第2章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

警察活動の最前線


刑事としての誇り


茨城県土浦警察署刑事第一課(現:茨城県警察本部刑事部捜査第一課)

大島 宣子(おおしま のりこ) 警部補

 
ひばりくん
ひばりくん
 
茨城県土浦警察署刑事第一課(現:茨城県警察本部刑事部捜査第一課) 大島 宣子 警部補 顔写真

私は強行犯係長として警察署で勤務しており、管内で発生する凶悪事件や火災等の現場に臨場し、現場責任者として事件指揮に当たっています。

平成26年に管内で母親が息子を殺害する事件が発生した際には、初動捜査の指揮や被疑者の取調べを担当しました。

被疑者である母親は当初自分がしたことを受け入れていない様子で、あいまいな供述に終始していました。私は取調べで被疑者に、息子が生まれたときの心境を問いかけ、息子が可愛かったときの気持ちを思い起こさせることから始めました。その後、その愛情が憎しみに変わっていくまでの過程を一つ一つ聴取することで、被疑者の全面的な供述を得ることができ、被疑者は起訴されるに至りました。

取調べの録音・録画等取調べをめぐる環境は大きく変化していますが、現場に残された資料や関係者の供述を基に事実を追及し、また、被疑者の表情や言葉から心情を酌み取って供述を引き出すという取調べの基本は、脈々と引き継がれてきた刑事の揺るぎない誇りとして変化することはありません。

女性だからといって犯罪の現場や対峙する被疑者を選ぶことはできませんが、事件を解決するという目的のため、どんな犯罪にも屈することなく、事件と戦う熱い気持ちを持ち続けたいと思っています。

 
茨城県土浦警察署刑事第一課(現:茨城県警察本部刑事部捜査第一課) 大島 宣子 警部補

憧れの鑑識マン


愛媛県警察本部刑事部鑑識課

近藤 好古(こんどう よしふる) 警部補

 
まもるくん・安ちゃん・心ちゃん
まもるくん・安ちゃん・心ちゃん
 
愛媛県警察本部刑事部鑑識課 近藤 好古 警部補 顔写真

鑑識に憧れて警察官を拝命し、「プロの鑑識マンになりたい!」との一心で仕事に励み、鑑識係員に登用されてから7年が過ぎようとしています。

当初は、犯人を追い詰める決定的な証拠となる資料を採取することができず、被疑者検挙につながる指紋・足跡・DNA型資料等の法医資料を難なく採取する先輩や上司に憧れていました。

 「どうすれば犯人を検挙できる資料が採取できるか。」、「本当にこの方法で良いのか。」などと常に疑問を持ち、自分なりの工夫を重ねながら仕事に励んでいたところ、ある侵入窃盗事件が発生しました。周辺への聞き込みによっても犯人検挙の手がかりがつかめず捜査が難航する中、自分の採取した鑑識資料が前歴者の指紋と一致したことを端緒として、被疑者が検挙されるに至りました。初めて被疑者の検挙に貢献できたこの時の嬉しさは、今でも鮮明に覚えています。

現在は、機動鑑識係長として、主に凶悪事件・侵入窃盗事件等の鑑識活動が特に重視される事件の現場に、日々臨場しています。同じ現場は二つとなく、未だに同僚や後輩の資料の採取方法を見て「目から鱗」の場面があり、勉強の毎日です。かつて自分が憧れた先輩や上司のように後輩の憧れとなるような鑑識マンを目指し、これからも研鑽し続けていきます。

 
愛媛県警察本部刑事部鑑識課 近藤 好古 警部補

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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