第12節 警備実施
(1)警衛・警護警備
〔1〕 警衛警備
警察では、皇室と国民との間の親和に配意した警衛警備を実施し、御身辺の安全確保と歓送迎者の雑踏事故防止を図っている。
平成20年中の国内での主な行幸啓は表4-7、行啓は表4-8のとおりである。
海外へは、皇太子殿下が、2008年(20年)サラゴサ国際博覧会御臨席等のためスペイン(7月)を御訪問になるなど、皇族方が合計5回御訪問又は御旅行になった。
表4-7 天皇皇后両陛下の主な行幸啓(平成20年)
表4-8 皇太子殿下の主な行啓(平成20年)
天皇皇后両陛下のスペイン国王陛下及び王妃陛下御案内に伴う警衛警備
〔2〕 警護警備
警察では、テロ等違法事案の発生が懸念される厳しい警護情勢の下、的確な警護警備諸対策を推進して要人の身辺の安全を確保している。
20年中の首相の主な海外訪問は表4-9、主な外国要人の来日は表4-10のとおりである。
また、国内においては、9月に福田首相の辞任に伴う自由民主党総裁選挙が行われ、石原伸晃氏、小池百合子氏、麻生太郎氏、石破茂氏及び与謝野馨氏が立候補し、全国17か所で街頭演説会を行った。
このほか、7月に北海道洞爺湖サミットが開催されたほか、4月から6月にかけて、全国8か所で関係閣僚会議が、5月に神奈川県横浜市で第4回アフリカ開発会議が、9月に広島県広島市で第7回G8下院議長会議が、12月に福岡県太宰府市で日中韓首脳会議が、それぞれ開催され、国内外から多数の要人が出席した。
日中韓首脳会議
表4-9 首相の主な海外訪問(平成20年)
表4-10 主な外国要人の来日(平成20年)
(2)機動隊の活動
〔1〕 機動隊の種類と機能
都道府県警察には、集団警備力によって有事即応体制を保持する常設部隊として機動隊が設置されているほか、管区機動隊、第二機動隊等が設置されており、また、各種警察事案に対応できるよう機能別部隊が編成されている。
図4-17 機動隊の概要
機動隊訓練
レスキュー訓練
〔2〕 機動隊の任務と活動
機動隊は、危機管理のための集団警備力の中核として、各種の警備に当たっている。また、機能別部隊は、その専門能力をいかした人命救助活動や捜査活動等に従事している。
図4-18 機動隊の活動
(3)雑踏警備
警察では、祭礼等の行事に際して多数の人が集まることにより事故が発生するおそれがある場合には、雑踏事故の未然防止を図るため、あらかじめ、行事の主催者や施設の管理者に対して必要な安全対策をとるよう要請しているほか、警察部隊の投入が必要と判断される場合には、所要の雑踏警備を行っている。
また、平成13年7月に兵庫県明石市で発生した雑踏事故の教訓を踏まえ、雑踏事故対策に当たり遵守すべき基本的事項の再徹底や雑踏事故防止のための体制の確立に努めている。
図4-19 雑踏警備の流れ
表4-11 雑踏警備実施状況の推移(平成16~20年)