第1章 警察の組織と公安委員会制度 |
岩手県公安委員会委員長
雫石 禮子(しずくいし れいこ)
委員就任 平成20年7月3日
委員長就任 平成25年7月3日
公安委員となって警察を内側から見られるようになると、警察活動への理解も深まり、治安維持に日夜奮戦する警察官に親近感と敬意の念を持つようになる。特に、平成23年3月11日の東日本大震災の際に、本県警察だけでなく全国から駆けつけ被災地の救援活動に当たった警察官が使命に燃えて活動した姿は忘れることができない。被災3県の災害警備活動記録や警察官の手記は、警察官のあるべき姿を示す、原点回帰の教養資料であると感じている。
25年8月、岩手県に全国初の女性警察本部長が登用された。警察は女性にとって働きにくい職場だと感じていたが、ここ数年の間に職員の意識改革や組織改善、施設整備も進んできた。女性警察官が職場環境の問題を克服し、結婚後も育児や介護と仕事の両立を図って働き続けられるよう、また男性職員と共にそれぞれの能力に応じて力を合わせて活躍していけるよう条件整備に発言を大にしていきたい。
また、25年11月、岩手県警察学校では新校舎が落成し、教官と初任科生が考えた新校訓「立志開道」が制定された。大量退職時代に有能な警察官の育成は急務である。若き警察官には、ぜひ知力・体力・精神力をしっかり身に付け、警察官の基礎の基礎を固めてほしいものである。そして、人間を相手にする仕事に就くということへの自覚を持ち、警察官の制服を身に付けたときの感激を忘れず、警察官だけに与えられた特権を正しく行使していただきたい。
鳥取県公安委員会委員長
渡辺 光子(わた なべ みつこ)
委員就任 平成20年10月15日
委員長就任 平成25年7月22日
近年、日本の社会は、先行きの見えづらい、何となく「不安」な状態にあり、そこから生ずる「閉塞感」が、無気力で悲観的な要素を増やし、新たな犯罪や不祥事に手を染めてしまう人たちを生んでいるのではないかと感じています。こうした社会の中で、警察が果たす役割は拡大し、期待される業務も年々増大しているように思います。
こうした期待を受け、「人のために尽くす」警察官は、厳しい現場で仕事に励み、心を磨いて、精神修行ともいえる生き方を貫いて頑張っていると思います。自分は「誰のために」「何のために」生きているのかという原理原則を強い意志で貫き通していくことは容易なことではありませんが、その意志こそが正しさや強さの源泉だと思います。
警察に向けられる非違事案等に対する叱責は、警察官の仕事が、国民の信頼の上に成り立っていることを考えれば当然のことであり、非違事案は決して許されるものではありません。
しかし、懸命に汗をかいて頑張る人たちを冷ややかな目で見てしまう時代だからこそ、真っ直ぐな気持ちで「人のために」尽くす多くの警察官の仕事を理解し、認める社会風土がもっと育ってほしいと思います。
世代交代が進み、若手警察官の早期戦力化が期待される中、「人のために」尽くす警察官が仕事に対する喜びを見出し、充実した警察人生を送れるよう心から願いたいと思います。
公安委員の声 |
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