第5章 安全かつ快適な交通の確保

警察活動の最前線


運転者の心に伝わる交通指導取締り


岡山県警察本部交通部

交通機動隊白バイ第二係

小山 直美(こやま なおみ) 巡査部長

 
ももくん ももかちゃん
ももくん ももかちゃん

現在、私は、白バイ乗務員として、日々、交通指導取締りに従事しています。

交通違反をした車を発見してから、「ヒューン」と白バイのサイレンを鳴らして違反車両を停止させ、必要な手続をとって運転者を見送るまでにかかる時間は約10分です。

とても短い時間ではありますが、その時間の中で運転者に交通ルールを守る必要性を理解してもらい、交通事故を減少させることが、私の務めだと考えています。人に何かを理解してもらうこと、まして年齢や性別、性格も様々な初対面の運転者に理解してもらうことは、容易ではありません。中には感情的になる運転者もいますが、私は、過去に取り扱った交通事故の悲惨さを訴えつつ、交通ルールを守る必要性を理解してもらうように努めています。

私は、普段、大切な人、大切な家族に囲まれて生活しています。道路を行き来する全ての人にも大切な人、大切な家族がいることでしょう。交通事故によって大切な人が傷つく悲しみを1件でも減らせるように、これからも、運転者の心に伝わる交通指導取締りを行いたいと思います。

 
右側が本人
右側が本人

被害者等の無念を心に


岐阜県警察本部交通部

交通指導課交通捜査第一係

池ノ上 英文(いけのがみ ひでふみ) 巡査部長

 
らぴぃ
らぴぃ

ひき逃げ事件は、極めて卑劣で許すことのできない犯罪です。私が勤務する交通捜査第一係は、ひき逃げ事件の犯人検挙を使命として日夜活動しています。

ある日、道路を横断中の高齢女性が被害者となる死亡ひき逃げ事件が発生し、私は遺族からの事情聴取を担当することとなりました。しかし、その方は突然家族を失った悲しみで言葉を失い、被害者の事故前の状況を質問しても、返答もままならない状態でした。私はその姿を目の当たりにした時、犯人に対して強い憤りを感じると同時に、被害者はもとより、残された遺族のためにも「必ず犯人を検挙する」と心に誓いました。この事件では、信頼し合える仲間と共に、地面を這っての証拠収集、防犯カメラ映像の解析、現場周辺での聞き込み捜査等の警察力を結集した捜査を行った結果、無事犯人を検挙することができました。

ひき逃げ事件の犯人の多くは、逃げた理由について「飲酒運転だった」「人と思わなかった」等と身勝手な言い訳をします。しかし「逃げ得」が許される世の中では亡くなられた被害者やその遺族の無念は晴れません。

ひき逃げ事件捜査員としてはまだ新米の私ですが、「逃げ得は許さない」この熱い気持ちを心に持ち続け、ひき逃げ事件の解決に向け職務にまい進したいと思います。

 
右から2人目が本人
右から2人目が本人

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



前の項目に戻る     次の項目に進む