中央イベント:閉会挨拶

警察庁長官官房審議官(犯罪被害者等施策担当) 西川 直哉

 本日は大変お忙しい中、長時間にわたりまして、この犯罪被害者週間中央イベントに御参加をいただきまして、誠にありがとうございました。

 本日のイベントでは、被害が潜在化しやすい性犯罪の問題を取り上げさせていただきまして、基調講演とパネルディスカッションをしていただいたところであります。これらを通じて、性犯罪被害の深刻な現状、あるいは犯罪被害が潜在化する要因、更には必要な支援と現状、更に今後の展望などについて御理解が深まったのではないかと思います。

 本日、12月1日は、大臣のお話にもありましたように、犯罪被害者等基本法が成立をいたしました日でございます。基本法成立後12年が経過したところで、この間、第1次、第2次の犯罪被害者等基本計画に基づく取組を経まして、この4月からは第3次の計画がスタートしたところであります。制度的な取組はまだまだ不十分であるという御指摘もありますが、一応着実な前進を見ているところであると思います。

 しかし、犯罪被害者あるいは犯罪被害に対する国民の意識、これは目に見えて高まっているかというと、なかなかそこまでは言えないところではないかと思います。特に性犯罪被害に関しましては、偏見、誤解、こういったものが根強く残っております。セルフスティグマなどというお話もございましたが、こういったものが被害を潜在化させる要因の一因になっているということは誠に残念であります。

 このイベントは、犯罪被害に関する国の広報啓発活動の中心的なものでございますので、本来はもっと大きなホール、できれば東京ドームでも借りて何万人も集めてお話ができればいいのだろうというように思いますが、予算の関係もありますし、何よりも平日、日中にそこまで人を集めるのはなかなか困難であるというのが現状であろうと思います。

 本日、お集まりいただいた方は恐らく200人弱というところだろうと思いますが、皆さんだけにお話をして、このイベントの目的が達成できるわけではございません。できれば皆様にはメッセンジャーになっていただきたい。皆さんあるいは、今日やむを得ず時間の関係で来ることができなかったけれども、同じ心ある皆様が手を携えて、それぞれの立場で意識改革の先頭に立っていただいて、人の輪をどんどん大きくしていただくということによって、まだまだ時間は掛かると思いますが、国民の意識の高まりも必ず実現できるというように確信しております。

 このイベントがその一助となることを心から祈念いたしまして、私の閉会の挨拶とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。

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