第2章 パネル調査結果

2.類型別調査結果

4)生活状況について(問12~15)

問12(1) この1年間の生活上の変化(複数回答)

 この1年間の生活上の変化を尋ねたところ、殺人・傷害等では「家族間の信頼が深まった」が25%と最も多くなっており、次いで「学校または仕事を辞めた、変えた」が19%となっている。交通事故による被害では、「家族間で不和が起こった」が36%と最も多く、「学校または仕事を辞めた、変えた」(24%)、「長期に通院したり入院したりするようなけがや病気をした」(24%)が続いている。また、いずれの類型においても、起こった生活上の変化と事件との関連性はあるとする回答者がほとんどである。

 昨年度調査では、事件後から昨年度の調査時点までの生活上の変化を尋ねているが、全体的な傾向に大きな違いはない。今年度調査及び昨年度調査から、事件後から現在までに、「学校または仕事を辞めた、変えた」、「学校または仕事をしばらく休んだ(休学、休職)」、「長期に通院したり入院したりするようなけがや病気をした」とする人の割合が全体的に多いことがうかがえる。

 被害者との関係別にみても、全体的な傾向に大きな違いはないが、いずれの類型においても、「家族間での不和が起こった」あるいは「学校や、職場、地域の人々との関係が悪化した」とする人の割合が「家族間での信頼が深まった」あるいは「学校や、職場、地域の人々との関係が親密になった」とする人の割合よりやや多くなっている。

○この1年間の生活上の変化と事件との関連性【ベース:変化を経験した人】(類型別)

この1年間の生活上の変化と事件との関連性【ベース:変化を経験した人】(類型別)

※いずれの項目においても起こった生活上の変化と事件との関連性が高いことから、被害者との関係別、被害からの経過年数別の集計結果については割愛。

○この1年間の生活上の変化(類型別)

この1年間の生活上の変化(類型別)
昨年度調査結果:事件後から昨年度調査時点までの生活上の変化(類型別)

昨年度調査結果:事件後から昨年度調査時点までの生活上の変化(類型別)

○事件後の生活上の変化(類型別)

<性犯罪(n=8)>

事件後の生活上の変化(類型別)<性犯罪>

※平成20年度は「この1年間」の生活上の変化、平成19年度は「事件後から昨年調査時点まで」の生活上の変化の有無を尋ねている。

○この1年間の生活上の変化(被害者との関係別)

この1年間の生活上の変化(被害者との関係別)
昨年度調査結果:事件後から昨年度調査時点までの生活上の変化(被害者との関係別)

昨年度調査結果:事件後から昨年度調査時点までの生活上の変化(被害者との関係別)

○この1年間の生活上の変化(経過年数別)

この1年間の生活上の変化(経過年数別)
昨年度調査結果:事件後から昨年度調査時点までの生活上の変化(経過年数別)

昨年度調査結果:事件後から昨年度調査時点までの生活上の変化(経過年数別)

 

問13 事件直後と比較した状況の変化

 事件直後と比較した状況について尋ねたところ、身体的な状況について、「少し回復した」あるいは「回復した」とする人の割合は、殺人・傷害等で54%、交通事故で31%、性犯罪で63%(8名中5名)である。一方、「悪化した」あるいは「やや悪化した」とする人は、殺人・傷害等で25%、交通事故で37%となっている。

 精神的な状況については、「少し回復した」あるいは「回復した」とする人は、殺人・傷害等で58%、交通事故で36%、性犯罪で63%(8名中5名)。「悪化した」あるいは「やや悪化した」とする人の割合は、殺人・傷害等で27%、交通事故で33%となっている。

 経済的な状況については、「少し回復した」あるいは「回復した」とする人の割合がやや低く、殺人・傷害等で15%、交通事故で15%、性犯罪で26%(8名中2名)にとどまり、「悪化した」あるいは「やや悪化した」とする人の割合は、殺人・傷害等で46%、交通事故で37%となっている。

 昨年度調査との比較では、全体的に「悪化した」あるいは「やや悪化した」とする割合がやや少なくなっており、回復傾向にあることがうかがえる。ただし、自身が被害にあわれた人、被害から3年未満の人については、身体的な状況及び精神的な状況ともに「悪化した」とする割合がやや多くなっている。

○事件直後と比較した状況の変化(類型別)

<殺人・傷害等(n=52)>

事件直後と比較した状況の変化(類型別)<殺人・傷害等>

<交通事故(n=75)>

事件直後と比較した状況の変化(類型別)<交通事故>

<性犯罪(n=8*)>

事件直後と比較した状況の変化(類型別)<性犯罪>
昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(類型別)

<殺人・傷害等(n=52)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(類型別)<殺人・傷害等>

<交通事故(n=75)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(類型別)<交通事故>

<性犯罪(n=8*)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(類型別)<性犯罪>

○事件直後と比較した状況の変化(被害者との関係別)

<自身(n=24*)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(類型別)<自身>

<家族(n=48)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(類型別)<家族>

<遺族(n=107)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(類型別)<遺族>
昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(被害者との関係別)

<自身(n=24*)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(被害者との関係別)<自身>

<家族(n=48)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(被害者との関係別)<家族>

<遺族(n=107)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(被害者との関係別)<遺族>

○事件直後と比較した状況の変化(経過年数別)

<3年未満(n=17*)>

事件直後と比較した状況の変化(経過年数別)<3年未満>

<3年以上(n=120)>

事件直後と比較した状況の変化(経過年数別)<3年以上>
昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(被害者との関係別)

<3年未満(n=33)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(被害者との関係別)<3年未満>

<3年以上(n=120)>

昨年度調査結果:事件直後と比較した状況の変化(被害者との関係別)<3年以上>

 

問14 状況の悪化と事件との関連性【ベース:状況が悪化したと回答した人】

 問13のそれぞれの項目について、状況が「悪化した」、「やや悪化した」と回答した人に事件との関連性を尋ねたところ、「事件に関連する問題によって悪化した」と回答した人の割合は、殺人・傷害等及び交通事故の被害者のいずれにおいても8割以上となっている。

○状況の悪化と事件との関連性(類型別)

<殺人・傷害等>

状況の悪化と事件との関連性(類型別)<殺人・傷害等>

<交通事故>

状況の悪化と事件との関連性(類型別)<交通事故>

※性犯罪による被害については、サンプル数が少ないため割愛。また、いずれの項目においても状況の悪化と事件との関連性が高いことから、被害者との関係別、被害からの経過年数別の集計結果についても割愛する。

 

問15 現在の主観的な回復度合い

 現在の主観的な回復度合いについて尋ねたところ、殺人・傷害等の42%、交通事故による被害の33%、性犯罪による被害の63%(8名中5名)が半分程度以上回復した(「半分くらい回復した」~「もとどおり回復した」)としている。一方で、殺人・傷害等で15%、交通事故で31%、性犯罪で25%(8名中2名)が「全く回復していない」としている。

 昨年度調査と比較すると、サンプル数の少ない性犯罪による被害を除き、「全く回復していない」とする人の割合が減るなど、全体的に回復傾向にあることがうかがえる。昨年度調査では、殺人・傷害等で29%、交通事故で24%、性犯罪で50%(8名中4名)が半分程度以上回復したとしている。

 被害者との関係別、被害からの経過年数別にみても、全体的な傾向に大きな違いはないが、被害から3年未満の人で、「全く回復していない」とする人の割合が昨年(33%、33名中11名)から今年(41%、17名中7名)にかけて多くなっている。

○現在の主観的な回復度合い(類型別)

現在の主観的な回復度合い(類型別)
昨年度調査結果:昨年度調査時点の主観的な回復度合い(類型別)

 

昨年度調査結果:昨年度調査時点の主観的な回復度合い(類型別)

○現在の主観的な回復度合い(被害者との関係別)

現在の主観的な回復度合い(被害者との関係別)
昨年度調査結果:昨年度調査時点の主観的な回復度合い(被害者との関係別)

 

昨年度調査結果:昨年度調査時点の主観的な回復度合い(被害者との関係別)

○現在の主観的な回復度合い(経過年数別)

現在の主観的な回復度合い(経過年数別)
昨年度調査結果:昨年度調査時点の主観的な回復度合い(経過年数別)

 

昨年度調査結果:昨年度調査時点の主観的な回復度合い(経過年数別)

 

戻る > 目次  次へ > 2-2-5.支援及び制度の利用率、満足度について