ホーム > 聞く > 犯罪被害者の声「ありのままに話せる場所」 犯罪被害者の声「ありのままに話せる場所」小畑 智子さん 平成10年7月12日、飲酒運転で交通事故を起こし逃走中の車によって、長男(当時20歳)は、ひき逃げされ、命を奪われました。 「将来、家具を作りたい」との夢を持ち、学校とアルバイトに追われていた日々の中、久しぶりに友だちと会い、友だちの車の窓越しに話をするために車道に出たとき、信号を無視して暴走してきた車によって、20メートル先まで飛ばされました。頭を強く打ち、即死状態であったということでした。医師からは「息子さんはあまりに一瞬のことで痛みも何もなかったと思います」と言われたときも、「痛くなくて本当によかった」と、他人事のように、そのときの私は思いました。加害者の車の中には一緒に飲んだ友だちも同乗していたとのことでした。 息子の2回目の命日に何気なくつけたテレビで、被害者支援都民センターを知りました。 あまりにも偶然で、息子が導いてくれたとの思いから、その場ですぐに電話をしました。私はそれまでの2年間、人様の前で取り乱して泣くことはありませんでした。ずっと頑張っていた気がしますが、もう限界でした。 被害者支援都民センターに出会って6年半になります。今の私は、それまで閉じ込めていた怒りや悲しみの感情を少しずつ取り戻すことができました。息子を奪われた日から、8年半になりますが、今でも息子のことを思うと、胸が張り裂けそうに辛い気持ちになります。こんな気持ちは、一生変わることはないでしょうが、こんな気持ちをありのままに話すことができる唯一の場所が、被害者自助グループなのです。 |
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