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犯罪被害者等施策
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平成17年度都道府県・政令指定都市
犯罪被害者等施策主管課室長会議 議事概要

(開催要領)
日時:平成18年3月23日(木)13:30~17:00
場所:三田共用会議所3階大会議室
出席者:
荒木 二郎内閣府犯罪被害者等施策推進室長
神村 昌通内閣府犯罪被害者等施策推進室参事官
廣田 耕一警察庁長官官房給与厚生課犯罪被害者対策室長
中平 真総務省自治行政局自治政策課理事官
大塲 亮太郎法務省大臣官房参事官
山口 高志厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室長補佐
南津 和広国土交通省総合政策局政策課政策第一係長
下間 康行文部科学省大臣官房総務課副長
 このほか、各都道府県・政令指定都市担当課の担当者が出席した。

(議事次第)

1.荒木室長冒頭あいさつ

2.講演
 「犯罪被害者が置かれる現状と支援の必要性」
   犯罪被害者等施策推進会議委員
   (社)被害者支援都民センター事務局長    大久保 恵美子 氏

3.関係府省庁からの説明

4.荒木室長締めくくりあいさつ


(附属資料)

  ○ 講師説明資料
    ・犯罪被害者が置かれる現状と支援の必要性[PDF形式:34KB]
    ・「全国被害者支援ネットワーク」紹介リーフレット
    ・「社団法人被害者支援都民センター」紹介リーフレット
    ・ 杉並区「犯罪被害者支援」リーフレット
    ・ 「すぎなみ地域大学」紹介パンフレット
      (※ここでは、リーフレット及びパンフレットの代わりに同様の内容が掲載されている各機関のホーム ページを紹介します。)
  ○ 関係府省庁説明資料
    内閣府説明資料[PDF形式:74KB]
    警察庁説明資料[PDF形式:151KB]
    総務省説明資料[PDF形式:13KB]
    法務省説明資料
     ・ パンフレット『犯罪被害者の方々へ』
     ・ 日本司法支援センター「法テラス」紹介リーフレット及びパンフレット
      (※ここでは、リーフレット及びパンフレットの代わりに同様の内容が掲載されている法務省のホーム ページを紹介します。)
    文部科学省説明資料[PDF形式:38KB]
    厚生労働省説明資料[PDF形式:25KB]
    国土交通省説明資料[PDF形式:85KB]


(その他)

会議後に実施したアンケートに対する回答

(議事内容)

○ 平成17年度都道府県・政令指定都市犯罪被害者等施策主管課室長会議の開催に当たり、荒木内閣府犯罪被害者等施策推進室長からあいさつがあった。

○ 「犯罪被害者が置かれる現状と支援の必要性」と題して、大久保恵美子犯罪被害者等施策推進会議委員による講演が行われた。

○ 内閣府から、資料1、2により都道府県・政令指定都市における窓口部局に着目した犯罪被害者等施策の取組イメージについて、資料3により犯罪被害者等施策推進のための体制づくり・企画立案手順のイメージについて、各都道府県・政令指定都市に対して参考提案した。
このほか、首長部局における総括的部局の決定、「犯罪被害者等基本計画」に基づく検討のための会(支援のための連携に関する検討会)における検討や犯罪被害者等週間に関連して内閣府が実施する予定の広報啓発事業への協力、地域レベルでの広報・啓発活動の実施について、内閣府から各都道府県・政令指定都市に対し協力方依頼した。

 また、事前に都道府県・政令指定都市から登録されていた質問のうち、説明で言及しなかった以下の事項について内閣府から回答した。

・犯罪被害者等施策の位置付け(自治事務か法定受託事務か)及び交付税措置についての質問に対し、「犯罪被害者等基本法により地方公共団体に新たに発生した事務がある場合、当該事務を『法定受託事務』とする法律の根拠がなければ、当該事務は自治事務となる。地方公共団体で行う事務が既存の施策の一環として行われるものであればその限りにおいて必要な額が基準財政需要額において措置されていることとなるが、他方、新たに生ずる事務がある場合には、当該事務については措置されていないこととなる。新たに生ずる事務で交付税措置が必要と考えるものがある場合には、所管府省庁から総務省に要望を上げることとなるので、そのような具体的な事務があれば、所管府省庁にご相談いただきたい。」と回答した。

・「地方公共団体が犯罪被害者等施策を推進するに当たっての財政的措置(人員確保も含む。)はどのようになっているか。」との質問に対し、「財政的・人的な制約がある事情はよく理解できるが、そうした制約の中で、各地方公共団体において、犯罪被害者等の視点から、どういった取組が求められているのか、それに対しどういった取組ができるかをまず検討していただくことが重要ではないかと考えている。その上で、地方公共団体だけでは対応が難しく、国による対応や支援等が新たに必要と判断される事項が出てきた場合には、内閣府や関係省庁にその旨ご要望いただければ、検討したいと考えている。」と回答した。

・「犯罪等の例示がほしい。」との質問に対し、「『犯罪等』の『等』については、基本法上『これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為』と規定されており、基本法案の審議過程では、例えば、(1)ストーカー行為には当たらないが、警告の対象となるようなつきまとい等(ストーカー行為等の規制等に関する法律第3条、第4条)、(2)身体に対する暴力に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律第1条第1項)、(3)児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食(児童虐待の防止等に関する法律第2条第3号)といった行為が、当該行為に該当すると考えられていた。」と回答した。

・人権侵害や拉致被害の位置づけについての質問に対し、「人権侵害のうち『犯罪等』に該当するものの被害を受けた者及び拉致被害者は、いずれも基本法、基本計画でいう『犯罪被害者等』に該当する。しかしながら、既に、基本法・基本計画の枠組みとは別に、人権侵害を受けた者の救済、あるいは拉致被害者の救済という形で、それぞれ施策の枠組が設けられ、取組が進められていると認識している。」と回答した。

○内閣府の説明を受けて、さらに以下のような質疑応答があった。

(地方公共団体)内閣府から、犯罪被害者等に特化した施策を実施する必要はなく、既存の各種施策を犯罪被害者等に対する認識と理解を踏まえて有効適切に講じていけばよいとの説明があったが、推進窓口部局に期待されている相談窓口機能についても、住民相談など既存の住民サービス窓口を活用すればよいのではないか。また、犯罪被害者等の特性に配慮する窓口というのであれば県警本部が適当と考えるが、いかがか。

(内閣府)それぞれの地方公共団体でお決めいただくことであるが、私どもが持っている知識の範囲で参考意見を申し上げる。まずは、地方公共団体が行っている現行の住民サービスが犯罪被害者等に特有の事情や心情等に対する十分な理解・認識の下、犯罪被害者等にとって適切かつ効果的・効率的に行われるならば、それが犯罪被害者等施策であるということ。したがって、重要なことは、窓口において犯罪被害者等が置かれた状況に対する十分な理解・認識の下、最も適切な機関への紹介・コーディネート等が行われることであると考えている。1つ目の質問については、窓口において、犯罪被害者等が抱える特有の事情や心情などに対し十分な理解・認識の下、適切な対応がなされ、かつそこが対応することが犯罪被害者等にとって明らかであればよく、名称等にこだわる必要はないと考える。2つ目の質問については、犯罪被害者等施策は住宅・福祉・保健・雇用・教育など多岐にわたっており、こうした多岐にわたる施策のコーディネート等を行うには、首長部局に対応窓口が必要と考えている。

(地方公共団体)既存の施策・体制で対応すればよいというのであれば、県警本部側に総合的なコーディネートを行える相談員を配置すればよいと考えているがいかがか。

(内閣府)この問題は地域住民である犯罪被害者等に地方公共団体としてどのように対応するかであり、それぞれの地方公共団体がその責務を果たすにふさわしい仕組みを考え、決めるべきことである。当方としては、具体的な窓口の在り方についてこれがスタンダード、これが適当と申し上げる立場になく、あくまで当方の知見に基づく参考提案をさせていただいている。そういう趣旨で申し上げるならば、犯罪被害者等が抱える事情に対する十分な理解・認識の下、地方公共団体が実施している多岐にわたる施策について適切な案内・コーディネートを行うとともに、地方公共団体が取り組む様々な施策について犯罪被害者等の視点に立って企画調整、広報啓発が行える総合的な部署が必要であると考えており、事件の捜査という分野的・時間的に限定された範囲を本来担当する県警本部ではその機能は担いきれないと考えている。

(地方公共団体)多くの地方公共団体で総合的窓口は設置されていないことから、今回総合的窓口を知事部局に設置することになれば、新しい事務が発生すると考えられる。こうした事務の所管府省はまさしく内閣府であると考えられることから、総務省に対し内閣府から交付税措置に関する要望を提出していただきたい。

(内閣府)具体的な点については追って相談いただければと思うが、まずは各地方公共団体でこういうことを犯罪被害者等のためにやりますという具体的な窓口設計をしていただくのが先と考えている。

(地方公共団体)犯罪被害者等施策を推進するための計画についてどのように考えているのか。地方公共団体に計画策定を義務付けるような方向づけは予定されているか。

(内閣府)犯罪被害者等基本法では、地方公共団体に計画策定義務を課していない。施策を推進するに当たり計画のようなものが有効・必要であるということになれば、策定していただくことは有意義と考えているが、まず計画ありきとは考えていない。ご質問のあったような方向付けは今のところ予定されていない。

○ 警察庁、総務省、法務省、厚生労働省、国土交通省、文部科学省の順に、犯罪被害者等施策に係る取組等について、配布資料に沿って説明が行われた。

○ 各省庁からの説明を受けて、さらに以下のような質疑応答があった。
(地方公共団体)知事部局の窓口において被害者等からの相談を受ける際に、被害の状況等を把握しておく必要が出てくると思うが、警察から被害の状況等について情報提供は行われるのか。それとも知事部局で相談を受けたものについては、知事部局で対応すべきで警察は関知しないというスタンスなのか。

(警察庁)警察は関知しないということは全くない。被害者の同意を前提に、地方公共団体が行うそれぞれの犯罪被害者等のための施策・対応にとって必要な範囲の情報を知事部局の窓口に伝えることになる。また、これまで警察において進めている支援、警察でしかできない支援については、引き続き行っていく予定である。

(地方公共団体)早期支援については、引き続き警察で取り組むのか。

(警察庁)これまで警察が行ってきた施策については、引き続き実施・拡充に努めていく。また、施策実施に当たって、他の関係機関の連携・協力が必要な場合には、連携・協力を求めることになる。

(地方公共団体)警察には、犯罪被害者等施策の実施については、実績もあり体制も整っている。専門性という点からも、総合的な窓口が警察に置かれた方が、スムーズに支援が行えると考える。

(警察庁)犯罪被害者等のニーズは様々であり、そのすべてを県警で対応しているわけではない。他の機関で対応しているものもあるし、今後対応していただかないといけないものもある。警察がすべてのニーズに対応する窓口かといわれれば、そうではないだろう。また、知事部局に窓口が設置されたからといって、警察が犯罪被害者等施策から手を引くというわけではない。
 犯罪被害者等基本法では、地方公共団体の役割を重視している。従来、犯罪被害者等施策が警察中心で行われていたのは間違いない。このように警察において先行的に取組が進められてきたことは、犯罪被害者と警察との関わりから当然の成り行きともいえるが、こうした取組に限界があり、地域が一体となって犯罪被害者を支える必要が出てきたことが、基本法制定の背景にある。基本法では、国とともに地方公共団体も基本的施策の実施主体として規定されている。従来どおり警察中心の取組でよいというのであれば、基本法が制定された意義が減ずることになるのではないか。

(地方公共団体)知事部局と警察と2つの窓口ができることについて問題はないのか。

(警察庁)ご質問にある窓口が具体的にどういうイメージなのかよく分からないが、警察の窓口は、知事部局の窓口が置かれても、引き続き置かれることになる。犯罪被害者等のさまざまなニーズに応える窓口を設ける必要があるならば、それは警察とは別のものになると考える。

(地方公共団体)知事部局に窓口を置くことに異存はないが、警察からの情報がなければ被害者の内情が分かりにくい。警察から知事部局の窓口に対し情報提供がどの程度行われるか。また、知事部局、警察と窓口が2つあることについて、被害者が混乱するという考え方もあれば、窓口がたくさんあった方がよいという考え方もあると思うが、どのように考えるか。

(警察庁)知事部局における窓口について具体的なイメージが明らかでないが、既に各機関においてそれぞれ相談窓口は持っていると理解している。被害者等支援に係るサービスの総合的な窓口というのであれば、当該窓口において具体的にどのようなサービスを行うのか、具体的にどのような業務を行うのかが決まってくれば、警察から提供する情報の内容も決まってくるのではないか。警察から提供する情報の内容について、この場で一律に答えるのは難しい。各県で考える窓口の仕組みに応じて提供する内容も変わってくると考える。

(地方公共団体)効率的な相談を行うためには、相談にきた個人のデータ的なものを警察と知事部局との間で共有することが必要になってくると考えているが、どのように考えるか。

(警察庁)警察と知事部局との協議によってくると考えるか、具体的な支援の在り方や役割分担に応じて具体的な情報共有の在り方も決まってくると考えている。

○ 最後に、荒木内閣府犯罪被害者等施策推進室長から締めくくりのあいさつがあった。

(以上)

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