特集II 子供・女性・高齢者と警察活動

2 子供・女性・高齢者をめぐる社会情勢と治安に関する意識

(1)子供をめぐる社会情勢と治安に関する意識

① 社会情勢

少子化や核家族化が進展していることに加えて、インターネットや、スマートフォンを含む携帯電話の普及により、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)(注)等を通じた地理的条件等に制約されない交友関係が構築されやすい傾向にある。

注:社会的ネットワークをオンラインで提供するインターネットサービスのこと。会員制、登録者の非匿名性、各種コミュニケーションツールの充実を特徴とする。コミュニティサイトの一種。
 
図II-4 15歳未満人口等の推移(平成2~22年)
図II-4 15歳未満人口等の推移(平成2~22年)
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図II-5 子供の携帯電話所持率(平成24年度)
図II-5 子供の携帯電話所持率(平成24年度)
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② 治安に関する意識
ア 脅威となっている犯罪

子供にとって大きな脅威となっている主な犯罪は、「誘拐・連れ去りなどの犯罪」「強姦・強制わいせつ・痴漢などの性犯罪」(注1)「児童虐待・親のDVなどの主に家庭内で行われる犯罪」(注2)を挙げる未就学児の同居者(親等)からの回答が他の回答者と比較して多かったほか、携帯電話等やSNS等の普及を背景に、「インターネットを利用した児童ポルノ・青少年保護育成条例違反などの犯罪」(注3)を挙げる中学生の同居者からの回答が、他の回答者と比較して多い傾向がみられた。

注1:40、41、81頁参照
注2:26、27、37~40頁参照
注3:29~31頁参照
イ 警察への要望

子供が犯罪の被害者になりにくい社会を実現するために警察が行うべきことに関しては、子供の同居者全体で「通学時間帯におけるパトカーや制服警察官によるパトロールの強化」を挙げる回答が突出して多かったほか、「子供がインターネット等を通して違法・有害な情報に触れないようにするための対策」(注1)「出会い系サイトなどに対する規制の強化」(注2)を挙げる、中学生の同居者からの回答が他の回答者と比較して多かった。

注1:6~8、29~31頁参照
注2:9頁参照
 
図II-6 子供にとって大きな脅威となっている主な犯罪
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図II-7 子供が犯罪の被害者になりにくい社会を実現するために警察が行うべきこと
図II-7 子供が犯罪の被害者になりにくい社会を実現するために警察が行うべきこと
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(2)女性をめぐる社会情勢と治安に関する意識

① 社会情勢

20歳代後半~60歳代前半の社会進出が進んでおり、中でも25~34歳の就業率の増加が著しい。また、女性の人口に占める単独世帯割合及び30歳以上の女性の単独行動時間に増加傾向がみられる。

 
図II-8 女性の年齢別就業率の推移(平成14~24年)
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図II-9 女性の年齢別人口に占める単独世帯割合の推移(平成7~22年)
図II-9 女性の年齢別人口に占める単独世帯割合の推移(平成7~22年)
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図II-10 女性の単独行動時間の推移(平成13~23年)
図II-10 女性の単独行動時間の推移(平成13~23年)
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② 治安に関する意識
ア 被害に遭う不安を感じる犯罪

女性が被害に遭う不安を感じている主な犯罪の中でも、「強姦・痴漢などの性犯罪」(注1)「盗撮・のぞきなどの性的なプライバシーを侵害する犯罪」(注2)「ストーカー行為」(注3)を挙げる20歳代女性の回答が突出して多かった。

注1:40、41、81頁参照
注2:41頁参照
注3:37~40頁参照
イ 警察への要望

女性が犯罪の被害者になりにくい社会を実現するために警察が行うべきことに関しては、全年代で「見通しの悪い場所や暗がりなどの犯罪が起きやすい場所を減らす取組」(注1)を挙げる回答が最も多かったほか、「女性の犯罪被害等の悩みに対する相談窓口の充実」(注2)を挙げる20歳代女性からの回答及び「街頭防犯カメラの設置台数の増加」(注3)を挙げる30歳以上の女性からの回答も他の回答者と比較して多く、女性の就業率や単独世帯割合等が増加する中で、防犯に配慮した環境改善が強く望まれていることがうかがわれる。

注1:54、106、107頁参照
注2:44、56、57頁参照
注3:54、107頁参照
 
図II-11 自分自身が被害に遭う不安を感じている主な犯罪
図II-11 自分自身が被害に遭う不安を感じている主な犯罪
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図II-12 女性が犯罪の被害者になりにくい社会を実現するために警察が行うべきこと
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(3)高齢者をめぐる社会情勢と治安に関する意識

① 社会情勢

高齢者(注)人口が増加するとともに、一人暮らしの高齢者の人口及び割合も増加傾向にある。また、総人口に占める高齢者人口の割合の増加等もあり、貯蓄が高齢者世帯に集中する傾向にある。

注:この特集において「高齢者」とは、65歳以上の者を指す。
 
図II-13 高齢者人口の推移(昭和25~平成22年)
図II-13 高齢者人口の推移(昭和25~平成22年)
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図II-14 一人暮らしの高齢者の動向(平成2~22年)
図II-14 一人暮らしの高齢者の動向(平成2~22年)
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図II-15 世帯主の年齢別貯蓄分布状況(平成15、24年)
図II-15 世帯主の年齢別貯蓄分布状況(平成15、24年)
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② 治安に関する意識
ア 被害に遭う不安を感じている犯罪

高齢者が被害に遭う不安を感じている主な犯罪としては、「振り込め詐欺や悪質商法などの犯罪」(注1)「児童虐待・高齢者虐待・配偶者からの暴力といった主に家庭内で行われる犯罪」(注2)「ひったくり・すり・置き引きなどのすきを狙って携行品を盗む犯罪」(注3)「違法薬物に関連する犯罪」「空き巣などの住宅へ侵入して物を盗む犯罪」(注4)を挙げる回答が多かった。

注1:47~50、86、87頁参照
注2:26、27、37~40、51頁参照
注3:42、50、82~85頁参照
注4:82~85頁参照
イ 警察への要望

高齢者が犯罪の被害者になりにくい社会を実現するために警察が行うべきことに関しては、「高齢者の相談に対し親身になって対応してくれる警察官の育成」(注)との回答が最も多かった。

これに次いで「振り込め詐欺や悪質商法などの犯罪の実態や防犯に関する情報の提供」との回答が多く、高齢者の財産を狙った振り込め詐欺や悪質商法の増加を反映していることがうかがわれる。また、「制服警察官による高齢者がいる家庭への訪問」については、一人暮らしの高齢者からの回答が多かった。

注:56、57頁参照
 
図II-16 自分自身が被害に遭う不安を感じている主な犯罪
図II-16 自分自身が被害に遭う不安を感じている主な犯罪
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図II-17 高齢者が犯罪の被害者になりにくい社会を実現するために警察が行うべきこと
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