特集 緊急事態への備えと対応

警察活動の最前線

安全で安心な2020年東京大会に向けて


警視庁

オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部

遠藤 直宏(えんどう なおひろ) 警部補

 
ピーポくん

警視庁では、2020年東京大会(注)の公式パートナー企業75社(令和元年6月現在)と連携し、2020年東京大会に関わる「安全・安心」の実現に寄与するための枠組み「MPD-TOKYO2020 Sponsor Partnership(通称 P3)」を作っています。平成27年11月に結成されたこのP3は、これまで官民一体となったテロ対策、情報共有等の活動に取り組んでおり、テロ対策としては、警察が主体となって実施する警備対策やサイバー攻撃対策の訓練を行っているほか、民間企業が主体となって危機にどう準備・対処するかを検討する各種ワークショップ等を開催してきました。

また、昨年は、P3パートナー企業の協力を得て、危機管理に関する勉強会と共に、大会期間中に重大事件等が発生した場合を想定し、いかに安全を確保して指揮命令系統を整備するかを考える机上訓練や、警視庁と連携した避難誘導訓練等を実施しました。訓練に参加した企業からは、「安全確保のため、何が必要で、自分たちが何をすべきかの気付きを得た」等の感想が寄せられました。

今後も、P3の枠組みを通して官と民が強力に連携し、両者の力を合わせ、安全で安心な2020年東京大会の実現を目指します。

(注)2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会

 
警視庁オリンピック・パラリンピック競技大会総合対策本部 遠藤 直宏(えんどう なおひろ) 警部補

「機動隊員としてのプロ意識と誇り」について


福岡県警察本部警備部

第二機動隊爆発物対応専門部隊

中村 祐介(なかむら ゆうすけ) 巡査部長

 
ふっけい君

「訓練は本番のように、本番は訓練のように。」

私は、この言葉を念頭に爆発物対応専門部隊の分隊長として厳しい訓練を行ってきました。当然、訓練でできないことは本番ではできません。

本年6月に開催された「G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議」に向けても、あらゆる事態を想定して訓練を行い、当日、その自信を胸に警戒警備に従事して同会議の警備を完遂しました。

私は、爆発物対応専門部隊の隊員に対して、日頃から「一人一人がプロ意識と誇りを持って日々の訓練に臨むこと」と指導しています。近年、日本においてもテロの脅威が増大する中、福岡県警察で爆発物容疑事案に対応することができるのは、機動隊の爆発物対応専門部隊しかありません。我々は、いわば福岡県警察の「最後の砦」として、県民の期待に応える責任があります。

爆発物容疑事案は、いつ発生するか分からず、部隊の招集から情報収集、緊迫した現場での爆発物容疑物件の処理に至るまで、迅速かつ的確な対応が要求される上、常に危険と隣り合わせの状況が続き、些(さ)細なミスが命取りとなります。

これまで数多くの現場で的確に対応することができたのも、信頼することができるチームであったからこそであり、この信頼は、隊員一人一人が「プロ意識と誇り」を持ち、厳しい訓練で築き上げたものだと思います。

私は、県民を悲惨なテロから守るため、爆発物処理のプロフェッショナルとして、これからも日々汗を流していきます。

 
福岡県警察本部警備部第二機動隊爆発物対応専門部隊 中村 祐介(なかむら ゆうすけ) 巡査部長

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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