第3章 安全かつ快適な交通の確保 

第7節 安全・安心な交通環境の整備

(1)交通管制システムの整備
 都市部では、道路交通が複雑・過密化し、交通渋滞、交通公害及び交通事故の一因となっている。
 警察では、交通管制システムにより、車両感知器等で収集した交通量や走行速度等のデータを分析し、その分析結果に基づき信号機の制御や交通情報の提供を行うことにより、交通の流れの整序化に努めている。
 具体的には、
 ・ 交通状況に即応した信号機の制御による交通の円滑化
 ・ きめ細かな交通情報の提供による交通流・交通量の誘導及び分散
 ・ バス優先の信号制御によるマイカーの需要の低減と交通総量の抑制
等の対策を講じ、複雑・過密化した交通を効率的かつ安全に管理して交通の安全と円滑の確保に努めている。
 
 図3-13 交通管制システム
図3-13 交通管制システム

(2)警察による交通情報提供
 警察では、交通管制システムにより収集・分析したデータを交通情報として広く提供し、運転者が混雑の状況や所要時間を的確に把握して安全かつ快適に運転できるようにすることにより、交通の流れを分散させ、交通渋滞や交通公害の緩和を促進している。
 情報提供の手段として、交通情報板等のほか、VICS(道路交通情報通信システム)を活用している。VICSは、光ビーコン等を通じて車載のカーナビゲーション装置に対して交通情報を提供するシステムで、時々刻々変動する道路交通の状況を地図画面上にリアルタイムで表示することができる。
 また、関係団体の協力の下、警察の保有するリアルタイムの交通情報をオンラインで供与するシステムを構築するなどして、カーナビゲーション装置のほか、携帯電話やインターネットを活用して交通情報を提供する民間事業の高度化を支援するとともに、交通情報の提供に関する指針を定め、こうした事業が交通の安全と円滑に資するものとなるよう働き掛けをしている。
 
 VICS対応型カーナビゲーション装置の画面表示
VICS対応型カーナビゲーション装置の画面表示1

(3)交通管理等による環境対策
〔1〕 環境対策のための交通規制
 警察では、道路交通騒音対策及び振動対策の観点から、通過車両の走行速度を低下させてエンジン音や振動を低く抑えるための最高速度規制、エンジン音や振動の大きい大型車を沿道から遠ざけるための中央寄り車線規制等の対策を、沿道地域の交通公害の状況や道路交通の実態に応じて実施している。
 
 大型貨物車の中央寄り車線規制
大型貨物車の中央寄り車線規制

〔2〕 エコドライブの推進
 「環境負荷の軽減に配慮した自動車の使用(エコドライブ)」は、環境保全効果があるとともに、交通事故防止にも一定の効果が期待されることから、警察では、平成18年10月に警察庁を含む関係4省庁で構成するエコドライブ普及連絡会において策定した「エコドライブ10のすすめ」を用いて、エコドライブの普及促進に努めている。
 
エコドライブ10のすすめ

 第7節 安全・安心な交通環境の整備

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