犯罪被害者団体等からの意見聴取会 概要
内閣府では、犯罪被害者等の意見の施策への適切な反映を図るため、関係省庁等の参加も得て、犯罪被害者等基本計画(平成17年12月27日閣議決定)に盛り込まれた施策の進捗状況について、犯罪被害者団体等の方々からご意見・ご要望を伺いました。概要は、以下のとおりです。
(日時)平成19年1月18日(木)13時32分~17時00分
(場所)中央合同庁舎第4号館共用第4特別会議室
(出席者)
【犯罪被害者団体等】
全国犯罪被害者の会(あすの会)
全国交通事故遺族の会
NPO法人交通事故後遺障害者家族の会
地下鉄サリン事件被害者の会
社団法人被害者支援都民センター
社団法人被害者支援都民センター自助グループ
生命のメッセージ展
NPO法人全国被害者支援ネットワーク
NPO法人静岡犯罪被害者支援センター
NPO法人長野犯罪被害者支援センター
【関係府省庁等】
内閣府犯罪被害者等施策推進室
内閣官房
内閣府男女共同参画局
警察庁
総務省
法務省
文部科学省
厚生労働省
国土交通省
海上保安庁
最高裁判所
(概要)
1. 冒頭、内閣府犯罪被害者等施策推進室から、「犯罪被害者等基本計画」(基本計画)の進捗状況等について報告が行われた。
次いで、犯罪被害者団体等から基本計画の進捗状況等について意見聴取を行い、引き続いて意見交換を行った。
2. 本意見聴取会において犯罪被害者団体等から述べられた意見・要望の概要は以下のとおりである。
(1)損害回復・経済的支援等への取組
1. 損害賠償の請求についての援助等(基本法第12条関係)
- 付帯私訴制度に関して、昨年9月に被害者の司法参加と同じく法制審議会に諮問で審議されているが、付帯私訴制度創設により、犯罪被害者の多大な労力と時間、費用、精神的苦痛が軽減される。ぜひ早期に創設されることをお願いしたい。
- 自賠責保険は、交通事故の被害者の救済に対しては大変効果を発揮している世界にも誇る制度であるが、これを請求に要する費用にばらつきがある。行政から弁護士会などに対して、手数料の定額化のようなものを指導すべき時期ではないかと思う。
- 自賠責の請求権が切れてしまう、いわゆる時効になってしまうケースがある。自賠責の請求権があるということがわかっていながら、どうしてもできないという人もいる。この時効に対する期間の延長というものをお願いしたい。
- 長期にわたる自助努力に疲れて加害者に賠償責任を果たさせることを諦めたり、加害者の死刑が確定して、被害者が泣き寝入りさせられるというようなことがないように国による損害賠償金の立て替えと求償権行使の制度を早期に実現させてほしい。
- 刑事事件記録の閲覧制度というのがあり、刑事事件記録の利用についてもっと確答してほしい。民事も裁判を実行するためという理由ではなくて、犯罪の中身を知りたいからというための閲覧というものをぜひ実行してほしい。
2. 給付金の支給に係る制度の充実等(基本法第13条関係)
- 犯罪被害者補償制度を新設していただきたいという要望については、経済的支援に関する検討会で2年以内をめどに結論を出し、その結論に従って施策を実施することになった。その検討会は昨年4月以降10回の会議が持たれ、精力的に施策が検討されている。そのご努力には敬意を表する。その間に行われた海外調査が十分生かされて、犯罪によって深刻な被害を受けている被害者や遺族がその状態から救われる施策を実施していただきたい。
- 国の補償責任を明確にし、被害者にやさしい補償をしていただきたい。医療費や介護費のみならずバリアフリー化のための住宅改造費、車椅子等の特別な支出については実費を補償したり、あるいは死亡したり、長期療養を余儀なくされたり、後遺障害のある被害者等に対しては逸失利益や将来の介護費用を補償していただきたい。
- 被害者が求めているのは犯給法の拡張のような恩恵的な制度ではなく、権利法を明確にした新たな被害者補償制度の構築である。また、その内容も犯給法の算定方式のもとで単に最高限度額を倍額程度にするのではなく、算出方法も含め実質的に引き上げられるように要望する。
- 犯罪被害者にとって最も切実な問題である経済的補償制度の創設は財政的にも厳しいと思うが、1日も早く犯罪被害者にやさしい制度の創設をお願いしたい。
- 犯給金の支給については、経済的支援に関する検討会にて、自賠責相当まで給付額を拡張する方向で検討が進んでいると聞いているが、実際に支給される場合には、その審査基準に基づくと自賠責の半分程度しか支給されないことになる。
- 経済的支援に関する財源について、現状より手厚い経済的支援がなされるということは基本計画上確約されているが、現実問題として財政難であるということがネックになっている。しかし、これまで犯罪被害者が十分な損害賠償も受けられず苦しんできたことは犯罪を防ぐことができなかった国に対して貸しがあるといっても過言ではない。犯罪被害者の経済的支援が手厚いものとして実現するよう、財源をしっかり確保してほしい。
- 支給対象についは、訴求調整に関して過去の事件における被害者で現在も経済的困窮に引き続きある被害者に対して、100%経済的損害回復が実現するよう、またそのような被害者のこれまでの訴えや努力も十分に報われるよう、支給対象に含まれるようにしていただきたい。
- 性犯罪被害者の緊急避妊等に要する経費の負担であるが、警察が認知したのみだというのではなく、産婦人科医がこれは強姦だということで堕胎手術をするというような場合、その費用について産婦人科医から請求したという形で負担していただくという方向を考えていただきたい。
3. 居住の安定(基本法第16条関係)
- 現場検証をしているときの仮の住居についての費用、あるいはそれを確保することが必要ではないか。
4. 雇用の安定(基本法第17条関係)
(2)精神的・身体的被害の回復・防止への取組
1. 保健医療サービス及び福祉サービスの提供(基本法第14条関係)
- センターで支援活動を通して一番切実に思うことは、被害者の回復に不可欠なPTSDなどの精神面の治療を受けられる病院がほとんどないということである。被害者が門をたたいても専門外と断られてしまうケースも少なくない。あまりにも短い診療時間やカウンセリングを受けるための高い別料金など、被害の回復どころか二次被害も受けているのが現状である。PTCUのようなPTSDの専門外来の開設を維持し、対応できる医療関係者を増やすための制度をぜひ整えていただきたい。
- 高次脳機能障害についての支援の充実、この制度ができているというのは非常にいいことだと思うが、高次脳機能障害の方が障害者雇用促進センターへ行ったところ、担当者が高次脳機能障害の方だということがわかっていながら、十分な対応をしなかった。実際に研修はされているのだと思うが、現場で十分な意識を担当者が持っていない。現場レベルでの研修をしていただきたい。
2. 安全の確保(基本法第15条関係)
- 犯罪被害者は刑期満了あるいは仮出所の加害者によりお礼参り等の再被害に遭うことを恐れている。その再被害を回避するため、加害者の出所予定日、居住予定地等の情報を被害者に通報することになっている。しかし、出所後にこれらの情報の連絡が被害者にもたらされるなど、本来の目的からずれた運用がなされることがあり、なお一層の充実が望まれる。また、仮釈放の場合にはその可否について犯罪被害者等の意見を必ず聞いたうえで決定するようにしていただきたい。
3. 保護、捜査、公判等の過程における配慮等(基本法第19条関係)
- 基本法ができても、まだ犯罪被害者の遺族の状況は理解されにくく、社会保険庁や医療関係、特に病院はむしろ被害者をないがしろにする対応をしている。
- 被害者等に接する人々が被害者等に与える二次被害を防ぐことが重要である。これは被害者等に接する人々に啓蒙教育活動に早期に実施していただき、被害者の実情を皆さんに理解していただきたい。
- 法廷における遮蔽処置とかビデオリンク等の被害者保護の立場から今は裁判官とか検事に委ねられているが、被害者の希望を入れて許可すべき事項であると思うので、被害者が希望したら実施するということを明確に条文化していただきたい。
(3)刑事手続への関与拡充への取組
1. 刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等(基本法第18条関係)
- 刑事司法は社会の秩序の維持を図るという目的に加え、それが事件の当事者である生身の犯罪被害者等の権利利益の回復に重要な意義を要することも認識されたうえで、その手続きが進められるべきである。この意味において、刑事司法は犯罪被害者のためにもあるということもできようということで、刑事司法は犯罪被害者のためにも存在するのだということが初めて公に認められた画期的なものであった。この文言が基本計画の施策の上でも十分機能することを期待していたが、残念ながらいまだ広く理解されているとはいえない残念な状態が続いている。
- 犯罪被害者の司法参加について、刑事手続への参加の機会を拡充するための制度の整備ということで盛り込まれた。計画では2年以内の検討であったが、昨年9月法務省法制審議会刑事法部門にその具体化が諮問された。本年、1月11日まで7回の審議会が精力的に開かれているが、その過程でも犯罪被害者のためにも司法は存在しているのだという認識を持っておられない委員の方々がおられる。今一度、基本法の精神及びこの基本計画の重点課題を少なくとも法曹界の方には十分理解していただきたい。
- 犯罪被害者が司法参加するようになると、被害者側にも弁護士が公費でつくのが自然な流れだと思う。経済的支援に関する検討会で公的弁護人制度の導入が検討されているようだが、犯罪被害者の司法参加の実を上げるためにも公費で犯罪被害者にも弁護士をつけていただきたい。
- 警察の持っている交通事故当事者の実況見分調書、これを原則公開ということが私たちの絶対条件である。これがなされなければ真の情報公開にならない。この実況検分調書の公開ということを前提に、この公開のスタイルというか、マニュアルというものを確定していただきたい。
- 少なくとも事故状況を説明するに当たって、被害者に実況見分調書を見せたうえで説明することが最低限必要なのではないか。
- 当会は、交通事故捜査に関連して、車載監視カメラ、いわゆるドライブレコーダーの普及ということを取り組んできた。事故の模様を記録する効果のほかに交通事故の防止ということでも大変な効果を上げている。標準装備へ向けた歩みを一歩踏み出していただきたい。
- エコカーと同様に、ドライブレコーダーをつけた車には、自動車税、取得税について減免措置をするといった対策も考えられるのではないか。
- 被告に早期の国選弁護人がつくのであれば被害者等にも精通した弁護士とか保護司とか、民間の支援団体の方がついて、それぞれの被害者等の事情に合わせたケース・バイ・ケースの被害者等への支援を進めてほしい。
- 公費による弁護士選任については、刑事手続への参加の場合の国選弁護人、被害者のための国選弁護人あるいは付帯私訴等のための国選弁護人だけではなくて、それ以外の段階での国選弁護に近いものというものを考えていただきたい。
- 刑事手続への被害者の参加について、証拠申請権から証人全体に対する尋問権を全部希望する意思もあると思う。少なくとも情状証人についての証人尋問権というのは認めていただきたい。
- 検察審査会について、一部起訴強制ができる。検察審査会が起訴相当だと判断をしたとき、起訴強制になるが、不起訴になった事件についてはそれで十分であるが、起訴された事件はどうやって被害者は文句を言うのか。被害者は殺人だと考えている。でも、傷害致死で起訴された。あるいは因果関係が立証できないから傷害だということで起訴された。これに対して検察審査会は現在では対象にならない。不起訴処理だった場合には対象になるが、被害者から見た場合、一部起訴されたときにはこれは対象にならない。これについて何か考えていただきたい。
(4)支援等のための体制整備への取組
1. 相談及び情報の提供等(基本法第11条関係)
- 支援ネットワーク等のチャンネルだけでなく、公共団体等にも窓口が設けられ、警察による二次被害を受けた被害者の救われる組織、制度を創設していただき、犯罪被害者がたらい回しされることなく、継ぎ目のない支援を受けられるような仕組みをつくっていただきたい。
- 地方公共団体について、内閣府のホームページ上で公表されている平成17年度都道府県政令指定都市犯罪被害者等施策主管課室長会議の議事概要を見ると、その中の質問に知事部局と警察と2つ窓口ができることについて問題はないのかというような質問もあって、被害者支援に消極的なのではないか。
- 被害者に一番身近な区市町村は、被害者が警察の次に行く窓口でもあるので、もっと被害者支援に理解を示してほしい。
- それぞれの団体、できることとできないことを明確に示して被害者が何度も被害体験を話してたらい回しにされることがないように連携を図っていただきたい。
- 国とか地方公共団体のサポートも重要で、総合的な対応窓口の設置も早期に実現するように実施することを切に望んでいる。
- 事故に遭った直後から支援を差し伸べたいという思いがあるなら、事故直後の被害者の方にリーフレットなどを手渡しして支援する形をとっていただきたい。
- 地方にいる被害者と東京近辺にいる被害者との情報の量に差がある。地方には支援もないし、情報も少ないし、もっと格差を減らしていただきたい。
- 県では昨年、窓口が設置され、専用電話ができた。センターと連携も図っているが、ただ県の段階から市の段階へ行くと、まだまだ県がそんな状態であるから、市は全然そういった取り組みに無関心だという実態である。関係団体のほうから地方自治体に対するバックアップというか、そういうことについてもぜひお願いしたい。
- 都道府県及び政令指定都市の担当窓口があるが、現実は何も動いていない。これはほかの都道府県についても、秋田県とか杉並区、そういうところを除くと多くの地方公共団体が窓口は決めたけれども中身はなにもやっていないという状況だろうと思う。
- 警察の窓口があって、すべてそこでアドバイスできるわけではないとすれば、少なくとも県の窓口が各省庁がかかわる総合的な窓口として活動していただきたい。
2. 調査研究の推進等(基本法第21条関係)
- 国民の理解という現状把握では、アンケート形式でなく面接による質問形式で一般の人とかマスコミ、警察官とか検事、弁護士等を入れた幅広い人々からのデータをとるべきである。
- 法テラスも開設されたが、現状を見るとここでもやはり被害者支援に精通した人材不足が問題になっているように感じる。
- 日本の被害者支援をしっかりと社会に根づかせるためには、若い人たちが率先して被害者支援に参加したいと思えるような基盤づくりが急務だと思う。指導者や相談員の人材育成についての具体的な取り組みをぜひ早急にお願いしたい。
3. 民間の団体に対する援助(基本法第22条関係)
- 自助団体に対する育成、支援も考えていただきたい。この自助団体の実態をよく把握していただき、何らかの基準をつくっていただいて、国から推せる自助団体というものを決めて行き届いた支援をしていただきたい。具体的には、たとえば警察署の窓口にそういった団体のリーフレットを自由に置かせてもらえるような、これから起こるかもわからない被害者に対してこういう自助団体があるのだということを紹介する。あるいは被害者がいろいろ集まるような事務所あるいは集会所の提供やあっせんなど。
- 自助団体の運営の中で費用がかかるのはいわゆる広報費である。リーフレットやパンフレット、あるいはインターネットにおけるホームページの制作費、こういったところには大変なお金がかかる。こういった部分で支援していただきたい。
- 我々の団体は犯罪被害者等である会員がお互いの助け合いで拠出する資金で、真に自立し、被害者側に立つ活動をしたいと考えている。これは、補助金など税金に依存していては、被害者側に立つ活動が難しいと思うし、本来、加害者が賠償すべき事案に対し、国民の税金に負担をかけないようにしたいと考えるからである。こうした資金の集め方について、被害者団体が活動しやすい環境をつくっていただきたい。
- 交通事故では、被害者の側に立つ支援組織がない。加害者側の損保会社が弁護士と連携して被害者の利益を押さえ込む仕組みになっているのに対抗し、交通事故被害者団体が協力弁護士と連携して、被害者側に立って被害者の利益を守る活動を可能にする仕組みをつくれるように、攻守バランスがとれる制度を築けるように、ぜひとも行政で支援していただきたい。
- 民間の支援団体の今までの活動を考えると被害者支援等の計画の実施に当たっては中核となる機関と考えているので、国の予算の援助をして充実した被害者等の援助を行えるようにしていただきたい。
- センターの支援活動を通して強く思うことは、人材不足である。被害者支援を牽引していくべき民間援助団体が現在のように財政基盤が安定しない状態では、人材育成は不可能といっても過言ではない。
- 民間の支援団体が被害者支援に精通した支援者を育成し、その人材を維持していくことができるような制度の確立と財政的援助をぜひお願いしたい。
- 基本計画の事項「全国被害者支援ネットワークに対する協力として、警察において全国被害者支援ネットワークの運営及び活動に対して協力していく。(警察庁)」が実現し、現場として大変喜んでいる。おかげさまで大変ゆとりを持って行うことができ、これは基本計画が一つ実りを出してくださったと思う。
- 早期援助団体の指定を受けていない団体がどこもが指定を受けるために、財政問題がかなり大きい比重を占めている。
- すでに早期援助団体の指定を受けているセンターに対して、これから同団体の指定を受けるセンターにどんな助言があるのかと聞いたところ、どのセンターも一様に関係機関との密な連携であると答えている。いずれにせよ、私どもは質の向上を図らなければならないのは自明の理である。今後もそのための努力をするつもりでいる。その一方で大胆な公的助成がいただけるように待ち望んでいる。
- 当支援センター財政基盤の脆弱ということが一番の問題である。賛助金、寄付金に頼っている現状であるが、基本法の22条にある民間団体の援助ということもあり、公的な援助をぜひお願いしたい。
- 寄付金に対する税制上の優遇措置、これは寄付される方から見ると税の優遇措置が得られるということになると、やはり寄付を行いやすいというか、そういう面があろうかと思う。そういった声を現実に耳にするので、ぜひ公益的な活動に対する寄付については税制上の優遇措置をぜひお願いしたい
- 当支援センターは、公安委員会の早期援助団体の指定は受けていない。これは財政的な問題もあるが、人的条件と施設条件があり、施設条件がなかなかクリアできない。比較的街中の交通の便のいいところへ事務所を借りるということになると、相当な家賃もかかってくる。犯罪被害者の早期支援というためにはどうしても警察情報の早期入手に伴う早期援助団体の指定というものはどうしても欠かせない。施設条件ハードルをあまり高くすると指定を得られるのが難しいという実態がある。警察庁は、全国一律ということを考えていると思うがで、なかなか難しい問題があると思うが、その辺をよろしくお願いしたい。
- 民間団体に対する公費による援助の問題であるが、民間団体にとっては事業費よりも事務費のほうが負担が大きい。これは今まで援助をする対象にならなかった部分。ぜひその部分も考えていただきたい。
- 自助グループに対する援助について、民間団体がそこに援助をするということもあるわけなので、そういうものも含めた援助というものをぜひ考えていただきたい。
(5)国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組
1. 国民の理解の増進(基本法第20条関係)
- 「犯罪被害者週間」(11月25日から12月1日まで)が創設されたが、この1週間はで広く国民の理解を深めるための活動の展開に困難が伴うので、今となっては1か月間をとって「犯罪被害者月間」としたほうがよかったのかとも思っている。
- 「犯罪被害者週間」に日本各地で内閣府主催の行事を行ったことは大変よかった。
- 教育の場でも被害者の現状を知らせるような場がない。
- 二次被害は被害者に対する認識のなさから生じている。被害者の人権を含めて早期から学校での被害者に関する教育を取り入れることが重要である。
- 国民の理解の増進と配慮、協力の確保ということであれば、現在のプアな被害者支援の現状をもっと明確に国民に知らせるべきである。
- 犯罪被害者等基本法ができる以前とその後の基本計画等ができてからの予算、こういうことを明確に国民に知らせるということが重要である。
- 小学生や中学生の教育として「生命のメッセージ展」の会場を訪れることで命の教育に代えさせていただくことができればと思う。
- 国は心のノートというものを低学年、中学年、高学年用に配っているが、現実、小学校の現場にいると本当に忙しくて、担任同士が話すひまもないし、子どもからの話を聞く時間も非常に少ない。心の教育とかそういうことに時間をしっかりとる余裕がない。いくら副読本を配っても、それを実行できないような現状では本当に命を大切にする教育というものは行われないのではないかと思う。
- ネット犯罪の問題であるが、小学校の教師が交通事故の被害者の子どもたちの写真をネットに掲載して、誹謗中傷したという事件があった。その遺族がまた改めてこういったネット上で被害に遭うような浅ましい社会は何とか変えていただきたいというのが願いである。法律を含めた整備をしていただき、こうした問題が起きたときに速やかに、しかもそれを強制的に削除したりすることができるような強い権限を持った措置をとっていただきたい。
(6)その他
- 東京地方裁判所と大阪地方裁判所に被害者専用の待合室ができたが、ぜひ全国の裁判所に、少なくとも地方裁判所につくってほしい。
以上