6 回復状況とその影響要因

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【要旨】

主観的回復度における被害からの回復状況では、いずれの被害類型においても約7から8割が半分以上回復したと回答している。回復状況と事件後経過年数の関係を見ると、事件後経過年数3年以上で回復状況は改善しており、時間の経過が事件と関連する様々な問題を軽減する作用を有していることが示唆できる。

回復状況を被害類型構成別に見ると、家族や遺族が著しく回復度が高いわけではなく、直接の被害者のみならずその家族まで被害に苦しんでいる様子がうかがえる。

主観的回復度と、事件後に関わった人々から傷つけられることがあったと感じたか否かとの関係を見ると、事件後に関わった人々から傷つけられたと感じた人ほど、回復度が低い。二次的被害が、回復を妨げている要因の一つであることがうかがえる。特に、家族・遺族から傷つけられたと感じた人が最も回復度が低く、身近な人からの二次被害の方が、回復を妨げる影響を与えていると考えられる。

主観的回復度と、現在の世帯年収の関係を見ると、主観的回復度の高い層では世帯年収が比較的高く、回復度が低い層では世帯年収が低い。回復状況と経済状況の間に関連があることがうかがえる。

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