第6章 警察活動の支え

3 犯罪対策閣僚会議の取組

(1)犯罪対策閣僚会議の開催

平成14年に刑法犯認知件数が過去最高の約285万件を記録するなど、治安情勢が危険水域に達し、国民が強い不安感を抱くようになったことを背景に、警察だけではなく、政府全体としての犯罪対策を進めることの重要性が認識された。そこで、「世界一安全な国、日本」の復活を目指し、政府では、15年9月から、首相が主宰し、全閣僚を構成員とする犯罪対策閣僚会議を開催している。同会議において、15年12月には「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」、20年12月には「犯罪に強い社会の実現のための行動計画2008」が策定され、犯罪情勢に即した各種の施策を講じ、社会全体を犯罪に対して強いものにするための総合的な対策が推進されてきた。

 
第22回犯罪対策閣僚会議(提供:内閣広報室)
第22回犯罪対策閣僚会議(提供:内閣広報室)

(2)「世界一安全な日本」創造戦略の策定

現在、我が国の治安は、刑法犯認知件数等の指標が改善する一方で、サイバー犯罪・サイバー攻撃、国際テロ、組織犯罪といった重大な脅威に直面している。また、良好な治安は、国民生活の安全を確保すると同時に、社会・経済の発展にも寄与するものである。こうしたことを踏まえ、平成25年12月、「「世界一安全な日本」創造戦略」が第21回犯罪対策閣僚会議において策定されるとともに、閣議決定された。

この戦略は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据え、犯罪を更に減少させ、国民の治安に対する信頼感を醸成し、「世界一安全な国、日本」を実現することを目標としている。警察では、関係機関・団体と緊密に連携して、この戦略に基づく取組を推進していくこととしている。

 
図表6-25 「「世界一安全な日本」創造戦略」の概要
図表6-25 「「世界一安全な日本」創造戦略」の概要


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