平成21年警察白書の刊行に当たって  

平成21年警察白書の刊行に当たって

 警察白書は、我が国の警察活動の現況を広く国民の皆様に理解していただくために作成しているものです。
 本年は、「日常生活を脅かす犯罪への取組み」と題する特集を組みました。
 刑法犯認知件数が平成14年をピークに減少を続ける中、近親者の情愛につけ込む振り込め詐欺(恐喝)、商取引に係る知識の格差につけ込む悪質商法、身近な食品・製品等に係る安全・安心を脅かす事犯といった他者への信頼を危うくさせる犯罪が後を絶たず、治安に対する不安が払拭されない要因の一つとなっています。
 そこで、この特集では、振り込め詐欺(恐喝)を中心として、日常生活を送る中で気付かないうちに巻き込まれる危険性の高い身近な犯罪の現状と警察の取組みについて述べるとともに、これらの犯罪が発生しにくい社会をつくるために関係機関・団体と連携しつつ、国民の皆様と協働して取り組むべき課題について記述しました。
 また、特集以外にも特に国民の皆様にお伝えしたい事項をトピックスとして取り上げ、「大規模災害に対する警察の取組み」等、4つの課題について解説しています。
 さらに、最新の治安情勢や治安再生への道筋を確実なものとするための警察活動の現況等について記述するとともに、「警察活動の最前線」では、現場で活躍する警察職員が率直な心情をつづった手記等を掲載しています。
 平成21年警察白書においては、より多くの方々にお読みいただけるよう、図表や写真を多く用いた分かりやすい説明に心掛けました。この白書が、警察行政に対する国民の皆様の御理解を一層深めることに役立ちますとともに、今後の警察活動に対して、多くの御支援、御協力を賜りますことを心から願うものであります。

 平成21年7月

  警察庁長官 安藤隆春

 平成21年警察白書の刊行に当たって

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