第6章 公安の維持と災害対策 

警察活動の最前線

機動隊員は第二の家族

愛媛県警察本部警備部機動隊

光田 琢郎(みつだ たくろう) 巡査部長

 
まもるくん

まもるくん・安ちゃん・心ちゃん

 
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私は機動隊の機能別部隊員として、水難救助、山岳警備救助、爆発物処理の活動に取り組んでいるほか、銃器対策部隊及びNBCテロ対策部隊の一員として、伊方原子力発電所の警戒警備にも従事しています。

それらの業務は多岐にわたるため、日頃から各種現場を想定した実戦的訓練を積み重ねていますが、私たちの出動する現場には、訓練で学ぶセオリーだけでは対応できないものも数多くあります。

これまで経験した現場のうち、最も過酷で危険を感じたものは、沢登り中に洞窟状の滝つぼに滑落し、宙吊りになっている登山者の救助活動でした。上方からの救出は、流れ落ちる水量が多い上、活動範囲が狭く、下方からの救出は、沢の傾斜がきつく、激流で足をすくわれるおそれがあったため、救出活動は困難を極めました。しかし、機動隊員が知恵を出し合い、一丸となって激流の流れを変えることで、滝つぼの上下にロープを張り、宙吊りの遭難者を救出することができました。

このような過酷な現場で無事に任務を完遂できたのは、日頃の厳しい訓練はもちろん、様々な現場活動の中で築き上げてきた仲間との信頼関係があったからです。

「救助活動に携わりたい」という志を胸に飛び込んだ機動隊の仲間は、私にとって第二の家族です。これからも、このかけがえのない家族と共に、職務に邁(まい)進していきたいと考えています。

 
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当たり前の仕事

前 福島県双葉警察署浪江分庁舎(現 福島県白河警察署地域課)

我妻 達記(あづま たつのり) 巡査部長

 
福ぼうしくん 福ぼうしさん

福ぼうしくん・福ぼうしさん

 
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~県民とともに、復興をめざして~、我々福島県警察の合言葉です。

私が勤務する双葉警察署は、被災地の最前線であり、被災地の復旧、復興を少しでも手助けできるよう、地域住民への声掛けや、要望の把握、行方不明者の捜索等を行っています。

双葉町から避難している住民から、以前

「地震、津波、原発事故の三重苦を受け、故郷を離れなければならない私たちの気持ちなんて分からないでしょうね」

と言われました。そのときは言葉に詰まり、何も答えることができず、被災者は私が思っている何十倍も苦しんでいることが分かりました。

心に大きな傷を負った被災者のために私たちができること、それは、「警察官としてやるべき仕事を当たり前のようにやること」であると思います。被災者の要望は警察への期待の表れです。今後も、福島県警察の一員として、つらく嫌だと思ってしまうような仕事であっても「当たり前の仕事」という気持ちを持って、精力的に取り組んでいこうと思っています。

そして、私たちの活動が、被災者の背中を後押しし、笑顔と嬉し涙でいっぱいになることを目指して、日々努力していきたいと思っています。

 
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注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。


 警察活動の最前線

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