警察活動の最前線

暴力団排除の醍醐味

前 警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策第三課(現 目黒警察署地域課)

宮崎 真紀(みやざきまき) 警部

警視庁ピーポくん

警視庁ピーポくん

「暴力団は私たちの街から出て行け!」東京の下町に、住民の掛け声が響き渡りました。暴力団事務所を撤去するための住民運動が立ち上がった瞬間です。

暴力団排除を担当して数年、これまで民間企業や行政の方々と暴排組織を立ち上げたり、暴力団事務所撤去や民事訴訟等の支援をしてきましたが、民間の暴排活動が暴力団に与える打撃の大きさにいつも驚かされ、取締りとはまた別の手段で暴力団と闘うこの仕事に、やりがいと面白さを実感する毎日です。

初めてお会いした方からは、「女性が暴力団相手の仕事をするのですか」と驚かれることが多いのですが、それにはすかさず「私のバックには『警視庁』がついていますから」とにっこり切り返すことにしています。暴排は組織対応が基本ですから、「こんなか弱い(?)女性でも暴力団対策ができるなら、私も大丈夫かな」と自信を持っていただけているのではないでしょうか。

この仕事を担当して一番うれしいことは、立ち上げた暴排組織が成長し、独自に対策を講じて暴力団を排除した時です。前述の住民運動も、きっと下町の団結力で暴力団事務所を追放できると信じています。

宮崎真紀 警部

後に続く捜査員に夢を託し

京都府警察本部組織犯罪対策統括室組織犯罪対策第三課

小野 信義(おののぶよし) 警部補

京都府警察ポリスまろん

京都府警察ポリスまろん

薬物・銃器事犯の捜査に携わり、はや27年の歳月が過ぎようとしている今、私は、後輩の指導育成を任され、京都府警察技能指導官の命を受け励んでいるところです。

薬物は蔓延することによって国が滅び、銃器は国の治安を揺るがすもので、長年重大な社会問題となっている犯罪です。また、この種の犯罪は、暴力団等の犯罪組織が深く関与していることから、そのような組織に接近し、適正捜査を守っての犯罪者との闘いでは様々な困難な局面に当たります。

薬物・銃器事犯は、潜在犯として社会を浸食しており、その捜査には情報が命となります。これまでに私が経験した事例として、薬物の大量密輸や暴力団が管理する武器庫の摘発等がありますが、これらの事件は、情報がなければ犯人検挙につながりません。

薬物・銃器事犯の捜査は奥が深く、捜索現場等での擬律判断も高度なものが求められます。時代の流れとともに日々変化する犯罪情勢に対応できる捜査員の育成を目指し、諸先輩が残した良き伝統・財産を継承しつつ、薬物・銃器事犯の撲滅に向け、自分が得た宝である知識や経験を、若い捜査員に夢を託して伝承指導していきたいと思います。

小野信義 警部補


警察活動の最前線

前の項目に戻る     次の項目に進む