特集:犯罪のグローバル化と警察の取組み 

3 グローバルな国際協力体制の構築

 国際犯罪組織によってグローバルに展開される犯罪に対しては、これを取り締まる側においてもグローバルな包囲網を構築する必要がある。国際組織犯罪のスピード・匿名性・広域性等といった捜査遂行上の壁を乗り越えていくためには、外国治安機関との信頼関係を構築し、迅速かつタイムリーな捜査連携を図っていくことが重要である。我が国と外国治安機関との間での国際捜査担当責任者間の直接連絡・交流の活性化等を通じて、外国治安機関と平素から国際犯罪組織の動向や実態に関する情報の収集・共有に努めるとともに、各国が保有する国際犯罪組織に関する情報を共有するためのコンタクト・ポイント・ネットワークシステム等を導入し、事件発生時においては、リアルタイムな共同オペレーションを実施するなど、捜査協力の高度化を図っていかなければならない。特に、地理的にも経済的にも関係が深く、来日外国人犯罪の国籍・地域別の検挙状況において上位を占める中国及び韓国との協力が重要であることから、中国及び韓国を始めとする東アジアにおける国際連携を強化していく必要がある。

 第3節 今後の展望

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