国際捜査のスペシャリストを目指して

埼玉県警察本部刑事部組織犯罪対策局国際捜査課国際捜査第二係

小野田　香純（おのだ　かすみ）　巡査部長

　

私は、平成15年に警察官として採用され、交通部門や警備部門で勤務した後、国際捜査部門を希望し、24年から国際捜査課で外国人犯罪捜査を担当しています。

私は以前、海外で日本人が被害に遭った強盗殺人事件で、捜査や被害者の御遺族の対応等に従事しました。

この事件においては、被害者の御遺体、証拠品等が全て国外にあり、ICPO等を通じて、発生国に捜査協力を求めましたが、最初は思うように捜査が進みませんでした。しかし、犯行後、日本に潜伏していた被疑者を割り出すとともに、発生国に捜査員が複数回出張捜査するなどした結果、徐々に発生国から協力が得られるようになりました。最終的には、発生国に我々の熱意が伝わり、被疑者を強盗殺人事件で逮捕することができました。

この捜査で、警察官が犯罪を憎む熱い気持ちは、国は違ってもまったく変わらないものであると感じ、国際捜査の醍醐（だいご）味を体験することができました。国際捜査課での勤務は5年になりますが、これからも刑事を希望した初心を忘れず、外国人による犯罪から日本の治安を守るため、全力を尽くしていきます。

　

犯罪収益対策に向けた取組について

岡山県警察本部刑事部組織犯罪対策第一課犯罪収益解明第一係

池田　健一（いけだ　けんいち）　巡査部長

　

「あっ係長！見つけました。100万円の束が1、2、3……、17束で合計1,700万円です。1,000万円の入金がある女性名義の通帳もありました」これは、賭博店経営者が愛人の家に売上金を隠しているという情報に基づき、愛人の家を捜索し、押し入れ内の金庫に隠された多額の売上金や預金通帳を発見したときの様子です。

私は、犯罪で得られた収益を没収保全するなど、犯罪者から犯罪収益を剥奪する業務に取り組んでいます。剥奪した犯罪収益は、犯罪被害財産として被害回復給付金となることがあり、被害者の被害回復の一助になります。刑事ドラマのように犯人を逮捕するという華々しさはありませんが、犯罪収益を剥奪することで、犯罪者に経済的な打撃を与えることができる、やりがいのある仕事です。

この仕事をする中で、犯罪収益が別の犯罪活動に流用されている実態を目の当たりにしてきました。こうした犯罪者に対し、資金面から打撃を与えるとともに、暴力団等の犯罪組織が有する資金源を封圧するためにも、今後も犯罪収益対策に全力で取り組んでいきます。