第4章 公安の維持と災害対策

2 極左暴力集団の動向と対策

(1)極左暴力集団の動向

暴力革命による共産主義社会の実現を目指している極左暴力集団は、平成22年中も、組織の維持・拡大をもくろみ、暴力性・党派性を隠して労働運動や大衆運動に取り組んだ。

革マル派(注1)は、機関紙「解放」で非正規労働者等の処遇改善を訴えたり、メーデー会場等でビラを配ったりするなどの活動を通じて組織拡大に取り組んだ。また、革マル派が相当浸透しているとみられる全日本鉄道労働組合総連合会(JR 総連)及び東日本旅客鉄道労働組合(JR 東労組)は、JR 東労組の組合員らによる組合脱退及び退職強要事件(注2)の被告人の無罪を訴え、支援活動に取り組んだ。こうした中、警視庁は、同年6月、東京都内のマンションに設定された革マル派の非公然アジトを摘発し、アジトから押収した資料を分析した結果、同派指導部の実態の一部が明らかになった。

中核派(党中央)(注3)は、労働運動を通じて組織拡大を図る「階級的労働運動路線」を進めながら、各種闘争に取り組んだ。同年11月には、東京都内で「全国労働者総決起集会」を開催し、全国の活動家、同調者、米国・韓国の労働団体代表者等が参加した。一方、19年11月に党中央と分裂した関西地方委員会は、失業者や非正規労働者等の獲得を狙い、「生活・労働相談村」を開設するとともに、他のセクトが主催する集会、デモ等に積極的に参加した。

革労協主流派(注4)は、福岡での組織的犯罪処罰法違反事件及び威力業務妨害等事件の公判闘争と成田闘争を重点に取り組んだ。また、革労協反主流派(注5)は、在日米軍の再編問題や自衛隊の海外派遣等を捉えて反戦闘争に取り組み、22年11月2日には、埼玉県内の陸上自衛隊大宮駐屯地に向け、飛翔(しょう)弾を発射する事件を引き起こした。

革マル派の非公然アジトとして利用されていたマンション

革マル派の非公然アジトとして利用されていたマンション

注1:正式名称を日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派という。

注2:平成13年1月21日から同年6月30日頃にかけて、JR 東労組の組合員である被疑者7人が、東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR 東日本」という。)大宮支社浦和電車区事務所等において、他の労働組合の組合員と行動を共にするなどしたJR 東労組の組合員を集団で脅迫し、同組合から脱退させ、さらに、JR 東日本から退職させた強要事件

注3:正式名称を革命的共産主義者同盟全国委員会という。

注4:正式名称を革命的労働者協会(社会党社青同解放派)という。

注5:正式名称を革命的労働者協会(解放派)という。

(2)極左暴力集団対策の推進

警察では、極左暴力集団に対する事件捜査や非公然アジト発見に向けたマンション、アパート等に対するローラーを推進するとともに、ポスター等を用いた広報活動により、国民からの広範な情報提供を求めるなど、各種対策を推進している。

平成22年中には、革マル派の非公然アジト1か所を摘発するとともに、極左暴力集団の活動家ら合計39人を検挙した。

捜査への協力を呼びかける広報用ポスター

捜査への協力を呼びかける広報用ポスター


第3節 公安情勢と諸対策

前の項目に戻る    次の項目に進む