第16回基本計画策定・推進専門委員等会議 議事録

開催要領

日時:平成27年3月16日(月)午後2時00分~午後4時00分
場所:中央合同庁舎8号館8階特別大会議室

出席者

「基本計画策定・推進専門委員等会議」
議長 椎橋 隆幸 中央大学大学院法務研究科教授
  瀬川 晃 同志社大学法学部教授
  中曽根 えり子 (公益社団)にいがた被害者支援センター理事・支援局長
  森山 博 弁護士
  川出 敏裕 東京大学大学院法学政治学研究科教授
  中島 聡美 (独)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
成人精神保健研究部犯罪被害者等支援研究室長
  渡邉 保 犯罪被害者遺族
  安田 貴彦 内閣府犯罪被害者等施策推進室長
  沖田 芳樹 警察庁長官官房総括審議官兼長官官房審議官
  畑山 栄介 総務省大臣官房企画課企画官
  小野瀬 厚 法務省大臣官房審議官
  丹羽 雅也 文部科学省大臣官房総務課法令審議室審議第四係
  荻原 和宏 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室室長補佐
  舟本 浩 国土交通省総合政策局政策課企画官

議事次第

  1. 開会
  2. 男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえることとされている要望・意見に対する対応について
  3. 論点についての検討①
    • 地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進
    • 犯罪被害者等を支える気運の醸成
  4. その他
  5. 閉会

配布資料

資料1 男女共同参画会議計画策定専門調査会起草ワーキングチームにおける配付資料
資料2 第2次犯罪被害者等基本計画の見直しに関する要望・意見に対する整理(抜粋)
資料3 「地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進」への取組状況及び今後の方針(内閣府)
資料4 「犯罪被害者等を支える気運の醸成」への取組状況及び今後の方針(内閣府)
資料5 命の大切さを学ぶ教室について
参考資料 中島構成員からの質問・意見

議事内容

  • 椎橋議長 本日は,お忙しいところをお集まりいただきまして,ありがとうございます。ただ今から第16回「基本計画策定・推進専門委員等会議」を開催いたします。
     まず,本日の議事及び配付資料につきまして,事務局から説明をお願いします。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
     それでは,お手元の議事次第を御覧ください。本日の議事は,大きく2点でございます。
     まず,1点目は,「男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえることとされている要望・意見に対する対応について」でございます。
     これに関する資料を,資料1「男女共同参画会議計画策定専門調査会起草ワーキングチームにおける配付資料」,及び資料2「第2次犯罪被害者等基本計画の見直しに関する要望・意見に対する整理(抜粋)」としてお配りしております。
     2点目は「論点についての検討①」でございます。本日は,「地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進」及び「犯罪被害者等を支える気運の醸成」について御検討いただくこととしております。
     これに関する省庁側からの説明資料といたしまして,内閣府作成の資料3「『地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進』への取組状況及び今後の方針」,同じく内閣府作成の資料4「『犯罪被害者等を支える気運の醸成』への取組状況及び今後の方針」,及び警察庁作成の資料5「命の大切さを学ぶ教室について」をお配りしております。
     また,本日の説明事項につきまして,中島構成員から事前に御質問と御意見をいただいておりますので,これらを参考資料としてお配りさせていただいております。
     事務局からの説明は以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     それでは,早速議題1「男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえることとされている要望・意見に対する対応について」に入りたいと思います。
     これにつきまして,事務局から説明をお願いいたします。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
     それでは,議題1の「男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえることとされている要望・意見に対する対応について」御説明を申し上げます。
     前回の会議におきまして構成員の方から,男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえて必要な記述を行うとされている要望・意見に関して,「新たな男女共同参画基本計画の決定に向けた検討スケジュールや論点について説明してほしい」という御意見や,「当該要望・意見の専門委員等会議における検討方法を明確にすべき」との御意見があったところでございます。
     これを踏まえまして,まず新たな男女共同参画基本計画の決定に向けた検討スケジュールについて御説明を申し上げます。
     第4次となる新たな男女共同参画基本計画にありましては,今年12月の決定に向けて作業が進められておりまして,犯罪被害者等基本計画よりも先行して検討が行われているところであります。
     具体的な検討にあっては,現在,男女共同参画会議の下に置かれている計画策定専門調査会に起草ワーキングチームが置かれておりまして,そこで行われているところでございます。
     起草ワーキングチームにおける議論自体は非公開で,詳細な議事録は公表されておりませんけれども,議事概要及び配付資料は公表されているところです。
     本日の資料1は,2月6日及び2月26日に開催された起草ワーキングチームにおける配付資料であります。
     資料1の表紙をめくっていただきますと,1枚目が「今後の検討スケジュール」となっております。現在,先ほども御説明いたしました起草ワーキングチームで,新たな基本計画の基となります「基本的な考え方(素案)」の案の作成が行われているところであります。そして,5月の計画策定専門調査会において「基本的な考え方(素案)」が決定されることとなっております。
     その後,男女共同参画会議におきまして,総理へ「基本的な考え方」を答申するなどしまして,ここには書いてございませんが,最終的には12月に第4次男女共同参画基本計画が決定されることになると承知しているところでございます。  次に,第4次男女共同参画基本計画の策定に向けた論点等について御説明を申し上げます。
     資料を1枚めくっていただきますと,資料1-2「第4次男女共同参画基本計画の構成(案)」となっております。こちらは現段階のものということでございますけれども,「III 安全・安心な暮らしの実現」の1つの項目といたしまして,「⑦女性等に対するあらゆる暴力の根絶」が挙げられておりまして,具体的な項目として「DV・ストーカー・性犯罪,売買春・人身取引等の対策(子供含む)」が挙げられているところでございます。
     この「女性等に対するあらゆる暴力の根絶」でのより具体的な論点ということでございますが,次の資料1-3の17ページを御覧いただければと思います。「女性に対するあらゆる暴力の根絶」に対する具体的な論点として,「交際相手からの暴力(デートDV)への取組」「ストーカー対策の扱い」「性犯罪への対策の推進」等が挙げられているところでございます。
     以上が,第4次男女共同参画基本計画の策定に向けた検討スケジュールと論点についてでございます。
     次に,男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえることとされている要望・意見の基本計画策定・推進専門委員等会議における検討方法について,御説明申し上げます。
     資料2を御覧いただければと思います。資料2は「第2次犯罪被害者等基本計画の見直しに関する要望・意見に対する整理(抜粋)」でございます。これは,前回のこの会議で配付いたしました整理案のうち,男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえて必要な記述を行うと整理されているものを抜粋したものでございます。
     先ほど御説明いたしましたように,5月ごろに男女共同参画会議の計画策定専門調査会におきまして,「基本的な考え方(素案)」が決定なされることとなっております。
     そこで,資料2の表紙に記載しておりますとおり,素案に反映された要望・意見にあっては,素案を踏まえて,当会議において,犯罪被害者等施策として新たな犯罪被害者等基本計画に盛り込むことについて御検討をいただくこととしております。また,素案作成に当たって検討されなかったものにつきましては,当会議において改めて検討することとしております。
     以上が「男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえることとされている要望・意見に対する対応について」の事務局からの説明でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     それでは,ただ今の説明に対しまして御意見,御質問等がございましたら,お願いしたいと思います。森山構成員,どうぞ。
  • 森山構成員 資料1-3の17ページの下から7行目「法務省の検討を踏まえ,男性の性的被害をどう考えるか,女性の被害が埋没しないよう配慮しつつ,検討すべきでは」と。要するに,省庁で法務省の検討を踏まえると。こちらは男女共同参画会議の検討を踏まえるということで,我々は,素案が出た段階でそれを検討するということで,最終的な調整とかそういうのはどういうふうになるのでしょうか。
  • 椎橋議長 ただ今の御質問に対して,事務局からお願いします。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 事務局でございます。
     先ほども御説明申し上げましたとおり,まず素案が5月にできまして,最終的な基本計画の決定は本年の12月というふうに聞いているところでございます。ですので,そちらの進捗状況を見ながら順次調整をさせていただければと思っております。
  • 椎橋議長 森山構成員,どうぞ。
  • 森山構成員 そうすると,12月のときに我々のここでの意見もそれに入ってくるということになるわけですか。それとはまた別な話になると。
  • 椎橋議長 事務局から,どうぞ。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 こちらの専門委員等会議での議論が男女共同参画会議のほうに反映されるかという御趣旨でしょうか。
  • 森山構成員 はい。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 その点につきましては,あちらの会議の御判断ということになろうかと思っております。もちろん,こちらの会議での議論の状況というのは,適宜事務局を通じて情報提供させていただきます。
  • 椎橋議長 ただ今事務局から御説明がありましたように,素案の作成の過程ということでありますので,はっきりした形で御質問されるのも難しい状況ではないかと思いますけれども,素案に反映された要望・意見について,当会議において犯罪被害者等の施策として新たな犯罪被害者等基本計画にどう盛り込むかということについて,検討していただくということですので,素案の中に入っているものについては,もちろん検討する。入っていないものについては,近いうちにここでまた取り上げて検討する。両方可能ですので,その過程で,是非これについては素案の作成の中でも反映してほしいのだという御要望があれば,それはお伝えするということでございます。
     ほかにはございませんでしょうか。瀬川構成員,どうぞ。
  • 瀬川構成員 質問です。17ページの「性犯罪」という言葉について,これは刑事法上の性的な犯罪という意味と捉えていいかと思います。他方、「性暴力」という言い方についてですが,一般化しつつあると思いますが,ここで「性暴力」という言葉は,具体的にどんな意味なのか,確認のために教えていただけますか。
  • 椎橋議長 これは事務局としては,どう整理しておられますでしょうか。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 現段階におきまして,こちらの専門委員等会議で「性犯罪」と「性暴力」の使い分けを明確に定めているわけではないところでございますが,性暴力というのは,性犯罪より非常に広い概念というふうに考えておりまして,犯罪に当たらないものでも性的な観点から被害者に悪影響を及ぼすものというふうな意味で使われていると理解しております。
  • 瀬川構成員 誤字なのですけれども,18ページの(5)の赤字の「加害者対策(更正)」の「更正」は,「更生」なので,ここの点は直されたほうがいいと思います。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 こちらは事務局にて指摘済みでございます。
  • 椎橋議長 ほかにはいかがでしょうか。
     それでは,これ以上の御意見,御質問はないようでございますので,男女共同参画基本計画の見直しの検討結果を踏まえることされております要望・意見に対する対応におきましては,ただ今の御意見等も踏まえた上で,進めていきたいと思います。
     続きまして,次の議題「論点についての検討」に移りたいと思います。
     まずは,前回の会議におきまして,専門委員等会議の場で議論することが了承されました「地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進」について検討したいと思います。
     「地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進」につきましては,内閣府だけでなく,他の省庁も関わってきますが,時間の都合もございますので,主として関わりを有する内閣府から説明していただきたいと思います。
     安田審議官からお話があるかと思いますけれども,参考資料として中島構成員から御質問と御意見が提出されております。非常に貴重な内容であります。これについて,まずは内閣府からお答えしていただく。それから,ほかの省庁,国交省等にも関わってきますので,そこはまたその次にお答えいただくということで進めてまいりたいと思います。
     まずは内閣府のほうからお願いいたします。
  • 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 それでは,内閣府から「地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進」に関しまして,内閣府が推進主体となっている施策の取組状況と今後の方針について,配付資料3に基づき,また,中島構成員の参考資料も適宜御覧になっていただきながら,御説明をさせていただければと思います。
     まず,1点目は「地方公共団体による見舞金等の導入促進」についてであります。
     見舞金制度を導入しておりますのは,平成26年4月1日現在では2政令指定都市,96市町村となっております。第2次基本計画当初の平成23年と比較しますと,2政令指定都市・40市町村の増加となっております。
     また,貸付金制度の導入につきましては,平成23年4月1日現在,2県・5市区町でございましたが,平成26年4月1日現在では2県・7市区町となっており,わずかではございますけれども,増えているところでございます。
     犯罪被害者等に身近な公的機関でございます地方公共団体が,当座必要な資金を犯罪被害者等に対して迅速に給与・貸与するということは,被害直後の生活支援として有益であると同時に,後に述べる条例についても言えることかと思いますが,地域社会における連帯共助の精神を示すことにもなるものと考えております。
     見舞金制度につきましては,中島構成員から,参考資料の1(1)において,見舞金制度の具体的内容について,事前に御質問をいただいていたところでございます。平成21年度の調査では,43市町しか導入しておりませんでしたが,先ほど御説明したとおり,平成26年4月には2政令指定都市,96市町村が導入しております。その概要については,犯罪被害者白書の244ページに掲載しておりますので,そちらも御覧になっていただければと思います。
     これを見ていただいてお分かりかと思いますが,死亡の場合には30万円,傷害の場合には全治1カ月以上で10万円となっている地方公共団体が多くなっています。
     海外で被害に遭われた方を対象とした見舞金制度を導入しているのは,潮来市のほか,2市町でございます。また,無作為に5つの市について取り上げまして,その見舞金条例を確認いたしましたところ,いずれも条例上,犯罪被害者等と加害者の間に親族関係があるときには見舞金を支給しないという規定はないものの,「犯罪被害者等と加害者との関係その他の事情から判断して,見舞金を支給することが社会通念上適切でないと認められるとき」は見舞金の支給をしないことができると規定されているところでございます。
     そのほか,見舞金の対象に特徴を有するものについては,特に把握できておりません。
     性犯罪被害者が対象になるか否かについては,条例の規定としては,「犯罪行為により傷害を受けた者」としているものにありましては,性犯罪被害に遭い,傷害を受けた場合には支給されるものと承知しております。
     また,見舞金の使途について制限が設けられているか否かというお尋ねについては,制限を導入している秋田県内の8市町,京都府内の25市町村,岡山県内の4市町に確認いたしましたところ,特に制限を設けているというところはございませんでした。
     2点目は,「被害直後及び中期的な居住場所の確保」についてであります。
     この点は,第1次の犯罪被害者等基本計画に基づき設置された「経済的支援に関する検討会」の最終取りまとめにおいて,「地方公共団体において居住場所の確保や被害直後からの生活支援策に対する取組がなされるよう,国において,啓発・情報提供等の取組を行うべき」と提言されたことを受けまして,第2次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた施策であります。
     公営住宅等の入居に関し特別の配慮を行っている地方公共団体の数は,表に記載のとおりでございます。「その他」の中には,例えば家賃の減免措置等,犯罪被害者等の経済的負担の軽減に資する取組を推進しているところもございます。
     なお,中島構成員から,参考資料の1(2)において,犯罪被害者等の公営住宅の利用に関するデータや,公営住宅の入居に際して何らかの配慮をしている地域と配慮をしていない地域で利用のされ方に差があるのかというお尋ねをいただいているところですが,内閣府としては,それらに対して詳細なデータ等を把握しておりません。しかし,今回の基本計画の見直しに関する要望・意見といたしまして,「公営住宅の優先入居」を求めるもの等がありましたことから,その利用実績等に関わらず,地方公共団体において制度として整備しておくということは,犯罪被害者支援の観点から重要であると理解しております。
     ちなみに,白書の250ページには「地方公共団体における公共住宅の入居に際して配慮を行う制度の状況」について記載しております。
     第3点は,「地方公共団体における総合的対応窓口の設置の促進等」についてです。
     都道府県・政令指定都市につきましては,平成23年以降,全てに総合的対応窓口が設置されております。
     市区町村については,平成23年4月1日現在,56.1%の設置率でございましたけれども,平成26年4月1日現在では80.7%となっており,この間,約25ポイント上昇しております。
     地方公共団体における総合的対応窓口は,犯罪被害等に遭い,生活や医療,住居等の問題で困った住民が役所を訪れた際に,相談・問合せに対応し,庁内関係部局や関係機関・団体等に関する情報提供・橋渡し等を行うなど,犯罪被害者等の利便性の面から有益であるほか,二次被害の防止にも資するものであろうと認識しております。
     地方公共団体における総合的対応窓口につきましても,中島構成員から参考資料の1(3)において事前に御質問をいただいております。
     地方公共団体における総合的対応窓口への社会福祉士等の専門職の配置に関しては,例えば横浜市が福祉職2名,これは臨床心理士資格と精神保健福祉士資格の両方を保有している人が1人と,社会福祉士資格保有者が1人という内訳でございます。中野区が福祉職1人,これは保健師の資格と精神保健福祉士の資格の両方を保有している方です。横浜市,中野区においては,こういった方々をいずれも専任で配置しているというふうに承知しております。
     後ほど御説明いたしますが,内閣府といたしましては,犯罪被害者支援分野における社会福祉士等の専門職の活用は非常に重要ではないかと認識しているところでございます。
     また,市町村における総合的対応窓口につきましては,犯罪被害者専用の窓口になっているか否かについては,現在統計データを持ち合わせておりません。
     内閣府といたしましては,市町村における総合的対応窓口の設置を促進するとともに,それが被害者専用か否かに関わらず,その質の向上を図り,窓口において犯罪被害者等に対する適切な情報提供・他機関への橋渡しが行われることが重要であろうと考えております。
     また,現行の基本計画では,「地方公共団体における総合的対応窓口の設置の促進等」における具体的な施策といたしまして,「犯罪被害者支援ハンドブック(仮称)」の作成・活用等を地方公共団体に対して要請することが盛り込まれております。
     平成26年4月1日現在,51都道府県・政令指定都市及び15市区町が,犯罪被害者等の支援のために有効な諸制度・取組を担っている関係機関・団体及び庁内関係部局について整理した「犯罪被害者支援ハンドブック」を作成しているところでございます。
     「犯罪被害者支援ハンドブック」は,関係機関・団体相互で,所掌や役割分担,連携方法等について,平素から認識・情報共有を図るために有効なツールであると考えているところであります。
     次に,4点目「地方公共団体と民間の団体との連携の促進」であります。
     犯罪被害者等が必要とする支援を途切れることなく適切に受けられる体制を構築するためには,犯罪被害者支援の分野において重要な役割を担っていただいている民間の団体との連携が必要不可欠でございます。
     したがいまして,地方公共団体職員を対象とする研修会等を通じて,民間犯罪被害者支援団体に関する情報を提供するなどし,地方公共団体と民間団体との緊密な連携を促進しているところでございます。
     次に,5点目「地方公共団体における犯罪被害者等に関する条例の制定又は計画・指針の策定状況」についてであります。  第2次犯罪被害者等基本計画においては,条例の制定等について明記されておりませんが,地方公共団体における総合的かつ計画的な犯罪被害者支援の推進に大変有効な手段であろうと考えております。
     平成26年4月1日現在で,52都道府県・政令指定都市,392市区町村において,犯罪被害者等に関する条例の制定又は計画・指針の策定が行われております。このうち21都府県・政令指定都市,81市区町村においては,犯罪被害者等に対する日常生活の支援が盛り込まれているところであります。
     なお,この数にあっては,条例・計画等の制定形式として,犯罪被害者支援に特化して単独で制定されているもののほか,安心安全まちづくり条例,あるいは防犯に関する条例や計画の一部として犯罪被害者支援に関する事項が盛り込まれているものも含まれております。
     第6点目は,「地域における犯罪被害者等支援体制の整備促進等」についてであります。
     これは,地方公共団体における犯罪被害者支援の促進を図るため,内閣府として予算措置をした上で推進している事業でございます。
     内閣府では,平成20年度から地域における犯罪被害者支援の促進を図ることを目的とした事業を実施しており,今年度までに延べ65道府県・3政令指定都市で実施しております。
     具体的には,地域において犯罪被害者等の支援に携わる者に対して,犯罪被害者等施策に関する理解や基礎的知識について情報提供を行う研修会の開催や,具体的な犯罪被害者等の支援に要する連携体制を関係機関・団体を交えてシミュレートし,実践的なマニュアル・連絡網を作成・構築するなどの事業を実施しているところであります。
     犯罪被害者支援体制の全国的な水準の底上げを図るべく,先駆的な取組を支援する一方で,いまだ初歩的な段階にある地域における人材育成事業や,既に犯罪被害者等施策がある程度進んだ地域からの経験を伝達していく事業など,地域の実情に応じた事業を展開しているところでございます。
     以上が,現行の基本計画に盛り込まれている施策の取組状況についてでございます。
     次に,現行計画の見直しに当たり,一般国民や犯罪被害者支援団体・犯罪被害者団体等から寄せられた要望・意見等を踏まえて,今後どのような点に重点を置き,「地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進」を図っていくかなどについて,御説明を申し上げます。
     1点目は,「地方公共団体における総合的対応窓口の設置促進」についてでございます。
     先ほど御説明いたしましたように,市区町村における総合的対応窓口の設置状況は,約81%でございます。
     未設置の地方公共団体に対しては,総合的対応窓口の必要性や有益性等を紹介するなどして,引き続きその設置を促進していきたいと考えております。
     2点目は,「地方公共団体における総合的対応窓口等の充実促進」でございます。
     総合的対応窓口が設置済みの地方公共団体にありましても,その質の斉一性は保たれていないと考えております。全国的な水準の底上げを図り,犯罪被害者等がどの地域においても適切な支援を受けられるよう,研修等を通じて,地方公共団体における総合的対応窓口の充実促進を図ってまいりたいと考えております。
     また,現行計画の見直しに当たりまして寄せられた要望・意見の中に,「政令指定都市の区役所における総合的対応窓口の設置促進」(要望番号222)というものがございました。
     住民により身近な公的機関に総合的対応窓口が設置されるということ自体は望ましいわけでございますが,政令指定都市の区役所と申しましても,その規模等にありましては様々でございます。内閣府としましては,一律にその設置を促進するのではなく,区役所に区民相談窓口等の一般的な総合相談窓口が設けられているということを踏まえますと,当該相談窓口等において,犯罪被害者等の心情に配慮した適切な対応がなされるよう体制の整備を促進していくことを考えております。
     3点目は,「地方公共団体における総合的かつ計画的な犯罪被害者支援の促進」についてであります。
     犯罪被害者等に関する条例や計画等は,犯罪被害者等が利用できる施策や事業を一元的に住民に示すことができるとともに,庁内関係部局や関係機関・団体が担っている各種施策や事業について,全体的な枠組みの中での位置付けが明確となり,犯罪被害者等の視点に立った総合的かつ計画的な取組が推進しやすくなるというメリットがございます。
     国の立場からは,条例の制定等について,地方公共団体に対して強く申し入れるというのはなかなか困難な部分がございますが,犯罪被害者等の日常生活に対する支援や民間の犯罪被害者支援団体に対する支援等,実効的な事項が盛り込まれている条例等の制定状況について,適切に情報提供を行うなどして,地方公共団体において,犯罪被害者等の視点に立った総合的かつ計画的な犯罪被害者支援が促進されるよう努めてまいりたいと考えております。
     4点目は,「社会福祉士や臨床心理士等の専門職の活用及びこれらとの更なる連携・協力の充実」についてであります。
     犯罪被害者支援については,犯罪被害者等の精神的被害の軽減・回復を図るとともに,犯罪被害者等に特化した各種制度や施策のほか,国民一般にも適用される社会福祉制度等のあらゆる社会資源を有効活用していくということが重要であろうと思います。
     したがいまして,地方公共団体に対して,社会福祉士や臨床心理士等の専門職の活用及びこれらとの更なる連携・協力の充実について働きかけてまいりたいと考えております。
     犯罪被害者支援分野ではないのですけれども,障害者支援担当として社会福祉士を,子供支援担当として臨床心理士を採用している自治体があるほか,犯罪被害者支援分野におきましては,弁護士を採用するなどして,様々な分野で専門職の活用を図っている地方公共団体もあると承知しております。
     こうした先駆的な取組を他の地方公共団体に紹介するなどして,犯罪被害者支援分野における専門職の活用の必要性や有効性等について周知を図り,これを促進してまいりたいと考えております。
     また,財政的理由等により,地方公共団体自身で専門職を採用することが困難な団体もあろうかと思われますので,全ての地方公共団体に対して,総合的対応窓口と地域における社会福祉協議会や臨床心理士会等の関係機関・団体との更なる連携・協力の充実を働きかけてまいりたいと考えております。
     5点目は,「地方公共団体間の連携・協力の促進」についてであります。
     寄せられた要望・意見の中に,「地方公共団体間の連携・協力の促進」を望むものがございました。例えば犯罪被害等の発生場所とその被害等に遭った方の住所地が異なる場合等において,地方公共団体間の連携・協力が不十分であると,犯罪被害者等がその狭間に落ちてしまうということになり,また,適切な支援を受けられないという事態が生じてしまうおそれがございます。
     したがいまして,都道府県による市区町村の犯罪被害者支援担当者を集めた研修の実施や,各地方公共団体における犯罪被害者支援に関するコンタクト・ポイント,例えば直接の電話番号とかメールアドレスを一覧にしたようなものをまとめた資料を整備・共有することにより,地方公共団体間の情報交換を促進し,その連携・協力を図ってまいりたいと考えております。
     以上が第2次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた施策の内閣府における取組状況と今後の方針についてでございます。
     以上です。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ただいま「地方公共団体における犯罪被害者支援の充実促進」という議題に入っておりますが,その取組状況及び今後の方針につきまして,まず,主たる関わりを持つ内閣府の安田審議官から御報告をいただきました。
     御報告の中身につきましては,中島構成員からの事前の御質問,御意見に対する回答というものも含まれておりましたが,中島構成員は安田審議官の報告の直後に出席されましたので報告内容については,多分ほぼ全部フォローできたのではないかと思います。
     中島構成員におかれては,貴重な御質問,御意見をお出しいただきまして,この会議の効率的な運用という意味で有益なものでございますので,大変感謝しております。ありがとうございました。
     中島構成員の御意見,御質問は,国交省に対するものもございますので,国交省からの回答を次にお願いしまして,その後で,中島構成員を含めまして構成員の皆様方から御質問,御意見をお伺いしたいと思います。
     それでは,国交省のほうからお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 国土交通省総合政策局政策課政策企画官 国土交通省でございます。
     私どもで把握しているデータというのは,昨年7月の13回の会議の資料でお出しをさせていただいているものでございます。政策自身は現在の計画の中にございますように,公営住宅への優先入居等ということで,もともと公営住宅自体は,地方自治体が事業主体ということで事業をされておられるものですから,犯罪被害者等を対象とした公営住宅への優先入居や目的外使用等について,地方公共団体に対して配慮をお願いする,そういうことになってございまして,そういう通知を16年から17年に出させていただいております。
     また,23年度におきまして,公営住宅への優先入居等の手続の簡素化についてもお願いをしているところです。
     私どもが把握している数字といたしましては,25年度の12月時点で,都道府県と政令市でもって,犯罪被害者等の公営住宅への優先入居数というのが647戸,同じく目的外使用の入居戸数というのが84戸という数字を持っておるところでございます。
     制度的に都道府県,政令市との間で公営住宅の制度につきまして意見交換をする場が持たれておりますので,その場を通じて集約をしているというような現状でございます。
     以上でございます。
  • 椎橋議長 どうもありがとうございました。
     それでは,ただいま内閣府と国交省から御説明をいただきました。
     まず,ただいまの御説明につきまして御質問,御意見がございましたら,お伺いしたいと思います。どうぞ御遠慮なくお出しいただきたいと思います。川出構成員,どうぞ。
  • 川出構成員 基本的な質問になりますが,資料3の2枚目で,市区町村における総合的対応窓口の設置状況が,平成26年4月1日現在で,約81%となっています。他方で,その左で,施策担当窓口部局の設置状況は,約98%とされています。これによると,施策担当窓口部局はあるけれども,総合的対応窓口がないという市区町村が300ほどあるのですが,このような市区町村では,被害者からの相談等を受ける体制がないということなのでしょうか。言葉を換えていえば,総合的対応窓口がある場合とない場合とでどのような違いが出てくるのかということを御説明いただけませんでしょうか。
  • 瀬川構成員 関連していいですか。重複しますので。
  • 椎橋議長 そうですか。それでは,瀬川構成員,どうぞ。
  • 瀬川構成員  ここで使っている「総合的」の意味ですが,これはどんな基準を満たしている場合に「総合的」と言っているのか,その辺を明らかにしてほしいと思います。
  • 椎橋議長 それでは,お二人の構成員から御質問がありました点について,回答をお願いいたします。
  • 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 私どものほうの把握の仕方としては,施策担当窓口部局がありますかということと,総合的対応窓口がありますかというのは,別々に調査をしているところでございます。施策担当の窓口部局として,外に向かってといいますか,行政なり専門機関同士のコーディネートなり連絡体制という意味では,1つのハブなりになっているところを設けたとしても,その自治体自身が被害者から直接向かって相談を受けるという窓口にはなっていないということがあるというのが事実だろうと。そういうふうに認識しております。
     それから,「総合的」ということでございますけれども,私どもの理解といたしましては,自分の直接担当している分野について相談を受けるというだけではなくて,犯罪被害者一般の問題を,ある意味では自分の直接の担当か否かに関わらず,例えば市役所自身で対応することができない課題であっても,それについては一旦は受けて,それを専門的に対応できる機関や団体に適切につないでいくということができる,そういったものであるというふうに認識をしているところです。
  • 椎橋議長 ただいまの御回答でよろしいですか。川出構成員,どうぞ。
  • 川出構成員 そうしますと,総合的対応窓口がない場合には,被害者の方が相談に行く窓口さえないということになるのでしょうか,あるいは,相談はできるけれども,最後におっしゃったように,そこから,他の関係する機関につなぐという対応ができないということになるのでしょうか。
  • 椎橋議長 事務局,どうぞ。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 私からお答えします。総合的対応窓口というのは,まさに犯罪被害者のためのという形で銘打っている窓口というところでございます。それ以外に、通常の住民相談のような形で被害者の方が来た場合には,もちろん犯罪被害者の方に対しても普通に対応するわけですが,まさにそれは住民相談の一環としてやっているということであって,犯罪被害者だからということの特段の配慮がされているわけではないと。そういうふうな形でございます。
  • 椎橋議長 瀬川構成員,どうぞ。
  • 瀬川構成員 被害者の方から見て,「総合的」という文字は見られるのですか。これは総合的な窓口なのだ,これは総合的でないのだということは分かるのですか。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 窓口の名前については,様々だというふうに思いますけれども,基本的には犯罪被害者の方のための相談窓口だということが分かるような形で各地方公共団体がやっていると承知しています。
  • 瀬川構成員 被害者の方が見ると,そこへ行けば何とかなるというのですか,何らかの手立てがあるというふうに認識していいのですか。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 そういうことができる窓口をつくってくださいという形でお願いをさせていただいております。
  • 椎橋議長 瀬川構成員,どうぞ。
  • 瀬川構成員 1点,素朴な質問です。内閣府の資料3の1ページ目のところで見舞金制度の導入と貸付金制度の導入の表がありますが,ここに23年,26年現在の何市町村という数字が挙がっていますが,これの分母は明らかになりますか。
     下のほうにある市区町村の分母は分かるのですが,「市町村」と書いてあるところの分母は分かりますか。つまり,何%かというのを出す場合の分母です。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 23年4月1日現在の市区町村数ですけれども。
  • 瀬川構成員 「市町村」と書いてありますね。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 「市町村」となっているのは,区で導入しているところがないからという,そういう趣旨でございます。
  • 瀬川構成員 分かりました。それで結構です。
  • 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 先ほどの説明に補足させてください。相談窓口が被害者に分かるかということでございますが,例えば先ほど例に引きました中野区等ですと,ホームページ等には「犯罪被害者等相談支援窓口」という一項を設けて示されていると同時に,その窓口の業務として開設日や時間とか,あるいは何階のどこにあるということなどが示されております。全ての自治体でそういう形で示されているかどうかというのは確認をしているわけではございませんが,できる限りそういった形で犯罪被害者の方の相談に乗っていますということが,被害者に対して明確になるようにしていただければなと思っております。
  • 椎橋議長 中曽根構成員,どうぞ。
  • 中曽根構成員 総合的対応窓口が80.7%と出ているのですが,窓口は一応できてはいるのですけれども,実際に被害者の方への対応の仕方というのか,そういう体制が充実しているとは思えない。だから,市区町村の職員自身がまだ全然理解していないのではないかというふうに思うのです。そうすると,職員の方たちに理解していただくことが必要だと思うし,実際に23年から26年に関して見ているだけでも数が少しずつでも増えているわけですから,引き続き職員の方たちにも理解していただけるように,中身の充実について,毎年毎年少しずつでも充実促進が図られるような形でいくのがいいのだろうなとは思います。
     例えば民間の援助団体とか,法テラスとか,弁護士会とか,そういう団体自体を市区町村の職員の方が理解しているかどうかというのもあって,各市区町村のホームページとかを見ても,犯罪被害に遭われた方に対する配慮がまだまだ足りないのではないかなと思うのです。
     市町村において,民間の援助団体や弁護士会とリンクしているところももちろんあると思うのですけれども,されていないところもたくさんあるので,内閣府として逆に市町村に働きかける。先ほど内閣府のところにホームページでという話があったみたいなのですが,市町村に働きかけて,そういうところにリンクを張るようにとか等はやっていらっしゃるのでしょうか。
  • 椎橋議長 安田審議官,いかがでしょうか。
  • 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 御指摘のとおり,仮に窓口というものが設けられていたとしても,そこで犯罪被害者の方々に対する適切な対応なり,他の機関へのつなぎなりができなければ,実質的な意味がないわけでございますので,そういった意味でも,質の向上は大変重要だと思っております。
     行政の職員は数年単位で異動するわけでございますので,そういった意味で,定期的に研修なり,あるいは地域においても被害者支援連絡協議会等がございますので,そういったところなどでお互いに役割を学び合う,再確認するということも必要かと思います。
     また,先ほども御説明したように,ハンドブックといったものを作成をしまして,人が入れ替わったとしても,そのノウハウが引き継がれていくようにマニュアル化といいますか,そういったものも必要になってくるのかなと思います。
     また,市町村の窓口ということになってくると,特に都道府県単位でトレーニング等をしていただければなと思っておりますので,我々のほうもそういったことが促進されるように,私どもの事業,あるいはいろんな情報提供を通じて,さらに充実のために努めてまいりたいと思っております。
  • 椎橋議長 森山構成員,どうぞ。
  • 森山構成員 中島先生の参考資料の1ページの質問の(3)のところで「社会福祉士等専門職を配置している自治体はどれくらいあるのか分かればご教示いただければと思います」ということで,先ほどは横浜市に2名,中野区に1名という説明があったのですが,私らも専門職の方が配置されるのは必要だと思っていますけれども,統計的にどれぐらい充足されているのか,あるいは一般職の方がしているところがほとんどなのか。数字的なもので何か見えてくるものはあるのですか。
  • 椎橋議長 ただいまの御質問に対して,事務局からお願いします。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 どの程度社会福祉専門職の方が配置されているかという統計的なものについては,データを持ち合わせておりません。
  • 椎橋議長 森山構成員,よろしいですか。
  • 森山構成員 要望事項の233番に今と同じような,いわゆる生活支援専門職の活用に関する検討ということで,Bということで,いずれ省庁からの提案ということを待つことになりますが,ここでは,警察関連など3つに分けていますが,各地方公共団体における生活支援専門職の活用については,1の中に含まれるというふうに理解しておいてよろしいでしょうか。
  • 椎橋議長 ただいまの御質問に対して,事務局からお答えください。要望事項の233番です。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 すみません,1の中というのは。
  • 森山構成員 「警察庁及び各都道府県警の被害者支援室等に」と書いていますから,警察関係を念頭に置いていて,地方公共団体については,この要望には書いていないので,これについては,何の検討もされないということでしょうか。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 これはあくまで御要望の整理でございますので,地方公共団体におけることというのは,まさに本日の論点であるというふうに理解しておりますし,216の要望におきまして,地方公共団体における生活支援専門職の活用というふうな御要望もいただいているところでございます。
     このような要望・意見等を踏まえまして,本日,内閣府としての考えも御説明させていただいたということでございます。
  • 森山構成員 分かりました。
  • 椎橋議長 ほかに御意見ございますでしょうか。渡邉構成員,どうぞ。
  • 渡邉構成員 先ほど,他の構成員が言ったことの二番煎じになるのかなと思うのですけれども,総合的対応窓口が81%できている,こういう統計が出ているのですが,私ども被害者の立場から言うと,とてもじゃないけど,こんなにあるはずがないという認識なのですね。
     先ほど室長が言われた横浜市とか中野区は本当に先進的にやっている,専門職も雇っているということで,それは大いに認めるところなのですが,例えば最近聞いた話によると,東京でも一番進んでいた杉並が,区長が替わったという理由かどうかは分かりませんけれども,一応窓口としてはあるのだけれども,窓口の担当者が全く機能していないというか,何をやっていいのか分からないというような状況だという話をちらっと聞いたのです。
     ですから,先ほど中曽根構成員もおっしゃっていましたが,窓口をつくっただけでは全く意味がないと。この窓口がありますよというのを広く住民に周知するということと,内容を充実させるというのが非常に大切なことではないかと思うのです。
     私もこの会議を傍聴するようになってから,いろんな方から話を聞いたりしているのですけれども,国の機関だからといって地方公共団体に命令することはできない,お願いすることはできますという話は聞いているのですね。地方自治ということもあるのでしょうけれども。
     ですから,そういう点では,犯罪被害者等基本法にも地方公共団体の責務というのがちゃんと書かれているわけですから,その辺,もっと強く要望していただきたいというふうな思いでいます。
  • 椎橋議長 今,そういう御意見がありましたが,それに対して,事務局から御意見ありますか。
  • 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 御指摘のとおり,私どもも地方公共団体の窓口の充実,あるいは地方自治体全体がこの犯罪被害者支援に積極的に取り組んでいただくということは大変重要だと思っております。その意味で,第3次の計画の中にもその辺はきちんと盛り込んでいければなというふうに考えて,こういった論点を提示させていただいているところでございます。
     これまた御指摘のとおりであるのですけれども,やはり国の立場で地方公共団体に対してできることとできないことがある点もまた御理解を賜れればと思います。そういった意味で,いろんな窓口の充実,質的量的な向上ということについては,なお一層いろんな工夫を図ってまいりたいと思います。
  • 椎橋議長 中曽根構成員,どうぞ。
  • 中曽根構成員 別のことでもいいですか。居住,公営住宅のことでもいいですか。
  • 椎橋議長 どうぞ。
  • 中曽根構成員 居住場所の確保ということで,公営住宅への優先入居というか,公営住宅のことについてなのですが,先ほど国土交通省の方から,意見交換の場が持たれていますというふうなことをおっしゃっておられましたが,内閣府作成の表を見てみると,抽選によらず入居というところは非常に数が少ないわけです。
     入居要件の緩和とか抽選倍率の優遇というところもこういうふうに数字が挙がっているのですけれども,実際に入居要件の緩和も,抽選倍率の優遇というのも,結局は人よりも1回多くできるとか,そういう形でしかないわけで,実際に空いていても,自分が入居要件に合わなければ入れないという事例も結構ありますので,そういう点で考えていくと,抽選によらず入居できるというふうになっていくのが本当は理想なのではないかなというふうに思うのですが,これも地方公共団体に国土交通省として何か意見を言っていくということはできないものなのでしょうか。
  • 椎橋議長 ただいまの点についてはいかがでしょうか。
  • 国土交通省総合政策局政策課政策企画官 国土交通省でございます。
     公営住宅制度につきましては,もともと住宅に困窮する低額所得者の中で,特に困窮度が高い方につきまして提供するというのが,本来公営住宅の在り方でございまして,それの中で誰を優先度を高くするかというのは,まさに事業主体であるところの地方公共団体さんのほうで御判断をされておられるというのが実情でございます。
     そういう中で,犯罪被害者の方々の優先度が高いというのは,もちろんそうなのですけれども,一方で,それ以外の方の中でも所得が著しく低いとか,ほかの優先度合と比べて,犯罪被害に遭われた方にプライオリティーを一番高くするのかどうなのかというのは,自治体さんのそれぞれの現状に合わせて御判断をされているということかと思います。
     したがって,先ほどの抽選,抽選でないというところ,お話がございましたが,犯罪被害者の方が一番プライオリティーが高いという御判断をされておって,そういうことをやられているような自治体もあるというふうに思いますけれども,一般論的に申し上げますと,幾つかある優先順位が高い方々の中では公平に抽選をしていくということが一般的なのではないかと思っております。
  • 椎橋議長 今いただいた御説明がありましたが,それでよろしいでしょうか。
  • 中曽根構成員 はい。
  • 椎橋議長 ほかにございましょうか。どうぞ。
  • 森山構成員 先ほどの説明の中で,資料3の一番最後のページに説明がありましたが,いわゆる犯罪発生地と住所地が違って,谷間に陥っている方について,国としても各自治体にそういう指導とか研修等を通じてきちんとやっていくということなのですが,これは我々も現実の相談でそういう例が多いですので,きちんと指導というか,国から明確な指針を示すなりしてやっていただければと思います。
     要望事項の98というところにワンストップ支援センターのことが書いてありまして,人口20万人につき1か所,少なくとも都道府県に1か所設置してほしいというものがありますが,いずれにしても,要望事項の219にもありますけれども,地方公共団体はお金がないと運営していけない。民間団体もそうですが。我々弁護士会で福岡とか佐賀とか,ワンストップ支援センターの収入,経費状況を見ますと,福岡が1,000万ぐらいの支出で,これは県が全部やっている。県がそういう補助を出しているところでは,民間の支援団体がきちんと育って,確実に動き始めているということもあるので,国からの地方公共団体に対する財政措置というのは,かなり重要な部分を占めると思いますので,民間型のそういうワンストップ支援センターにしても公的援助がないと。東京,大阪は全く公的援助がなくて,寄附とかそういう形でやっておりますので,そういうことに対する目配り,財政的援助というものを考えていただきたい。
  • 椎橋議長 地方公共団体の取組,見舞金制度の導入促進とか,居住場所の確保とか,あるいは総合窓口の設置状況等についても,年を追うごとに数値としてはよくなっているということが言えるのだろうと思うのです。しかし,中身,実態について,実際にそこにおられる被害者の方のニーズにどの程度応えているのかということについては,この数字だけではなかなか見えてこないという部分がございますので,そういうところがさらにもう少し分かれば,よりよい議論ができるのかなという感じがしておりました。
     構成員の方々がおっしゃる御意見というのは,私もなるほど,そのとおりだと思うことが多くございました。
     この問題につきましては,他省庁が行っている取組に関する御意見,それから現行施策の問題点や改善点,さらには新たな基本計画に盛り込むべき具体的施策の提案等について,これから幅広く検討していくということになると思います。
     中島構成員には大分御質問,御意見を出していただきましたので,今,挙手もありましたが,ここで御意見をいただければ有り難いと思いますが。
  • 中島構成員 ありがとうございます。あと,遅れまして大変失礼いたしました。
     事前に質問させていただきました点については,内閣府,国土交通省の方から御回答をいただきましたので,これについては了解いたしました。
     意見につきましては,他の方々がもう既におっしゃってくださったことなのですが,第1次,第2次,第3次基本計画の流れで,第1次では司法制度であるとか,被害者の方が本当に直面している直近の問題を取り上げてきたところがありますが,第3次になると,生活支援というのが非常に重要になってきたのかなと思います。その上では地方自治体の役割がとても大きくなってきたのではないかという印象を持っています。
     実際私たちの医療の現場での相談でも,カウンセリングだけではなくて,生活の問題というのがかなりのしかかっている方が多く,その意味では,特に市町村が重要だと思うのです。
     ここに書いた以外の点で言うならば,男女共同参画との連携ということがあります。自治体で起こってくる問題の一つに,例えば配偶者暴力の被害者の方があちこち転々とされる際に、住民票の異動の問題がでてきます。例えば加害者側にこれを伝えないということについて男女共同参画関係のところは分かっていても,市町村の窓口がこれを分かっていないと問題が起こってくるということもありますので,ぜひ研修というか,教育といいますか,そういう機会を設けていただき、連携や,知識として基本的なところをぜひ学んでいただけるような機会をつくっていただくのが必要なのではないかと思っております。
     あと,周知の点につきましても,このような支援があるのに分からないということがとても多いのではないと思います。先ほど中曽根委員のほうからお話があったように,いろいろな形で周知することの重要性について是非内閣府のほうから,第3次の計画の中で盛り込んでいっていただく必要があるのではと思っております。
     今回,社会福祉等専門職の雇用について触れているというのは,非常に画期的なことだと思います。他の問題については専門職が雇用されている中,犯罪被害者についても専門的な知識がどんどん求められるようになってきておりますので,モデルとして既に行っているところもありますので,そういったところの御紹介も含めて,その有用性について強調することができればいいのかなと思っております。
     以上です。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     連携の促進とか,条例の制定とか,研修の充実とか,広報活動の展開とか,いろいろ問題があって,地方公共団体によっては特色を出しているところも大分ございますので,そういったところを参考にしながら,さらに他の地方公共団体にも広げていくことが考えられます。その場合において,国の省庁がどの程度,どういう形で地方公共団体にお願いできるのかということも問題だと思いますけれども,そこら辺のところは,これからいろいろな工夫をしてやっていくということになろうかと思いますので,今日様々な御意見をお出しいただきましたが,さらに御意見等がございましたらお出しいただければ,それについて,また次回に向けて考えていく材料にさせていただきたい。もちろん,いただいた御意見等は,構成員の間で共有してまいりたいと思っております。
     まだ御意見があるかと思いますけれども,他の議題もございますので,この議題についてはこのぐらいにさせていただきたいと思います。よろしいですか。瀬川構成員,どうぞ。
  • 瀬川構成員 このテーマは残された課題の中で最も重要で,最も解決の難しいのではないかと思います。どういう文言で,どういう要望を盛り込み,どういう計画にするかということは非常に重要だと思いますので,ぜひ知恵を出し合いたいというふうに考えております。
     その際に,先ほどから「専門」という言葉が出ているのですが,各都道府県の窓口では,福祉的な生活支援がまず大切ですが,もう一つ重要なのは犯給法に関連した支援だと思います。福祉的な支援と犯給法の双方に精通した専門家が必要だと考えています。
     いろんな窓口をたくさんつくっても,人的な養成ができていなければ全く意味がありません。この点は私が強調するまでもなく,当然のことなのですが,人的な養成というのも重要な問題として残るのではないかと思います。
     以上です。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     それでは,今日いただいた意見等を踏まえまして,さらに今後御意見をいただければ,それも含めまして,事務局や関係省庁におきまして新たな基本計画に盛り込む具体的施策等について検討しまして,改めて計画案文というような形でお示ししたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
     続きまして,次の議題に入らせていただきます。次は「犯罪被害者等を支える気運の醸成」についてでございます。
     この議題につきましても,まずは主たる関わりを持つ内閣府から御説明いただきたいと思います。
     安田審議官,お願いいたします。
  • 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 それでは,御説明を申し上げます。
     内閣府からは「犯罪被害者等を支える気運の醸成」に関して,内閣府が推進主体となっております施策の取組状況と今後の方針について,配付資料4に基づきまして御説明をいたします。
     その1点目は,「犯罪被害者等施策のホームページの充実」についてであります。
     現在,犯罪被害者等施策のホームページでは,犯罪被害者等基本法や犯罪被害者等基本計画等の基本的な資料や,犯罪被害者支援に関わる公的機関から民間団体に至るまでの各種相談窓口の情報,さらには犯罪被害者支援に係る啓発資料等を掲載しております。
     また,SNSのサイトを活用いたしまして各地における各種イベントを紹介するなど,幅広く犯罪被害者等施策に関する情報発信を行っているところであります。
     次に,2点目「インターネット以外の媒体を用いた情報提供」についてであります。
     各省庁におきましては,インターネットで情報を得ることができる方とそうでない方との間に不公平が生じないよう配慮しつつ,情報提供を行っているところであります。
     内閣府におきましては,毎年「犯罪被害者白書」を発行しております。第2次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた各種施策の進捗状況を紹介するなどし,最新の犯罪被害者支援に関する状況の周知に努めているところでございます。
     また,その他に内閣府では,そのほか各種イベント等の展示スペースを活用し,様々な相談機関や民間被害者支援団体等に関するリーフレットやポスターを掲示するなどして,国民一般に対する広報活動を推進しております。
     3点目は,「『犯罪被害者週間』にあわせた集中的な啓発事業の実施」及び「犯罪被害者等の置かれた状況等について国民理解の増進を図るための啓発事業の実施」についてであります。
     平成17年12月に閣議決定されました第1次の犯罪被害者等基本計画におきまして,毎年,犯罪被害者等基本法の成立日であります12月1日以前の1週間,11月25日から12月1日までの期間を「犯罪被害者週間」とすることが定められました。これは,第2次犯罪被害者等基本計画においても引き継がれ,現在も実施されているところであります。
     犯罪被害者週間におきましては,犯罪被害者等がその名誉又は平穏を害されることなく,ともに地域で生きていけるよう,国民が総意で協力する社会を形成していくという視点を持って,期間中の集中的な啓発事業等を通じて,犯罪被害者等の置かれた状況や犯罪被害者支援の必要性等について,幅広く国民各界各層に対して呼びかけ,国民一人一人に深く届くことに重点を置いて推進しているところであります。
     なお,犯罪被害者週間における広報啓発事業への参加者数の推移について,中島構成員から参考資料の2(1)において事前に御質問をいただいておりました。内閣府では,犯罪被害者週間に合わせて,平成18年度より毎年,東京及び複数の地域で広報啓発事業を行っているところ,過去3年間の参加者数の推移にありましては,平成24年度は1,087人,25年度は681人,26年度は832人となっておりまして,各会場の規模とか,あるいは開催日の曜日等にもよりますので,一概に比較することはできませんけれども,1か所当たりの参加者数について見ますと,24年度は平均217人,25年度は227人,26年度は277人ということで,わずかではありますが,増えてきているのかなと思っております。
     また,第1次の犯罪被害者等基本計画の下では,犯罪被害者等支援の必要性等を国民に広く浸透させること,また,国・地方公共団体・犯罪被害者団体・犯罪被害者支援団体等による支援の象徴とすることを目的に,「犯罪被害者等支援シンボルマーク」を広く募集するとともに,平成25年度には,その愛称を公募により「ギュっとちゃん」に決定いたしました。
     「ギュっとちゃん」にありましては,犯罪被害者支援に関する各種広報媒体に掲載をいただくなど,広くその使用を許可しておりまして,まさに犯罪被害者等支援のシンボルマークとしてより一層活用を図っていくこととしているところでございます。
     4点目は,「様々な広報媒体を通じた犯罪被害者等施策に関する広報の実施」についてであります。
     先に申し述べた点と重なる部分もありますけれども,犯罪被害者週間での広報啓発事業における民間被害者支援団体関係者による講演や,パネルディスカッションでの発言を内閣府犯罪被害者等施策ホームページに掲載して,より広く一般に情報提供したり,政府広報等を通じて犯罪被害者等の置かれた状況や,それを踏まえた施策実施の重要性等について広報を実施しているところであります。
     5点目は,「国民の理解の増進を図るための情報提供の実施」についてであります。
     各省庁や地方公共団体における更なる施策の推進を図ることを目的に,犯罪被害者等や犯罪被害者等の援助に精通した有識者を講師としてお招きし,関係省庁等の職員を対象とした「犯罪被害者等施策講演会」を毎年実施しているところでございます。その概要につきましては,内閣府の犯罪被害者等施策のホームページに掲載して,国民向けにも情報提供しているところであります。
     6点目は,「調査結果の公表等を通じた犯罪被害者等の置かれた状況についての国民の理解の増進」についてであります。
     犯罪被害者等に関する調査研究を実施した場合には,当該調査の結果について,犯罪被害者等への理解を深めるための広報啓発に活用しているところであります。
     第2次犯罪被害者等基本計画の下では,「諸外国における犯罪被害者等に対する経済的支援に関わる制度等に関する調査」を実施したほか,「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの開設・運営の手引」の作成に際して,性犯罪被害者から被害後の相談状況や二次被害の状況について聞き取り調査を実施するとともに,外国における取組を参考にするため,平成23年にカナダ・オンタリオ州のオタワにある性犯罪被害者支援に関連する政府機関,病院,民間センターを訪問するなどして,カナダにおける性犯罪被害者支援について調査研究を行ったところであります。
     これらにつきましては,いずれも内閣府犯罪被害者等施策ホームページに掲載するなどして,犯罪被害者等への理解を深めるための広報啓発に活用しているところであります。
     なお,中島構成員から,参考資料の2(2)におきまして,広報啓発に際して,メディアに取り上げてもらうための取組に関して御質問をいただいておりました。内閣府におきましては,各種イベントの開催等に当たりまして,報道機関に対して事前に広報や案内をしているところでありますが,実際問題としては,なかなか新聞紙面あるいはテレビ等で取り上げていただいていないというのが現状でございます。今後,メディアにおいて犯罪被害者支援が取り上げられるよう,メディアの視点も意識しつつ,各種イベントの企画や情報発信の在り方に一層工夫をしてまいりたいと考えております。
     また,内閣府の事前の資料には記載しておりませんでしたが,中島構成員から参考資料の2(3)において「学校における生命のかけがえなさ等に関する教育の推進」(施策番号214)に関して,内閣府の取組状況について御質問をいだたいております。
     内閣府では,犯罪被害者等の置かれた状況や必要としている支援等についてまとめた教材を,青少年向けや児童・生徒向けなど,その理解力に応じて複数作成し,全国の教育委員会等に配布するとともに,ホームページに掲載するなどしてその活用を促進しているところでございます。
     以上が現行の基本計画に盛り込まれている施策の取組状況でございます。
     次に,現行計画に基づく取組状況及び現行計画の見直しに当たりまして,一般国民や犯罪被害者支援団体・犯罪被害者団体から寄せられた要望・意見等を踏まえて,今後どのような点に重点を置いて「犯罪被害者等を支える気運の醸成」を図っていくかについて御説明いたします。
     1点目は,「犯罪被害者週間にあわせた集中的な広報啓発」についてであります。
     要望・意見の中には,「『犯罪被害者週間』を中心に11月を「『犯罪被害者支援強調月間』と位置付ける」等の要望・意見,要望番号320が寄せられておりましたが,内閣府といたしましては,第1次の犯罪被害者等基本計画から続く犯罪被害者週間を維持した上で,当該期間を含めて,あらゆる機会を通じて効果的な広報啓発活動を実施してまいりたいと考えております。
     2点目は,「犯罪被害者支援に関わりの深い者に対する積極的な広報啓発」についてであります。
     普段の業務において犯罪被害者等と接する機会を有する方であっても,犯罪被害者等の置かれた状況やその心情に対する理解が十分とは言えないような場合もあると思われます。こうした方々に対して,効率的かつ効果的に広報啓発を行うため,犯罪被害者支援に関わりの深い医療,福祉,教育,法曹関係の職能団体の御協力をいただいてその理解増進を図り,社会全体で犯罪被害者等を支える気運の醸成を図ってまいりたいと考えております。また,そうした犯罪被害者等に関わりの深い方々がその心情に配慮した適切な対応ができるよう,例えば関係職能団体等に働きかけ,犯罪被害者等への理解を深めるための研修の実施等を促進してまいりたいと考えております。
     3点目は,「一般国民に対する効果的な広報啓発」でございます。
     犯罪被害者等を支える気運の醸成に当たっては,犯罪被害者支援に関わりの深い方だけでなく,広く国民一般に対して,犯罪被害者等の置かれた状況や犯罪被害者支援の重要性等について理解していただく必要がございます。
     要望・意見の中にも「犯罪被害者週間に開催されるシンポジウムの参加者は,犯罪被害者等や関係団体のみである」という旨の御指摘もございました。要望番号の318でございます。
     犯罪被害者等に関する国民の意識について実態把握を行って,犯罪被害者支援に対する関心が薄い国民に,犯罪被害者支援について少しでも関心を持っていただくよう,例えば大学を含む学校や企業等のご協力もいただきながら,効果的な広報啓発活動を推進していきたいと考えております。
     また,犯罪被害者支援に関する標語を広く募集するなどして,国民が学校や地域等において犯罪被害者支援について考える機会を提供し,その理解促進を図っていきたいと考えております。
     最後に,4点目「民間部門との協働等による効果的な広報啓発」についてであります。
     公的機関が開催するシンポジウムや講演会のほか,民間団体が主催するものでありましても,その意義や趣旨に賛同できるものについては,その広域性等も踏まえつつ,内閣府として後援するということを進めております。
     また,地方公共団体を始めとする公的機関に対しまして,それらの開催を周知するとともに,様々なツール・媒体を活用して,政府として広く一般にも広報してまいりたいと考えております。
     さらに,民間企業等の協力を得て,犯罪被害者支援に関するパンフレットやポスターを国民の目に触れやすい場所に掲示等していただくなど,訴えかけたい対象や知っていただきたい事項に応じた効果的な広報啓発ができるよう,民間企業等に働きかけてまいりたいと考えております。
     以上が第2次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた施策の内閣府における取組状況と今後の方針でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ただいま内閣府のほうから「被害者等を支える気運の醸成」についての取組状況等について,御説明をいただきました。
     今の御説明の中には,中島構成員からの御質問に対する回答というものも含まれておりましたけれども,中島構成員からは文科省,警察庁に対する御質問もございましたので,そちらの御説明を受けてから,構成員の皆様方の御質問,御意見を賜りたいと考えます。
     まず,文科省のほうからお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 文部科学省大臣官房総務課法令審議室審議第四係長 文科省でございます。
     御質問いただいている2の(3),「『学校における生命のかけがえのなさ等に関する教育の推進』の中で,『児童・生徒等の犯罪被害者等への理解の促進を図るため,内閣府を中心に作成した犯罪被害者等に関する啓発教材の活用を促す。』」,こういった具体的な施策に関して御質問をいただいているところなのですが,文部科学省では,内閣府が作成している犯罪被害者等に関する児童・生徒向けの啓発用教材「友達が被害者になったら」というものをホームページで掲載して活用を促すとともに,市町村の教育委員会に対して,教育委員会の管轄下の公立小中学校一校一校にDVD,PDF,文書等で活用してもらえるような形で資料を配布しておりまして,それを教育活動において積極的に活用することを促しているような状況でございます。
     簡単ですが,以上です。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     続きまして,警察庁のほうからお願いいたします。
  • 警察庁長官官房総括審議官 中島構成員から御質問いただきました,警察庁において行っております中学生・高校生を対象とした講演会の反応に関してでございますが,お手元の資料5を御覧いただきたいと思います。
     私どもでは,犯罪被害者等についての理解と関心を深めるための広報啓発活動の一環として,「命の大切さを学ぶ教室」ということで,教育委員会,学校等と連携し,中学生・高校生を対象として,犯罪被害者等の方々にお見えいただき、講演会を開催しているところでございます。
     具体的な反応につきましては,アンケートの抜粋ということで記載しておりますが,こうした教室の開催によりまして,犯罪被害者等への配慮や協力の意識が醸成されるとともに,規範意識も向上するといった効果があるというふうに考えているところでございます。
     また,これはもともと中高生が対象でございますが,教職員の方々や保護者の方に参加していただく機会もありまして,下の「参考」は,そうした方々からのアンケートの内容でございます。
     なお,この「命の大切さを学ぶ教室」は,非常に貴重な機会でございますので,聞きっ放しでは大変もったいないということで,受講した中高生を対象といたしまして,「命の大切さを学ぶ教室全国作文コンクール」を平成23年度から毎年度実施しております。このコンクールの実施によりまして,教室の受講を通じて涵養されました犯罪被害者等への配慮や規範意識の一層の定着化が図られているというふうに考えておりますほか,優秀作品については大臣等の表彰もあり,そうした表彰を受けた中高生がマスコミにも取り上げられるということで,社会全体での犯罪被害者等への理解増進の一助になっているというふうに考えております。
     いずれにいたしましても,この「命の大切さを学ぶ教室」につきましては,講演をいただく犯罪被害者等の方々や,あるいは学校,教育委員会の多大なる御協力によることが非常に大きいものと考えておりますけれども,引き続き文部科学省あるいは学校等と緊密に連携しつつ,本施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
     以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ただいま文科省と警察庁から小学校,中学校,高校,こういった若い人たちに対して命の大切さを啓発し,理解してもらうための取組というものを御紹介いただきました。
     ただいまの御説明に対しまして御意見,御質問がありましたら,お願いいたします。渡邉構成員,どうぞ。
  • 渡邉構成員 子供たちに命の大切さを教えるという点は非常に大切なことだと思います。ただ紙に書かれたもの,あるいはDVDをただ見るだけではちょっとインパクトがないような気がするのです。生の声を聞いていただくという点では,警察庁が行っているような講演会,こういったものが本当に必要なのではないかと思うのです。ただ聞きっ放しでなくて,これにもあるように,聞いた感想を出していただくという形でその話の内容を深めていただくというのが必要だと思います。
     対象としては,小学校の低学年だとちょっと早いかなという感じがしますので,高学年から中学生,高校生,こういう子供たちがそういう話を聞いて犯罪を犯さないということになれば,被害者も出ないわけですから,事件を防ぐという意味でも非常に大切なことだと思いますので,これは是非もっともっと広げていっていただきたいと思います。
     私どもの会員の中でも,結構警察や何かの要請があって,中学校や何かに講演に行くという会員もいるのですけれども,子供たちは本当に真剣に聞いてくれる。ただ,残念なことに学校関係者が,私どもは被害者でないので気持ちは分からないですねという,そういう不用意な発言をするとか,そういう話もちらほら聞きますので,その辺は,ただ講演会を開けばいいというものではありませんので,学校関係者等にもその辺は,それは大人ですから,直接講演を聞かなくても,書いたものでも分かると思いますので,その辺の周知はお願いしたいと思います。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ほかにどうぞ。中曽根構成員。
  • 中曽根構成員 一応中学生,高校生を対象としたというふうに書かれているのですけれども,例えば大学とか専門学校も,県によってはそういうところに行っておられる被害者の方もいると思うのですね。大学とか専門学校も広げていただいたほうがいいのではないかと思うことと,あと,各学校が年間計画を立てる前にある程度投げかけるというのですか,命の大切さのこういう事業があるのですがということで投げかけていただくほうが,学校の先生方も次年度の年間計画の中に入れられるのではないかと思います。
     多分,年度が始まってからお声を掛けておられるのかなと。ちょっとよく分からないですけれども,そういうふうに思うので,年間計画を立てる前ぐらいに命の大切さを学ぶ教室があるのだということを学校側が把握すると,計画を立てやすいのではないかと思います。
     はっきりは分からないのですが,警察庁と文科省で連携をしているという形でいいのか,例えば警察庁が文科省の方に,こういう事業があるので,できたら学校側でこういうものを受けてもらえないかという形で,省庁同士の連携があるのかどうかということについてはいかがなのでしょうか。
  • 椎橋議長 連携があるかどうか。いかがでしょうか。
  • 警察庁長官官房給与厚生課長 警察庁でございます。
     この事業につきましては,基本的に各都道府県警察が学校とつながりをつくる中で,是非こういう授業をやってみませんかというふうに御提案申し上げて,御賛同いただいた学校にお力をいただいているというところでございます。
     なるべく広くということでございますが,実際毎年度の実績は増えてはございますが,御講演いただく方の御協力の確保等の問題もございまして,そういう意味で,一歩ずつ広げているところでございます。
  • 中曽根構成員 それは十分分かっています。被害者の御遺族がお話をされるというのは精神的にすごくきついことなので,なかなか話される方がおられないということも確かだと思いますし,警察庁の方たちが大分配慮してくださっているということも分かっておりますので,引き続きよろしくお願いしたいと思います。
  • 警察庁長官官房給与厚生課長 はい。
  • 椎橋議長 ほかにいかがでしょうか。中島構成員,どうぞ。
  • 中島構成員 いろいろ質問したことにお答えいただき,ありがとうございました。
     追加で質問なのですけれども,まず文科省の方に御質問なのですが,内閣府のほうでつくられた教材がその後,市町村の教育委員会までちゃんと届いているということは,よかったと思います。しかし,そこから先に行かないと,なかなか子供たちに周知されないと思います。先ほどもお話が出たように,確かに小学生に伝えるというのは少し難しい側面もあるので,かなり工夫が要るかとは思うのですが,実際子供たちのほうにこういったものはどのように使われているのかとか,そういったところまで御存じでしょうか。
  • 椎橋議長 文部科学省の方,いかがでしょうか。
  • 文部科学省大臣官房総務課法令審議室審議第四係長 御質問ありがとうございます。
     現在どういった形で活用されているのかというのは,なかなか文科省のほうでも把握できていないような状況でして,先ほど渡邉構成員のほうからも御指摘があったように,文章をただ発出するだけでは無意味ではないかというふうな御指摘もございましたので,文科省のほうでは,今回大きなテーマトピックで,学校における生命のかけがえのなさという教育推進の大きなくくりの中で,人権教育と絡めてこういう啓発教材というものも適切に活用していくような形で,各都道府県が行っている担当者会議で直接的に説明させていただく場を設けていくことも今,検討しているような状況でございます。
  • 椎橋議長 中島構成員,どうぞ。
  • 中島構成員 もう一つ質問をさせていただきたいのですが,警察庁のほうから子供たちの反応等を聞かせていただいて,しっかり受けとめてくださっているのだなと思って,とてもうれしく思いますし,文科省がすることが難しいことを省庁の連携としてされているという面が本当によかったと思います。
     1つ質問なのですが,この講義と関連して,例えば警察のほうで,子供たちのほうに被害相談であるとか,被害に遭った場合にどうするのがよいのかなど,そういう講義も一緒に行ったり,例えばパンフレットを配ったりとか,そういうことも一緒にされていらっしゃるのでしょうか。
  • 椎橋議長 いかがでしょうか。警察庁の方,お分かりになればお願いします。
  • 警察庁長官官房給与厚生課長 警察庁でございます。
     実態といたしまして,行っているところはございます。警察庁といたしましては,明示的にこういう形でやりなさいという指導はしておりませんが,子供と接触する貴重な機会でございますので,あわせて防犯教室等を開催しているところもあるというふうに承知いたしております。
  • 椎橋議長 中島構成員,どうぞ。
  • 中島構成員 続きの話なので,立て続けで申し訳ありません。
     それはとても重要な機会だと思うのです。ただ単に被害に遭ったらと言われても,子供たちは自分は被害に遭わないと思っているから,全然ぴんとこないので,こういう話を聞いたときに一緒に聞くとすごく頭に残りやすいと思うのです。ここから先はお金もかかることなので安易に言えないのですが,子供たち向けのこういう説明会のときに使うパンフレットのようなものを是非警察で工夫していただいて,その都度子供たちにちゃんと渡していただくと,中高生なら十分理解できると思いますので,いいなと思います。その辺りは要望として伝えさせていただきます。
  • 警察庁長官官房給与厚生課長 はい。
  • 椎橋議長 資料5にもありますように,こういう形で講演会をされると,受けた高校生等が人ごとではないと思ったという感想を持つ人も少なくないと思うのですね。ですから,生命の大切さを理解するためには,まずビラを見る,また、講演会を聞く,作文コンクールとありましたが,さらには文章を書くという各段階を経ることによって,より理解が深まるということですので,全てのところでできるというわけではないでしょうけれども,徐々にこういう運動は広げていく必要があるだろうなという感想を私も持ちました。
     他方では,生命の大切さをどういうふうに伝えるかという方法につきましては,低学年であればあるほど難しいということがあると思います。この前,外国でも日本でも凄惨な事件があって,インターネットの画面を先生が生徒に見せるということがございまして,先生としては主観的には生命の大切さを教えるのだという意図だったということですが,生命の大切さをどういう形で伝えるのが一番効果的なのかというのは,また難しさがあると思いますので,そういう方面に知見をお持ちの文科省等が率先して,その辺りの指導とかガイダンスというものをやっていかれる必要もあると思います。こういう啓発活動,広報活動というのは非常に重要で,連携も部分的にはされているようなので,ますますこういうのが広がっていけばいいなという感じがいたしました。
     中島構成員から具体的に御意見もございましたけれども,さらに付言することがございますか。具体的な提案もなさっていますが,これの実現可能性とか,お聞きになりたいということはございますか。
  • 中島構成員 今の点については,文科省,警察庁からお返事いただきましたので大丈夫です。ただ,内閣府のほうには,メディアを活用しないとなかなか一般の人に広がらず,犯罪被害者週間でも結構多くの人が知らないので,是非載せてほしいと思います。
     なぜかといいますと,メディアは犯罪についてはたくさん載せるのに,被害者支援とか被害者に関する情報は極端に少ないという,すごくアンバランスなことがあって,非常に偏った情報だけが国民の側に流れているのではという懸念がございますので,メディアに強制することはもちろんできないのですけれども,彼らが学ぶ機会であるとか,そういった方策があるといいのかと思いますし、その点について,他の委員の方から御提案があるとよいのではと思いました。
  • 椎橋議長 あと,先ほども構成員の方から専門職の配置を広げていくという御意見がございましたね。それぞれの省庁で把握しているところでこんなふうに広がっているのだという知見がございましたら,少しでも紹介していただければ有り難いのですが,いかがでしょうか。今日予定していただいていることではありませんので,また別の機会でもあればと思いますけれども。社会福祉士とか臨床心理士とか,いろいろな専門職をどう活用するかということも大事だと思いますので。  ほかに何か御意見ございますでしょうか。森山構成員,どうぞ。
  • 森山構成員 前に配られた「犯罪被害者等を支える気運の醸成」の中に地方公共団体間の意見交換会の実施ということで,先ほども話しました条例によって扱いが違う場合があるという話なのですが,私の出身である宮城県が条例を最初につくって,各市町村の見舞金の支援条例とか,こういうのを各自治体の議員がどれだけ理解しているかという視点も必要なのかなと思います。そういう人たちの理解があれば,岡山等は,岡山県条例ができて,県内の全市区町村がそういう支援条例を持っている。多分そこの議員さんたちの中にきちんと連帯した何かがあったのだと思うので,立法的なやり方として,首長,あるいは県会議員,市会議員等に対する効果的な広報,この地区ではこういうことをしていますよというところを刺激的にいろいろ出していただくと,我が自治体は遅れているなという認識が出てくるような気もします。
     明石の市長の泉さんという方は弁護士なのだけれども,損害賠償請求権が債務名義になれば,それを市が買い取って,300万まで被害給付金を出すというような,最も先進的なことをやっている市もありますので,そういうことを内閣府から各地域に流していただくといいのではないかなと思います。
  • 椎橋議長 ただいまの御発言は御意見としてお伺いしておけばよろしいですか。
  • 森山構成員 はい。
  • 椎橋議長 ほかにございますか。渡邉構成員,どうぞ。
  • 渡邉構成員 一般国民への広報活動というのは,日本の場合は本当に難しいと思うのです。私がいつも感じているのは,各種選挙でも投票率が非常に悪い。無関心な層が非常に増えているというので,犯罪被害等でも,自分は被害に遭わないと。私も被害に遭うまでは,自分は遭わないだろう,よその世界の出来事だぐらいに思っていたのですね。そういうのをちょっと変えていただくためには,いろんな機会を捉えて流さなければいけない。ただ,民放,テレビ局とか,あるいは新聞とか,そういったところはすごくお金がかかりますね。NHKのニュースの中で流していただくなどというのもお金がかかるのですか。その辺は分からないのですけれども,よく「某国営放送」なんて言われていますから,そういう点では,流していただくような要請をしていくとか,そういったものも必要なのではないかなという気はするのですね。
  • 椎橋議長 中島構成員,公共交通機関とかメディアの企業が寄附を現物支給でやったらどうかという御提案をされていますが,こういう可能性については,どこかに御意見を伺ったことがあるのですか。
  • 中島構成員 まだ自分はそこまでやったことがないのですけれども,例えば電車とかに乗っていると,どうしても掲示物を見ますね。どこかの地方自治体が犯罪被害者週間の相談とかを載せていたとき,やはり長い時間目に触れる機会がありました。あれが公共交通機関の資金源になっているので,無償でというのは難しいですが,例えば呼びかけてみるというのは,やってもらえるかどうか分からないけれども,あってもよいのではと思いました。
  • 椎橋議長 室長,どうぞ。
  • 内閣府大臣官房審議官犯罪被害者等施策推進室長 それこそ基本法ができてもう10年も経つのですけれども,私どもも,まだまだ気運の醸成ということを,言っていかなければいけない状況であると強く認識をしているものでございますから,論点として挙げているところでございます。
     メディアが取り上げるということになりますと,国だけで働きかけるというのはなかなか難しい問題がございますので,その辺は各先生方,あるいは民間の被害者団体,あるいは被害者支援団体として御活動をなさっている皆様方の御支援といいますか,御協力を是非お願い申し上げたいと思います。
     また,既存のマスメディアだけではなくて,若干触れましたけれども,ソーシャルメディアの活用というのも,もっともっと図っていかなければならないのかなと思っております。私どももフェイスブックを立ち上げており,先生方も御覧になっていただいているものと承知しておるところでございますが,そういった新しいソーシャルメディア等を活用して拡散するというのも非常に有効な手段だろうと思いますので,そういったところでタイムリーに発信をしていければ,いろいろな効果が出てくるのかなとも思っているところでございます。なお一層いろいろと知恵を絞ってまいりたいと思いますので,是非いろんな御提案をいただければありがたいなと思います。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ほかにはございませんか。
     それでは,いろいろ貴重な御意見を伺いましたので,今日いただきました御意見等を踏まえまして,今後,事務局や関係省庁において新たな基本計画に盛り込むべく具体的施策について検討いたしまして,改めて計画案文としてお示ししたいと思います。
     本日の検討事項は以上でございます。
     最後に,事務局から次回の日程に関する連絡がありますので,お願いいたします。
  • 内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官 それでは,事務局から次回の会議日程について御連絡申し上げます。
     次回は,来年度になりますけれども,4月28日火曜日の午後2時から,場所は本日と同じこの特別大会議室を予定しております。
     次回は,前回会議におきまして論点として取り上げることが了承されました「被害が潜在化しやすい犯罪被害者等への支援」「被害児童に対する国費による専門的治療等」及び「犯罪被害者等に対する中長期的支援」につきまして,御検討をいただく予定でございます。
     各論点に関する取組状況や今後の方針等について御説明いただく省庁ですが,「被害が潜在化しやすい犯罪被害者等への支援」については警察庁,法務省,文部科学省,厚生労働省,「被害児童に対する国費による専門的治療等」については文部科学省と厚生労働省,「犯罪被害者等に対する中長期的支援」につきましては内閣府,警察庁,文部科学省,厚生労働省を予定しているところでございます。
     次回会議までの作業の手順ですけれども,今回と同様,関係省庁から提出のありました各論点に係る取組状況や見解等を,次回会議開催の2週間前までに各構成員に送付させていただきます。これを受けまして,各構成員の皆様におかれましては,次回会議開催の1週間前までに事務局宛てに御意見や御質問等を提出していただければと思います。
     事務局からは,以上でございます。
  • 椎橋議長 ありがとうございました。
     ただいまの御説明に対して,何か御質問ございますか。
     ないようですので,これをもちまして,第16回基本計画策定・推進専門委員等会議を終わります。
     本日は,ありがとうございました。
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