トピックス 

トピックスII インターネット上の違法情報・有害情報に対する警察の取組み

 フィルタリング・ソフト及びサービスの導入や違法情報・有害情報のインターネット・ホットラインセンターへの通報等を積極的に行って、違法情報・有害情報のないインターネット社会を目指しましょう。

 インターネットは、国民生活の利便性を向上させ、社会・経済の根幹を支えるインフラとなっていますが、インターネット上にはわいせつ画像、規制薬物広告等の違法情報・有害情報が氾濫し、これがインターネット上の安全・安心を脅かし、時には犯罪の引き金にもなっています。警察では、サイバーパトロール等を通じ、インターネット上の違法情報・有害情報の把握を進め、違法行為の取締りを進めるとともに、関係機関と連携して違法情報等の削除や違法情報等による被害防止のための国民への啓発に努めています。

(1)インターネット上の違法情報・有害情報の現状
〔1〕 違法情報
 インターネット上には、児童ポルノ画像、わいせつ画像、覚せい剤等規制薬物の販売に関する情報、口座売買等を勧誘・誘引する情報等、インターネット上に掲載すること自体違法となる情報を掲載するウェブサイトや電子掲示板が多数存在し、だれもがアクセスできる状態に置かれています。
 
 インターネット上の違法情報の例(イメージ)
インターネット上の違法情報の例(イメージ)

〔2〕 有害情報
 インターネット上には、殺人等の違法行為を請負・仲介・誘引する情報や集団自殺の呼び掛け等の人を自殺に勧誘・誘引する情報等、それ自体では違法情報には該当しないものの、犯罪や事件を誘発するおそれがあるなど公共の安全と秩序の維持の観点から放置することのできない有害情報が溢れており、有害情報に起因する凶悪事件も発生しています。
 硫化水素ガスを用いた自殺に伴い、近隣の住民等にまで被害を及ぼす事案が発生したことから、警察庁では、インターネット上での硫化水素ガスの製造を誘引する情報についても有害情報に該当するものとして、プロバイダ等に対して削除等の措置を依頼するよう都道府県警察及びインターネット・ホットラインセンターに指示しています。

事例

 会社員の男(30)は、「闇の職業安定所」と称するウェブサイトに「女を一緒に拉致しませんか」等と書き込んで共犯者を募集し、募集に応じた3人と共謀して、元交際相手の女性とその母親を拉致した上、監禁した。平成19年5月までに逮捕監禁罪で逮捕した(千葉)。

(2)インターネット上の違法情報・有害情報対策
〔1〕 インターネット・ホットラインセンターの運用
 平成18年6月、警察庁ではインターネット上における違法情報や有害情報に関する通報を受理し、警察への通報やプロバイダへの削除依頼を行うホットライン業務を民間に委託しました。委託を受けた団体では、インターネット・ホットラインセンター(http://www.internethotline.jp/)として19年中に84,964件の通報を受理し、プロバイダ等に対して7,231件の削除依頼を行い、このうち5,962件(82.5%)が削除されました。警察庁では国民による同センターの活用を更に促進するとともに、同センターの体制の強化をすることとしています。
〔2〕 サイバーパトロールの実施
 警察では、これまでウェブサイトや電子掲示板等を閲覧して違法情報や有害情報の有無を調査するサイバーパトロールを実施してきましたが、増加するサイバー犯罪の事件処理や相談業務の十全を期するため、これに加え、20年10月よりサイバーパトロール業務を民間に委託することとしています。
 
 図II-1 インターネット・ホットラインセンターの概要
図II-1 インターネット・ホットラインセンターの概要

〔3〕 広報啓発活動
 都道府県警察では、少年等を対象とする講演等を通じ、インターネット上の違法情報・有害情報についての危険性や被害防止方法を周知するとともに、フィルタリング・ソフト又はサービス(注)の導入を勧めるなどの広報啓発活動に取り組んでいます。また、19年6月からは、違法情報を掲載したことにより摘発されたウェブサイトに警告文を表示し、違法情報にアクセスしようとする者に対する広報啓発活動にも取り組んでいます。

注:ウェブサイト上の違法情報・有害情報へのアクセスを制御するために、受信者側でこれらの情報を受信するかどうかを選択できるソフトウェア又はサービス

 
 啓発ポスター
啓発ポスター
 
 警告サイト(イメージ)
警告サイト(イメージ)

(3)出会い系サイト規制法の改正
 出会い系サイトの利用に起因する犯罪の被害児童数は、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(以下「出会い系サイト規制法」といいます。)が制定された平成15年以降、いったん減少したものの、依然として児童の犯罪被害は深刻な状況にあります。
 そこで、警察庁は、出会い系サイト規制法の改正案を20年の第169回国会に提出しました(同年5月に可決・成立)。
 一部改正法には、出会い系サイト事業者に対する届出制の導入等の規制の強化が行われる一方、児童による出会い系サイトの利用を防止するための民間活動の促進に関する規定が盛り込まれています。
 
 図II-2 改正の概要
図II-2 改正の概要

 2 インターネット上の違法情報・有害情報に対する警察の取組み

前の項目に戻る     次の項目に進む