第4章 安全かつ快適な交通の確保


魅力ある交通鑑識を目指して


山口県警察本部交通部交通指導課

小林 謙一(こばやし けんいち) 警部補

 
ふくまるくん
ふくまるくん

警察官を拝命して今年で20年、そのうち17年の間、交通捜査員として職務に励んでいます。

私が駆け出しの交通捜査員だった頃と比べ、飲酒運転の厳罰化、危険運転致死傷罪の新設等、交通捜査を取り巻く環境は大きく変化し、より緻密で客観的な交通捜査が求められています。特に、私が携わっている交通鑑識の技術は、現在の交通捜査には必要不可欠な捜査技術であると日々実感しています。

重大な交通事故現場に残された衣服の繊維片やわずかなタイヤ痕等から真実を突き詰められるのは交通鑑識だけであり、特に死亡ひき逃げ事件が発生したときには、「被害者の最後の声を聞き取ることこそ、交通鑑識最大の使命である」と心に誓い、現場に臨んでいます。

こうした交通鑑識の魅力を伝えるため、私は、第一線の交通捜査員に対する指導教育も大切にしています。交通鑑識の重要性や必要性を伝えるだけでなく、実践的な教育をすることで、捜査員が現場の鑑識活動で役立つ技術を習得できるよう心がけています。

私自身も、厳しい第一線の現場で勤務する交通捜査員の道標になるべく、交通鑑識技術と知識の向上に努め、他府県に負けない山口県独自の交通鑑識を目指したいと思います。

 
山口県警察本部交通部交通指導課 小林 謙一 警部補

「一期一会」


滋賀県警察本部交通部交通機動隊

田邊 圭一(たなべ けいいち) 巡査部長

 
けいたくん
けいたくん

私は、交通違反をされた方との「一期一会」の出会いを大切に、日々活動しています。

私達白バイ隊員は、交通取締りを通じて、ドライバーの交通安全意識の向上を図り、一件でも悲惨な交通事故を減らすことを信条にしていますが、交通違反をされた方と接する時間はわずか10分程度しかありません。

この10分は交通違反をされた方にとっては「長い長い10分」ですが、私たちにとっては「大切な10分」です。この10分を単に交通切符を作成し告知するということに費やすのではなく、いかに交通取締りの必要性と交通事故防止を訴えられるか、それが白バイ隊員の腕の見せ所だと思っています。

私は、この10分を意味のあるものにするため、悲惨な交通事故の現状や交通安全意識の大切さについて、ドライバーに心からの願いを込めて訴えるようにしています。

私のこうした願いがどれほど伝わっているかはわかりません。しかし、別れ際にドライバーから「ありがとう。これから気を付けるわ」と一言声を掛けていただいたときには、私の願いが少しでも通じたのだと実感できます。

この「一期一会」の出会いの積み重ねが、取り返しのつかない悲惨な交通事故の減少につながることを信じて、これからも活動を続けていきます。

 
滋賀県警察本部交通部交通機動隊 田邊 圭一 巡査部長

注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。



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