第4章 組織犯罪対策

3 暴力団対策法の運用

指定暴力団員がその所属する暴力団の威力を示して暴力的要求行為(注)を行った場合等において、都道府県公安委員会は、暴力団対策法に基づき、中止命令等を発出することができる。

中止命令等の発出件数は図表4-7のとおり近年減少傾向にあり、暴力団がその威力をあからさまに示して行う資金獲得活動が困難化し、その活動を変化させていることがうかがわれる。

注:指定暴力団の暴力団員が指定暴力団の威力を示して行う不当な金品等の要求行為

事例

住吉会傘下組織構成員(42)は、飲食店経営者に対し、「そろそろさぁ、うちらと付き合ってよ。毎月5,000円でいいからさ」などと告げて、自己が所属する暴力団の威力を示して、同飲食店が営業を営むことを容認する見返りとしてみかじめ料を要求したため、埼玉県公安委員会から中止命令を受けていたにもかかわらず、他の飲食店経営者に対しても同様の要求を行った。これら2件の行為により、同構成員が更に反復して同様の行為を行うおそれが認められたことから、平成27年6月、埼玉県公安委員会は、同構成員に対し、1年間、更に反復してこれと類似の暴力的要求行為をしてはならない旨の再発防止命令を発出した(埼玉)。

 
図表4-7 暴力団対策法に基づく中止命令等の発出件数の推移(平成23年~27年)
図表4-7 暴力団対策法に基づく中止命令等の発出件数の推移(平成23年~27年)
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