地域住民との対話を通じた安全・安心なまちづくり
前 徳島県美馬警察署地域課(現 徳島東警察署地域第二課)
安達 亜子 巡査長
「あなたがいてくれて良かった」
平成20年4月、私は美馬警察署へ異動となりました。当時の私には、早く地域住民からの信頼を得て要望にこたえていかなければならないという焦りがありました。そこで、いろいろと考えた末、当署管内には高齢の農業従事者が多いことから、オートバイでのパトロールを行うだけでなく、田畑の周辺を徒歩でパトロールしながら積極的に声掛けを行うこととしました。
そして、ある日の午後、徒歩でのパトロール中に、畦道を歩く一人の高齢の女性と出会ったのです。
その女性は、私が挨拶をしても上の空で、表情も曇りがちであったため、再度声を掛けたところ、一瞬ハッとした表情になり、私の方を見て、冒頭の言葉をつぶやいたのです。身に覚えのない携帯電話サイトの利用料金を請求するはがきが届き、不安を感じていたものの、わざわざ警察署へ出向いて相談することもためらわれ、また、パトカーやオートバイに乗車した警察官を呼び止めることもできず、独りで悩んでいたのです。
しかし、私が、その相談を受け、振り込め詐欺の手口や被害に遭わないための注意点等を説明したところ、その女性は安心し、その後は晴れ晴れとした表情で地域の実情等について話してくれました。
今、着任当初に感じていた焦りは使命感へと変わっています。今後とも安全・安心なまちづくりに向けて、地域住民との対話を大切にしながら職務に励んでいきたいと思います。
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