1.調査の概要

1-1.調査の目的と背景

 地方公共団体における犯罪被害者等施策は、従来都道府県警察が中心となって進められてきたが、被害者等の抱える様々な問題に対応し、医療・福祉サービスなど多岐にわたる支援を途切れなく提供するためには限界があり、地域における施策の総合的な推進が求められていた。

 こうした状況を受け、「犯罪被害者等基本法」(以下「基本法」という。)では、地方公共団体に対し、国と同様、相談・情報提供、保健医療・福祉サービスの提供、安全・居住の確保等の広範な施策を地域の実情に応じ自ら実施する責務が課されている。また、基本法に基づき策定された「犯罪被害者等基本計画」(以下「基本計画」という。)でも、地方公共団体に対し、施策を総合的に推進するための窓口部局の確定や総合的な対応窓口の設置が要請されている。

 本調査は、上記の取組を始め地方公共団体における施策の総合的な推進に関する現状や先進的な取組事例、課題等を把握・分析することにより、内閣府において地方公共団体向けの施策の手引きの内容を検討する際の基礎資料とするとともに、調査結果を広く周知することにより、国・地方公共団体双方における今後の施策の企画立案・実施の一助とすることを目的として実施するものである。