第6章 警察活動の支え

警察活動の最前線

心の込もった通訳を


大阪府関西空港警察署地域交通課地域第二係(現 大阪府南警察署刑事課強行犯係)

枡田 景子(ますだ けいこ) 巡査長

 
フーくん ケイちゃん
フーくん ケイちゃん

私は高校卒業後に渡米し、米国の大学を卒業しました。帰国後、英語をいかせる仕事に就きたいと考えていたところ、知人から警察官を勧められ、警察にも語学を必要とする職場があることを知り、平成24年に警察官として採用されました。現在は、「外国語対応モデル交番」である関西空港警察署ターミナル交番で英語の指定通訳員として勤務しています。

私は希望していた「語学をいかせる仕事」に就きましたが、当初は警察活動のどのような場面で語学がいかせるか実感が湧きませんでした。そのようなとき、飛行中の機内で乗客の1人が体調を崩し、関西国際空港に緊急着陸するという出来事がありました。結局、その方は帰らぬ人となり、残された御遺族は言葉も全く分からない日本で、不安と悲しみに打ちひしがれておられました。御遺族の帰国手続の通訳や翻訳を担当していた私は、できる限り御遺族に寄り添って声を掛けるよう努めていたところ、御遺族が「英語の分かるあなたが警察官で良かった。親切にしてくれてありがとう」と安心した様子で感謝してくださいました。私はこのとき初めて、どの国の人も困ったときに頼みにするのが警察官であり、自分のことを理解してくれる警察官がどれだけ心強いかということに気が付きました。

この経験から、私は、正確に通訳を行うだけでなく、心を込めた応接ができる警察官であることを心掛け、日々勤務に励んでいます。

 
大阪府関西空港警察署地域交通課地域第二係(現 大阪府南警察署刑事課強行犯係) 枡田 景子(ますだ けいこ) 巡査長

交番勤務員・音楽隊員としてできること


熊本県熊本東警察署地域課保田窪交番兼熊本県警察本部広報県民課

守下 寛(もりした ひろし) 巡査長

 
ゆっぴー
ゆっぴー

私は、地域警察官として交番で勤務する傍ら、音楽隊員として活動しています。昨年4月に熊本地震が発生し、音楽隊の活動は中断を余儀なくされ、昼夜を問わず救助活動や警戒活動等に当たる一方、「音楽隊員としても何かできることはないか」との思いを持ち続けていました。

地震発生から2か月が経過した頃、音楽隊の演奏を求める被災者の声が多く聞かれるようになり、被災地での演奏活動が7月からスタートすることとなりましたが、県警を挙げて震災対応に取り組む中で、私は十分な練習ができない状態でした。しかし、「これは音楽隊でなければできない活動だ。演奏を聴いた人々に安らぎと元気を与えたい」との一心で、僅かな時間を捻出して練習に励みました。

そして、当初は避難所での演奏が、その後、仮設住宅等への訪問演奏も行われることとなって、多くの被災者から感謝の言葉を頂いています。

私は、今回の経験で、交番勤務員として地域の安全を守るという職責の重さと音楽隊員として音楽を通じた警察活動の重要性を再認識することができただけでなく、警察官としての誇りとやりがいを強く感じることができました。

これからも、安全で安心して暮らせる熊本の実現のため、職務に全力を尽くしていきます。

 
熊本県熊本東警察署地域課保田窪交番兼熊本県警察本部広報県民課 守下 寛(もりした ひろし) 巡査長

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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