特集:犯罪のグローバル化と警察の取組み 

3 情報の収集、共有、分析能力の強化

 国際犯罪組織は、世界各地に活動拠点を構築し、構成員を多国籍化させるなど、そのネットワークを拡大・複雑化させていることから、国際犯罪組織の実態を的確に解明するためには、情報の収集、共有及び分析能力を一層強化する必要がある。
 従来、来日外国人犯罪捜査は、罪種によって担当部門が異なり、捜査の過程で得た情報は担当部門ごとに分散して管理されることが多く、組織的に活用されてきたとは言い難い状況にあった。
 そこで、都道府県警察では、戦略プラン等に基づいて設置された、国際犯罪組織に係る情報を収集する実態解明班を中心に、国際犯罪組織の構成員と周辺者とのつながり、犯罪インフラの構築、資金の移転等に係る情報を幅広く収集するとともに、犯罪のグローバル化対策室等において、収集した情報の集約・分析を推進していくこととしている。
 また、警察庁では、犯罪のグローバル化対策室において、都道府県警察が把握した国際犯罪組織に関する情報を一元的に集約し、全国的な関連性について、情報官制度(注)を活用するなどして、部門を越えた分析活動を進めている。また、ICPO又は二国間の捜査共助等を活用するなどして、外国治安機関からの情報収集を行い、国際犯罪組織に関する情報の分析を一層推進している。
 
図-18 情報の収集、共有及び分析能力の強化
図-18 情報の収集、共有及び分析能力の強化

注:より戦略的な組織犯罪対策を講じるために、警視庁及び道府県警察本部に設置された情報官等が、関係する様々な部門が保有する組織犯罪に関する情報を一元的に集約し、分析するとともに、関係部門間における情報の共有化等を図る制度


 第2節 犯罪のグローバル化に対応するための戦略

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