特集 国際テロ対策

警察活動の最前線


伊勢志摩サミット警備での取組について


三重県警察本部警備部サミット対策課実施第三係

(現 三重県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課

サイバーセキュリティ対策係)

佐藤 大志(さとう だいじ) 警部補

 
ミーポくん
ミーポくん

三重県がサミット開催地に決定したのは、開催まで300日足らずしか残されていない平成27年6月のことでした。

準備に残されていた時間は充分とはいえませんでしたが、「安全こそが最善のおもてなし」を合い言葉に、過去に三重県で経験したことのない規模の警備に対し、警察や関係機関・団体等が一丸となって取り組みました。

中でもドローン対策については、手探り状態からのスタートであり、ドローンそのものの研究から始め、先進的な研究を行っている大学教授や、民間事業者などの専門家から情報提供を受けるなどして、ドローンを使用した攻撃の手法やその対策方法の研究を行いました。

これらの研究成果は、全国初となるドローンの飛行を規制する条例に反映されたほか、テロの未然防止を図るための各種の事前対策に活用されました。そして、ドローンの例にとどまらず、各種会合において県民への説明と対話を繰り返し行い、県民の理解と協力を得られたことなどで、無事にサミット警備を完遂することができ、私にとって貴重な経験となりました。

今後はサミット警備で得た県民との信頼関係を新たなスタート地点として、より安全で安心な社会の実現に向けて職務に取り組んでいきたいと思います。

 
三重県警察本部警備部サミット対策課実施第三係 (現 三重県警察本部生活安全部サイバー犯罪対策課 サイバーセキュリティ対策係) 佐藤 大志(さとう だいじ) 警部補

外国人社会とのかけ橋


愛知県警察本部警務部教養課

国際警察センター国際企画係

長島 徹(ながしま とおる) 警部補

 
コノハけいぶ
コノハけいぶ

「サイン下さい!」ブラジル人学校で交通安全等についての講話を終えると、一人の児童が私に近寄って来ました。そこには始まる前の私たち警察に対する怪げんそうな表情はなく、いかにもブラジル人らしい人懐こい笑顔がありました。私の拙いポルトガル語でも、伝えたいことが彼らに届いたと感じる瞬間です。

私は外国人集住地域総合対策の一環でメディアへの出演や講演等を行っていますが、外国人社会と警察の橋渡し役として、彼らと直接話をすることは私の仕事の基本となっています。ブラジル人コミュニティからは、「なぜ警察がポルトガル語を?」と驚かれますが、警察官が外国語で情報提供することは、外国人社会と警察の距離を縮める有効な手段だと感じています。また、私はブラジル人団体が運営するインターネットラジオ放送に出演し、毎回、ブラジル人も犯罪や事故の被害者にならないようにポルトガル語でいろいろな対策や注意点を訴え続けています。最近では、リスナーの皆さんから質問や意見が寄せられたり、「警察アリガトね。ポルトガル語うまくなってきたね」とエールをいただいたりと、私たちの活動への理解も実感しています。

日本の外国人社会とその周囲との間には、言葉の壁がありますが、安全安心を望む思いに国籍は関係ありません。外国人の皆さんが警察を身近に感じ、笑顔で暮らせるよう、これからも語学をいかした活動に取り組んでいきたいと思っています。

 
愛知県警察本部警務部教養課 国際警察センター国際企画係 長島 徹(ながしま とおる) 警部補

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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