第3章 安全かつ快適な交通の確保 

第2節 飲酒運転の根絶に向けた警察の取組み

(1)飲酒運転による交通事故の発生状況
 平成18年8月に福岡県で発生した幼児3人が死亡する交通事故等を契機として国民の飲酒運転根絶機運が高まり、警察における取締りの強化等の諸対策が講じられたり、19年9月から飲酒運転及びこれを助長する行為に対する罰則が強化されたりしたことなどにより、20年中の飲酒運転による交通事故は前年より減少した。
 しかしながら、飲酒運転はいまだに後を絶たない状況にあり、警察では、飲酒運転の根絶に向け、更に取組みを強化している。
 
図3-7 飲酒事故件数・飲酒死亡事故件数の推移(平成11~20年)
図3-7 飲酒事故件数・飲酒死亡事故件数の推移(平成11~20年)
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(2)「飲酒運転を許さない社会環境づくり」の取組み
 警察では、平成20年10月に「全国一斉飲酒運転根絶キャンペーン」を展開するなど、飲酒運転の危険性や飲酒運転による交通事故の実態について積極的に広報するほか、飲酒運転の危険性の理解を促進するため、運転シミュレーターや「飲酒体験ゴーグル」を活用した参加・体験・実践型の交通安全教育を推進している。
 また、酒類の製造・販売業者、酒類提供飲食店等の関係業界に対して飲酒運転を抑止するための対策への協力を要請するほか、(財)全日本交通安全協会等が推進している「ハンドルキーパー運動」(注)への参加を広く国民に呼び掛けるなど、民間団体等と連携して「飲酒運転を許さない社会環境づくり」に取り組んでいる。

注:自動車によりグループで酒類提供飲食店に来たときには、その飲食店の協力を得て、グループ内で酒を飲まず、ほかの者を安全に自宅まで送る者(ハンドルキーパー)を決め、飲酒運転を根絶しようという運動

 
酒類提供飲食店に対する働き掛け
写真 酒類提供飲食店に対する働き掛け
 
ハンドルキーパー運動ロゴマーク
写真 ハンドルキーパー運動ロゴマーク

(3)飲酒運転の取締りの強化
 飲酒運転の根絶に向け、警察では引き続き厳正な取締りを推進している。また、飲酒運転を検挙した際は、運転者の捜査にとどまることなく、車両等の使用者、飲酒場所、同乗者、飲酒の同席者等に対する的確な捜査を行い、車両等提供、酒類提供及び要求・依頼しての同乗に対する罰則規定の適用を推進するとともに、教唆・幇助行為についても積極的に検挙している。
 
飲酒検問の状況
写真 飲酒検問の状況
 
表3-1 飲酒運転の取締り件数(平成20年)
表3-1 飲酒運転の取締り件数(平成20年)
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 第2節 飲酒運転の根絶に向けた警察の取組み

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