第9節 交通指導取締り
(1)悪質性、危険性、迷惑性の高い運転行為への対策の強化
警察では、機動的な交通街頭活動を推進し、違法行為の未然防止に努めるとともに、無免許運転、飲酒運転、著しい速度超過、信号無視等交通事故に直結する悪質性・危険性の高い違反及び迷惑性が高く住民からの取締り要望の多い違反に重点を置いた取締りに努めている。
平成19年中は、782万9,503件(注1)の道路交通法違反を取り締まった。
図3-18 主な道路交通法違反の取締り状況(平成19年)
白バイの活動
(2)使用者等の背後責任追及等
事業活動に関して行われた過労運転、過積載運転、放置駐車、最高速度等の違反やこれらに起因する事故事件について、運転者の取締りにとどまらず、使用者に対する指示や自動車の使用制限命令を行っているほか、これらの行為を下命・容認していた使用者等(注2)を検挙するなど、その背後責任の追及に努めている。
また、タクシーやトラック等の事業用自動車の運転者が、その業務に関して行った道路交通法等に違反する行為については、運輸支局等に通知し、所要の行政処分等を促し、事業用自動車による交通事故防止に努めている。
さらに、自動車メーカー等による車両の不正改造等、企業による交通の安全性を脅かす犯罪に対しても、取締りを推進している。
事例
居眠り運転により、事業用大型乗用自動車(大型観光バス)が道路左側のコンクリート工作物等に衝突するなどして、1人が死亡し、25人が負傷した交通事故を端緒として、この大型観光バスの運転者の過労運転を下命していた観光バス会社の社長(40)等を、平成19年6月までに、道路交通法違反(過労運転容認)で検挙した(大阪)。
大型観光バスの交通事故現場
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