特集:変容する捜査環境と警察の取組 

3 おわりに

我が国の地域社会は、警察捜査への理解と協力の基盤として事件解決に欠くことのできない存在であったが、近年は、人間関係の希薄化が進み、聞き込み捜査による目撃情報の入手等の「人からの捜査」が困難になっている。また、様々な制度・サービスが国民生活に利便をもたらす一方で、犯罪の痕跡を残さないための手段として悪用される事案が後を絶たない。さらに、一連の司法制度改革における客観証拠重視の流れの中で、客観証拠の収集、鑑定等の業務が増加している。

このように、捜査環境の変容により、警察捜査の在り方は変革を迫られているが、警察は、個人の生命、身体及び財産を保護し、公共の安全と秩序を維持するという責務を果たすため、捜査に必要な情報を円滑に確保することができる環境の整備に努めていくとともに、新たな客観証拠の収集方策や捜査手法の導入等の時代の変化に対応した警察捜査の在り方について不断に検討を進めていくこととしている。


 第5節 今後の展望

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