山口大会:主催者挨拶

警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) 西川 直哉

 皆さん、こんにちは。本日は、御多用中にもかかわらず多くの方に御参加いただきまして、大変ありがとうございます。ただいま御紹介いただきました、警察庁で犯罪被害者等施策を担当しております西川でございます。よろしくお願いいたします。私、25年ほど前、1年半足らずの短い期間ではございましたが、山口県で勤務したことがございまして、本日は大変懐かしい気持ちでいっぱいでございます。よろしくお付き合いのほどお願いいたします。それでは、犯罪被害者週間の山口大会の開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げさせていただきます。

 皆様既に御承知のとおりでございますが、平成16年の12月1日に犯罪被害者等基本法が成立いたしました。政府はその後、第1次、第2次の犯罪被害者等基本計画を策定いたしまして、犯罪の被害に遭われた方々のための施策を総合的、かつ計画的に推進してきたところであります。この2つの基本計画に続いて、本年の4月1日には、261の施策を盛り込みました第3次犯罪被害者等基本計画を策定したところでございます。基本法ができましてから10年余りの間に、各方面に御努力をいただきまして、日本の犯罪被害者等施策は、犯罪被害給付制度の拡充ですとか、あるいは刑事手続における被害者参加制度の確立など、年々充実したものとなってまいりました。また、地方公共団体においても、犯罪被害者等のための支援体制の整備等を進めていただいているところであります。

 山口県におかれましても、既に全ての市町村で総合的な対応窓口が設置されるなど、行政機関、警察、犯罪被害者支援団体等が相互に連携して、犯罪被害者等施策の実施あるいは推進をされていると承知しております。皆様のこれまでの御支援に対しまして、心から敬意を申し述べさせていただきたいと思います。

 しかし、犯罪被害に遭われた方々が被害から少しでも回復し、再び平穏な生活を営むことができるためには、国あるいは地方公共団体、こういったものが施策を推進するというだけでは十分ではありません。国民の皆様の御理解、御配慮、御協力が必要不可欠でございます。そのため、政府では毎年11月25日から12月1日までの1週間を犯罪被害者週間といたしまして、国民の皆様に犯罪被害者等の置かれている状況や支援の必要性について考えていただくということを目的に、このようなシンポジウムなどを各地で開催しているところでございます。今年で11回目の実施になりますが、今年度は「支え合い 寄り添う心 育んで」という言葉をスローガンにして掲げまして、全国各地において様々な広報啓発事業を進めているところであります。

 本日は、「犯罪被害者に必要な支援」というテーマで、御自身が御遺族でいらっしゃいます糸賀様から御講演をいただきます。その後に、「犯罪被害者を広く地域で支えるために」ということをテーマに、有識者の皆様から犯罪被害者等の置かれた現状、あるいは求められる支援について御意見を賜りたいと考えております。

 犯罪の被害に遭われた方々がどのような状況に置かれているのか、どのような支援を必要としているのかについて考えていただくきっかけになればと思います。そして、犯罪被害に遭われた方々を御支援いただく上では、本日御来場いただいた皆様のみならず、社会全体で関心を高めていく必要がございます。今日お聞きいただいたお話を、是非御家族、御友人と共有していただきたいと、このように願っております。

 また、本日の大会への御参加をきっかけに、犯罪被害者等への支援についてより詳しい内容をお知りになりたいと思っていただけましたら、私どももFacebookなどを作って情報提供しております。警察庁のホームページからも、若干手間はかかりますが、入れます。また、検索エンジンで「警察庁犯罪被害者等施策」という言葉で検索をしていただければ、上の方に出てくるかなと思います。できれば、それに「いいね!」というものをつけていただきますと、我が国の被害者支援の現状が皆様のお仲間、お友達にも伝わります。私ども作っている側も元気が出ますので、是非御覧いただきたいと思います。今日見てまいりましたら、「いいね!」が76しかついておりませんで、まだ3桁に達しておりません。先週は北海道にお伺いしたのですが、そのときは67でございまして、1週間で9ほど増えたのですが、まだまだ微々たるものでございます。ひとつよろしくお願いをいたします。

 また、一人ひとりが今すぐにでもできる支援といたしましては、今日後ほど御登壇いただく山口被害者支援センターを始めとする民間の被害者支援団体に少しでも御寄付をいただくということも大切な支援だと思います。もちろんお金を出すだけが支援ではありませんけれども、お金があればいろいろな支援につなげることができるというのもまた事実でございます。よろしくお願いをしたいと思います。

 最後になりますが、基調講演やパネルディスカッションでの登壇者の皆様、さらに、ミニコンサートを行っていただく皆様を始め、多くの方々に御協力をいただいてこの会が開催できております。このことに心から感謝を申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。皆さん、本日は御来場いただきまして本当にありがとうございます。

山口県知事 村岡 嗣政(代読:山口県副知事 弘中 勝久)

 皆さん、こんにちは。山口県副知事の弘中でございます。本来であれば、村岡知事が参りまして皆様に御挨拶を申し上げるところでございますが、他の用務と重なりまして出席がかないません。村岡知事から挨拶を預かっておりますので、代読をさせていただきます。

 「犯罪被害者週間山口大会」の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。「犯罪被害者週間」では、被害者の方々が置かれている状況や被害者御本人及びその御家族などに対する配慮の重要性について、広く国民の皆様に御理解を深めていただくため、全国各地で様々な取組が展開されています。本日は、ここ山口県で、西川警察庁長官官房審議官が御出席のもと、多くの皆様の御参加を得て大会が開催できますことを厚くお礼申し上げます。

 また、後ほど「命の大切さを学ぶ作文コンクール」で優秀な成績を収められて表彰されます生徒の皆様、そして、被害者支援活動の御功績により感謝状を授与されます事業所の皆様には、改めてお喜びと謝意を表します。

 さて、私たちは、誰もが犯罪被害者となり得る立場にあります。犯罪に遭われた方は、御本人はもとより御家族を含め、身体的、精神的、財産的な被害に苦しめられ、さらには周囲の配慮に欠ける対応から、いわゆる二次被害を受けることも懸念されます。こうした被害者の方々が再び平穏な生活を営むことができるようになるためには、地域の皆様の理解と配慮が必要であり、併せて被害者の支援に対する体制を進めていく必要があると考えています。

 このため、私は、県政運営の指針であります「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」において、「暮らしの安心・安全の確保」を重点プロジェクトとして掲げ、市町、警察、被害者支援センターなど関係機関・団体と連携し、犯罪被害者等に対する県民の皆様の理解を深めていただく広報啓発活動や、相談窓口担当者研修会の開催など支援体制の整備に努めています。また、本年度は本大会に先立ち、大学生に対する被害者支援入門講座や、被害者支援に関する職員を対象とした専門研修を実施するなど、より一層の支援体制の充実強化を図っているところです。

 本日の大会は、犯罪被害者に必要な支援や、犯罪被害者を広く地域で支えるための取組について、地域の皆様と共に考え、共感を深めていただくために開催するものです。どうか、本日お集まりの皆様方におかれましても、それぞれの分野や立場で犯罪被害者支援について御尽力を賜りますようお願いを申し上げます。

 終わりに、本大会を契機に、犯罪被害者の方々への理解と支援の輪がますます広がりますことを心から祈念申し上げまして、開会の御挨拶といたします。

 平成28年11月26日。山口県知事村岡嗣政、代読。

 本日はどうぞよろしくお願いいたします。

山口県警察本部長 齊藤 寛

 警察本部長の齊藤でございます。犯罪被害者週間山口大会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。本日御出席の皆様方には、平素から警察行政の各般にわたり格別の御理解と御協力を賜っておりますことに対しまして、厚く御礼を申し上げます。また、命の大切さを学ぶ教室作文コンクール県内の部において優秀作品に選ばれ、本日、表彰を受けられます感王寺さん、番田さん、誠におめでとうございます。作品は、警察庁が主催する全国コンクールに応募することとなっております。さらに、公益社団法人山口被害者支援センターから感謝状をお受けになる山口トヨタ自動車株式会社ほか36事業所の皆様方には、被害者支援自動販売機の設置を通じて被害者支援センターの運営に御協力をいただいているところであり、その取組に敬意を表するところでございます。

 さて、県警察では、皆様の安心と安全の確保のため、犯罪や交通事故抑止に取り組んでいるところでありますが、不幸にして被害に遭われた方やその御家族に対しては、個々の事情に応じて被害者に寄り添った支援活動を推進しております。具体的には、被害者給付金制度や医療費の公費負担制度により、被害者に対する経済的支援を行っているほか、臨床心理士の資格を有する職員によるカウンセリングなど精神的負担の軽減にも力を入れているところです。

 このように警察といたしましても、様々な形で被害者支援に取り組んでいるところでございますが、それだけで十分というわけではありません。公益社団法人山口被害者支援センターを始め被害者支援に関わる関係機関や団体が、相談窓口の設置、被害者の就職あっせん、公営住宅の優先入居など、それぞれの立場で支援を行っていただいております。

 本日御参加の皆さんにおかれましては、被害者の置かれた状況を御理解いただき、風評被害などの二次被害を防止していただきますとともに、被害者支援の活動に御協力いただきますようお願いいたします。

 終わりに、本日の行事を呼び水として犯罪被害者支援の輪が広がり、社会全体で被害者を支え、被害者も加害者も出さないまちづくりの実現につながることを祈念いたしまして、御挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

来賓挨拶
山口市長 渡辺 純忠

 皆さん、こんにちは。地元山口市長の渡辺でございます。秋の深まりとともに、山口の山々も鮮やかに色づく季節を迎えております本日、犯罪被害者週間山口大会が、ここ山口市におきまして多くの皆様方の御参加のもと、このように盛大に開催されますことを心からお喜びを申し上げますとともに、県内外の各地からようこそ山口へお越しいただきました。心から歓迎を申し上げます。また、本日、表彰、感謝状の贈呈を受けられます皆様方には、心からお祝いを申し上げます。そして、御来場の皆様方におかれましては、平素から犯罪被害者の方々への支援に格別の御理解と御協力を賜っておりますことに対しまして、厚く御礼を申し上げます。

 さて、不幸にして犯罪の被害に遭われた御本人や、その御家族、御遺族の方々は、犯罪による身体・精神に関わる直接的な被害のみならず、収入の途絶や医療費の負担などによる経済的困窮、あるいは捜査や裁判に伴う精神的な負担、周囲の人々の無理解に起因した配慮に欠けた言動など、様々な問題に直面しておられます。こうした被害者の方々が再び平穏な生活を取り戻していくためには、行政や関係団体が緊密に連携し、きめ細かな対応をいたすと同時に、広く地域の皆様方の御理解と御配慮、そしてそれに基づく御協力が極めて重要でございます。ここ山口市におきましては、公益社団法人山口被害者支援センターの皆様方を始め警察やボランティアの皆様方が中心となられて、被害者に寄り添われた支援や広報・啓発活動に実に熱心に、そしてきめ細やかに取り組んでおられます。ここに心から感謝と御礼を申し上げる次第でございます。

 こうした中、本日の山口大会は、犯罪被害者の皆様への必要な配慮や支援等について正しい理解を深めていただくための大変意義深い機会でございます。本市といたしましては、この大会を契機とさせていただきまして、社会全体で犯罪被害者の方々を支え、安心・安全な暮らしのできるまちづくりにまい進をいたしてまいりたいと思います。どうか皆様方におかれましては、引き続いての御指導、御支援を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。

 終わりにあたりまして、こうした意義ある大会を主催していただきました警察庁を始め山口県や山口県警察、そして公益社団法人山口被害者支援センターの皆様方に御礼を申し上げ、また本日御参会の皆様方の御健勝と更なる御活躍を祈念させていただきまして、開会にあたりましての挨拶とさせていただきます。皆様方には大変お世話になっております。今後ともどうかよろしくお願いを申し上げます。

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