岡山大会:行政における支援について

岡山県県民生活部くらし安全安心課長 渡辺知美

岡山県くらし安全安心課の渡辺でございます。最後でございますが、犯罪被害者に対する行政の支援につきましてご説明をさせていただきます。

まずこれまでの主な歩みでございますが、日本では昭和49年に起きました三菱重工ビル爆破事件を契機としまして、犯罪被害者に対し給付金を支給する制度が始まりました。その後、平成16年の犯罪被害者等基本法、平成17年の犯罪被害者等基本計画が国としての本格的な支援のスタートとなります。

本県では平成18年4月に知事部局に犯罪被害者のための総合相談窓口を設け、県の関係部局が行う施策を犯罪被害者等の支援に関する取組指針として取りまとめ、現在は新たな施策を盛り込んで、第二次の指針といたしまして推進いたしております。

また平成23年度からは犯罪被害者等支援条例を施行いたしました。県内それぞれの市町村におきましても総合相談窓口が順次設置されておりまして、支援条例も制定されたところでございます。

犯罪被害者等の支援に特化した条例は、平成24年4月より、県と県内すべての市町村で施行されるに至っておりまして、またこのうち4つの市と町におきましては支援金の支給に関する制度も設けられております。このように県内すべての自治体で犯罪被害に特化した条例が制定されておりますのは、全国的にも本県だけとなっております。

本県での主な取り組みでございます。県では第二次取組指針でお示ししておりますように、平成27年度末までに5つの重点課題ごとに、合計154施策を実施をしていくこととしております。

それぞれの重点課題ごとの取り組み例をご紹介させていただきます。

まず、損害回復・経済的支援等への取組としましては、犯罪給付金制度の運用や、性犯罪被害者の医療費負担、また、自宅が事件現場となり住めなくなった場合などの公営住宅の優先住居などを実施しております。

次に、精神的・身体的被害の回復、防止への取組といたしましては、性犯罪被害者に対するカウンセリングや女性警察官の配置などがあげられます。

第3の刑事手続きへの関与拡充への取組としましては、日本司法支援センター、法テラスと連携しまして、その機能や具体的な情報を周知させていただいています。また、警察では被害者の手引を配付して、早期の情報提供に努めているところです。

第4の支援等のための体制整備への取組としましては、行政職員によります二次的被害の防止の観点から、国、県、市町村等の職員を対象としまして、研修会を実施しておりますほか、被害者支援を行う際の留意点や、連携方法等についてまとめたハンドブックを作成しておりまして、関係機関に配布することで、被害に遭われた方がどこの窓口を訪れても、そのニーズに沿った適切な支援機関へ橋渡しできるように努めているところでございます。また、県、警察、市町村等の担当課長会議や、関係機関や団体で組織されています、おかやま被害者支援ネットワークの会合の場を通じまして、連携を深め、情報共有に努めているところです。

最後、第5の県民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組としましては、被害者遺族の方が学校に出向き、子どもたちを加害者にも被害者にもしないために、心と命の大切さを教える教育活動を実施していますほか、民間支援団体との協働によりまして、講演会などの各種啓発事業を実施しているところです。

非常に簡単なご紹介となりましたが、県ではこのような内容の154の施策を展開しておりまして、今後とも着実に実施してまいりたいと考えております。

最後に、今年度の犯罪被害者等に関する標語の最優秀作品をご紹介いたします。「思いやる 心が支援の 第一歩」。犯罪被害者の支援においては、私たち行政だけの支援だけではこと足りません。県民の皆様方が、地域で支える力こそが必要となっております。まずは、より多くの方に犯罪被害者が置かれる状況、また直面する困難を知っていただきまして、その心情に配慮して自分本位にならないよう呼びかけをしてまいりたいと考えております。それがまさに被害者支援に必要なことであり、最初の第一歩と思っております。

本日お越しの皆様には、今後それぞれのお立場で、できる支援を考えていただくことを改めてお願いいたしまして、私からの説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

▲ このページの上へ

警察庁ロゴ警察庁トップページ犯罪被害者等施策ホームページ


Copyright (C) National Police Agency. All Rights Reserved.