警察活動の最前線
大津波から県民を守るために
前 静岡県警察本部警備部災害対策課津波対策官(現 下田警察署副署長)
渡辺 吉見(わたなべ よしみ) 警視
エスピーくん
「地震だ 津波だ すぐ避難!」「少しでも早く、少しでも高く」
東日本大震災の甚大な津波被害を教訓に、東海地震に伴う大津波に備えた対策を強化するため、平成23 年8月、全国に先駆けて災害対策課に私以下3人の「津波対策係」が設置されました。
東海地震に伴って発生する津波は地震発生後5分程度で沿岸に到達すると予想されていることから、住民の迅速な避難を重要課題とし、県警察内に「津波対策検討会議」を立ち上げて避難誘導方法等について検討を重ね、平素から取り組むべき事前対策と、津波発生時に取り組むべき応急対策を取りまとめました。
津波による被害を最小限に食い止めるためには、平素からの管内の実態把握や住民への啓発活動によって、地域住民の迅速な避難を可能にすることが重要です。また、23 年11月に行った津波対策訓練等を通して、地域住民が主体となった実践的な訓練を繰り返して行うことも必要であると痛感しました。
東海地震はいつ発生してもおかしくありません。津波対策は県民の命に関わる重要な任務であると心に刻み、今後もこれを万全なものとしていきたいと思っています。
原子力災害に備えて
福井県警察本部警備部警備課長
末永 勝(すえなが まさる) 警視
リュウピー君リュウミーちゃん
福井県は全国で最も多くの原子力発電所が集中立地し、廃炉作業中の原子炉を含めれば15基に及ぶことから、原発警備や原子力災害発生時の対応は、福井県警察にとって最重要課題の一つです。
本年3月に、敦賀原発のシビアアクシデントを想定した県原子力防災訓練があり、私も当時、前職(原子力関連施設警戒隊長)の立場で訓練に加わりましたが、これまで参加してきたどの原子力防災訓練よりも各機関の真剣味が伝わり、原発事故を現実のものとして、できる限り実のある訓練にしたいという意気込みが感じられました。
現在、全国の警察が災害に係る危機管理体制の再構築に全力を挙げて取り組んでいる中、多くの原発を抱える福井県警察としては、住民の避難誘導や警戒区域の立入制限措置等を定めた「原子力災害警備計画」の改正をとりわけ重視しています。
改正作業は、私が課長を務める警備課が中心となって進めていますが、UPZ(原子力災害時に緊急防護措置を準備する区域)という考え方が新たに提起されるなど、その作業は複雑かつ膨大です。私はその責任者として、住民の救出・救助や避難誘導をいかにして迅速かつ的確に行うかなどについて、しっかりと検証しながら、知事部局等と連携して、県民の安全を第一に実効性のある警備計画に仕上げたいと思っています。
注:掲載されているキャラクターは、都道府県警察のマスコットキャラクターです。