■兵庫大会:閉会あいさつ

NPO法人ひょうご被害者支援センター理事長 井関 勇司

皆さん、こんにちは。実はこれまで犯罪被害者の中で、特に犯罪被害者の遺族について考える際に、親御さんとか子供さんは遺族として取り上げられることが多かったんですけれども、本来犯罪被害者の遺族であるべき兄弟に対して、遺族としてそんなに気遣って来なかったことがままあったと思います。実は私も10数年前にある事件で、子供さんが殺され、ご両親に対しては遺族として接していたのですが、亡くなった子供さんのお兄さんがおられました。お兄さんも弟さんが殺されたという非常なショックの上に、マスコミ関係からも追いかけられており、先ほど講演の中で伊藤裕美さんがおっしゃられたように、学校にも行きにくいだろうし、知り合いとか周辺の空気が変わってきたのではないだろうか。そんな中で非常に苦しんでおられた。実は私そのときにはそんなに気が付かなかったのです。今にして思えば、もっとお兄さんからも話を聞いてあげれば良かったと反省しておりますが、このように犯罪被害、特に殺害事件では、人の命を奪う、その人の一生を奪ってしまうわけです。そういった中で、兄弟たちはもちろん親御さんにしても、その被害の回復というのは不可能です。出来ないのです。被害の回復は出来ない。その中で被害者支援をしないといけない。被害者支援も非常に重要になってきます。例えば最近、裁判員裁判で死刑の判決が2件ほど出ましたね。その中で、もちろん無期懲役のものもありましたが、遺族の方は死刑を望んでおられる。しかし、死刑判決を得たからといって被害のすべてが回復されたり救済されたりするわけではないのです。少しは救いにはなると思いますが、やはりそういった人に対しても、被害の回復が望めない人に対しても、被害者支援をしないといけない。少しでも寄り添ってあげないといけない。

そういった意味で、私どもがやっております「ひょうご被害者支援センター」、これはボランティアにより、いろいろな被害者支援をしている。といっても、例えば生活支援はなかなか難しいですが、電話相談、直接支援活動、法律相談とか心理相談ということをやっております。これは皆ボランティアでやっています。本来はこういったことは行政がやるべきです。警察にはいろいろご協力いただいておりますが、行政がやるべきです。ただ、予算がないということのようで、民間でやっている。民間がやるというプラス面もあると思いますね。国や地方公共団体がやるのではなく、民間がやる。我々はそういったことをやっておりますが、問題は経済的基盤が脆弱です。何に頼っているのかと言えば、先ほど警察のほうからも委託事業というお話ございましたけれども、主としては、この「ひょうご被害者支援センター」の正会員になって頂き、その年会費、あるいは法人、個人からのご寄附、この間新聞でも報道されましたように、琴欧州関からもご寄附をいただいております。大関にはもっと頑張ってほしいのですが、そういったことでいろんな方からの会費やご寄附などに依存しています。

それでも、やはりまだ足りないという状況です。従いまして、皆様方のご支援を今後とも賜りたい、経済的なご支援も賜りたいというふうに思います。

また、本日はご講演をいただきました伊藤裕美さん、本当にありがとうございました。あれだけの被害を受けられて、しかもこれだけの人の前で話す、本当に大変だったと思います。本当にありがとうございました。感銘深いお話をありがとうございました。

また、パネリストの曽我部とし子さん、本当にありがとうございました。貴重なご体験を語っていただきました。

それから、県警の小野義昭さん、本当にありがとうございました。

センターの理事の先生方、ありがとうございました。

そして、「チームSIEN結」の皆さん、ありがとうございます。

本日は内閣府と兵庫県と県警本部と当センターの主催ということでございます。本当にお世話になりました。ありがとうございました。

また、公安委員長も最後までご出席、ありがとうございました。

音楽隊も非常によかったと思います。

昨年、早期援助団体の指定を受けまして、我々の事業、相談事業の数も非常にふえております。我々は頑張っております。今後とも皆様方のご支援を賜りたいと思います。

本日は本当に最後までありがとうございました。

▲ このページの上へ

警察庁ロゴ警察庁トップページ犯罪被害者等施策ホームページ


Copyright (C) National Police Agency. All Rights Reserved.