第6章 警察活動の支え

2 国際的な犯罪に対する外国治安機関等との連携

(1)東南アジア諸国連合加盟国等との連携

日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係は、平成25年に、交流開始から40年を迎え、政治、経済、文化等の広範な分野で緊密化している。こうした中、警察庁では、ASEAN加盟国治安機関との協力関係の強化に取り組んでいる。

同年2月には、タイにおいて第33回ASEAN警察長官会合(ASEANAPOL)(注1)が開催され、我が国から警察庁幹部が出席し、犯罪のグローバル化に対処するための東アジア警察間における連携・協力の重要性等について発言するなど積極的に議論に参加した。

また、ASEAN+3国際犯罪閣僚会議(注2)が16年から開催されており、我が国からは国家公安委員会委員長や警察庁幹部が出席し、国際犯罪対策に関する各国の連携強化等について幅広く意見交換を行ってきた。

このほか、警察庁では、ASEAN加盟国を始めとする外国治安機関の協力を得て、同年から東アジア地域組織犯罪対策代表者会議を、また、23年から東アジア地域犯罪組織コンタクトポイントセミナーを主催するなどし、関係治安機関との連携強化を図っている。

注1:東南アジア地域の警察機関相互の交流促進を目的として昭和56年に結成されたもので、我が国は中国、韓国等と共に参加している。
注2:ASEAN加盟国に日本、中国及び韓国を加えた治安機関の閣僚が参加する会議で、平成25年にはラオスにおいて第6回会議が開催予定である。
 
第33回ASEANAPOL
第33回ASEANAPOL

(2)G8各国との連携

平成24年2月及び25年1月には、米国において、G8ローマ/リヨン・グループ会合が開催され、我が国から警察庁幹部が出席し、国際組織犯罪対策やテロ対策について積極的に議論に参加した。

(3)二国間の連携

警察では、我が国との間で多くの国際犯罪が敢行される国や来日外国人犯罪者の国籍国を始めとする各国の治安機関との間で協議を行い、必要に応じて警察当局間協力に関する文書を作成するなどして協力関係を深めている。平成24年2月には東京都において、韓国警察庁との間で第2回日韓警察協議を開催した。

また、国家公安委員会委員長が、インドネシア(同年8月)、イスラエル(同年9月)、イタリア(同年11月)、フランス(同年11月)等各国の治安問題等を担当する閣僚と会談を行い、各国治安機関との協力関係を強化した。

(4)治安に関係する国際約束の締結による協力の確保

刑事共助条約(協定)は、捜査共助の実施を条約上の義務とすることで捜査共助の一層確実な実施を期するとともに、捜査共助の実施のための連絡を外交当局間ではなく、条約が指定する中央当局間で直接行うことにより、手続の効率化・迅速化を図るものである。これまでに米国、韓国、中国、香港、EU及びロシアとの間で締結している。

また、犯罪人引渡条約は、日本で犯罪を犯し国外に逃亡した犯罪人等を確実に追跡し、逮捕するため、一定の場合を除き、犯罪人の引渡しを相互に義務付けるものである。これまでに米国及び韓国との間で締結している。



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