特集:変革を続ける刑事警察 

1 科学技術を活用した犯罪捜査の更なる推進

 犯罪の悪質・巧妙化、交通手段や通信手段の発達、社会の匿名化の進展等により、犯罪と犯人とを結び付けるこん跡の確保が困難となっている。こうした中、DNA型鑑定は、個人の識別精度が極めて高いこと、DNA型資料が指掌紋と比べて現場に残りやすいことなどから、極めて有効な捜査手法である。DNA型鑑定で得られた結果がDNA型記録検索システムに登録され、他のDNA型記録と照合されることにより、従来の捜査手法では解決が困難であった過去の事件や遠隔地の事件が劇的に解決することもあることから、今後も、幅広い罪種の事件においてDNA型鑑定を積極的に実施し、犯罪捜査への活用を図るとともに、DNA型記録検索システムのデータベースを充実させることが必要である。
 
 DNA型鑑定の実施状況
DNA型鑑定の実施状況

 また、犯罪現場等に残された薬・毒物、繊維、塗膜片等の鑑定の高度化、標準化を図り、犯罪捜査への活用を一層推進することも必要である。さらに、防犯カメラが撮影した画像から被疑者を特定するため、三次元顔画像識別システムの一層の活用を図るとともに、別に取得した被疑者の三次元顔画像の全国規模での三次元顔画像データベースを作成して、必要に応じて顔画像の検索・照合が可能となるシステムの構築の研究を一層進める必要がある。

 第4節 今後の展望

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