第3章 安全かつ快適な交通の確保 

第9節 道路交通環境の整備による歩行者等の安全通行の確保

(1)歩行者等の安全通行の確保
 我が国では、全交通事故死者のうち歩行中・自転車乗用中の死者の占める割合が、欧米諸国と比べて著しく高くなっており、歩行者・自転車利用者の交通事故防止対策が重要な課題となっている。

〔1〕 あんしん歩行エリアの整備
 警察では、道路管理者と協力して、徒歩や自転車で通学する児童や生徒の多い地域、高齢者や障害者が利用する施設の周辺地域、歩行者でにぎわう商店街がある地域等のうち、歩行者・自転車利用者の安全な通行を確保するため緊急に対策が必要な地区を「あんしん歩行エリア」に指定し、通過交通量の減少や走行速度の低下等を目的とした交通規制を行ったり、高齢者、障害者等が利用しやすい信号機、道路標識・道路標示を整備したりするなど、地域の特性に着目した交通安全対策を実施している。
 
図3-20 あんしん歩行エリアの整備イメージ
図3-20 あんしん歩行エリアの整備イメージ

〔2〕 バリアフリー対応型信号機等の整備の推進
 警察では、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づき、高齢者、障害者等が道路を安全に横断できるように、音響により信号表示の状況を知らせる音響式信号機、信号表示面に青時間までの待ち時間及び青時間の残り時間を表示する経過時間表示機能付き歩行者用灯器等のバリアフリー対応型信号機の整備を推進するほか、道路標識・道路標示を見やすく分かりやすいものとするため、標示板を大きくする、自動車の前照灯の光に反射しやすい素材を用いるなどの対策を講じている。
 
図3-21 警察による交通安全施設のバリアフリー化の実施例
図3-21 警察による交通安全施設のバリアフリー化の実施例

 第9節 道路交通環境の整備による歩行者等の安全通行の確保

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