第5章 公安の維持と災害対策

2 警備実施

(1)警衛・警護警備

① 警衛警備

警察では、皇室と国民との親和に配意した警衛警備を実施し、御身辺の安全確保と歓送迎者の雑踏事故防止を図っている。

 
神宮御参拝に伴う警衛(3月、三重)
神宮御参拝に伴う警衛(3月、三重)

平成26年中の国内での主な行幸啓は図表5-15、行啓は図表5-16のとおりである。海外へは、同年12月に皇后陛下がベルギー元国王妃葬儀御参列のためベルギーを御旅行になるなど、皇族方が合計10回御訪問等になった。

 
図表5-15 主な行幸啓(平成26年)
図表5-15 主な行幸啓(平成26年)
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図表5-16 主な行啓(平成26年)
図表5-16 主な行啓(平成26年)
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② 警護警備

警察では、テロ等違法事案の発生が懸念される厳しい警護情勢の下、的確な警護警備に向けた取組を推進して要人の身辺の安全を確保している。

 
米国・オバマ大統領来日に伴う警護警備(4月)
米国・オバマ大統領来日に伴う警護警備(4月)

26年中の首相の海外訪問は図表5-17、主な外国要人の来日は図表5-18のとおりである。

また、同年12月に施行された第47回衆議院議員総選挙では、多数の警護対象者が全国的に遊説活動を行った。

 
図表5-17 首相の主な海外訪問(平成26年)
図表5-17 首相の主な海外訪問(平成26年)
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図表5-18 主な外国要人の来日(平成26年)
図表5-18 主な外国要人の来日(平成26年)
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(2)機動隊の活動

① 機動隊の種類と機能

都道府県警察には、集団警備力によって有事即応体制を保持する常設部隊として機動隊が設置されているほか、管区機動隊、第二機動隊等が設置されており、また、各種警察事案に対応できるよう機能別部隊が編成されている。

 
図表5-19 機動隊の概要
図表5-19 機動隊の概要
② 機動隊の任務と活動

機動隊は、危機管理のための集団警備力の中核として、各種の警備に当たっている。また、機能別部隊は、その専門能力をいかした人命救助活動や捜査活動等に従事している。

 
図表5-20 機動隊の活動
図表5-20 機動隊の活動

コラム 小型無人機等対策の推進

平成27年4月、内閣総理大臣官邸の屋上に男が小型無人機(いわゆるドローン)を落下させた事案が発生した。この事案等を踏まえ、警察では、国の重要施設等における警戒警備を徹底するとともに、小型無人機等の飛行による危険を未然に防止するための対策に万全を期すこととしている。

コラム 東京マラソンにおける「ランニングポリス」の導入

警視庁は、平成27年2月に開催された「東京マラソン2015」の警備に際し、新たな警備手法として複数組の警察官がリレー方式でコースを走りながら警戒を実施する「ランニングポリス」を導入した。

コース上における警戒に加え、コースを走る警察官が小型カメラで撮影・送信したコース及び沿道の状況の映像を警備本部における指揮に活用することにより、大会警備に大きな成果を上げた。

 
「ランニングポリス」による警戒
「ランニングポリス」による警戒

(3)雑踏警備

祭礼等の行事に際して多数の人が集まることにより事故が発生するおそれがある場合には、雑踏事故の未然防止を図るため、警察ではあらかじめ行事の主催者や施設の管理者に対して必要な安全対策をとるよう要請しているほか、警察部隊の投入が必要と判断される場合には、所要の雑踏警備を行っている。

また、平成13年7月に兵庫県明石市で発生した雑踏事故の教訓を踏まえ、雑踏事故対策に当たり遵守すべき基本的事項の再徹底や雑踏事故防止のための体制の確立に努めている。災害等への対処と警備実施

 
図表5-21 雑踏警備に従事した警察官数の推移(平成22~26年)
図表5-21 雑踏警備に従事した警察官数の推移(平成22~26年)
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