トピックス 

トピックスII 女性の視点をいかした警察づくり

警察では、「女性の力をより積極的に取り込むことが、警察を強くする」という観点から、女性の視点をいかした警察づくりを推進しています。

日々変化する社会環境や治安情勢への対応と、社会における女性の活躍推進が更に求められている中、組織における女性の力をより一層活用することは警察の重要な課題です。このため、警察では、性別を問わない能力・実績に応じた積極的な人材登用、女性職員が更に働きやすい勤務環境づくり、全職員の意識改革の徹底を始めとした各種取組を推進しています。

(1)女性警察官をめぐる現状

① 採用の拡大

警察では、女性警察官の採用に積極的に取り組んでいます。昭和21年に初めて女性警察官を採用して以降、現在では毎年度1,000人を超える女性警察官を採用しており、女性警察官数は年々増加しています。平成25年度には約1,600人(新規採用者総数に占める比率は14.3%)の女性警察官が採用されました。

 
図表II-1 都道府県警察の女性警察官数及び警察官に占める女性警察官の割合の推移(平成17~26年度)
図表II-1 都道府県警察の女性警察官数及び警察官に占める女性警察官の割合の推移(平成17~26年度)
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② 登用の拡大

女性警察官の幹部への登用も進んでおり、県警察本部長や警察署長を始め、警察署の刑事課長等にも登用されています。

また、従来は女性警察官の多くが交通部門に配置されていましたが、現在は全ての分野に職域が拡大しています。特に、女性が被害者となる性犯罪、配偶者からの暴力事案等に関する捜査や被害者支援の分野で女性警察官の能力や特性がいかされているほか、暴力団対策、警衛・警護等の分野でも女性警察官が活躍しています。

 
図表II-2 都道府県警察で採用された警部以上の女性警察官数の推移(平成17~26年度)
図表II-2 都道府県警察で採用された警部以上の女性警察官数の推移(平成17~26年度)
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(2)女性の視点をいかした警察づくり

① 「警察における女性の視点を一層反映した対策の推進に関する検討会」による検討

警察における女性の視点を一層反映した対策等について検討するため、平成25年1月から、5人の部外有識者による「警察における女性の視点を一層反映した対策の推進に関する検討会」が計4回開催されました。

同検討会は、同年5月に「警察における女性の視点を一層反映した対策の推進に関する報告書」(注)を取りまとめ、「警察が女性の視点をより一層反映した組織へと変わり、女性被害者等への対応強化など多様性のある社会のニーズに応えられるようになる」という警察の今後の在り方を示しました。

注:http://www.npa.go.jp/seisaku/seianki/kentoukai/houkokusho.pdf

 
検討会座長からの報告書提出

検討会座長からの報告書提出

② 具体的取組

都道府県警察においては、女性が活躍できる環境の整備に向け、図表II-3のような取組を推進しています。

 
図表II-3 都道府県警察における具体的取組例
図表II-3 都道府県警察における具体的取組例

また、警察庁においても、道府県を超えた女性警察官同士の交流や意識向上を目的とした女性警察官交流会議を各管区警察局単位で定期的に開催するほか、各都道府県警察における好事例を全国的に紹介するなど、各種取組を推進しています。


コラム① 警察共済組合によるシッター派遣制度の開始

警察共済組合では、平成26年4月、不規則な勤務のある警察職員の育児と仕事の両立を支援する方策のモデルを構築するため、育児中の警察庁職員等が急な残業が必要となった場合に、当日の夕方でも、同組合が契約したシッター事業者からシッターの派遣を受けることができる制度を開始しました。

コラム② 強く優しく頼れる警察であり続けるために

神奈川県大船警察署長 綿引 緑(わたひき みどり) 警視

拝命以来30数年間、仲間と共に知恵を絞り、全力で仕事に打ち込んできましたが、県民の安全と安心に直結する警察の仕事は、とても奥深くやりがいがあります。

子育てや介護等と仕事との両立が大変な時期もありましたが、上司や同僚、学校の先生や保護者仲間、御近所の皆さんのさりげない心配り、そして家族の助けにより、何とか乗り切ることができました。多くの人とのつながりの中でいかされながら積み重ねてきた経験や想いは、警察を頼ってくる多くの方々の気持ちに寄り添い、応えていく上で、大きな糧になっています。

女性警察官が様々な職種、立場で活躍できるようになった現在、弱きを助け、悪をくじき、多くの人々に信頼される「強く優しい警察」を具現し、力強くけん引する幹部となれるよう、女性の特性をいかしつつも、決して甘えることなく、これからも精進していきたいと思います。

 
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