特集:大規模災害と警察~震災の教訓を踏まえた危機管理体制の再構築~ 

7 おわりに

 我が国は、地震を始め、大雨、台風、強風、高潮等の様々な災害の危険に絶えずさらされており、毎年のように多くの被害が生じている。
 警察では、常日頃から災害に備えた訓練等を行っており、一たび災害が発生すれば、迅速に部隊を展開するなどして、できる限りの対応を行ってきた。そして、過去の災害の経験や教訓を踏まえ、少しでも災害による被害を減らし、国民に貢献することができる警察を目指して、不断の努力を行っている。例えば、本震災で迅速に被災地へ展開し、救出救助活動等を行った広域緊急援助隊は、平成7年に発生した阪神・淡路大震災における教訓を踏まえ、大規模災害発生時において、迅速・的確な災害警備活動を行うために、都道府県を越えて広域的に即応することを目的として発足した。さらに、16年に発生した新潟県中越地震を契機に、極めて高度な救出救助能力を有する特別救助班(P-REX)を設置するなど、災害対応力の向上を図ってきた。
 本震災は、正に未曾有の大災害である。多くの方々が犠牲となり、甚大な被害が生じている。警察は、発災当初から全国警察一体となって総力を挙げて対応に当たり、多くの被災者を救助し、国民の期待に応えてきたが、他方で、対応について多くの反省や教訓を得た。
 これらの反省や教訓を今後の災害対策に確実に反映させ、今後予想される様々な災害に備えていかなければならない。

 第2節 災害に係る危機管理体制の再構築

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