第3章 安全かつ快適な交通の確保 

5 高速道路における交通警察活動

(1)高速道路ネットワークと交通事故の現状
 高速道路(高速自動車国道及び指定自動車専用道路をいう。以下同じ。)は、年々、路線数が増加し、平成21年末には156路線となり、その総延長距離は1万295キロメートルに達している。
 今後は、中央帯により往復の方向別に分離されていない非分離二車線の区間の安全対策や、高速道路料金の改定に伴う交通量の変化等の多様な状況に対応した的確な交通管理が求められる。
 21年中の高速道路における死者数は178人と、16年以降6年連続の減少となった。
 
表3-9 高速道路における交通事故発生件数・死者数・負傷者数の推移(平成12~21年)
表3-9 高速道路における交通事故発生件数・死者数・負傷者数の推移(平成12~21年)
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(2)高速道路における交通の安全と円滑の確保

〔1〕 交通事故分析に基づいた事故防止対策
 警察では、交通事故の発生状況を詳細に分析し、死亡事故等の重大事故発生地点や事故多発地点等について現地点検を道路管理者と共同して実施し、必要な対策を協議、検討するとともに、パトロール等を強化している。
 
共同現地点検の状況
共同現地点検の状況

〔2〕 適正な交通規制の実施と逆走対策の推進
 警察では、交通規制に当たっては、道路構造、気象条件、交通実態、交通事故発生状況等を勘案してその適正を期するとともに、適時、適切な見直しを行っている。
 また、逆走による事故の発生を防止するために、関係機関・団体と協力して逆走の危険性等を周知する啓発活動を行うとともに、高速道路を利用する運転者が逆走場所を視察して発生要因や防止対策を検討するなどの参加・体験・実践型の交通安全教育を行っている。
 
図3-23 高速道路における道路交通法違反の取締り状況(平成21年)
図3-23 高速道路における道路交通法違反の取締り状況(平成21年)
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〔3〕 交通指導取締り
 警察では、著しい速度超過、飲酒運転を始め、車間距離保持義務違反、通行帯違反等の悪質性・危険性の高い違反に重点を置いた取締りに努めている。
 また、関係機関・団体と連携し、シートベルト着用の普及啓発活動を推進するとともに、平成21年中はシートベルト装着義務違反を17万9,869件取り締まった。

コラム4  車間距離保持義務違反の罰則強化

 21年10月、高速自動車国道及び自動車専用道路において車間距離保持義務違反をした運転者に対する罰則を強化する改正道路交通法が施行され、これに伴い、反則金の額及び基礎点数が引上げられた。
 
車間距離保持義務違反罰則強化の内容

 第4節 交通環境の整備

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