2　自転車の安全利用の促進

（1）自転車が関連する交通事故の発生状況
　自転車は、国民の身近な交通手段として、幅広い利用者層に多様な用途で利用されているが、平成21年中の自転車が関連する交通事故件数は15万6,373件と、交通事故件数全体の21.2％を占めている。

（2）自転車通行環境の整備
　警察では、歩行者、自転車等の交通主体が安全に通行でき、かつ、適切に共存できるよう、道路管理者と連携して、自転車専用通行帯の設置、自転車道の整備等、自転車の通行環境の整備を図るとともに、自転車走行空間のネットワーク形成に向けた取組みを推進している。

（3）自転車安全教育の推進
　警察では、地方公共団体、学校、自転車関係事業者等と連携し、「交通の方法に関する教則」や「自転車安全利用五則」を活用するなどして、児童・生徒、高齢者、主婦等の幅広い自転車利用者に対して自転車の通行ルール等の周知を図っている。
　また、学校等と連携して、児童・生徒に対する自転車安全教育を推進しており、スタントマンによる事故の再現や自転車シミュレーターの活用等による参加・体験・実践型の自転車教室を開催するなど、教育内容の充実に努めている。平成21年中、児童・生徒や高齢者等を対象とした自転車教室を全国で約3万1,000回開催し、約337万人が受講した。

（4）自転車利用者の交通違反に対する指導取締りの強化
　自転車指導啓発重点地区・路線^（注）を中心に、自転車利用者の無灯火、二人乗り、信号無視、一時不停止等に対する指導警告を強化するとともに、違反行為により通行車両や歩行者に具体的危険を生じさせたり、指導警告に従わず違反行為を繰り返したりするなどの悪質・危険な交通違反に対しては、交通切符を適用した検挙措置を講ずるなど厳正に対処している。