているところでございます。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
最後になりましたが、厚生労働省からお願いします。 - 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐 厚生労働省でございます。
施策番号38でございます。PTSD対策に係る専門家の養成研修の案文につきまして、伊藤構成員から御意見を頂戴しております。
もともとの案文におきましては、「犯罪被害者等の精神的被害について、医療・福祉関係者に対する知識の普及・啓発を推進」ということを記載しておりましたが、その部分につきまして、医学的な知識だけではなくて、犯罪被害者支援関連の制度ですとかサービスといったものも追記ができないかという御指摘を頂戴しております。 そうした御意見を踏まえまして、計画案文の修正ですが、「犯罪被害者等の精神的被害」の後に「及び犯罪被害者等施策について、医療・福祉関係者に対する知識の普及・啓発を推進する」ということで、御趣旨を踏まえまして追記をさせていただいております。
具体的な方法につきましては今後検討したいと思っていますが、例えばリーフレットを配布しますとか、そういったことが考えられるのではないかと考えております。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
構成員の方の質問・意見と、それに対する関係省庁からの回答、いずれもありがとうございました。
それでは、ただいま関係省庁から説明がございましたけれども、これに対して御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。どなたからでも結構ですので、どうぞ。森山構成員、どうぞ。 - 森山構成員 先ほどの説明でありました犯罪被害者等施策が内閣府から国家公安委員会へ平成28年4月1日から移行するということに関連して、ここで「内閣府(犯被)」というふうに案文上書かれている表記自体は、今後これを「警察庁」というふうに読み替えるわけにもいかないのでしょうか。どういうふうになるのでしょうか。
- 椎橋議長 いずれは変わるのでしょうけれども、どういうことになるのでしょうか。事務局からお願いします。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 計画は恐らく28年4月1日からということになるかと思いますが、その日に警察庁に移管になるということですので、計画の中に今まで「内閣府(犯被)」と書いてあったものについては、「警察庁」というふうな形になると思いますけれども、どの時点で読みかえるかということについては、まだ事務局としても検討中でございますので、各構成員の先生方にはまたお知らせさせていただきたいと思っております。
- 椎橋議長 よろしいですか。森山構成員、どうぞ。
- 森山構成員 それに関して、施策番号151で、【構成員の意見を踏まえての検討結果】のところで「内閣府において、地方公共団体に対し、犯罪被害者等の生活支援を効果的に行うため」云々というふうになっていますが、警察庁あるいは国家公安委員会が地方公共団体に対してそういう働き掛けを行うというのは、現実的にどの程度実効性があるというか、担保される話なのか。少し首をかしげているのですけれども、その辺はどうなのでしょうか。
- 椎橋議長 これは室長のほうからお願いします。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 現状においては、国家公安委員会と警察庁が、基礎自治体でありますとか知事部局と直接的な関係を有するわけではございませんけれども、今回のいわゆるスリム化法案、内閣府の事務を関係の深い省庁に移管する法律が通ったわけでございますが、この法律に基づいてそれぞれ内閣府において果たされていた機能が各省庁に移るわけでございますので、今、内閣府において地方自治体との関係において果たしている機能と申しますか、関係というのは、このまま国家公安委員会、警察庁が所管をする、そういう意味で言うと、今までの国家公安委員会ないし警察庁が果たした関係とは変わるというふうに言っていいかと思います。また、今、内閣府において果たされている機能が移管後も、実質的にきちんと果たされるかどうかについて、今後実務的にきちんと詰めていかなければなりませんけれども、法的には、地方公共団体に対しての働き掛けというのは、警察庁において内閣府が果たしてきたのと同様のことがなされるものということになるわけでございます。
- 椎橋議長 よろしいですか。森山構成員、どうぞ。
- 森山構成員 別な計画案文の中で警察庁が他と連携する場合、「協力して」というふうに書き、一方で警察庁が他との関係では協力を求めるような形で書いてあるのですが、今のことに関しては、協力を求めるのではなくて、まさにそれ自体が主体的に行っていくというふうに解釈されるということでよろしいのでしょうか。
- 椎橋議長 これは、その施策番号について直接お答えになったところにお答えいただきますか。
- 森山構成員 例えば施策番号166は、警察庁が「警察において、法務省、文部科学省、厚生労働省及び国土交通省の協力を得て」と。そういう意味で、協力を得て他の省庁に対してこういう形をしていくという案文の書き方をされているのですが、それと同じではないということでよろしいのですか。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 基本的に御指摘のとおりだと思います。今までですと内閣府が総合調整の機能を果たしていたわけでございますが、例えば警察庁が厚労省あるいは文部科学省とかに協力を求めるというのとはちょっと違う立場で、今後は内閣府がこれまで果たしていた機能を移管した部分に関しては、他省庁に対して警察庁が現在の内閣府と同様の立場に立つということでございます。
- 椎橋議長 森山構成員、何か御心配があるのですか。
- 森山構成員 別にあれなのですが、施策番号95のところで、「内閣府(犯被)」というのと「内閣府」というのが省庁名で記載されておりまして、最終的な案文の赤で書いてあるところは「内閣府」とだけしか表記されていませんが、これは正確ではないのですか。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 本文のほうの「内閣府、警察庁及び法務省が連携し」という部分に関してでございますか。
- 森山構成員 はい。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 「内閣府(犯被)」と「内閣府」の違いですが、後者の「内閣府」は主として男女共同参画局の業務を指しているところでございます。この本文においては、その「内閣府」というのが全部ひっくるめて書かれているような表現になっているわけでございますけれども、もし分かりにくいとか誤解を招きかねないということであれば、検討をさせていただきたいと思います。
- 椎橋議長 どうぞ、瀬川構成員。
- 瀬川構成員 森山構成員の御質問はもっともだと考えます。それに関連してですが、人的な面ではどういう構成になるのですか。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 今のは、移管後の組織体制のことでございますか。
- 瀬川構成員 はい。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 これについては警察庁からお答えいただいたほうがいいと思います。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 移管後の業務体制につきましては、まだ検討中ではあるのですけれども、基本的には現在の内閣府の体制をそのまま国家公安委員会(警察庁)に移管していただくと理解をしているところでございます。
- 瀬川構成員 分かりました。
- 椎橋議長 恐らく何人かの構成員の方々が心配されているのは、移管に伴って今まで内閣府の犯罪被害者等施策推進室が果たされていた役割というものが同じように十分果たしていただけるのかということだと思いますが、それについては、主管は変わるけれども、今まで果たしていた役割でどこが欠けるとか、そういうことはないような形で移管をする、こういう理解でよろしいのですね。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 はい。国会等でもこの法案の審議に当たりましてはいろんな御質問をいただいて、その点の懸念を示された議員の御質問もございましたが、私どもの大臣のほうからも、その機能が移管後も十全に果たされるように関係省庁と協力して取り組んでいくというふうに答弁させていただいているところでございます。
- 椎橋議長 そのほかいかがでしょう。質問された構成員の方がたくさんおられて、それに対する各省庁の説明があったわけですけれども。それでは、伊藤構成員、どうぞ。
- 伊藤構成員 今、大きな問題が出ましたが、私のほうは修正していただいた案文について述べさせていただきます。間際になりましてたくさん出させていただき、関係省庁においては丁寧に御検討いただきまして、本当にお礼申し上げます。
私どもの意見を反映していただいた形のものも多く、例えば内閣府の施策番号66では、福祉職に対して働き掛ける、専門職の職能団体に働き掛けるという明記していただいて、福祉の生活支援専門職の人たちが担えるように、人材を育てていくために私も努力していきたいと思っているところです。
同じく内閣府の施策番号151番のケアマネジメントですけれども、これにつきましても御検討いただき、ありがとうございました。ケアマネジメント自体の必要性については認識していただけたと思いますが、ケアマネジメントのような手法が本当に犯罪被害者のために活用され、今よく言われている『見える化』する形で支援が広がっていくといいと思っております。
あえて申し上げると、障害者とか高齢者に関しては、既存の制度の枠組みの中でケアマネジメントが既に用いられておりますので、こういった形で犯罪被害者に対してもケアマネジメントが定着していくことが将来の課題になるものと思いまして、述べさせていただきました。
あと2点あるのですけれども、警察庁のほうで御検討いただきました施策番号166、被害者支援連絡協議会と被害者支援地域ネットワークについて、既にやっているので、あえてケース検討会議といったものは明記しないというようなお返事でした。私どもでイメージしておりますのは、例えば児童虐待に関して、要保護児童対策地域協議会で現場レベルの担当者が集まって検討しているという実例が既にありますので、犯罪被害者に対しても、単なる顔合わせ的な連絡協議会といったレベルではなく、本当に支援を担う現場担当者たちが頻繁に行う事例検討のような会議が行われる必要があるということで、これも将来御検討いただきたいと思っております。
法務省のほうも、いろいろ出した案文について御検討いただきまして、ありがとうございました。検察庁において犯罪被害者支援の場で福祉の専門職を置くのはまだ早いのではないか、ニーズ、費用の点から見て余り必要性が感じられないといったような御説明だったと思います。
これは法テラスともちょっと関係してくるのですけれども、なかなかソーシャルワークについて理解が薄くて、単に福祉の機関につなぐということを「ソーシャルワーク」というふうに称されることが多いのですが、決してそうではありません。専門的な視点を持って、クライアント、この場合は被害者等の立場に徹底的に立って、見通しを持って支援していくというのがソーシャルワークの在り方ですので、単に機関とつなぐのではないという点をご理解いただきたい、やはり要所要所に福祉等の専門職を配置していただいて、今、申し上げたような視点で地域での生活の立て直しということを視野に入れて支援していくということが必要になってくるのではないかと思います。
それから、「司法ソーシャルワーク」という言葉について法テラスなどで使われているようですが、これは福祉の専門家から見ると不適切ではないかといった指摘もあります。今、申し上げたように、司法とソーシャルワークを簡単に結び付けて、司法ソーシャルワークを法テラスではやっているということにされてしまいますと、ソーシャルワークの本来の在り方とは異なってきますので、この点、言葉の使い方を慎重にしていただけるとありがたいと思っております。
以上です。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
特に関係省庁の方、御意見があれば伺いますけれども、特になければ伊藤構成員のご意見として受け止めていただければと思います。
ほかにいかがでしょうか。飛鳥井構成員、どうぞ。 - 飛鳥井構成員 施策番号57の「警察庁における性犯罪被害者に対するカウンセリングの充実」ということで、赤字で御訂正いただいた部分、その点については大変良かったと思っております。
一つは、措置状況を毎年公表するということで、恐らくかなり都道府県でばらつきが出てくるということがあるかとは思うのですね。これはコメントなのですが、そのときに、各都道府県の熱意が足りないとかそういうことではなくて、実績が上がらないところは、要するに、人がいないのと、ローカルネットワークができていないということなので、出てきた措置状況のデータの背景にあるものまで見ていただいて、さらにそこから、その地域での人材育成とかそういうことに結び付けていただくということで活用していただければと思うのです。ただ各地ばらつきがありますということで終わってしまうだけでなくて、ばらつく原因、それは都道府県警察でなくて、要するに、人材とかネットワークがないということなので、今度警察庁が所管されますので、そこまで含めて活用していただければと思います。コメントです。 - 椎橋議長 どうぞ、瀬川構成員。
- 瀬川構成員 それに関連してですが、性犯罪の加害者については、法務省のほうで法改正を含む検討会がありましたね。報告書が出ましたか。
- 法務省大臣官房審議官 はい。
- 瀬川構成員 性犯罪に対する関心の高まりが昨今非常に大きいと思います。今回の報告書で加害者に対する対応について一定の方向性が出たひとつの背景には、性犯罪被害者の実態をきっちりと把握すべきであり、被害者に対する配慮をもっと充実させる必要があるという観点があったからだと思います。今、飛鳥井構成員が言われたように、公表するのは結構ですが、これからオープンな議論をし、その内実を掘り下げることが重要です。加害者への適切な対応とともに、被害者への十分な配慮を意識したバランスのとれた刑事政策をさらに進めていただきたい。そういう点で、今回公表すると踏み切られたことはありがたく、重要だと私は評価しています。
- 椎橋議長 ありがとうございました。
他にございますか。瀬川構成員、どうぞ。 - 瀬川構成員 司法解剖後の遺体搬送費の件については、これで結構です。これまでの室長の説明では余り進んでいないような感じを私が勝手に思ったのか分かりませんが、進んでいるのであれば「進んでいる」とおっしゃってよかったのではないかと思います。それは「謙譲の美徳」というふうに捉えておりますが、そういうふうに整備されたことは多くの支持を得られるのではないかと思いますし、被害者の方も、これで一安心されるということだというふうに考えております。
- 椎橋議長 どうぞ、森山構成員。
- 森山構成員 施策番号109で、法務省さんに考えていただきたいと私のほうから意見を申したところ、「警察庁、厚生労働省」が赤で加わって、それぞれ連携を取ってという形になった。私は非常に感謝しております。本当にすばらしい案文になって喜んでおります。どうぞよろしくお願いします。
- 椎橋議長 瀬川構成員、どうぞ。
- 瀬川構成員 文科省のほうからいただいた御回答でスクールカウンセラーの配置ですが、スクールカウンセラー自体については、かなり社会的な認知が進んでおり、実績もあると思いますので、31年度までという形で期限を具体的に設定していただいたことは高く評価したいと思っています。
以上です。 - 椎橋議長 どうぞ、室長。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 今、瀬川構成員のほうから各省庁の施策について御評価をいただきましたけれども、一般的に施策を評価するに当たって、できる限り数値的にといいますか、定量的に表現できる部分については今後とも、今の御指摘の点に限らず、数値的に表現をさせていただけるように努力をしていきたいと考えております。
- 椎橋議長 瀬川構成員、どうぞ。
- 瀬川構成員 今回の案文を見ていますと、言ってみればできるだけ頑張りますという程度しか書いていない箇所があります。実際に切実な問題を含んでいるものも多いので、やはり何年までにとか、あるいは調査を早急に開始するとか、そういう形で具体的に答えられないと、このまま何年経ってもまた同じような回答で終わってしまうという可能性があります。是非この点は最後議長が取りまとめをされる中でも一つご配慮いただきたいと考えております。
- 椎橋議長 それでは、今まで出していただいた御意見について、各省庁から回答がございました。それについて、今日御意見を伺ったわけでありますけれども、さらにこうしたほうがいいということについて有益な御意見を出していただきました。その中には、私も大変蒙を啓かれて、伊藤構成員、飛鳥井構成員からもいろいろな形で被害者支援のあるべき姿について、こういうものはすばらしい考え方だなということを知ることができて、大変参考になっておりますが、これらについては、我々、共有するとともに、これからの施策を行っていく上で参考にしていきたいと考えます。瀬川構成員が言われたように、なるべく具体的に数値目標等を定めながらやっていくということも常に念頭に置いて考えるべきではないかということもその一つではないかと思います。
ただ、各省庁が示された回答につきましては特段の御異論があったというふうには思われませんので、これらの計画案文につきましては、今日御承認されたということで取り扱わせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
(「はい」と声あり) - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、続きまして、本日の会議において初めて提示される案文がございますので、これについて、まず関係省庁から説明をいただきたいと思います。
まず、内閣府犯罪被害者等施策推進室からお願いしたいと思います。 - 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 それでは、内閣府犯罪被害者等施策推進室のほうから、基本計画案に新たに盛り込むこととした案文について御説明を申し上げます。
項目としては施策番号95でございます。資料4の95でございます。「再被害防止のための安全確保方策の検討」でございます。5月の会議におきまして、論点「犯罪被害者等の安全・安心の確保」について検討された際に、川出構成員より資料に記載のような御意見を頂戴しました。また、中曽根構成員からも再被害防止に係る御意見をいただいたところであります。
これらを踏まえまして、関係省庁と検討した結果、まずは犯罪被害者等の再被害の実態等を把握した上で、犯罪被害者等の安全確保方策について幅広く検討する旨を計画に盛り込むことといたしました。
内閣府犯罪被害者等施策推進室からは以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、金融庁の方からお願いします。 - 金融庁総務企画局企画課調整室長 金融庁でございます。
「施策番号18・224」と書いてあるところでございますが、「預保納付金の活用方法の検討」として検討中とさせていただいたものを、今回の会合におきまして記載方針を示させていただいたところでございます。簡単に読み上げます。
「金融庁及び財務省において、平成25年度から犯罪被害者等の子供への奨学金の貸与及び犯罪被害者等支援団体への助成に支出している預保納付金について、これまでの運用状況等を検証し、内閣府(犯被)等の関係府省庁の協力を得て、犯罪被害者等の支援の充実に向けた方策を検討する」という案文を提出させていただきました。 これにつきまして、中曽根構成員のほうから、具体的にどの省庁、府省庁の協力を得て、どのような方向・方針で検討をお考えかという御質問をいただいております。
これに対する私どものお答えでございますが、現在想定しております協力を得る予定の関係府省庁は、内閣府の犯被以外では、例えば警察庁や法務省を想定しております。
また、検討の方向性・方針につきましては、まさに現在預保納付金のこれまでの運用状況を検証している段階でございまして、これが定まった時点で方針を決定するものと考えております。したがいまして、現時点において具体的にお示しすることは困難でございますが、いずれにしても、支援の充実に向けた活用方法について検討するということにおいては何ら変わるものではございませんので、御理解いただきたいと思います。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
続きまして、国土交通省からお願いします。 - 国土交通省総合政策局政策課政策企画官 国土交通省でございます。
国土交通省で今まで記載していなかったものを今回新たに追加させていただきたいということでございます。航空機あるいは鉄道、高速乗り合いバス、こういった公共輸送機関において事故が起きた場合、被害に遭われた方への対策というものを、実は国土交通省では平成24年4月から担当する室を設けまして被害者の支援措置というのを行っております。
これは大変お恥ずかしい話ながら、省内の連絡ミス等がありまして、今まで盛り込まれておりませんでしたので、今回この施策についても追加させていただきたいということで、御提出させていただきました。
以上です。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの関係省庁からの説明に対しまして御意見、御質問がありましたら、お願いしたいと思います。どうぞ、中島構成員。 - 中島構成員 質問ではありませんが、ただいま国土交通省より公共交通事故被害者支援事業について施策を出していただいて、ありがとうございました。私はこの懇談会の委員で、これを入れなければいけないと思いつつ、ずっと失念しておりましたところがあり申し訳なく思います。非常に重要な機能でありますし、民間被害者支援団体等の連携も実質的に行われる可能性が非常に高い分野でありますので、ここの施策に取り上げていただいて、皆さんの目に触れるというのは非常に重要と思っておりますので、よろしくお願いいたします。
ここと少し関係があって、内閣府のほうに確認なのですが、内閣府のほうで交通事故被害者サポート事業があると思うのですが、こちらのほうはそのまま内閣府の事業として引き継がれていくという理解でよろしいのでしょうか。
そうすると、今まで内閣府で管轄されていた被害者支援事業が全て警察庁に移管されてしまうと、そこをまた分けて「内閣府」というふうに入れなければいけなくなってくるのだろうかというのが今、疑問として浮かびましたので、確認させて下さい。 - 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 これは内閣府の犯罪被害者等施策推進室長という立場ではなくて、共生社会政策担当の審議官で交通安全対策を担当している立場としてお答えさせていただきます。
今年の1月の閣議決定等を踏まえまして、内閣府が交通安全対策基本法に基づいて所掌しております交通安全対策についても、その一部を警察庁及び国土交通省に移管するということになっておりますが、今の段階でどの事務事業を移管するのかということについては、まだ確定しておりません。交通事故被害者のサポート事業についても検討の項目の一つではございますけれども、その点については、今後決定をしましたら、また御報告をさせていただければと思います。 - 椎橋議長 飛鳥井構成員、どうぞ。
- 飛鳥井構成員 今の国土交通省のも日本ではちょっと弱いところですので、大変貴重な項目になると思います。
実は大型の公共災害の場合に被害者のリストの扱いが困るのです。つまり、支援が入ろうと思っても、そのリストがない。警察はリストを持っていて、それから鉄道会社とか航空会社も持っているのですが、そこから先、いろいろな保健機関とかそういうところにはなかなかそれは明かせないですし、しかし、被害者支援をするときには、まず、どこの何さん、どういう被害者がいるのかということが必要で、うまく情報ということも連携できたところと、そこの壁があってなかなかうまくいかなかったというところがあるので、そこのところの連携をどうしているのか。日本である程度ルール化をしていって、個人情報を守りつつも、円滑な支援を展開するために、信頼を置ける機関にはある程度被害者リストみたいなものを共有するというようなことができればと思うのです。そういうことも含めて検討していただければと思います。
国交省のほうは、そういうところでの御苦労はなかったですか。 - 国土交通省総合政策局安心生活政策課公共交通事故被害者支援室専門官 国土交通省でございます。
ただいまの御質問でございますけれども、ただいま、我々公共交通事故被害者支援室の中で、関係省庁ということで、警察庁の方、消防庁の方とそういったリストを交換できるような形で会議等をさせていただいておりまして、協力のほうが得られるような形、体制をとらせていただいております。
以上です。 - 飛鳥井構成員 ありがとうございます。
- 椎橋議長 ありがとうございました。
中曽根構成員、よろしいですか。 - 中曽根構成員 検討していただいて、ありがたいと思っております。
期間もはっきりここではお出しできないというふうに先ほどおっしゃっていたので、どのぐらいの期間で検討することを考えておられますかというふうに質問しようと思ったのですが、具体的なことが少しでも分かれば教えていただくことはできますか。
例えば奨学金の給付事業等は平成25年から始めて、26年、27年の実績等はもう出ているわけでして、そういうものを踏まえて今回何らかの形で結論を出していただけるのではと思っていたのですけれども、その辺りもここから検討ということで、どのような形で検討をして、あと何を検討してというふうに正直思っているのか、お願いします。 - 椎橋議長 金融庁、お答えできましたらお願いします。
- 金融庁総務企画局企画課調整室長 今回、もうちょっと具体的にお答えできればと思っていたのですが、単純にケースデータの話だけではなくて、関係者の方がどう考えていらっしゃるのか。関係者といいましても、全国の団体を束ねていらっしゃる団体の意見もございますし、それから現場の各地域の団体の意見もございますし、また、この事業の委託を受けている団体の意見もそれぞれ異なるところがございますので、この調整には多少時間がかかると思っております。
ただ、いずれにしても、期間を定めずに、いつ結論が出るか分からないというような不安定な形にするつもりは毛頭ございませんので、今回の第3次計画が出るタイミングを捉えて適切なところで最終的な成果を上げさせていただければいいなと事務的には考えておるところでございます。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
そのほかにはございませんか。どうぞ、森山構成員。 - 森山構成員 質問する間を逃してしまって申し訳ないのですが、資料5の18ページ「(2)告訴に対する適切な対応」というところで、警察庁と法務省においてこういうことをするということになったのですが、表現について、最後から2行目「可能な限り迅速な対応」と書いてあるのですが、これは「迅速な」というよりも「適切な対応」ではないかという気がするのです。「迅速」ということの意味はどういうことなのかということです。
- 椎橋議長 資料5の10。
- 森山構成員 18ページ。(2)の下から2行目です。
- 椎橋議長 これは法務省ですね。
- 森山構成員 表題が「適切な対応」になっていますので、これはちょっと。
- 椎橋議長 これは警察庁と法務省が関わっておられますけれども。
「適切な」と言っても、「迅速な」と言っても、どう違うかよく分からないのですが、告訴を受理してもらえるかということについて、対応が遅れてということに対する不満がありましたので、それに対して、「全件直ちに受理するということは必ずしも相当とは言い難い場合もあるが」というこの流れの中で「迅速な対応」。対応として一番大事なのは迅速な対応だというふうに考えられたのかなというように想像いたしますけれども、一番求められていたのは、確かにそういうところであったのではないでしょうか。これは想像ですので、法務省か、警察庁か、お答えいただければと思いますが。 - 法務省大臣官房審議官 法務省のほうから若干御説明させていただきます。
- 椎橋議長 お願いします。
- 法務省大臣官房審議官 森山構成員のおっしゃるとおり、「告訴における適切な対応」というものの中には、その中身、処理の正しさということと時間的な速さ、大きく分けて2つあって、そのうちの速さだけが書いてあるというので、奇異に感じられるという気がいたします。
それはそのとおりだと思うのですが、警察あるいは検察庁においても恐らく同じだと思いますし、代理人弁護士として告訴されている場合も同じく感じられているのではないかと思いますが、処理の内容の正しさ、適切さもさることながら、告訴事件はすごく時間がかかっているというのは、議長のおっしゃるとおりでして、それをどうやって処理するかというのは、警察、検察とも昔から難しく感じているところであります。
ここの表題は、中身の正しさを排除したものではないのですが、やはり「適切な対応」と言った場合に、告訴事件の場合、まず一番に来るのは、議長おっしゃるとおり、スピードがもうちょっと上げられないか、こういうことかなというふうに我々は理解しております。その中身についてもということもそうなのかもしれませんが、とりあえず喫緊の課題としては速度ですので、こういう表現であったとしてもよろしいかなというふうに思います。
以上でございます。 - 椎橋議長 よろしいですか。瀬川構成員、どうぞ。
- 瀬川構成員 今の御説明で言うと、告訴に対する迅速な対応という意味ですか。
- 法務省大臣官房審議官 表題は「適切」なのですが、その「適切」という中身の正しさと、それから速度の問題のうち、速度のほうがやはり大きな問題なので、実際にここに書き込んでいるのが速度のほうである。表題的には、実質的には「迅速な対応」でもいいと思うのですけれども、それだと、将来的に中身の問題も出てきたときに広げる視点を失ってしまうので、ここの表現は「適切」でよろしいのではないかと思います。
- 瀬川構成員 分かりました。
- 椎橋議長 事務局のほうからお答えいただきます。
- 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 もともとこの案文について法務省と警察庁に御検討いただいた基となる要望・意見なのでございますが、青色のファイルが皆様のお手元にあると思いますけれども、41ページ、207番に被害届の全件受理という要望が挙がっていたところでございます。「被害者が被害を届け出たら、すべてを受け取ってほしい」というふうな御要望があったわけでございますが、これを踏まえまして、もちろん全てを受け取るということはなかなか難しいけれども、迅速、確実な被害届等の受理としてBという形での、警察庁と法務省さんのこの時点での御意見があったというふうなことでございます。
- 椎橋議長 この経緯からもお分かりのように、もともと全件受理の要望があって、全件を受理するわけにはいかないが、今度のこの回答にもありますが、その段階で中身の適切性についても判断はされているのですね。それで迅速にと。だから、適切に処理するというのは当然中身に入っているし、言葉としては「迅速な」ということが出ているということで、中身としては適切に対応するということも含まれているというふうに私は考えますけれども。
中曽根構成員、どうぞ。 - 中曽根構成員 再度預保納付金のことについて、金融庁さんにお聞きしたいのですけれども、例えば今、ここで文章としては「方策を検討する」という形で文章になっています。ということは、この5年間で方策を検討するということでいいというような形になってしまう。最悪そういうことなのかな。5年間で検討すればいいというふうな形で考えられなくもないと思われるのですね。
先ほど結論は早く出すように努力をされる、したいというふうなことをおっしゃっておられますので、例えば「方策を検討し、実施する」とか、そういうふうな表現方法に変えていただくとか、そういうことはできないのでしょうか。実際は5年の中で検討した中で実施もできるであろうということが考えられるのであれば、表現を変えていただくことはできないものでしょうか。 - 椎橋議長 どうぞ、金融庁の方。
- 金融庁総務企画局企画課調整室長 先ほど私から申し上げましたことは、私ども事務局としての努力の表明でございます。
実は預保納付金の活用方法をめぐりましては、御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、この制度発足時に我々事務職員だけではなく、政治レベルも含めてその活用方策をかなり詳細に検討した経緯がございます。そうである以上、恐らく今後も検討する際には、その枠組みはこれから検討しなければ分かりませんが、庁内の中でもレベルを上げた議論をしていかなければなりませんので、その中で方針がどうなるかは、私どもの今の段階では正直確たることを申し上げられないということでございますので、現状はこういった表記にとどめさせていただいているところでございます。
以上です。 - 椎橋議長 中曽根構成員、よろしいですか。
- 中曽根構成員 はい。
- 椎橋議長 それでは、本日お諮りした部分の計画案文につきましても、いろいろ御質問等がありましたけれども、御異論があるということではなかったと思いますので、このような形でお認めいただいたということでよろしいでしょうか。計画案文としてお認めいただくと、よろしいですか。
ありがとうございました。
それでは、次に移りたいと思います。もう一つ、渡邉構成員からの御提案がございます。これについて、警察庁からまず説明をいただいた上で議論したいと思います。何度かこの点についてはこの会議でも議論しておりますけれども、まず、渡邉構成員からの提案に対する警察庁からの御説明をいただくということでございます。よろしくお願いします。 - 警察庁長官官房総括審議官 それでは、私のほうから犯罪被害給付制度に関する計画案文について御説明をさせていただきます。資料5の3ページ、2の(1)のとおりであります。
この計画案文につきましては、前回の会議においてお示しをさせていただいた原案そのままでございます。なお、この調査・検討、あるいは必要な施策の実施と書いておりますけれども、これにつきましては、現在もそうなのですが、本年度中から順次作業を開始して、速やかに進めていくという旨を前回の会議でも説明をさせていただいたところであります。
今日は、現在の取組状況について簡単に御説明させていただきます。
1つ目の重傷病給付金の支給対象期間あるいは支給金額につきましては、今年の1月から実態調査を実施しております。現在、全国の都道府県警察から回答を得て、500件弱ぐらいのデータがございます。その内容を精査して、重傷病給付金受給者の実際の加療期間あるいは実際の治療に要した費用について、今、集計をしているというところでございます。
現在までの集計の途中経過でありますが、現行の支給対象期間は1年なのですけれども、1年以内に治療を終えている方というのは全体の約6割となっているようでございます。もともと第2次計画に基づく「犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討会」の取りまとめを行った当時の調査では、1年以内に治療を終えている方が全体の約7割だったように思いますが、その辺は情勢の変化が伺えるというのが現在分かっております。
いずれにいたしましても、今後、最終的な集計をできるだけ早く行いまして、その次の検討に移っていきたいと考えております。
2点目、重傷病給付金の現物支給の関係でございます。これも前に申し上げたとおり、警察庁にはそういった現物支給制度について運用の実績がございません。現在、労働者災害補償保険制度あるいは公害健康被害補償制度、そういった他の官庁で持っていらっしゃる制度について調査を行っているところでございます。この調査・検討につきましては、他制度ということでありまして、なかなか理解を進めることが難しいのですけれども、いずれにいたしましても、現在の犯罪被害給付制度の運用に及ぼす影響、評価等の検討にもある程度の時間を要することが見込まれます。
とりあえず今考えているのは、そういう現物支給制度については、もちろん他の制度を検討して考えていくけれども、当面の措置としては、被害直後の被害者の経済的負担の軽減を図れるように仮給付制度を積極的に活用する、そういった方策についても検討してまいりたいと考えております。
3点目の親族間犯罪につきましては、現在、実態に関する調査を都道府県警察に対して行うべく準備を進めています。具体的には全国調査に先駆けた先行調査ということで、警視庁との調整を行っているところでございます。親族間犯罪につきまして給付金が満額支給されない、そういったことが社会通念上不適当というような事例、あるいはその多寡、多いか、少ないかということにつきまして実態を把握するとともに、親族間犯罪の背景事情等から導かれる減額あるいは不支給事由を類型化することが、検討を行う上で不可欠であると考えております。 今後、警視庁の協力を得て速やかに先行調査を実施することといたしておりますところ、警視庁におきましては、殺人、強盗殺人、強盗致死、傷害致死、そういった親族間の事例というのが100件弱ぐらいございます。そういった事件を一つ一つつぶさに読み込んでいくところでありまして、これはちょっと時間がかかるというのが実態であります。
ただ、いずれにいたしましても、今年度中には当該先行調査に区切りをつけて、引き続いて全国調査を速やかに実施したいと考えているところでございます。
4点目、将来の稼働期間を考慮した給付金額の算定方法の改定につきましては、これは犯罪被害者等給付金の支給の在り方と関連を有する課題の一つになると考えておりますけれども、自動車損害賠償保障制度のように逸失利益を考えるということにつきましては、犯罪被害給付制度が、犯罪被害者等の被害の軽減を社会全体で引き受けようというものであることから考えますと、犯罪被害給付制度を、自動車の利用者負担という考え方に基づいて自動車利用者の保険料等を財源として運用されている損害賠償を保障する制度である自賠責と同様に考えるのは困難であると考えているところでございます。
現在の検討状況は以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
ただいま警察庁から御説明をいただきました。これに対して御意見、御質問があれば、お願いしたいと思います。どうぞ、渡邉構成員。 - 渡邉構成員 先の9月18日、警察庁と我々あすの会とで話し合いを持ったわけなのですけれども、その内容を構成員の皆様にも知っていただきたいと思って報告書を出したのですよ。ところが、警察庁から内容が違う、だめだということで、皆様のお手元には行っていないのですが、そこに参加した我々4人が全部確認して、これでいいだろうということで出したものなのですけれども、どこがいけなかったのかなと思って今、見ていたら、重傷病の調査が、私は「本年4月」というふうに書いておいたのですが、本年1月から行っているという、その点ぐらいしか違っているところがないのかなという感じはするのですけれども。
重傷病については、この前の話し合いの中でも、来年4月をめどに実施したい、期限は撤廃する、120万の上限については増額の方向で検討するということをおっしゃられたので、それについては、そのとおりでお願いしますという返事をしました。
現物給付についても、他の制度を参考にしながら、実施の方向で検討する。犯罪被害者証の発行に当たっても、すぐ発行するというのは、そのケースによっては無理だろうけれども、なるべく早い段階で地元の所轄の警察署長が発行するような方向で検討するということでいただいていますので、そのときの話し合いでは、4月からはちょっと無理だという話なので、できるだけ早い時期に実施して下さいということでお願いしてあります。
それから、カウンセリングの費用についても、今までは保険対象のカウンセリング、しかも、警察の指定した医療機関というか、そこでカウンセリングを受ける場合だけ費用を免除していた。来年4月からは予算措置をして、被害者が望むところで自由にと言うとちょっと語弊がありますけれども、望むところでカウンセリングを受けられるような、そういう方向でやりたいということですので、これについても、あすの会としてはよろしくお願いしますということで、この3点については、おおむね私どもの意見を取り入れていただいたということで、非常に感謝しております。
親族間の不支給規定については、相変わらず親族間がどうのこうのということで、前の規定にとらわれているのかなという感覚を持っているのですが、調査をすることは結構ですけれども、調査をした結果で、どういう場合は不支給になるのか、現状維持なのか、どういうことがあれば支給されるのか、その辺が非常に曖昧で因果関係が理解できない。
そもそも親族間の犯罪だからといって、社会通念上支給が適当でないということについては全く理解ができない。この点、犯給法第6条1項3号で社会通念上適切でないと認めるときは支給しないという規定がありますので、親族間の不支給規定を撤廃しても、この規定があれば、親族間に限らず、社会通念上不適切なものについては支給しないということができるわけですから、何も親族間にそれだけこだわるというのは、そういうことで仕事をしてきたから、なかなかそれが拭い去れないというのはよく分かるのですが、やはり社会の状況も変わっている、家族の在りようも変わっているというのを私どもも今まで力説してきましたし、なかなかそれを受け入れていただけないというのは非常に残念でなりません。
若年の被害者については、警察庁さんは犯給法の立法趣旨云々という話をされますが、我々の感覚としては、平成17年に犯罪被害者等基本法ができて、全て立法趣旨も変わっている。社会の連帯共助という観点で捉えた犯給法だというふうに理解しております。ですから、そういう意味では、必ず言うのは、加害者に支払義務があるのだと、それは分かっています。分かっているけれども、加害者が払えるような状況ではないので、何とか国に面倒を見て下さいと。
まして加害者のほうは手厚く保護を受けているわけです。ちゃんと三食は保障される、お風呂も入れる、テレビ付きの個室の刑務所もあるという形で、加害者の人権は非常に重く見られているのに、何で善良な被害者が置き去りにされるのか、その点を本当に考えていただきたいと思います。
この案文についても、重傷病給付金の制限の撤廃、現物給付制度の実現、カウンセリング無償の実現、親族間原則不支給・一部減額の制度の撤廃については、来年の3月までに前向きに検討するということを前提にして、若年の被害者、特に子供のいる被害者に関わる遺族給付金・障害給付金の増額、これを第3次基本計画に入れていただきたいと思います。
以上です。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
警察庁の説明と渡邉構成員の意見がございました。このテーマについて、ほかの構成員の方々、いかがでしょうか。
ただいまの渡邉構成員のお話は、今日の警察庁からの回答を踏まえての提案ということになりましょうか。 - 渡邉構成員 そうです。
- 椎橋議長 蒸し返すわけではないのですけれども、前回、ここの案文、警察庁の案文は反対だ、入れることは反対だと。ともかく早く法律を通すのが必要なことなので、今回の案文については反対だと。今日は、案文を今、言われたような形で修正すべきだと。こういう御提案ということで受け止めてよろしいですか。
- 渡邉構成員 そうです。以前から私どもがお願いしていた重傷病給付金、親族間犯罪、親族間については、来年3月までに結論を出していただけるかどうかはちょっと疑問ですけれども、検討するということを言っていただければ、それはそれで。今回、第3次に入れてしまうと、また5年延びてしまいますので、それは入れてほしくない。今回で結論を出して実施していただきたいということで、若年被害者の一時金については平行線をたどっているというのがありますので、時間をかけてじっくり検討していただいて、結論を出していただきたい。そのために、第3次の基本計画のほうに一時金だけ入れていただきたい、そういう方向です。
- 椎橋議長 一部を第3次基本計画に入れると。ほかの部分は入れないで、早く決めると。こういう趣旨ですか。
- 渡邉構成員 そうです。
- 椎橋議長 若干の修正案ということになりますね。
- 渡邉構成員 そうですね。
- 椎橋議長 いかがでしょうか。警察庁の方、どうぞ。
- 警察庁長官官房総括審議官 4つの点のうちの4点目はなかなか難しいということを申し上げて、それについては今、お話がありましたとおりですけれども、3点目の親族間犯罪のことなのですが、現在は、原則だめだ、その中でも一部は支給していい場合もあるでしょうということで、DV事案の場合等については支給できる場合もある。御存知のとおりなのですけれども、この制度でずっとやってきております。我々としては、現在の制度では救うことができていないが、救うべきところがもう少し広がらないかという観点で見て、これまで制度を改正してきているわけですから、例えば親族間の犯罪なのだけれども犯行の背景が密接な関係に基づくものではないかどうかは中身を見てみなければ分からないわけでありまして、中身を見た結果、おっしゃったとおり、法6条1号を削除するということも方策としてはあるのかもしれません。その方策を全く論外と言っているわけではありませんけれども、現在我々が考えているのは、先程の「いいですよ」という部分が広がらないかという検討をさせていただいているわけです。
ですから、最終的に現在の制度ではだめで、今、家族関係が完全に変わっているというのであれば、その「変わっている」というのを、我々としては実態調査をすることによって見たいと強く思っております。
そういう意味では、最終的にどうなるかというのはもちろん分かりませんけれども、今のままでいいと思っているわけではないということは御理解いただきたいと思います。ただ、初めから法6条1号の規定を削除すればうまくいくと警察庁としては思っていないといいますか、それを最初から結論とされるのはちょっと待っていただけないかということです。そこは非常に強く感じます。
1点目と2点目につきまして、対応の方向性を御説明いたしましたが、私からは、いつまでにというのははっきりと明言できない。4月の前かもしれませんし、後かもしれませんけれども、4月までにできると今申し上げるような立場にはないということを申し上げただけで、1点目の支給金額と対象期間の話もそうですし、2点目の現物支給も非常に前を向いてやっていますので、それを是非お認めいただきたい。調査及び検討は必要がないということにはならないと思いますので、いつまでにと言われると非常につらいのですけれども、是非そういう方向でやっているということを御理解いただきたいと思います。
3点目の親族間犯罪については、渡邉構成員と意見が違うと言えば違うのですが、全く論外だというつもりはありません。是非実態を見てみたいというのが我々の希望でございます。
以上です。 - 椎橋議長 ほかに御意見、いかがでしょうか。渡邉構成員、どうぞ。
- 渡邉構成員 ですから、今、実態を見て、親族間の場合は支給するかしないかを決めるという話なのですけれども、私どもが言っているのは実態云々ではないのですよ。例えば他人同士であっても密接な関係の他人同士もある。これはもちろん減額されていますけれども、親族間であっても密接な場合もあるわけですね。密接な場合があっても突発的に犯罪につながってしまう。平成25年10月の類型の調査によっても、憤怒というのですか、急にかーっとなって怒ってその犯罪に至ってしまったというのが結構多いわけですね。ですから、密接な関係がどうのこうのとか、そうでなくて、今まで親族間だからといって一律に不支給にしていた、それがおかしいのではないですかと。そういうことを言っているのですね。
- 椎橋議長 警察庁の方、どうぞ。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 警察庁です。
親族間犯罪を一律不支給にしていたのはおかしいというような御指摘があったのですけれども、立法のもともとの趣旨を考えますと、先ほど渡邉構成員もおっしゃったとおり、密接な関係がある他人であっても減額される場合は当然ある中で、果たしてそのときに親族が、一般論として他人と比べて全く無関係な人に近い状態なのか、それとも密接な関係がある人に近いのか。要するに、満額もらうべき人なのか、それとも減額されてもやむを得ない方なのかというのを実際に調査する必要があるのだと思うのです。
現状、私どもとしましては、例えば殺人事件であれば、約半数が親族間ということで、親族間の犯罪というのが非常に多い。要するに、親族関係を背景とした事案が多いということで認識しておりますので、恐らく人間関係が背景にあるのだろうというふうに認識はしておるのですけれども、他方で、確かにそうだといった証拠もないわけでございますので、実態としてどういう背景事情において親族間犯罪が起きているのか。それがまさに先ほど申し上げたような密接な他人のレベルと比べて密接度合いが遠いのか、近いのか。まさに社会情勢が変わって、家族というのは他人とほとんど同じで、密接な関係性がほとんどない事例がより大多数であるならば、確かに原則というのはひっくり返ってくるのかなという認識はあるのですが、他方で、どちらが大多数なのかということについて、現状、私どもに資料がございませんので、まさにそれを先行で調査させていただくというところでございます。 - 椎橋議長 渡邉構成員、どうぞ。
- 渡邉構成員 35年前に犯給法ができた、その立法趣旨ということをおっしゃっていますけれども、その立法趣旨というのは、明確に言ってどういうことなのですか。教えていただいてよろしいですか。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 法律の第1条に書いてあるのですけれども、不慮の死を遂げた者の遺族又は障害が残った者の、犯罪被害等の早期軽減というのが書かれてございます。ですから、まず不慮の死を遂げた方についての救済措置というのがもともとの立法趣旨だと理解をしております。
ですから、先ほど申し上げたように、密接な関係がある方というのはどの程度不慮性があったのか、要するに、思いがけないことだったのか。加害者が自分に危害を加えると思わなかったのかというところにおいて、どの程度の濃淡があるのかという点で不慮性を評価しているものと理解しております。 - 渡邉構成員 何かここで団体交渉をやっているみたいな感じがするのですけれども、不慮の死を遂げた方に対する弔慰金ですね。そうすると、それがどうして親族間不支給につながるのですか。その辺の趣旨を明確にしていただきたいと思います。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 不慮というのは、思いがけないという意味だと思うのですが、先ほど申し上げたように、密接な関係がある他人同士でも場合によっては減額されるというのは、まさに相手の人柄なり何なりをお互い承知していて、そういった背景事情があって危害を受けたりするという事情がございます。
他方で、親族の場合は果たしてどうなのか。先ほど言ったとおり、密接だというのは、他人と比べて密接なのか、密接でないのかという部分については、一般論としては、恐らく親族というのは他人よりは密接な関係にあるのだろうと認識しておりまして、一般論としては、まず親族というのは、満額を支給する対象になかなかなりにくい立場にあるという理解があるため法第6条第1号があると理解しております。 - 渡邉構成員 何か言いくるめられているみたいな気がするのですが、密接な関係と親族間不支給は全く別な問題ではないかと思うのですけれども。
室長は以前のPTのヒアリングにおいても、家族は助け合わなければいけないとか、あるいは財布のひもは一つだから、家族間で犯罪が起きたときに、犯給金を支給すると、加害者のところに渡るおそれがあるとおっしゃっていたではないですか。今、そんなことはありますか。私は、絶対ないと思うのですね。 - 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 いずれにいたしましても、過去累次の検討会で現状を維持することは妥当である、あるいは親族間の原則を逆転させるだけの状況について、皆様の合意が得られなかったという結論が今の状況においてはあるわけでございますので、前回の検討会の結果が出されて以降今に至るまでにおいて、渡邉構成員がおっしゃったような状況が果たしてあるのかどうかというのも含めて、その実態を確認させていただきたいと思っております。
- 渡邉構成員 平行線ですね。
- 椎橋議長 ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
議論が一番根本的なところというか、初めに戻ってしまったような感があるのですけれども、今、最終段階になっておりますので、今日は、計画案文にどういう文章を盛り込むかということの最終の詰めという予定の会議なのですね。ですから、そこを中心に、こういうふうに案文を修正してほしいとか、そういう形の議論をお願いしたいと思います。
この基になる案文は何ページのどこでしたか。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 資料5で申し上げると、3ページです。
- 椎橋議長 資料5の3ページでございます。この案文に賛成だ、あるいはこういうふうに修正すべきだと、ほかの項目についてもそういう形で今まで議論してきたわけで、今までの項目についてはお認めいただいているということでございます。
今、議論しているテーマについては、確かに今まで御意見が分かれていたということがございますので、こういう形で取り上げさせていただいているということですが、しかし、やり方については、どういう案文にするかということでやってきておりますので、ここでも同じようなやり方で是非お願いしたいと思います。渡邉構成員、どうぞ。 - 渡邉構成員 先ほどの話に戻るのですけれども、親族間不支給の立法趣旨を教えて下さい。「密接な関係があるから」ではないでしょう。室長は以前回答したときに、私も聞いていたのですが、親族間は助け合う、家族間は助け合う義務があるとか、それから財布のひもは一つだ、そういう回答をしていましたね。それを今は密接な関係にすり替えてしまっているということで、私は頭が悪いので、ごまかされそうになっているのですけれども、なぜ親族間だと不支給になるのか、それの趣旨をしっかりと教えて下さい。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 繰り返しになりますけれども、不支給の規定というのは、不支給又は減額とするということで、満額を支給されないという意味です。ですから、満額を支給されない類型というのはどういう類型なのかと考えてみると、先ほど渡邉構成員もおっしゃったとおり、密接な関係のある他人ですら満額がもらえない類型というのが確かにあるということでございます。
そう考えたときに、親族というのは果たして他人と比べてどうなのか、要するに、親族間の関係というのは、普通は他人よりも密接であろうということを考えると、一般論としては、親族間犯罪においては満額もらえるのが難しい立場にあるのかなと。そういった立法趣旨だと理解しています。 - 渡邉構成員 自民党のPTのときに言っていたことと全くというか、違うことを言っているのですけれども、では、どちらが本当なのですか。自民党で言ったことがうそだったのですか。
- 警察庁長官官房総括審議官 3点目の関係ですか。
- 渡邉構成員 いえ、親族間です。
- 警察庁長官官房総括審議官 3点目ですね。4つある中の。
- 渡邉構成員 親族間の立法趣旨。
- 警察庁長官官房総括審議官 立法趣旨の話は当時やっていないと思いますけれども。先ほどから言っているとおり、法第6条第1号を廃止しろという案について、私達はそういう考えを今とっていないということを申し上げているわけで、それはなぜかといえば、現在の法律上の規定では、原則不支給というものの中から、例外的に救うべきだというのに支給しているというのでありまして、この例外的に救う場合をもっと広げられるのではないかということで、調査をさせて下さいという話であります。
- 渡邉構成員 私が質問しているのは、今ここでお答えいただいた内容と自民党のPTのときにお答えになった内容が違っているので、どちらが正しいのですか、自民党のほうがうそだったのですかという、その質問です。
- 椎橋議長 ちょっと整理させていただきたいと思いますけれども、自民党でのPTでどういうやりとりがあったかということは、それぞれの関係でいろんな会合を持つというのは自由だと思いますが、我々の知らないところでの会合でどう言った、こう言ったということをこの場でやるのはふさわしいと思われませんので、そういうやり方はしないで、ここでの発言を通じてその問題の是非について議論していただきたい。
私、先ほどから要望しておりますけれども、案文としてどういう案文にしたらいいのかということを今日はお願いしているということですので、そういう御提案で是非お願いしたいと思います。どうぞ、渡邉構成員。 - 渡邉構成員 ちょっと言い合いみたいになってしまったのですが、一つは、私が今まで警察庁さんなり何なりから聞いていた親族間不支給になる原因、なるわけは、先ほども言いましたように、民法上、家族は助け合うのだと。その助け合う家族が犯罪を起こして、家族が犠牲になってと。そういうのに関連して、財布のひもは一つだから加害者を利する場合がある。そういうおそれがあるので、親族間については不支給にするというふうにずっと説明を受けてきたのですね。それが今、「密接な関係」という言葉でちょっとすり替えられてしまったというのは、そもそも私がちょっと受け入れられないというところです。
ですから、案文としては、先ほど言いましたように、重傷病給付金の制限の撤廃、現物給付の実施、カウンセリングの無償実施、親族間不支給・一部減額の撤廃。これがちょっと難しいですね。これを早期に、来年の3月ぐらいまでに結論を出すように検討していただいて、給付金については第3次基本計画に盛り込んでじっくりと検討していただく。そういう案文にしていただければというふうに思います。 - 椎橋議長 分かりました。
ほかの構成員の方、いかがでしょうか。どうぞ、飛鳥井構成員。 - 飛鳥井構成員 4番目の若年被害者の、どうしても立法趣旨から言うと自賠責と差が出てしまうと。これはなかなか理念としては難しいというようなお考えだったものですが、犯給法だけで解決する必要はないのであって、先ほどから意見が出ていますけれども、若い被害者の場合、小さいお子さんの教育費というのが一番の問題なので、それは奨学金の拡充ですとか、他の支援策で総合的にこういうふうに救済をしているということを是非社会にもアピールしていただかないと。これは理念が違うからだめだという非常にネガティブなメッセージになってしまいますので、合わせてこういうふうに救済しているのだといったようなことでアピールしていただければと思います。もちろん、実際の被害者の方にも、ほかにもこういう制度が利用できるということを情報提供していただければと思います。
- 椎橋議長 推進室長、どうぞ。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 渡邉構成員のほうの御指摘の中で、結局、今年度中の実施といいますか、来年度からの実施ということで御指摘をいただいている部分が幾つかあるわけですね。その点について、検討するという方向性は出ているわけですけれども、今年度中に結論を出すことが困難であるなら困難であるということを、端的にその理由なり事情というものを明示していただいたほうがよろしいのではないかなと思います。
それと、先ほど中曽根構成員のほうからも基本計画の5年間の中での議論がいろいろございましたが、第2次基本計画でもそうでありましたように、重要な新規の施策については、検討の期間というのを、皆さん、白書がお手元にあるかと思いますけれども、白書の後ろのほうに基本計画がございますが、例えば162ページなどを御覧いただきますと、「犯罪被害給付制度の拡充及び新たな補償制度の創設に関する検討」云々のところで、3年以内を目途に結論を出すと。あるいはその下には「カウンセリング等心理療法の費用の公費負担についての検討」ということで、2年以内に結論を出すという形で、いずれもその期限を遵守して一定の結論を出して、施策を展開していただいているわけでございます。
その意味で、この第3次基本計画においても、新しい施策に関しては、全部が全部とまでは言えないかもしれませんが、一定の期限を設けて検討していくということは、当然考えていかなければならないことではないかなと思っています。その点の議論については、もう少し検討が成熟してきたところでその期限というものを考えていくことになるのかと思います。 - 椎橋議長 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ、中島構成員。
- 中島構成員 渡邉構成員からお話があったカウンセリング費用の公費負担ことなのですが、カウンセリング費用については、既に検討会が実施されまして、警察庁のほうでも研究会が実施されて、既に第3次基本計画のほうに実施する旨が記載されていますので、ここに改めて書かなくても、それはもう計画に入っているというふうに私は理解していたのですが、それはそのまま実施されればよろしいという理解でいいですか。
- 渡邉構成員 はい。
- 中島構成員 ありがとうございます。
- 椎橋議長 中曽根構成員、どうぞ。
- 中曽根構成員 民間の援助団体の中の早期援助団体として私も支援させていただいているのですけれども、各県の警察によって違うのかもしれないのですが、私どもが連携をさせていただいている県の県警の支援室の方の様子を見ていると、親族間が全部だめだという考え方から、ケースによっては支給すべきだという方向で一生懸命検討されている様子というのが見受けられます。
ですので、警察庁の方がおっしゃっている今、調査されているということ、一生懸命やっておられるのだろうということが想定されますので、できましたらそういう形で引き続き行っていただいて、何らかの形をつけていただけないかなというふうに思います。各県によって違うのかもしれないですけれども、私はそういうふうに見させてもらっています。
それから、犯給法の手続を行う支援室がそうであっても、各署の警察官の方たちの意識が、もしかすると、親族間ならもう出ないのだというふうな感覚をまだまだ持っておられるので、支援室に上がってこないというケースもあるのではないかというふうに思われますので、各警察官の方たちの意識、親族間ならもう出ないという考え方について、研修等、そういう中で周知徹底をもっとしていただくことが必要なのではないかと考えています - 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。
もう大分時間が押してきて、予定の時間は過ぎているのですけれども、こういう議論が分かれているときに採決で決めるということは今までしてきていないわけですので、何とか全員一致、そういう形で案文を決めていきたいと思うのですが、今、なかなか難しい状況にあると思います。
今日、警察庁のほうからここの案文に示されているよりも具体的な方向性が示されております。私の認識としては、今までの案文ですとかなり抽象的になっておりますので、今日報告された案をより具体的な形にするという形である程度の合意はできないだろうかと。もちろん、さらに詰めた検討が必要だ、熟考してみたいということはあると思いますので、こちらで引き取らせていただいて、それで案文を事務局、警察庁と相談しながら考えて、そしてその案文を構成員の皆様にお示しして、それで合意できるかどうかというような手続をとって決めていくという形にするのはいかがかなと。もう一回やるというわけにはいかないのですね。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 現状では10月の終わりぐらいに親会議のほうを開催できればというスケジュールでやっておりますので、今のところ、事務局としてもう一回専門委員等会議の開催ということは考えてはいないところでございます。
- 椎橋議長 推進室長、どうぞ。
- 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 渡邉構成員の提案に関して、先ほどの繰り返しの部分もありますけれども、今年度中に結論をということを御提案されている中で、警察庁としてそれを検討するにしても、今年度中に本当にできるのか、できないのかという点をもう少し御説明していただいたほうがいいのではないかと思うのと、渡邉構成員からの修正の御意見があったわけですけれども、それについてどのように考えているのかということをもう少し御説明いただいたほうがよろしいかなと思うのです。できれば今日のこの会議の段階で。
- 椎橋議長 それについて、いかがでしょうか。今年度中にという場合に、実現可能性について、渡邉構成員がどう考えておられるのかということについても私はお伺いしたい。今年度中というふうに言っても、渡邉構成員の御提案自体も、4点について、こういう制度を大きく変えるという場合には、その根拠というものが重要ですから、それぞれの構成員が、こういう根拠であればこれは納得できるというような形でないと、なかなか全員の賛成が得られるということは難しいのではありませんか。警察庁の方も根本から反対しているというわけではなくて、まず調査をした上で変えるべきところは変えるということをおっしゃっているわけですから、そういう意味で、今年度中というふうに渡邉構成員はおっしゃいますけれども、言い方が適切かどうか分かりませんけれども、こういう形で強行して進めていったというふうにして、果たしてそれが実現可能なのかどうかということを考えますと、オール・オア・ナッシングというような形でいくと、オールでないとナッシングになってしまうというリスクもあり得ると思うので、そういう行き方というのはちょっとリスクがあり過ぎるのではないかなと思います。構成員の皆さんが納得した上で進めていくというのがこの会の在り方だと思いますので、どの程度のところが現実的なのかということも含めてお考えいただければと思います。どうぞ、警察庁の方、御発言があるようですが。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 恐れ入ります。
まず、これはもう私から申し上げることでもないかもしれませんけれども、現状の仕組みと申しますのは、第2次基本計画に基づきまして検討会を開いていただいて、その結論を踏まえまして、私どもが今、運用をしているということが大前提でございます。その大前提に対して、今、再度それにチャレンジしようということでございますので、数年かけて検討してきた結果に対するチャレンジでございますから、一朝一夕に終わるわけもないというのが私どもの率直な感想でございまして、事情が変わったのだというだけの事実関係について確認・調査させていただくそれ相応の時間を頂戴いたしたいというのが私どもの意見でございます。 - 椎橋議長 警察庁の方としては、決して先延ばしではないということですね。重傷病の問題についても、1年以内に治療を終えた人は6割だということで、そういう意味では、前の数字よりも減っているということがあるわけですけれども、その中身についてどういうものかということを調べて、そして最終的な集計を早くするということをおっしゃっていましたね。
2番目の現物支給の問題についても、確かにこれは今まで実績がないということで、調査・検討する必要がある。それにある程度の時間がかかるけれども、その間は何もしないというわけではなくて、当面の間の措置として仮給付を積極的に実施するということで、その調査研究というのもできるだけ早く行うということでした。
3番目の親族間の犯罪についても、警視庁で先行調査をして実態把握をしている。それは今年度中に終わると。その後、直ちに全国調査に入るということでありました。
4番目の若年者の給付が薄いのではないかということについては、逸失利益を入れるという考え方は自賠責の考え方ですけれども、それとこの犯給法とは違うのではないかということで、これについては、違うということを同じような形にするにはどういう理屈付けができるのか。これもかなり詰めて考えなければいけないということもございます。
ですから、私も先ほどの話を伺って、警察庁のほうも決して先延ばしをしようとは考えておられないと思いますので、実現可能性ということも考えて、今、言った報告内容について、表現できるところは表現するというような形で第3次の計画案文に盛り込むという形、あるいはその検討に当たっては、もちろん渡邉構成員の案というものも考慮に入れて、それで事務局のほうで修文案を作って皆様にお送りして、そしてやりとりをして、その上で最終案を決めると。もう一度会議を開くことは難しいということであれば、そういう作業をするということしかないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ、森山構成員。 - 森山構成員 私もこの検討会に入っていて、結局、親族間の給付金については少数説だったのですけれども、その後のこの動きを見ますと、ある県で起きた現実の事件で、自分の情夫というか、男に子供を預けていて、その情夫が子供を虐待して死んでしまったということで、母親が犯罪被害で給付請求したら、親族でないものだから、減額はされましたが、給付を受けるという、逆なことで。要するに、最初に親族で切るということよりも、そこの密接性の関係で切るべきかどうか。その前に親族ということを持ってくると、どうしても形式的になってしまうので、それはまずいと私自身も思っている。最初の原則の決め方というのが非常に難しいので、私としては、そこのところを「親族」という言葉とか法律概念で区切るのは余り適当でないと思っていますから、そういうことなのですが、現実には自民党ないし民主党もそういう形で、見直し等についての政治的な動きがありますので、そういうことも含めると、その検討会のときと若干違ってきている情勢もあるということを踏まえて、ここに「在り方」という書き方があるのですが、「在り方」だと肯定的な書き方にしか見えないわけで、この辺については「見直し等」と書くか、その辺は今、微妙に変わってきているのではないか。
ただ、この構成員の中でも具体的に票をとっているわけではないから分かりませんけれども、この調査研究の結果に基づいて一定の結論を出そうということで、今の時点では、構成員の中でもはっきり賛否をとれる状況ではないというのが現状だと思いますので、その辺はある程度抽象的ではありますが、より具体的にはこの「在り方」という書き方を少し考えてみてもらったらいいのではないかと思います。 - 椎橋議長 渡邉構成員、どうぞ。
- 渡邉構成員 今の森山構成員の発言、非常にうれしく思います。ありがとうございます。
村田構成員は、親族間についても、今のままでいいとは思っていないという発言を最初にしていただきましたね。ですから、私どもは非常にうれしく思うのですけれども、先ほど来、支給の立法趣旨とか、そういう質問をしたときに、以前から言われていたのと同じような理由というか、それで多分言ってくるのだろうなと思ったら、何か密接な関係のほうに話が移っていってしまったというのがありますので、申し訳ないですけれども、どうもその辺が言葉を信じられないという思いがしてしまいます。 - 椎橋議長 警察庁の方、どうぞ。
- 警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者支援室長 すみません。私の言葉足らずで恐縮だったのですけれども、過去に「加害者を利するおそれがある」という説明をしていたのではないかという御指摘につきましては、確か私の記憶によりますと、「私の前任か前々任がそう言っていたはずだけど、君はどう思うか」というふうに聞かれまして、そのときに、私は「過去の説明ではそういうことを説明しておりました」ということを申し上げたところ、場が騒然となって、そこからもう説明ができない状況になったということもございまして、説明を尽くし切れていなかった部分が実はございます。
ですから、確かに先ほど渡邉構成員のおっしゃったとおり、そういった御説明というのは従来からしていたと理解をしております。 - 椎橋議長 いかがでしょうか。法務省の方、どうぞ。
- 法務省大臣官房審議官 先ほどの議長の提案を支持いたします。
それで、これは実際に警察庁さんと何か打ち合わせたわけでもないので、もし間違っていたら訂正いただきたいのですけれども、私も検察庁に長く勤めておりまして、親族間の事件、あるいは親族間でない事件も含めて、いろんな事件をやってきて、犯給法の請求が起こったらどうだろうということをいろいろな事件について思い出してみますと、これは支給してはいけないよなとか、これは支給しないとかわいそうだよなとか、あるいはこれは親族間ではないけれども支給してはいけない事件だよなと、こういうものがいろいろ思い浮かんできます。
ただ、それはすごく直感的なもので、私の倫理観とかそういうもので決まってきている、そういう結論ですので、そういうのは調査して、これはいい、これはだめ、これは減額、そういう基準を作っていくというのはすごく大変な作業なのだろうと思います。まさにそれを警察庁さんが今やっていますし、警察庁さんはこれまでは違う基準を立ててやられていたと思うのですが、それをこれから変えていくということになりますと、これはすごく大変な作業がきっとあるのだろうなというふうに推察するところであります。
そうしますと、渡邉構成員がおっしゃるような、今年度末までに決めて実施するというのは、我々の経験からすると、現実的には不可能だと思います。ですから、それを実施することを前提に第3次計画案から落としてしまうというのは、被害者の会としても恐らく得策ではない。やはり何か書き込んで、これは閣議決定になりますので、閣議決定ということになりましたら、それは各省庁に対して非常に縛りのきついものとなってまいりますので、そういうことも考えると、何らかの形で書いておくのがいいのだろうなと思っているところであります。
ただ、具体的にどう書くか、どう表現するかというところについては、まだ意見があるかのように思いますので、そこは先ほど議長がおっしゃったように、関係省庁あるいは構成員の方の間で詰めて、最終的な案文にしていただけたらいいのではないかと考えているところでございます。
以上です。 - 椎橋議長 ただいま髙嶋審議官から大変重要な御意見をいただきまして、第3次計画案に盛り込むか、盛り込まないかということになって、盛り込まないということになると、これは後退だという感じは否めないですね。やはり二歩でも三歩でも進めるということが重要だと考えますので、ただいま私の提案に賛成していただきましたけれども、そのときに全くの議長一任ということになると、これは無責任ですので、先ほど警察庁の方がおっしゃったようなことを具体化できるところは具体化するということを基本にして、その際には、渡邉構成員の意見も参照しながら、事務局のほうで取りまとめをして、皆様方に修文案を御提案させていただくということを改めて御提案申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
- 瀬川構成員 その前に、渡邉構成員から見て、この案文で何か修正すべきと思われる点がありますか。この案文について、これは全くだめという趣旨なのか、こう修正したらいいという提案はありませんか。
- 渡邉構成員 それは持ち帰って検討させていただきます。
- 瀬川構成員 前回、審議官は前向きに検討するということをはっきり言われました。室長は実務担当者なので、先ほど「謙譲の美徳」と言いましたが、派手なことは言えない立場ですので、恐らく精いっぱい答えておられるというふうに思います。
つまり、現状はこうで、ここは難しいということをはっきり言われる一方で、このところはやってみましょうというような形で言われ、調査結果を見させていただきたいみたいなことを言われました。こうした説明に、それは信じられないなどという形でこの会議は終われないのではないかと思っていますので、何かもし御希望があれば、端的に言われたらいいと思うのですが。 - 渡邉構成員 すみません。検討していただくのは非常にうれしいことなのですけれども、昨今、新聞紙上等でもすごい凶悪事件、例えばこの前も高校生の息子が母親を殺したとか、そういう親族間で事件が起きていますね。例えばあの加害者に兄弟がいたかどうか分かりませんけれども、仮にいたとしても、多分何にもないのですね。だから、それが本当に理不尽だという思いがあるので、一日も早くその結論を出していただきたいという思いはあります。
ただ、それは我々の願いであって、警察庁さんも「では、分かりました、明日からやりましょう」というのは無理だと思いますので、ある程度の時間がかかるのはやむを得ないと思っていますけれども、これから先5年、10年待ってくれというのは、私どもも被害者には言えないので、なるべく早く結論を出していただきたい、そういう思いです。 - 椎橋議長 中島構成員、どうぞ。
- 中島構成員 今回警察庁のほうでこの案文を入れていただいて、私たちも被害者の現場から、重傷病給付に関しても、精神科については結構時間がかかることも知っておりますし、実際親族間の方で苦労されている方がいますので、これを検討して実施するという旨は是非基本計画に入れていただきたいと思っております。
カウンセリングの費用についても、過去、非常に長い間検討して、一回検討会で施策化されなかったのも、また復活してということを繰り返してきておりまして、最終的に調査研究の結果、入れていただいたという経緯がありますので、ここに案文として入るということは非常に重みがあって、実施の方向に検討していただけるものというふうに私は思っております。渡邉構成員ができるだけ御納得のいく形で是非残していただきたいと思っております。 - 瀬川構成員 私が言うまでもないのですが、渡邉構成員としての意見をできるだけ反映することを了承するとともに、ここでは先ほどの議長提案を了解するということでどうでしょうか。
- 渡邉構成員 先ほど議長が言われたとおりで結構です。
- 椎橋議長 それでは、いろいろ議論をしていただきました。ありがとうございました。
最終的な提案としまして、資料5の3ページの2の(1)にどの程度の修文ができるのかということにつきまして、本日、警察庁のほうから御説明がありましたものをどの程度取り入れることができるのかということ、全体的な関係もありますから、言ったことを全てというわけにはまいらないと思いますけれども、どの程度取り入れることができるのかということを検討した上で、警察庁とも相談しながら、事務局のほうで修文案を作って、そして構成員の皆様に協議していただいて、御意見をいただき、それで最終案をつくるということを御提案申し上げたいと思います。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり) - 椎橋議長 ありがとうございました。
それでは、前回の会議からの変更箇所等を中心にした検討は以上でありますけれども、全体を通して何か御意見がありましたらお伺いしたいと思いますが、ございますか。よろしいですか。
それでは、最後の議題以外はそのまま骨子案をお認めいただきましたので、最後の部分について、先ほど申し上げたような手順をとりたいと思います。
それ以外の部分については、この専門委員等会議としてはこの骨子案で確定するということにさせていただきたいと思います。
では、もう一つ残っております議題「第3次犯罪被害者等基本計画案骨子に対する国民からの意見募集(パブリックコメント)について」に移りたいと思います。
まずは事務局から今後のスケジュールと併せてパブコメの要領等について説明をお願いします。 - 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。資料7及び資料8に基づいて御説明をいたします。
まず、今後のスケジュールでございます。先ほどもちょっと触れましたけれども、第2次基本計画の評価及び第3次犯罪被害者等基本計画案の骨子につきまして、犯罪被害者等施策会議においてそれぞれ決定していく予定としておりまして、こちらは10月下旬ごろに開催ということで、現在検討中でございます。
なお、犯罪被害者等施策推進会議の開催方法でございますが、今のところ持ち回りという方向で検討を進めております。
また、推進会議において決定された骨子につきましては、直ちに3週間の期間を設けてパブリックコメントにかけることとしております。パブリックコメントの実施要領等については、資料8のほうを御覧下さい。実施に当たりまして報道発表を行い、インターネットのほか、ファックス、郵送で意見を受け付けることとしております。
その後、国民から寄せられた意見等を踏まえまして、改めて第3次犯罪被害者等基本計画案の具体的施策について検討することとしております。
また、これと並行して計画の前文等についても検討することとしております。
そして、年明けの1月中旬ごろ、第23回の専門委員等会議の開催を考えております。この会議におきまして第3次犯罪被害者等基本計画案を確定するため、パブリックコメント終了から1月の会議までの間に各構成員間の情報共有を図りつつ、メールによる文書のやりとり等により計画案を詰めていきたいと考えております。
なお、仮に1月の会議におきまして計画案の確定ができなかった場合には、2月上旬又は中旬に改めて会議を開催することもあり得るところでございます。
そして、犯罪被害者等施策推進会議を経て、3月末までに閣議決定において第3次犯罪被害者等基本計画を決定することとしております。
以上でございます。 - 椎橋議長 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明に対して、何か御質問ございますか。
それでは、事務局からの説明のとおり今後検討を進めていきたいと思います。
来年の3月末まではまだまだ検討は続きますけれども、皆様の御協力によりまして、第3次被害者等基本計画の骨子案は、重要な点が1点残りましたが、ほぼ確定することができました。議長として感謝申し上げます。
それでは、これをもちまして、第22回基本計画策定・推進専門委員等会議を終わります。
どうも本日はありがとうございました。