第4章 安全かつ快適な交通の確保

3 自転車の安全利用の促進

(1)自転車が関連する交通事故の状況

自転車は、幼児から高齢者まで幅広い年齢層に利用されている。自転車が関連する交通事故件数は減少傾向にあるものの、依然として自転車関連事故は全交通事故件数の約2割を占めている。

 
図表4-12 自転車関連事故発生件数と全交通事故に占める構成率の推移(平成17~26年)
図表4-12 自転車関連事故発生件数と全交通事故に占める構成率の推移(平成17~26年)
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(2)良好な自転車交通秩序の実現のための対策

① 自転車通行環境の確立

警察では、歩行者・自転車・自動車が適切かつ安全に共存できるよう、道路管理者と連携して、自転車専用の走行空間の整備等に努めている。

② 自転車利用者に対するルールの周知徹底

警察では、地方公共団体、学校、自転車関係事業者等と連携し、「交通の方法に関する教則」や「自転車安全利用五則」(注)を活用するなどして、全ての年齢層の自転車利用者に対して、自転車は車道通行が原則であること、車道では左側通行すること、歩道では歩行者を優先することなどの自転車の通行ルール等の周知に努めている。

また、危険な違反行為を反復して行う自転車運転者に対しては、自転車の運転による交通の危険を防止するための講習を、27年6月から導入している。

注:平成19年7月に中央交通安全対策会議交通対策本部で決定された「自転車の安全利用の促進について」において、自転車の通行ルールの広報啓発に当たって活用することとされた。
③ 自転車安全教育の推進

警察では、学校等と連携して、児童・生徒に対する自転車安全教育を推進しており、スタントマンによる事故の再現や自転車シミュレーターの活用等による参加・体験・実践型の自転車教室を開催するなど、教育内容の充実に努めている。26年中、児童・生徒や高齢者等を対象とした自転車教室を全国で約5万回開催し、約544万人が受講した。

④ 自転車に対する指導取締りの強化

警察では、自転車指導啓発重点地区・路線(注)を中心に、自転車利用者の無灯火、二人乗り、信号無視、一時不停止等に対する指導警告を強化するとともに、制動装置不良自転車(ブレーキがない自転車等)の運転のほか、悪質・危険な交通違反に対しては、検挙措置を講ずるなど厳正に対処している。

注:自転車と歩行者との交通事故の発生状況、地域住民の苦情・要望の状況等を踏まえ、全国1,827か所(26年12月31日現在)を指定し、自転車利用者に対する街頭における指導啓発活動等を推進している。
 
図表4-13 自転車の指導取締り状況(平成26年)
図表4-13 自転車の指導取締り状況(平成26年)
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自転車の指導取締り状況
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