第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

2 生活安全産業の育成と活用

(1)警備業の育成

警備業は、施設警備、雑踏警備、交通誘導警備、現金輸送警備、ボディガード等の種々の形態を有しており、ホームセキュリティ等の機械警備の需要も拡大するなど、国民に幅広く生活安全サービスを提供している。また、空港や原子力発電所等の重要施設での警備も行っている。

警察では、こうした警備業が果たす役割に鑑み、警備業法に基づく警備業者に対する指導監督を行うなどして、警備業務の実施の適正と警備業の健全な育成を図っている。

 
図表2-83 警備業者・警備員数の推移(平成18~27年)
図表2-83 警備業者・警備員数の推移(平成18~27年)
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コラム 警備員に係る検定制度等

警備業法においては、専門的な知識等を要し、事故発生時に不特定又は多数の者の生命、身体又は財産に危険を生ずるおそれがある警備業務に関し、警備員等の知識等に関する検定が設けられており、当該警備業務のうち一定のものについては、検定に合格した警備員の配置が義務付けられている。具体的には、空港保安警備業務、施設警備業務、雑踏警備業務、交通誘導警備業務、核燃料物質等危険物運搬警備業務及び貴重品運搬警備業務について、それぞれ1級及び2級の検定が行われており、平成17年以降、1級検定合格証明書が29,362件、2級検定合格証明書が215,513件交付されている。

警察においては、現在、交通誘導警備業務に関する配置義務付けに係る基準の見直しを進めているところであり、こうした検定制度も活用しながら、警備業務の質の向上を図っている。

 
検定合格警備員であることを示す標章の例
検定合格警備員であることを示す標章の例

(2)古物商・質屋を通じた盗品等の流通防止と被害回復

古物商や質屋では、その営業に係る古物や質物として盗品等を扱うおそれがあることから、古物営業法及び質屋営業法では、事業者(注1)に対し、これらの営業に係る業務について必要な規制等を定め、窃盗その他の犯罪の防止を図っている。警察では、これらの法律に基づく品触れ(注2)や指導監督等により、犯罪被害の迅速な回復に努めている。

注1:古物営業の許可証の交付を受けている事業者数は76万6,493、質屋営業の許可証の交付を受けている事業者数は3,034(それぞれ平成27年末現在)
注2:警察本部長等が盗品等の発見のために必要があると認めたときに、古物商等に対して被害品の特徴等を通知し、その有無の確認及び届出を求めるもの


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