2.国民一般の中の「被害者像」

2-5.国民一般の中の「被害者像」の総括

<性・年代別に見る刑事政策及び犯罪被害者等支援に対する意識>

  • 刑事政策に関する意識のうち、「犯罪者の再教育が犯罪を減らす」(問16)については、女性に肯定する者が多い。(図2-28)
  • 「刑罰をもっと重くすることが凶悪犯罪を減らす」(問16)とする意識は、男女共に、またすべての年齢層において肯定する者が多い。(図2-28)
  • 「被害者支援に関心がある」(問16)とする意識は、若年層よりも高年齢層において肯定する者が多い。(図2-28)

<「重犯罪に巻き込まれる不安」と犯罪被害者等支援への関心>

  • 「重犯罪に巻き込まれる不安」(問9)は男女共に「不安がない」とする者が若干多い。年代別では、男女共に50代、60代において「不安がない」とするものが「不安である」とするものよりもかなり多い。女性は特に20代、30代で「不安である」とするものが多く、40代でほぼ半々で、それ以降では「不安がない」とする者が多くなっている。(図2-15)
  • 「重犯罪に巻き込まれる不安」(問9)と、「過去5年以内に身近で犯罪の被害にあった人がいる」(問11)との間に有意な関係がある。つまり不安を持つ者は、身近に犯罪の被害にあった者がいる場合が多い 。(図2-56)
  • 「重犯罪に巻き込まれる不安」(問9)を持つ人は「犯罪被害者支援に関心がある」人であり、また「被害者の意見を聞く機会を積極的に持ちたいと思っている」人である。(図2-52)
  • 重犯罪に巻き込まれる不安を持っている人は、犯罪被害者等の心情について「自分を責めている」と思っている。このことは「性犯罪」を想起した人に顕著である。(図2-53)
  • 「犯罪被害者支援に関心がある」(問16)人は、司法制度や犯罪・被害施策に関係のある用語の理解度(問10)が総じて高い(図2-54)。「犯罪に巻き込まれる不安」がある人も同様に用語の理解度が高い(図2-55)。特に「PTSD」と「二次的被害」の用語について「不安がある人」の理解度がやや高い。

「重犯罪に巻き込まれる不安の頻度」と「被害者問題への関心度」

図2-52:「重犯罪に巻き込まれる不安の頻度」と「被害者問題への関心度」

「重犯罪に巻き込まれる不安の頻度」と「犯罪被害者等のイメージ」

図2-53:「重犯罪に巻き込まれる不安の頻度」と「犯罪被害者等のイメージ」

「犯罪被害者支援への関心」(問16)と犯罪等に関する用語の理解 <理解計>

図2-54:「犯罪被害者支援への関心」(問16)と犯罪等に関する用語の理解 <理解計>

「重犯罪に巻き込まれる不安の頻度」と犯罪等に関する用語の理解 <理解計>

図2-55:「重犯罪に巻き込まれる不安の頻度」と犯罪等に関する用語の理解 <理解計>

「重犯罪に巻き込まれる不安の頻度」と「身近での重犯罪遭遇」

図2-56:「重犯罪に巻き込まれる不安の頻度」と「身近での重犯罪遭遇」