■石川大会:主催者あいさつ

内閣府犯罪被害者等施策推進室長 太田 裕之

内閣府犯罪被害者等施策推進室長の太田でございます。「犯罪被害者週間」国民のつどい石川大会の開会に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

本日は、基調講演やパネルディスカッションを行っていただく有識者の方々をはじめ、大勢の皆様に御列席をいただきまして、誠にありがとうございます。

また、本年3月に発生いたしました東日本大震災においてお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方々への心からのお見舞いを、この席を借りまして申し上げます。そして、被災地においては、地元の犯罪被害者支援センターが御遺族への付き添いをはじめ各種支援活動を実施し、また、石川県においても、職員の派遣、被災者の受け入れ等、支援に御尽力されましたことに深く敬意を表します。

さて、国民の誰もが安心して暮らせる社会を実現するためには、犯罪を予防するにとどまらず、不幸にも犯罪被害に遭われた方々が被害から立ち直り、再び平穏な生活を営むことができるようになるまで、途切れることなく支援を受けられるようにすることが重要であります。政府では、犯罪被害者等基本法、および第1次犯罪被害者等基本計画に基づき、犯罪被害者やその御家族の方々等の権利、利益の保護が図られる社会の実現のために、各種の施策を総合的・計画的に推進してまいりました。その結果、犯罪被害給付制度の拡充や被害者参加制度が施行されるなど、被害者のための様々な仕組みが整備され、犯罪被害者等施策は大きな前進を遂げました。平成23年からの5年間は、今年3月に閣議決定されました第2次犯罪被害者等基本計画のもと、特に性犯罪被害者のためのワンストップ支援センターの設置促進、また、地方公共団体と民間団体との連携の促進などを推進してまいりたいと考えています。

犯罪被害者等施策は、始まったばかりです。制度を被害者の方々にとって利用しやすいものにするためにも、今後、効果的な運用はもちろん、たゆまない検証と評価に努めてまいりたいと考えています。そして、諸施策がより実効性を持ち、犯罪被害者の方々が一日も早く平穏な生活を営むことができるようにするためには、国民、地域住民の方々の御理解が必要不可欠です。そのような観点から、犯罪被害者の方々が置かれている状況などについて、集中的な啓発事業などの実施を通じ、国民の方々の理解を深めていただくため、毎年11月25日から12月1日までを「犯罪被害者週間」としました。今年で6回目となる犯罪被害者週間は「理解する 心がつなぐ 支援の輪」をスローガンとして、さまざまな広報啓発活動を行っています。

石川大会は、「犯罪被害者週間」国民のつどい、4つの地方大会のうちの一つとして、石川県、石川県警察本部との共催により開催しています。石川県は、谷本知事のリーダーシップのもと、県下全市町において相談問い合わせ対応窓口の設置に努められており、行政と関係機関、団体などと連携しながら、意欲的に犯罪被害者等施策を推進してこられております。昨年は、内閣府との共催で犯罪被害者等施策研修会を開催し、自治体職員等の意識向上の取組にも率先して取り組んでいただきました。

本日は、犯罪被害者の方々が置かれている状況と施策の重要性、民間の支援団体や地方公共団体などによる被害者支援の意義などをテーマとした基調講演やパネルディスカッションを行うほか、関係機関、団体によるパネル展示を用意しました。御来場の皆様方には、犯罪被害者の方々の名誉、生活の平穏への配慮の重要性などについても、理解と関心を深めていただければ幸いです。

最後に、犯罪被害者の方々の権利、利益の保護が図られる社会が一日も早く実現されるよう今後とも全力で取り組んでいくことをお約束申し上げて、御挨拶とさせていただきます。

最後になりましたが、犯罪被害者の方々の権利利益の保護が一層図られる社会の実現に向けまして、今後とも全力で取り組んでいくということを申し上げ、私のあいさつとさせていただきます。


石川県副知事 山岸 勇

石川県副知事の山岸です。本来であれば谷本知事から御挨拶を申し上げるべきところですが、東京での公務が重なり、この場を失礼することになりました。

知事の挨拶を代読いたします。知事のこの大会に寄せる思いを、ぜひ御理解いただきたいと思います。

本日、「犯罪被害者週間」国民のつどい石川大会を開催し、県内の各地域・各職場などから大勢の皆様に御参加をいただき、厚くお礼を申し上げます。また、皆様方には日ごろより安全で安心なまちづくりの推進に格別の御理解と御協力を賜り、厚くお礼を申し上げる次第でもございます。

石川県における平成22年の刑法犯認知件数は7年連続で減少し、2年連続で8,000件台にとどまりました。また、23年も減少傾向が続くなど、治安の面では県民の皆様の安全・安心な暮らしの確保が着実に前進していると考えています。

しかし、一方では、痛ましい事件や事故が日々報じられています。犯罪の被害者やその御家族・御遺族の方々は、犯罪そのものによる身体的・精神的な被害だけではなく、経済的な困窮や周囲の無理解など、二次的な被害に苦しめられていることも少なくありません。

石川県では、県民の皆様の安全・安心な暮らしを確保するため、「防犯まちづくり条例」に基づき、県民の皆様と協働しながら、「防犯まちづくり推進キャンペーン」などを通して、防犯まちづくり運動を積極的に展開しています。さらに、犯罪被害者等支援のため総合的な相談窓口を県及び全市町で設置するとともに、県民の皆様に周知を図るため、街頭キャンペーンやパンフレット等による広報活動にも努めています。犯罪被害者等の方に対して、どのように向き合い、支援していくかは、県民一人ひとりの理解と配慮が重要であり、行政だけではなく社会全体で考え、進めていかなければならないことです。

本日は、交通事故被害者の御遺族であります佐藤様から、御自身の貴重な経験に基づいた御講演をいただき、犯罪被害者等の支援活動に携わっておられる方々に、パネルディスカッションとして、犯罪被害者の方々にどのような支援が必要なのかについて率直な意見交換をしていただきます。皆様には、犯罪被害者等の方々が置かれている現状を改めて認識し、犯罪被害者等の方々への支援について今後ともそれぞれの立場で御協力いただくことを重ねてお願い申し上げます。

この大会を契機に、犯罪被害に遭われた方々とその御家族に対する思いやりの心が広がり、県民の皆様の安全・安心な暮らしが確保される社会の実現に向けて、その機運が一層高まることを心より祈念申し上げます。


石川県警察本部長 藤村 博之

警察本部長の藤村でございます。「犯罪被害者週間」国民のつどい石川大会の開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。

「犯罪被害者週間」国民のつどいは、平成18年度から開催され、これまで全国17の道府県で開催されてきたと伺っています。今年度、石川県で開催できますことに、大きな喜びを感じています。また、日ごろから犯罪被害者等の支援について深い御理解と御尽力をいただいている皆様方に、本日大勢御出席をいただき、心から敬意を表しますとともに、石川県の治安を預かる者として大変心強く感じています。

石川県内の治安情勢ですが、犯罪の発生件数は平成16年以降、昨年まで7年連続して減少しており、ピークだった平成15年の半数をすでに下回っています。また、交通事故の発生件数も、18年以降5年連続して減少しており、県内の治安は着実に改善しつつあると思っています。しかし、その一方で、金沢市内の主婦が殺害され、内灘海岸に遺棄されるといった凶悪事件、コンビニエンスストアを対象とした強盗事件、さらには女性や子どもが被害者となる事件、高齢者を狙った振り込め詐欺など、県民の皆様が不安を感じるような犯罪も依然、発生しています。また、悲惨な交通事故による被害者、犠牲者も後を絶たない状況にあり、県民の皆様が真に安全・安心を実感するまでには至っていないと考えております。

石川県警察は、犯罪や交通事故の被害に遭われた方々やその御家族に一番最初に接するといった意味で、最も身近な機関として、そのお気持ちを十分理解し、その立場に立った支援活動に組織を挙げて取り組んでいます。

例えば、事件捜査を担当する捜査員が、節目ごとに捜査状況などをお知らせする被害者連絡制度を設けて被害者の方々に適切な情報提供を行う、あるいは、臨床心理士等によるカウンセリング体制を整備しているほか、性犯罪の被害に遭われた方に対して各種の治療費支援、司法解剖を行った際の遺体修復、あるいは御自宅までの搬送費用を公費で負担するような制度、さらには犯罪被害給付制度など、被害者やその御家族の方々の精神的、経済的な負担を軽減するための制度の充実に努めています。また、民間の被害者支援団体、石川被害者サポートセンターと連携し、街頭での広報活動や各種講演会などの啓発活動にも取り組んでいます。さらには、県内の高等学校に犯罪被害者の方・御遺族にお越しいただいて、その体験をお話しいただく「命の大切さを学ぶ教室」を開き、石川県の将来を担う若い世代に被害者、御遺族の心情への理解を深め、思いやりの心を育むなど、命の大切さを学ぶ機会も作っています。

石川県警察は今後も県や各自治体、関係機関・団体と協力しながら、様々な支援活動に取り組んでまいりますが、何よりも県民の皆様の御理解・御協力が最も大切であると考えております。

この大会を通じて、御出席の皆様をはじめ県民の皆様一人ひとりの犯罪被害者等に対する理解が一層深まり、地域社会全体で犯罪被害者・御遺族を支えていこう、地域や職場、学校などから被害者も加害者も出さないようにしよう、という安全・安心な街づくりの気運が醸成されますことを心から祈念いたします。

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